小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月27日




【大通り 呉服屋前】



ひな「あら?人魚さん?」

人魚「Σ!」びくっ



朱禅「お?珍しい 今日は1人かよ」

人魚「それが、例によって御二人への愛を叫んでいたら川に投げ捨てられそうになりまして

そちらはラブラブデートですか。
良いですねー」ため息っ

ひな「2人同時に愛を叫んだら 大概の人は嫌がりますよ?」

人魚「私正直なもので

しかし、良いですねえ」ちらっ

朱禅「いやデートつか 店の買い出しなんだけど」ちょい照れっ



ひな「羨ましいと言いながら ちらちら私の着物見てません?」ずばりっ

人魚「Σぎゃ バレてた!」


朱禅「Σあ。そっち!?うおおお俺微妙に恥ずかしいっ!」ひいっ


ひな「そりゃ呉服屋の前ですし

人魚さんて 見る度着てるそれ男物ですよね?」

人魚「うわホント鋭い
実はコレ 茨木さんに貸りてるんですー。
あの人 男の方にしては細身なんで私でもだらしなくならないんですよ

まあコレはコレで嬉しいんですけど」にこにこっ

朱禅「Σあ!そうか
アンタ本来下半身魚だから」はっ


人魚「はーい。さすがに何も着ないの問題有りなんで、袖無し丈の短い甚平ぽいよ着てますが
そのまま尾びれを足にしたら立派に変態です」にこっ。

ひな「もはや普通にしょっぴかれるレベルですね」うわ


人魚「私からしたら 普段から下半身丸出しなんで 今更ですがねえ」うーん。

朱禅(ツッコミづれええええっ!)


ひな「事実そうでもあまり言わない方が良いですよ」冷ややかな目っ

朱禅「Σなんで俺にその視線!?」えええっ




人魚「それでですねえ。
ほら見てください あの見本の品」物陰からこそっ

朱禅「へ?
あー なんだあれ 振り袖っぽいけど偉く裾短くね?」

人魚「なんでも 西洋ぽさを混ぜた試作の品らしいんですけど
ほら西洋のって上と下で分かれてるお着物有るでしょう?

作ったは良いけど奇抜過ぎて売れなくて ああやって店の飾りにしてるぽいんです」じーっ



ひな「つまりめちゃめちゃ欲しいんですね?」

人魚「あれなら水中でも可愛く有りません?
大好きな人達と同じ所に住めてるんですよ? オシャレしたいじゃないですか!」きらきらっ

朱禅「酒呑童子茨木童子も水中に住んでねえけどな。」ああうん。



人魚「けどお高いんでしょうね
私 人間のお金の価値とかよく解りませんし

どこで稼げば良いのかなーって」ため息っ


ひな「気持ちは解らなくは無いですが
確かに高そうな」うーん。

朱禅「俺らもこんな高そうな呉服屋とか入らねえもんな」苦笑

人魚「え? じゃあひなさんのそのお着物は何処で?」




ひな「店が繁盛して大きくなってから こう言う呉服屋で仕立てるから良いんです」

人魚「Σすみません 地雷踏んだみたいでホントすみません!!」ひいいっ


朱禅「いやでも それ似合ってるし
無理して高いの着なくても良いんじゃねえかな?」

ひな「褒めてくれるのはありがたいけど
その内贅沢させてね」ふっ

朱禅「・・はい。」ずーん。


人魚(ラブラブはラブラブで大変そう) あらあ。





粋「あっれ? お前等こんな所で何してんの?」ひょこっ

朱禅「Σ凄いタイミングで敏腕スタイリスト!!」おおっ

粋「へ?」

ひな「参考までに
あのあそこに飾ってるお着物 やっぱ高級ですか?」指差しっ



粋「へ?あー アレかあ

何アレ欲しいの? かなり高いだろな
布がめちゃめちゃ上等な奴だありゃ 」


人魚「Σ遠目でそこまで解るんですか!?」えええっ

粋「伊達に芝居小屋で下っぱしてねえよ」

ひな「で、今日は何故ここに?」あら?




粋「兄貴の衣装の受取りに。」真顔。

ひな「お役者様御用達なんですね」ああうん。

朱禅「ごめん。俺頑張るから」どよよーん。


粋「あの、何があったのお前等」



人魚「やっぱお高いですか
うー。せめてバイト先でも見つかればっ」くうっ

粋「ん?なんだ人魚の姉ちゃんが欲しいのかよ
そりゃアレはダメだって。」

人魚「Σなんでです!?」えええっ



粋「布ってのは 種類によっては濡れたらめちゃめちゃ縮む」真顔。

人魚「めちゃめちゃ縮む生地ですか」あちゃー

粋「ありゃもう水に入ったりしたら デザイン崩壊レベルに縮むわ
アンタはマジで買わねえ方が良いって」うん。



人魚「そうですか。人魚のおしゃれって難しい物なんですね」しょぼん。


粋「?」

ひな「えっと。 解説するとですね」かくかくしかじかっ





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【芝居小屋 楽屋】





白「この辺好きなの持ってって良いぞ」

人魚「Σえええ! うわめちゃめちゃ柄綺麗っ!!」きゃあああっ


粋「兄貴の衣装 基本派手だから
そこらの女物より凄えの多いんだわ」うん。

朱禅「この生地は縮まねえの?」

粋「兄貴やたら水に好かれるから 衣装係としてそこは厳選してるっての」どやっ



白「仕事で使った奴だけど ちょっと裾踏んだりして傷つけたから買い取りしたんだ

けどあんま着ない柄だし そこが気にならないなら
人魚「気になりません! 下の方切りますし!!」キラキラッ


粋「ん?切るの?」へ?

人魚「泳ぐのに邪魔ですから改造しようと思ってるんです」うきうきっ

テオドール「あ、では丈直しいたしましょうか?
雑用のお仕事で 裾上げその為慣れておりますし」

人魚「良いんですか!?」きゃああっ!






朱禅「いやー良かったなあ
やっぱ女ってのはこう言うの好きなんだな
なあ? ん?」


ひな「いいなあ。」ボソッ


白「お前も1枚要るか?」えーと。

ひな「いえでもそんなタカりみたいな真似
粋「はいはいはい。着ねえでタンスよの肥やしで虫に食われるよりずーっといいんだよ
これとかほぼ新品同様で似合うと思うけど どうよ?」

ひな「Σうわ素敵っ」きゃーっ!


朱禅(プロ凄え。)おおっ





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大江山


人魚「ほらほら見てくださいー!
袖ふりふり出来て可愛いんですっ」ほらほらっ


茨木童子「おー。良かったなあ」へー。

人魚「元々お仕事用だから乾くのも速い生地なんだそうです
なんて素敵っ

Σあ! 乾くの速いなら尾びれ乾かしてる間にお着物も乾くかもっ」わくっ






酒呑童子「はしゃいでんなあ。
女ってのは こう言うの好きだよなあ」酒ぐびーっ

茨木童子「お前は着物がどうこう以前に着たがらないしな。」ああうん。

酒呑童子「いやまとわりついて鬱陶しいだろ「黙れ露出狂。」






人魚「ほらほらっ尾びれ足になりましたっ!
やだこれ足にも合うかもっ」わーい。


酒呑童子「Σぶっ!」酒吹きっ

茨木童子「Σいやいやいやいや短い短いっ!
こら足バタバタすんな! 色々ヤバいから!こらはしたないいいっーーっ!!」ひいいっ


人魚「普段は丸出しですが「「Σやめろ魚類!!」」







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