小太郎「密書？」わんっ
挿音「おう。忍あるあるの仕事だよなー。」巻物すちゃっ。
粋「へー。んで？ んな物俺等に見せびらかせて良いのかよ？」
挿音「あ、いや見せびらかせるっつか
代わりに届けてくんね？」真顔。
粋「お前 密書の密の意味解ってる？」
挿音「だってよー
最近入った新人がマジで覚え悪いんだよ。
マジで本気で叩き上げねえと 忍軍はある程度基礎叩きこ込んだら後は実戦で強くなれ
生きたきゃ気合いで生き残れだもんよー」けっ
彬羽「成る程 忍頭直々に稽古でも着けないとヤバいのが居るって事か。」ふむ。
挿音「て、事でお前らが断ったら前科者とは言え 助かる命が無惨に消え行くワケだけどよ？
その辺踏まえてどうよ？」
粋「Σ俺等のせいなのそれ！？」えええっ
白「あ。良いぞ 暇だし」あっさり。
彬羽「方向音痴が使い出来ねえだろ「お前等がやるんだぞ」即答っ
テオドール「Σだああ御二人共！ こんな所で喧嘩しないで下さいませ！」ひいっ
彬羽「Σハナから丸投げする気満々とは良い度胸だ馬鹿大将！！」うがあっ！
白「お前等なら簡単なんだから別に良いだろ
それに
忍軍の奴のほとんどは前科有りで他に仕事無いから入ってるんだぞ
前科有りで俺の副官やるしか選択肢無かったお前が同じ立場の奴見捨てるのか？」
彬羽「Σう」ぎくうっ
テオドール「選択肢無かったので御座いますか？」おや。
粋「うん。 まあその カラスの里でテロ起こしてるからその、里的には普通に死罪だったんだよな。
でも事情とか踏まえてさすがにそれはって魄哉が拉致ったは良いけど カラス達からはやっぱ反感買うだろ？
で、コイツ頭良いから俺が脳ミソ買い取るとかって総大将のゴリ押しである意味無罪放免？」えーと。
挿音「カラスの連中も こいつの副官とかどんな刑罰よりキッツいわって納得したんだろうな」キセルすぱーっ
テオドール「命が助かって良かったでは御座いませんか」のほほーん。
彬羽「胃袋は常に瀕死だがな。」けっ
挿音「ま、ボスが引き受けるってのなら 下は逆らえねーよな。
じゃ頼むわ ちょちょっと指定の長崎の船着場まで届けてくれりゃ良いからよ」地図渡しっ
粋「Σ長崎いい！？」はいいっ
テオドール「何処で御座いますか？」はて？
彬羽「Σお前それ国内とは言え海越えなきゃならねえだろが！！」
挿音「おう。 だから妖怪のお前らに頼んでんだよ
俺等人間だと何日かかるか解らねえもんよ」しれっ
白「じゃ朧車かな？」えーと。
テオドール「彬羽さん カラス天狗ですし飛べばよろしいのでは？」
彬羽「今現在上空の天気が不安定だ
下手に飛ぶと突風で叩き落とされる」真顔。
粋「マジでか。 うわ、どうすんだよ」ひええっ
白「いっそお前が背中にしょって走って泳いで更に走るとか。」
粋「ピンポイントになんで俺？」
彬羽「いや無理だろ
コイツのここぞと言う時に貧乏クジ引く体質じゃ 足がつるとかクジラに食われるとか何なり有るだろこんなもん。」
粋「Σうおお洒落になんねえ！」ひいっ
テオドール「無いと言い切れないのが素晴らしゅう御座いますねえ」うわあ。
白「仕方ない 九尾。」
九尾「はいはーい！久しぶりのお呼び出しじゃあっ」どすんっ
テオドール「あ。成る程に御座います」おおっ
粋「え？確かに九尾も飛べるけどさ
今日って飛んだらヤバいんじゃねえの？」
九尾「甘いの。高さが違うのじゃ
鳥は上昇気流に乗らねば遠くまで飛べぬが
わちなら地上のすこうし上を走っておる様な物じゃからの。」
彬羽「成る程。そこそこ低く飛べるわけか
ん？なんで最初からコイツを呼ばなかった？」
白「京くらいまでならセーフだけど
遠出となると コイツ俺が居ないと途中で飽きて振り落としそうだし」
九尾「さすがはだーりん。解っておるわ」いやんっ
粋「Σ本当に綺麗サッパリ丸投げする気だったのかよ！！」
白「正直面倒くさいし
あ、長崎って甘いもの有るんだっけ？」わくわくっ
九尾「かすていらじゃな」
白「よし行くぞ」きりっ
