小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月28日






粋「うええ首熱っ!
これ皮剥けんじゃねえの?」えええっ

テオドール「うわ。真っ赤に御座いますね
日焼けで御座いますか」ひええっ


粋「マジかよ まだ5月だろ

これで夏とかになったらマジでカラスとか焦げんぞ」汗ぬぐいっ

テオドール「早くお使い終わらせて芝居小屋に戻りましょう
白さんの楽屋なら風通し良う御座いますし」苦笑。

粋「・・兄貴 何気にいつも快適な場所取ってるよな」しみじみ。

テオドール「犬猫は最適な温度の所を捜す天才と言いますので」すたすたっ

粋「いやそこ 魔王様ですからとか、お偉い方に御座いますからとかじゃねえのお前」えええっ




テオドール「あ。なんでしたら傘入られます?」番傘ひょいっ

粋「Σ野郎2人で日傘相合傘とか周りの視線と暑苦しさ考えろよ!いらねえよ!!」



テオドール「案外細かい方に御座いますね
日傘をすると体感温度がかなり変わるらしいのですが」うーん。

粋「お前はいらん所で大雑把過ぎんだよ

てか その傘何で出来てんの?
常に持ってるけど晴雨兼用だっけ?」

テオドール「その辺は元から晴雨兼用のを 魄哉さんに強化コーティングして頂きました
まれに白さんが鈍器として使われますので。」

粋「その割に お前聖書ではぶん殴るのに、この傘じゃ殴らんねえよな」あれっ


テオドール「我が主に頂いた品を下賤の血で汚す等 もっての他に御座います」

粋「うん。お前的に聖書は汚して良いんだ」ああうん。


テオドール「過去の信仰に御座いますから」ふっ

粋「うん。一度バチ当たっとけ」

テオドール「吸血鬼の時点で悪魔なので 今更に御座います」どやっ


粋「(コイツ親しい奴にはああ言えばこう言うよなー。)
あーはいはい。せいぜい大事にしとけよ

つか、気になったんだけど 日傘なら結構何でも良いとは思うんだけどさ
雨傘って何で水漏れしねえの?」

テオドール「それは私も気になって彬羽さんにお尋ねした所

ロウを塗っているから水を弾くのだと。」

粋「なんて?」

テオドール「? ですからロウを」




傘ぼっ!!

テオドール「Σうわあああ!?」びくっ

粋「Σ案の定!!」


テオドール「うわああ水 みずっ!!
粋さん炎使いで御座いましょう!?根性で消せませんか!?」ひいいっ

粋「Σ自然発火したのは無理無理!!
自分で出したのじゃなきゃこんなん出来るわけないだろ!」あたふたっ

テオドール「白さんはある程度ならその辺の野良火でも消火その他可能に御座いますっ!」

粋「Σマジかよ兄貴凄「Σあづうあああっ!!」ぎゃあああっ



粋「Σぎゃー誰か水ーっ!! カチカチ山みてえになってる!!」 ぎゃあああっ!





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【割烹春一】



ひな「近くのお婆さんが打ち水してて良かったですねえ」あらまあ。

テオドール「狸の気分に御座いました
カラシ味噌は嫌にございます」ぐったり。


朱禅「そもそも発火した時点で傘捨てろっての「無理に御座います。」きっぱり。


粋「まあうん。
日に当たると灰になるからって兄貴に貰った奴だし
コイツにそれ言うのは無理が有るよな」あーはいはいっ

テオドール「そういえば
消火して頂いたお婆さんにも 何故に離さんのかと言われたので主様からの頂き物だからと答えた所
その心意気よし! みたいな 何か絶賛されたので御座いますが」はて。

