小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月28日






酒呑童子「だああ!またブラブラとっ
この家の周り毛虫が多すぎねえ!?」イラアッ

茨木童子「全部桜だからなー
毛虫もつくだろ

俺はそれより蝉の声のがキツいけどな」

人魚「ミンミンって 大合唱だとじょんじょんじょんじょん!になるんですねー」てくてくっ



酒呑童子「いや、山より毛虫や蝉多いとかおかしいだろ

つか俺等 最近あいつ等にダチ扱いされてる気がしね?」うーん。



茨木童子・人魚「へ?」

酒呑童子「? 何だよ」

茨木童子「むしろお前は何の認識で?」えーと。

酒呑童子「・・ライバル的な?」


人魚「それはさすがに無理がありますよー」あははっ

酒呑童子「Σ冗談言ってんじゃねえぞ!?」えええっ

茨木童子「いや たいした事じゃないのに家まで訪ねてってバカ話して飯ご馳走になって
お中元送って頼み事してされて

むしろダチ以外の何なんだよ」

酒呑童子「Σお中元てのはお前がやったんだろ!?」

人魚「あら?ひょっとして本気で言ってたんですか?」あらあらー

酒呑童子「Σそこまで!?」えええっ




ダミアン「酒呑殿は 脳まで筋肉質だとは解ってはいたのだが」うーん。

茨木童子「だな。
何となくイラッとするから背中にセミつけとこ」


セミ「みぃーんみんみんみんみんみんー 」

酒呑童子「Σうっせえええ!!」うがあっ


人魚「平和ですねー

あら?大きな蝶々」


蝶々ひらひらっ


ダミアン「ほう。やはり此処は虫が多いな」


茨木童子「一応聞くけど
お前等全員妖怪だよな?」

酒呑童子「へ?」セミ取りわたわたっ

人魚「妖怪でーす」はいはいっ

ダミアン「西洋産だが 間違いなく妖怪である」うむ。


茨木童子「なんでそれで誰も解らねえの?」えー。

酒呑童子「何が?
つかこれセミ届かねえんだけど。」腕ぷるぷるっ

ダミアン「上腕二頭筋が邪魔しておるのだと思われれるが」ふむ。

人魚「はいはい取ってあげますねー

セミさんさよなら」 ぽいっ

セミじじっ!ぶぶぶぶっ



茨木童子「あのな。
セミはそんなで良いけどな

蝶ってのは 虫の中でも別格なんだぞ?」

ダミアン「別格?」

茨木童子「どう言えばいいかな

えーとほら やたら霊感が有ると言うか
他の虫が光に集まる様に 蝶は怪異に集まる。

だから何か起きる時、起きる前に蝶を見る事が多いんだよ」



酒呑童子「へー。蝶すげっ」びっくり

茨木童子「鬼族の頭としてお前は知っとけ
頼むから」



ダミアン「と言う事は
今から此処で何かが起きる
もしくは既に何かが起こっている

と。」ふむ。




酒呑童子「あー んじゃあいつ等に伝えといた方が良くね?

