小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月18日






小太郎「へ?名字?」わおんっ

テオドール「で、御座います
こちらの書類に姓と名と簡単で良いので住所書けと言われたのですが
私血族から外れた吸血鬼故、名字とか無いので御座います」困惑っ

小太郎「あ、そっか
えーと、確かそう言う時って皆どうしてたっけな
ほら、俺 犬だからそんなの要らないし」わおんっ

テオドール「・・あー。」納得。


小太郎「あ、白は名字どうしてたっけ?
ほら 役者業であちこち行くだろ? 場所に寄っては手続き要るよな?」わんわんっ



白「えーと。そう言う時は
ここの奴等は挿音の実家の斎藤家の名前使ってる」

テオドール「Σまさかの皆さん揃って斎藤さん!?」 えええっ

白「あいつの実家大名だし
あの斎藤家の親戚ですーで結構何処でも入れるぞ
調べられても 手回ししてくれてるから問題無いし」

小太郎「あーそうそう。俺獣医で斎藤小太郎君って呼ばれてた そういや」わんっ






白「で、そんなの聞いてどうするんだ?」はて。

テオドール「えっと。こちらの申し込み書にフルネームその他書かないと行けないのですが
斎藤とはどの様な字を書くので御座いましょう?」


白「・・平仮名じゃダメなのか?」えーと。

テオドール「申し訳御座いません。 漢字苦手でおられるの忘れておりました」わお。

白「漢字苦手なんじゃない 斎藤ってのがやたら画数多くてややこしいんだ
俺が馬鹿なんじゃない」真顔っ


小太郎(斎藤テオドール
うん。田中とかよりは合ってるのかな?
最早似合うのか似合わないのか解らない世界だな)うーん。



白「そもそも何の申し込みなんだこれ?」

テオドール「牛乳の定期購入の申し込み書に御座います」にこにこっ


白・小太郎「は?」



テオドール「いえその ほら私一応吸血鬼に御座いますし
時折 どうしても動物性の何か液体的な物が欲しくなるので コレなら行けるのではとっ!」くうっ

小太郎「普通はトマトジュースとかじゃないのか?」わおんっ

テオドール「そもそもこの国 トマトもほとんど見ません」



白「代わりになる のかな?」はて。

テオドール「牛乳も元は牛の血液らしいですし 似たような物と思い込んで飲めばワンチャン有るかと。」

小太郎「それでいきなり定期購入か」うーん。


テオドール「継続して必要なら普通に買うより安くつくのだそうです。
そもそもその国 乳牛も見当たりませんし」

白「それで禁断症状おさまらなかったらどうするんだ?」ふむ。




テオドール「健康にはなると思われます。」真顔。

小太郎「そもそも吸血鬼なのに他のが栄養になるのがおかしいけどなお前。」わんっ




白(それで血くれ血くれ言われないなら 代わりに買ってやるかな) ふむ。

小太郎(そもそもテオのバイトの収入で買えるのかなあ) うーん。


白「よし、俺が申し込んでおいてやろう
お前日本語書けないし」

テオドール「Σえ。でも白さんも漢字書けないのでは「平仮名じゃダメって事は無いだろ」

小太郎「まあ 識字率まだそんな高くないけどさ」ええー。




テオドール「し、しかし 私用でその様な事

白「お前1人の問題じゃないからな。」真顔っ

小太郎(補食対象と見られるの ホンっト嫌なんだな
気持ち良いわけないけど) うわあ。



テオドール「さすがは我が主様
お優しいっ」じーん。

小太郎「前々から思ってたけど お前結構お馬鹿だよなあ」わおんっ

テオドール「?
賢いとは思っておりませんが
何かおかしい事申しましたか?」はて?