ひな「あのお婆ちゃん 今でこそあんなだけど元は武家の出だそうで」

シロ「成る程 焼けても賜り物を離さぬ忠義見事となったか」納得。


粋「あれ?お前今日バイト?」

シロ「うむ。彬羽が暑さで参ったので急遽な。
下ごしらえくらいしか出来んがな」



テオドール「今年は早くもダウンに御座いますか」うわ。

粋「カラス マジで夏越せるかな」一抹の不安。




ひな「しかしこの傘 残念ながらもう使えそうにありませんねえ
穴空いちゃってます」あーあ。

テオドール「Σえええー!!」

シロ「今年の暑さが異様なのだろう
普通は発火もせんしな 運が悪かったと思うしかあるまいて。」

テオドール「Σ1年で2本もダメにしたとか 申し訳無さすぎるっ!!」うわああっ



朱禅「365日で傘2本なら物持ち良くね?」

粋「普通ならそうなんだろけどなあ」苦笑。


ひな「今はバイトされてるんですし
御自分で買えるので良いじゃないですか」にっこり。

テオドール「うう。そう言う事では無いので御座いますが」どよーん。




入り口がららっ


白「迷子の雑用2人来てないか?」ひょこっ

テオドール「Σうっわああああ!!」ぎくううっ


白「あ。居た。」

粋「Σあ、ごめん仕事中だった!
ちょっと事故があって」

白「事故?」


シロ「直射日光に負けてテオの傘が火を吹いたらしくてな
間一髪消火され ここでようやく一息と言った所だ」

白「傘ってそんな簡単に燃えるくらい脆いのか?」

シロ「少なくとも 襲撃時に盾にした時なんかは即ダメにはなるな」うむ。



朱禅「いや何で襲撃されんの」

シロ「おそらく道場破りをしまくったからであろうか」うーん。

ひな「それ傘 ダメにって言うか真剣で真っ二つですよね?」うっわー



白「そっか。じゃあ夏の暑さでも燃えないくらい頑丈な傘が要るんだな」ふむ。

粋「本来傘選ぶ条件じゃねえけどな それ」苦笑。


ひな「あ、でも燃えないってのはテオさんには重要かもしれません
火力の加減の苦手な御兄弟と常に一緒なワケですし」

白「うっかり燃やさない為にも絶対要るな」うん。




粋「えっと。 また新しいの貰えそうだし良かったんじゃね?」

テオドール「Σむしろ心苦しいので御座いますが!?」えええっ

朱禅「いやー 燃えない傘とか 実在してもお前の手持ちで買えると思わねえし」

テオドール「Σうっ!」ぐさっ





がららっ


彬羽「すまん。どうにか夕方からは出れそうだ」氷嚢乗っけよろろっ

ひな「氷嚢沸騰してません?」あら。


白「調度良かった
なんか火に強い 水も弾くような何か知らないか?」

彬羽「は? 火鼠の皮とかか?「よし、それで行こう」


粋「
Σ早え!つかそれ実在すんの!?」えええっ



ひな「欲しいんですか?
火鼠の衣の番傘。」

テオドール「いえあの。発火しなくて日の光さえ避けられればこの際何でも良いのですが」苦笑。

シロ「あのアホ もはや話聞いとらんがな」ため息。







間。






白「よし行くか。
火鼠は南の火山に居るってバカラスも言ってたし」ノリノリっ

粋「Σいやいやいやいや!カラスはあれ竹取物語の話しかしてねえから!
実在するとか一言も言ってねえから!!」

白「かぐや姫が欲しがった宝物って他のは実在するんだぞ?」

粋「Σう」


テオドール(彬羽さん 暑さで頭働いてらっしゃらないから まさか皮剥ぎに行くとか思ってらっしゃらないでしょうし
かと言って 傘を燃やしてしまった私があれやこれや言うのも)困惑っ



白「とりあえず朧車呼ぶか」

粋「Σあああこう言う時ばっかアクティブ!!

つか南の火山ってフワッとし過ぎだろ!
そもそも南どっちかわかってんのかよ!!」





白「・・・Σえ?」はっ

粋「マジで?」えええ。




白「朧車に南の火山って言ったら解らないかな?」えーと。

粋「さすがに地名言ってくれってなると思うけど?」

白「あれ?南の方に火山ってそんな有るのか?」

粋「日本は火山で出来てる様な物だもんよ。めっさ有る」うん。




白「始まって即詰んだか。」ふっ

粋「お伽噺しか手掛かりねえ時点で始まってもねえよ。」きっぱり


白「とにかく南って方にぐんぐん行ったら着かないかな?」えーと。

テオドール「その内世界一周してしまうかと思われます」

白「戻ってくるのか?」ええー。



粋「えっとその
どっちにしてもこの面子じゃ無理だろ
せめてもっと火鼠の生態とか知ってる奴居ねえと

珍しいからかぐや姫も欲しがったんだろ?
つまり実在してても そうそう見つからねえって事だろし」



白「そっか。
今此処 バカしか居ないもんな」しぶしぶっ


粋(よっしゃ 無茶に付き合わされる前にどうにか鎮火。)ほっ




焔「お? なんだお前ら揃って
何遊んでんだ爺ちゃんもまぜろよ」ひょこっ

白「あ。じじい調度良い
火鼠の衣って知って「お? またマニアックな物を。
早く聞けよ 火鼠の何が知りてえんだよ?」ん?