敵多い奴等だしよ」来た道戻りっ



人魚「めちゃめちゃお友達ですよねえ?」あら

ダミアン「この暑いのに 山道戻られるか。
本人が全く自覚しとらんのが恐ろしい」うむ。



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子供「あのねあのね
文子がね」びええっ

白「ん?誰だ?」

子供「文鳥なの」うええーん

白「そうかそうか
名前渋いな」ふむ。



テオドール(迷子さんで御座いましょうか?)ふむ。

子供「でね、朝起きたら文子が動かなくてね

おばあちゃんだったし仕方ないよって言われて」鼻ずびーっ

白「うんうん。そうか
とりあえず鼻ちーんしろ」鼻紙よいしょ

子供「ちーん!」ぶびーっ


テオドール「Σ一二三さんで慣れてらっしゃる!!」おおおっ



子供「でね。
お墓作りたいけど 長屋だから埋める所無いよって言われて」ぐすっ

白「そう言う事か

その辺に何処でも良いぞ」あっさり。

テオドール「Σえ」

子供「良いの!?」

白「元々此処の木って
俺の持ち物も多いし」

※毎年春になると芝居小屋の役者達に馴染みのお客から木が贈られます。


子供「え?え?ホントに良いの?」

白「良いけど そうだな
この根元とか良いぞ」

子供「此処かあ」ほうほうっ



粋「あの、兄貴 さっきから何と話してんの?」鳥肌っ

テオドール「Σ見えておられないので御座いますか!?」えええっ


彬羽「となると あの子供やはり幽霊か
にしては 何かおかしい様な」ふむ。

テオドール「と、申されますと?」

彬羽「気配が普通の幽霊と違うと言うか」うーん。

粋「いや普通の幽霊の気配って何?」ひええっ




子供「そっかあ。
じゃ 此処で良いんだね」

白「だな。多分退屈しないし」

子供「うん。 ありがとう」


どろんっ!



粋「Σぎゃ 消えた!!」ひいっ

テオドール「あのお子さん
飼ってた鳥のお墓が作れないのが心残りだったので御座いましょうか?」

白「ちょっと違うと思う」すたすたっ


彬羽「? 何か解ったのか?」

白「んー。何となくだけど


なあ、山暮らしのお前等が見た事無い蝶々が飛んでたんだよな?」

酒呑童子「だな。
あんなん今まで見た事ねえわ」ひょこっ


彬羽「ん?それはもしかして」



酒呑童子「Σあ!あれあれ! あいつ
あの黒い蝶な」ほらほらっ

テオドール「Σうわおっきい!!」

粋「え?ただのデカいカラスアゲハじゃねえの!?」



彬羽「死告蝶か?」

白「みたいだな。

て、事はこっちに」すたすたっ





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千様「Σえ! この山の中で お婆ちゃん亡くなってたの!?」えええっ

テオドール「いえ 亡くなってから来られた様で 」

家康「Σどういう事!?」



粋「えっと あの
俺意味が解らないんだけど」困惑っ


白「文子ってのは婆ちゃんの名前なんだろ」

彬羽「で、長屋に住んでて寿命か何かで力尽きた
そしておそらく弔う奴が居なかったんで
飼ってた文鳥が飼い主を弔いたいと思った という所か。」


テオドール「どうやったのか解りませんが
文鳥さん。お墓になる所を探して お婆さんを此処まで連れて来たのですねえ」鼻ちーん!



酒呑童子「ガチ泣きすんなよ。」引。

ダミアン「泣いてなどおらん!」ダバーッ

茨木童子「言うならせめて隠せよ お前」うわー



人魚「それで。お婆さんはどうされたのですか?」

白「ん? 文鳥と約束したし
言われた木の下に埋めたぞ 一緒にな」

人魚「一緒に?」


彬羽「ただの鳥が化物まがいの事をしたからか 婆さんと一緒に文鳥の死骸がな

茨木童子「すんません。手拭い下さい」

千様「ダミアン君 動物系ダメなのねえ」あらあらっ

家康「解る。」鼻ずびっ


白「そう言う事だ
調度良いし 何かの縁って奴だ。
茨木1つ頼む」

茨木童子「ん?何を?」


白「魄哉に頼めばいくらでも読んでくれるだろけど 文鳥に経解らないだろ」

人魚「?
お弔いですか?」





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シロ「Σうおお!夏の終わりに桜満開かっ」おおっ



石燕「茨木さん。大丈夫っすか?」

茨木童子「が、頑張った」ぜーはーっ

シロ「大した物だな

ん?茨木お前 確か能力は大江山の中でしか使えんので 外で使うと対価として体がヤバいのでは」

晴明「そこは任せよ
呪い返しの要領ぞ」どやっ

蒼月「あれ?アンタ来てたの?」

晴明「季節外れの花見なぞ そうそう出来んでの」どやっ

小太郎(かなり暇なんだな) わおんっ




白「な? 手っ取り早い生まれ変わりだろ」

テオドール「成る程。生き物は全て土に還り 新しい命の糧になると
さすがに御座います!」おおおっ

千様「お婆さんと文鳥ちゃんが一緒に生まれ変わるって素敵ねえ」うんうんっ


蒼月「馬鹿殿 なんで泣いてるの?」

家康「トシとると涙腺がね」鼻ずずっ




白「あ。婆ちゃんも文鳥もまだ肥料になってないから意味無いか」はっ。

家康「Σ言い方言い方!!」


酒呑童子「Σぶち壊しだよ馬鹿野郎!!」




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