小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月25日






【割烹春一】



酒呑童子「あー雨雨雨雨っ

ジトジトジメジメしてしゃーねえや」けっ。



挿音「ジメジメは同感だけどよ
店内で脱ぐなや露出狂」蕎麦ずぞぞっ

酒呑童子「あ?室内だし良くね?」半裸っ


朱禅「マジで客逃げるから止めろ。」きっぱり。



ひな「そもそも雨の中此処まで来るのって大変じゃないですかね?」にっっこり。

茨木童子「・・営業妨害すんません。」目そらしっ


酒呑童子「山は雨凌ぐにも せいぜい木の影や岩場の横穴とかだかんなあ

此処のがまだ屋根有るだけマシなんだよ」ダルダルっ

朱禅「ボロい店で悪かったな」
庵「まあまあまあまあっ」どうどうっ



朱禅「ったく これで虫除け効果無かったら
マジであの魔王にクレーム入れてやんのに

ちんぴら「あー濡れた濡れた

おう姉ちゃん 俺等雨でびしょ濡れだよ風邪ひいちまうわ ちいっと暖めて

酒呑童子「あ?」ギロッ

ちんぴら「Σすんませんでしたああ!!」
入り口ぴしゃんっ!

挿音「ほー。大したもんじゃねえの」感心っ


茨木童子「さすが半裸の変態。
其処らの変質者じゃそりゃ勝てないか」わははっ

酒呑童子「Σ俺はそこまでか!?」ええっ

庵「うん。助かったけど 上着ろ」冷めた目。





入り口がらすぱーん!!


一同「ん?」




シロ「すまん! 赤ん坊抱いた不振な女が来なんだかっ!?」ずぶ濡れっ


挿音「そんなん来てもコイツ見たら踵返して逃げてくっての。 な?」

酒呑童子「Σちゃんと着りゃいいんだろが!
人間は廻りくどいな畜生がっ!」だあもうっ



朱禅「てかお前 遅刻だぞ。
今日昼からだろうがよ 次来ねえと庵が帰れねえだろ?」シフト表っ

シロ「Σうおすまん し、しかし人命に関わる事ゆえ仕方無くっ」ううっ

ひな「何が有ったんですか?」よしよし。




粋「めちゃ簡単に言うと
子守り大好き妖怪が 余所様の子育てにいちゃもんつけて赤ん坊誘拐したんだよ。」びしょ濡れっ

テオドール「親御さんがトイレに行かれておられるのを見て 放置だ!と赤ちゃんかっさらって逃走中なので御座います」ぜーぜー。


挿音「母ちゃん膀胱炎になんぞおい。」うわ



白「1度追い詰めたんだけどな

ウブメって鳥の妖怪だったんだな」むう。

彬羽「だから1人で追いかけるなって言っただろが」


ひな「成る程。空に逃げられて見失っちゃったんですね 」ふむふむっ


彬羽「危害を加える気はない様だが 新生児を抱えて逃走とか何が起きるか解らん

まだ首なんざ座ってないだろうしな」うーん。

庵「Σこわっ!!」ひいいっ



シロ「と、言うわけなのだ。」

朱禅「うん。全力で探して探して」顔面蒼白っ







茨木童子「さて。じゃ俺等も手伝うか」どっこらしょ

酒呑童子「だな。用心棒もんなしょっちゅう仕事ねえし」

挿音「お? 意外と協力的じゃねえの」




彬羽「鬼族は 弱肉強食が過ぎて数が減りやすいからか 上位に行く程子供は保護しようって性質になるらしい」

シロ「この見た目で子供好きか。」うわ。





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酒呑童子「待てやこの腐れメスがああ!!!」

ドドドドドドドっ!!


ウブメ「Σいっやああああ!!!」ひいいっ



粋「Σこらこらこらこら!相手赤ん坊抱えてんだから! 怯えさせんな走らせんなああ!!!」ぎゃああっ



白「ウブメ飛ばないな?」あれ?

彬羽「あんなド派手な赤鬼に般若の形相で追い回されたら そりゃ飛ぶ余裕もねえだろ」ああうん。



庵「あのー それより町中なんだけど
人間の目とか大丈夫?」


茨木童子「お騒がしてすんませーん。
ツレがようやく逃げた女房見つけたらしくってー」あっはっは。

町人「Σ成る程! お、穏便になっ」おおうっ



シロ「嫌な慣れ方しとるな。」うわ




人魚「Σえええ!女房!? 私と言うものがありながらっ!!」ざばっ!!