粋「Σくおらクソジジイ!! 人がせっかくややこしくなる前に諦めさせたのに!!」ああもうっ







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マヨイガ (爺ちゃんの自宅)】







焔「で、何枚要るよ?」よいこらせっ

火鼠の衣の山っ。


白「なんでこんなに有るんだ?」

焔「上納品。」きっぱり。



テオドール「昔 やんちゃされてた系で御座いますかね?」

粋「うん。物凄かったとは聞いてるけど」うっわー。




白「傘作るのに何枚要るかな?」

焔「ん? 傘?
あー 使わねえし全部持ってけよ
爺ちゃん加工は出来ねえしな」あっさり。

粋「Σ良いの!? 国宝レベルじゃねえの!?」えええっ

焔「いんじゃね?
生前贈与って奴で」

粋「Σアッサリにも程がある!!」えええっ



テオドール「あ、あの
大変嬉しいのですが 私、その様な高級品おそれ多いのですがっ」ひええっ


焔「ん?
あー 成る程。傘ってお前のか」ほうほうっ

白「要るものなんだから遠慮するな
燃えられたりサラサラ灰になられる方が面倒だし」

テオドール「いえしかし 国宝はちょっと」ひええっ




焔「成る程なあ。
うちの孫は 下僕に気遣いするタイプか
爺ちゃん嬉しいわ」うんうんっ

粋「あの 俺も下僕扱いなんだけど。扱いすっげえ雑なんだけど「殴りやすさの問題じゃね?」

粋「Σ食い気味に酷え!!」



焔「まあアレだ

うちの孫はこんなんでも魔王。
でもって吸血鬼の兄ちゃん。アンタはそれの忠実な下僕だろ?
ならお前も良い物使わなきゃー 主様の沽券に関わるとは思わねえか?」

テオドール「Σうっ!」


焔「そう言う事だよ って事で使ってやれや
面倒いしよ」

粋「最後最後 本音漏れてるって。」



テオドール「そ、それではありがたく使わせて頂きますっ!!
あ、でも幾ばくかはお支払させて下さいませっ

焔「レア過ぎて相場ねえしな
仮に似たような物で値段つけるとしたら こんくらい?」そろばんぱちんっ。

テオドール「Σ国が買える!!」ひいっ!




白「小銭じゃ意味ないし貰っとけ」

テオドール「いいいいえでも」あわあわっ

焔「いんじゃね?
このまんま虫食いになるのも勿体ねえし」わははっ

テオドール「え。いえでも」えええっ



粋「こんな物噛る虫居ねえだろ。」けっ

白「お前はなんで拗ねてるんだ?」あれ?






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挿音「おらよ。こんな物でどうよっ」

新傘ばっ!


テオドール「Σおおおおおお!」拍手パチパチパチッ!




白「毛皮がちゃんと傘になるんだな」へー。

挿音「おう。なめすの大変だったわ 後は親父にコーティングして貰え いい柄着けてくれるだろしよ。
あー肩こった」肩ごきっ


千様「テオ君良かったわねー。てか皮の傘って重くない?」

テオドール「全然に御座います!
うわ軽いっ ありがとう御座います!」わーい



白「お前ホント器用だな」

挿音「おうよ。
んで余ったの好きに使えって言われたからちっと遊んでみたんだがよ」

白「ん?」


挿音「お前 身内だからってあんま弟適当に扱い過ぎんなよ?
身近なもん程 気遣いが要るって事もあんだからよ」包み渡しっ

白「お前に気遣いとか言われると思わなかっ
「しばくぞクソガキ。」











家康「で。貰ったんだ
よ、良かったねえ」

粋「うん。確かに兄貴のフレンドリファイア怖えけどさ」複雑っ

もっさり毛皮製の合羽っ。



蒼月「でかいミノムシじゃん。」

小太郎「挿音 機能重視過ぎてセンスは無いんだよなあ」あははっ






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