テオドール「あのこれって。」
彬羽「どっちみち 着いてかねえと迷子になるパターンだろうな」げんなりっ
挿音「よっしゃ 行けそうだな
んじゃマジで頼んだわ。
それと道中と向こうに着いてから なんなと襲撃有るとは思うけどお前等がなら問題ねえだろ 頼んだぞー」
粋「Σいや情報漏れてんのかよ！ ってもう居ねえ！！」うわっ
テオドール「Σさすが忍 逃げ足早い！！」ひいっ
白「このメンツで負けるわけないし 問題無いだろ」
彬羽「だな。 お前はとにかくうっかり密書燃やさねえ様にな。」一抹の不安っ
間。
【長崎 某森の中】
九尾「さあて。わちが乗っけて行けるのもこの辺までじゃの」よいせっと。
テオドール「？ 何ぞ問題が御座いますので？」
九尾「いやわち 巨大な狐ぞ？
森とか山とか 此処まで人目の少ない所通っとったが 此処から先は人多くて大騒ぎになるわ」むう。
粋「あー。お前昔はしゃいでて有名だしなあ」
九尾「玉藻の前は昔話で残ってもうたからのー。
地元の陰陽師にでも見付かったらややこしわ」うーん。
白「じゃ 此処から歩きか」ふむ。
彬羽「だな、そこそこ距離は有るが 行って戻ってくるだけなら夕方までには帰れる か」地図がささっ
白「よし。じゃあ ダルいけど頑張るか。
あ、かすていらって何処で
彬羽「帰りまで待て。「ちっ」
がさっ。
一同「Σ！」
忍軍団「密書をこちらに寄越せえええ！！」ざざざざざっ
テオドール「Σうわ襲撃はやっ！」
九尾「しゃあっ！！」威嚇っ
忍軍団「Σうおお何じゃこのでかい狐！！」びくっ
粋「いや 九尾ずっと居たよな？」あれ？
彬羽「密書に執着し過ぎて 周り見えて無いんじゃねえのか？」
テオドール「忍とは冷静さを欠いては勤まらぬと聞いたので御座いますが」ええー。
白「そっか。コレそんなに重要な物なのか」密書ちらっ
忍「Σおお！そこに有ったか！」おおおっ
白「誰かパス。」
真上にぽいっ！
粋「Σえ。 ちょ せめて指名して！！」わたわたっ
テオドール「Σぎゃー忍の皆さん突進して来る！！」ひいいっ
ぱしっ！
粋「よし！取っ
地面ドゴめしゃああっ！！
粋「Σっぎゃーっ！！！」
白「お。やった
集まって来る所一気に叩けば早いよな」ひょこっ
九尾「だーりん わちの身を護ってくれるとは」感動っ
白「うん。結構重い」狐おぶりっ
九尾「Σぐはっ」
テオドール「申し訳御座いません
私もついでにおぶられております。」九尾の尻尾に埋もれっ
彬羽「すまん。地面叩き割れば石つぶてで一斉攻撃出来るかと」真顔。
粋「Σ怖えよ馬鹿力！ つか俺は避難無し！？」ボロッ
白「だって 密書拾う奴居ないと
大事なんだろ？」
粋「Σ鬼ーーっ！！」
間。
九尾(人型)「なんじゃ 夕方には戻れるとか言っておったのにのー」うんざりっ
白「めちゃめちゃ襲撃されて思ったより時間かかったな。」うーん。
彬羽「おい。毎度コイツ囮やら何やらにしてるんでそろそろヤバそうだが？」
粋「兄貴の馬鹿野郎おおおっ」ずたぼろっ
テオドール「相手は人間だと甘く見ておりましたねえ
数の暴力えげつのう御座います」むう。
九尾(人型)「お主は毎度こちらの数に入らんしな」
テオドール「Σう。
いつもの感じで着いてきてしまいましたがその
私、戦闘力ゼロに御座いますのでっ」
粋「いやいやいやいや お前が毎度絶叫してんの見ると あ、辛いの俺だけじゃねえんだって気になるから 役にたってるたってる」ふふふふっ
テオドール「Σマジで御座いますかあっ！！」おおっ
彬羽「そろそろ本気でヤバイぞ。
いい加減他の手を使わんと弟のメンタル壊れるぞ」うわ。
白「だな。
ちょうど夜だし」ふむ。
彬羽「ん？」
九尾「とか言っておったら もうすぐ件の場所と言うのに
しつこいのう」ちっ
テオドール「Σまたに御座いますか！？」うわっ
九尾「しゃーない。暗くなったし人はおらん ちと暴れるか。
うっかり食ったらすまんの」
粋「Σいや最後の一言！！」ひいっ
白「いや九尾はそのまんまで良い。