茨木童子「Σげ!お前なんで え?川!?」びくっ


人魚「町に行くなら一緒に行きたいって言ったのに置いてかれたからです!!
雨で増水してたので川を上って来ました」ぷんすかっ

テオドール「Σ京からで御座いますか!?」えええっ

人魚「鮭に出来て私に出来ないワケがありませんっ!」どや。





町人「あの、 あれって」

粋「芝居小屋の特殊メイクテストです。」真顔


庵「こっちも手慣れ感凄っ」わお。




人魚「で、なんなんですあの女っ
酒呑童子さんがあんな一生懸命お尻追いかけ回すなんてっ!」きいいっ

酒呑童子「Σ嫌な言い方すんじゃねえ!
だいたいお前にあれこれ言われる筋合いねえわ!!」くわっ


シロ「Σ地獄耳!!」おおっ

白「よく喋りながら走れるな

えーと。回り込むには あれ?路地ってどう繋がって」えーと

テオドール「また迷子になられますよ?」




人魚「こんなにも愛しているのに。」ずーん。


シロ「その、 茨木と2人同時と言うのがまず不味いのでは無いかとな」おそるおそるっ

人魚「その辺は人魚あるあるなんでしゃーないんです 愛があればオールオッケー!」くわっ

シロ「Σ全く理解できん!」




人魚「いっそ2人まとめて水に引きずり込んで 骨になってしまえば逃げたり出来なくな
シロ「Σうおお病み出した!!」ひいいっ


テオドール「それだとただの所有物に御座います。むなしいだけに御座いますよ?
やはり人との繋がりは心と心で無くては」どうどうっ

人魚「うう。実は恋愛マスターさんとか?」さめざめっ

テオドール「いえ。元ひきこもりのコミュ障に御座います」きっぱり。


シロ「Σ説得力が一瞬で霧散した!!」ひいっ





彬羽「いやその、酒呑童子が追っ掛けてるのは尻じゃ無くてな

追いかけてんのは あの女が拐った赤ん坊
人魚「Σはああ!?何ですかそれ!
赤ちゃん誘拐とか許せない!!」むかっ

庵「Σお!ここはマトモだっ」おおおっ




人魚「そう言う事ですか さすが私の未来の夫2号!
そこはお任せ下さい!!」

粋(Σ酒呑童子が2号!?)えええっ

茨木童子(あれ?まさか1号って 俺?)えー。


人魚「水辺で逃走が運の付きです
嫉妬で船も沈める人魚の力 思い知りなさい 赤ちゃんは愛の結晶ですーーっ!!」

波どぱーん!!


庵「Σちょ ここ町中っ!」





ウブメ「Σぎゃー!!」空にばささっ

酒呑童子「Σえ。ちょっと」えええっ




白 「あれ?せっかく回り込んだのに」路地からひょこっ

酒呑童子「Σげ」

白「え?」


どばーん!!

じゃばばばばっ!


酒呑童子「Σカナヅチ流されたーーッ!!」ひいいっ




人魚「・・あら?」



粋「Σ兄貴またかよおおお!!」ぎゃあああっ

テオドール「Σうわああ!何処に御座いますか!?」ひいいっ

シロ「Σこら落ち着けお前も落ちるぞ!!」あたふたっ





ウブメ「うわあああごめんなさいごめんなさい!こんな大事になるなんてえええっ!」うわああっ

彬羽「いやその。
解れば良いんだが」困惑っ

赤ん坊「ほぎゃ」きょとん。






庵「忍者って 確か投網持ってたよね?」顔面蒼白っ

挿音「おう。嬢ちゃん使うか?「貸して」



人魚「えっと。Σあ、あの辺!今白い影がっ!」指差しっ

庵「はいよ了解!どっせーい!!」網おらあっ





ゴマフアザラシの子供「きゅっ?」

人魚「Σぎゃ! 外洋から波に乗せて来ちゃった!?」

庵「Σ色紛らわしっ!!」ああもうっ



酒呑童子「やっべ浮いて来ねえな。
やばくねえ? あの魔王 確かキレると発火すんだろ
水吹っ飛ばす勢いとか町焼けんじゃねえの?」

挿音「あー。住人避難させた方が良いかもな」頭かきかきっ


粋「簡単に溺れたりしてねえと思うけど それはそれでやべえっ 」ひええっ


テオドール「まあ私は 我が主さえご無事なら 最悪町や知らない人等どうでも良う御座いますが」真顔。

人魚「貴方 私と同じにおいがする。」






白「俺ってあんな目真ん丸のゴロンてした動物に似てるのか?」河童にしがみつきっ

河童「・・・。」えーと。







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