白(Σあれ コレ何処に何書けば良いんだろ
項目が読めない) はっ


テオドール「では せめてお茶を淹れて参ります。
記入の方 よろしくお願いいたしますっ」ぺこりたたっ






白「バカラス ヘルプ。」

襖がらっ

彬羽「は? 今度はどうした?」

白「申し込み書が読めない」真剣っ

彬羽「Σ何の!?」





粋「兄貴? なんかテオが台所来て 茶漉しで味噌こすなって怒られたんだけど

何?あいつ何はしゃいでんの?」昼ご飯当番っ

彬羽「Σそりゃ怒るだろ!」

粋「は? なんで」えー。




千様「あらあら何の騒ぎー?」ひょこっ

白「うわ。集まって来た」うわー。


家康「ん? 何々?知られたくない事かな?」

白「テオに申し込み書の代筆頼まれたんだけど
申し込み書が読めないから何処に書けば良いか解らない」むすーっ

千様「ちょっと意地張ってる所ごめんね。
素直に言える良い子だわと思ったわ」ああうん




彬羽「申し込み? 何の?」

白「牛乳。」

彬羽「Σは?」



粋「何 あいつ牛乳好きなの?

どれどれ?
Σえ。ちょ コレダメだろ!」

白「へ?」




彬羽「ああこりゃ値段設定がおかしいな
いかにレア物とは言え 普通に単品買った方が数段安くつくな」ふむ。

小太郎「Σえ そうなのか!?」

彬羽「こちとら割烹勤務だぞ
仕入れもやるしな。物の値段くらい把握済みだ」



粋「そもそもこれさ。
がっつり漢字で書いてる時点で そこそこ金持ってる奴向けじゃね?
一般人でこんな読み書き出来るのまだまだ少ないって」

千様「あら? でも粋君は普通に読み書き出来るわよね?」

粋「俺は兄貴の付き人してんだもんよ
代わりに読み書き出来ねえといけねえだろ? そこは頑張ったんだよ」

小太郎「お前ホント 時々根性凄いよな」うわあ。

家康「そもそも名字有るのって武家とか一定の身分以上だからねえ
ま、金持ちターゲットにはしてるよね」うん。



白「じゃテオは金持ちだと思われたのか?」

彬羽「というよりこの国の金の価値の解ってない外国人って事でカモられたんだろ

ほれ ここに小さく『途中で契約中断の場合 違約金を』って書いてるしな」指差しっ

家康「うわ。詐欺の常套手段だねえ」ひええ





白「つまり俺が馬鹿で 意地張らず相談して正解だったって事か。」ほっ

粋「そうなんだけど。
兄貴その辺自覚してんだな」わお。




彬羽「って事でこりゃ詐欺だ
必要なら割烹通して俺が安く仕入れてやると話しとくんで この申し込み書は燃やしとけ
気分悪い」くしゃっ。





粋「しっかし何であいつ牛乳なんて
ドイツじゃ普通に飲むのかな?」

小太郎「あーそれはな

血液の代わりになるかなって」


一同「は?」

小太郎「いや俺も 同意見だけどさ。
ほら テオだし」えーと。





千様「彬羽君 ちょっとあの子再教育した方が良いんじゃ無いかしら?」真剣っ

家康「だねえ。一二三ちゃんと一緒に 一般常識だけで良いからさ」うん。

粋「あ、兄貴もついでに頼
彬羽「Σまた胃に穴開けさせる気か!!」







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江戸城



魄哉「は? うちの子相手に詐欺未遂ですか?」


家康「うん。怖いから
袈裟姿で殺気全開やめなさいっての」苦笑。


魄哉「で、そちら様の連絡先は?」ちっ

家康「あー 燃やしちゃう前に申し込み書持って来たから 此処に


魄哉「挿音!ちょっと此処の人等強めにシバいて捕縛お願いします!!」くわっ

挿音「私情で忍軍動かすんじゃねえよ天海サマよ。」天井からぶらんっ

魄哉「私情じゃありません!詐欺師捕縛は幕府の仕事!!」

挿音「へいへい。大義大義」あーはいはいっ





家康「天海ワガママだからねえ
頑張れ 斎藤さん」にこにこっ

挿音「あ? 何だよいきなり」

家康「いやーなんか 小太郎がウケてたから
あの家 みーんな名字斎藤さんで通ってるんだなって
似合わないよねー」あっはっは

挿音「あーまあ。

そもそも妖怪だし 名字自体似合わねえ奴等だもんな」ふむ





魄哉「あ。ちなみに僕もその名字使わせて頂いてます。人外ですし」


家康「Σお前 斎藤天海なの!?」

挿音「親父それ戒名じゃねえのかよ!!」えええっ





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