て、事で頑張れ テオ」
彬羽「すまん。」番傘取り上げっ
テオドール「Σへ？」
粋「Σえ。何で日除け取って Σあ！月！？ 」はっ
九尾「成る程 よく見たら今日は満月じゃの」ほう。
粋「え？え？ 確かテオって月の光か満月の夜っていつもより食欲沸くとか
両方だとどうなんの？」嫌な予感っ
忍軍団「もう逃がさぬぞ！ さあ此方に密書を
Σえ」
テオドール「あなた方の血は美味しゅう御座いますか？」ふふふふふふっ
忍軍団(Σ本能がアカン奴やって言ってるー！！)ひいいっ
白「言ってもテオだから 喧嘩めちゃめちゃ弱いけどな」うん。
彬羽「相手の注意反らせりゃ上等だ
時間もねえしハリボテとバレる前に叩けばよし。」すたすたっ
九尾「あんだけ捕食者オーラ出しといて弱いのか」うーん。
粋「Σあ。カラス酷え。 金縛り状態の問答無用で殴り倒してる」
九尾「あやつも大概酷いのう」
テオドール「そこまで怖がらなくても良う御座いますのに
満月モロでもその日の体調で結構堪えられますし。
あ、今回は自我が御座いますので 噛んだりしませんので御安心を
Σって変わり身の術！！」
地蔵っ。
粋「うん。今度こそ噛まれると思ったんだな 兄貴」ああうん。
九尾「傘取り上げてからヤバッとか思ったんじゃろうなー」あーあ。
彬羽「ん？
おい。変わり身は良いが 本人何処行った？」きょろっ
九尾「ほえ？
ありゃ だーりん見当たらんのう。噛まれるのが嫌で遠くまで避難したかの？」おんや。
テオドール「Σ私そこまで信用されておられないので御座いますか！？」えええっ
九尾「そら信用出来んじゃろ。
お前満月でなくても事ある毎に血くれ言うとるからの」きっぱり。
粋「え？あれ？ マジで見当たらないんだけど
まさか コレって」血の気さーっ
一同(迷子だ。)うっわあ
ーーーーーーーーーー
【海沿いの道 (来た所逆走中)】
白「困ったな。 どっちから来たっけ？」はて？
忍A(おおっ！ 散々やられたが 密書を持つ奴が1人になったぞ！)おおおっ
忍B(いや待て！何かの罠かもしれん
同胞達は毎度ホイホイ出ていって即座に殲滅食らっておったろうが)
忍C(いやしかし
暴れておったのは他の奴等で あの白いのは本当に全く何もしとらんかったぞ？)
忍B(Σ確かに！)はっ
忍A(幸い此処は見通しも良い 他の奴等が潜んで居れば解るわっ
おそらくアレもモノノケの類いで有ろうが 数で一気に仕留めてしまえば問題等無し！)
忍B(うむ。では行くか！！) くわっ
白「加減出来ないから 先に言っとくごめんな。」
忍C「Σやっぱアカン奴だったー！！！」ひいいっ
粋「あ。火柱」うわ。
テオドール「解り易う御座いますね！」おおっ
彬羽「あいつが1人の時に襲撃するとは 気の毒な」ため息っ
白(けど、コレ
そんな欲しがる様な何書いてるんだろ) 好奇心むくむくっ
九尾「だーりん 探したぞえー
1人でウロチョロして帰れなくなったら大変
Σ何で密書開けとるんじゃ！？」ええっ
白「よく考たら 中見ちゃいけないって言われてないなって」
粋「Σ普通に考えて届ける密書開けねえだろ！！」
白「そもそも密書って何だ？」はて。
粋「Σうおおこういう兄貴だったあ！！」ちくしょおおっ
彬羽「見るも何も そもそも手前は字読めないだろうが
さっさと仕舞え馬鹿野郎。」
白「だな。何書いてるのか全然解らないし
後で挿音に教えて貰お
いたずらな風びゅおっ！！
密書びゅわっ！
一同「Σぎゃーーーーっ！！！」
白「Σあ。そっか
昼から上の方は風強かったな」はっ
彬羽「Σ今更いらんフラグ回収するな！
何処だ！何処飛んでった！？」
粋「えっと 向こうの方向？ だああ暗い捜せねえよおおっ！！」ひいいっ
テオドール「夜目でしたら利きます
向こうの方向に御座いますね！
Σあーっ！！」
砂で滑って普通に転倒っ
灰ざらあっ。
九尾「あ。砂と混ざった」あちゃー。
白「よし。テオは頼んだ 俺が捜して来
彬羽「Σ手前はまた迷子になるだろ！ 大人しく砂と灰選別してろ！！」
忍E(何もしてないのに密書 飛んできちゃった。)木の影どきどきっ
九尾「ふむ、密書と言っても所詮は紙と墨。
墨の匂いを捜せば良いのじゃな？」ふんふんっ
粋「お！さすが狐っ」
九尾「ふむふむ。 あ、ひょっとしてあれを書いたのはいつもの生臭坊主かの？」
彬羽「ん？ そこは聞いとらんが
その可能性は高いだろうな」
九尾「成る程 ほんのり線香のにおいも漂っとるわ」ほうほうっ
忍E(Σえ！何あの女 クンクンしながら一直線に此方に来る！！)えええっ
九尾「んー。こっちかのう？ 海風と新緑のにおいがキツくてちと解りにくいのー」くんくんっ
忍E(いかん このままでは見付かる！
待てよ奴等はこの密書を我が手にした事は気がついておるまい
ならば中を見て覚え 密書のみを此処に置き何事も無かったかの様に立ち去ればっ)
密書びらっ！
忍E(Σいや何語ーーーっ！！！)
びっしり謎の文字の羅列っ
忍E(え？え？何これ暗号？
さっきの白いのも言ってたがそりゃ読めんわ！！ どうすんだこれっ)えええっ
九尾「おやおや。ホントにそれをどうする気かえ？」頭がしっ
忍E「Σうおお口に出してたああ！！」ひいいっ
九尾「墨のにおいが解るのに 人のにおいが解らんワケなかろ？
さあて。頭からぼりぼり食ってやろうかのう？」くすくすっ
忍E「Σぎゃああああ！！」ひいいっ
粋「遊んでんな」うわ。
彬羽「調度良い 徳川の方に突き出すのに刺客の1人も話せる状態で捕まえとくかと思ってた所だ」
九尾「はあいだーりん 密書取り返したぞえ
褒めて褒めてっ」きゃっ
白「うん、偉い偉い」よーしよしよしっ
九尾「きゃー褒められたー！！」月に向かってコーン！
テオドール「(完全に動物扱いですがよろしいのですね。)
うわ。また密書ビラビラに御座いますね。
綺麗に巻きませんと ん？」
粋「ん？どしたー？」
テオドール「あーこれは
成る程。特に見るなと言われなかったの解った気が致します」
粋「へ？」
テオドール「私の母国の文字に御座いますね。」
彬羽「Σ成る程 ドイツ語か！」
粋「うっわ！そんなん読めるのテオとカラスくらいじゃね！？」えええっ
テオドール「後 飛天さんもで御座いますね
これだけ長文を読めるのは今の日本にはそれくらいかと。」
白「ん？バカラスやテオが読めるのに なんで注意されなかったんだ？」
彬羽「そりゃ俺等は密書なんて開封せんからな。」きっぱり
九尾「何でもええわ。さあ早く届けてだーりんと夜中の洋菓子デートするんじゃー」べったりっ
忍E(大変なのに喧嘩売ってしまった)スマキでしくしくっ
ーーーーーーーーーーーーー
魄哉「密書 無事届きましたかねえ」うーん。
家康「つまりはドイツの人と個人的な御手紙だよね？
いったい何書いてたの？」
魄哉「いえそれが
何か表沙汰にしたくない黒い取引だと思われてるぽく大事になってますが その
ぶっちゃけ。昔馴染みへの個人的な御手紙なんですよねえ」うーん。
家康「どゆこと？」へ？
魄哉「今度 シンデレラ系王妃になる事が決まったアリシアさんが
その、昔のよしみで王宮風のお茶会の作法を教えてくれないかと」
家康「Σいや誰アリシアさん！何処で引っかけたの！！」えええっ
魄哉「Σ引っかけてません！町の片隅で路銀の足しにと仕立て屋の助手バイトしてた時の友人です！」
家康「えっと。えー つまりその
お前があちこちの国の上流階級に紛れ込んでて詳しいから 嫁入り前に色いろ教えて欲しいって事？」ええー。
魄哉「ですね。
しかし僕も一応男なんで表立ってあれやこれやしたら 嫁入り前のエレノアさんに要らん嫌疑がかけられかねません
よって。コレです」ため息っ
テオドール(美味しいお茶の淹れ方は 日本ではトップシークレットなので御座いますかねえ？) うーん。
白「テオ 帰るぞー。」お土産山盛りっ
粋「あーやっと帰れる帰れるっ！
大変だったけど密書かあ 俺等凄い仕事したなっ！」達成感っ
