小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月29日






【妖怪横丁】




粋「ん?あれって」

テオドール「おや」




子泣き爺「あー。無いね
そう言うのは人間の方が持ってんじゃないかね?」

飛天「その人間の方が無いから此処に来てるんだよなあ」うーん。




白「なんだ飛天
探し物か?」

飛天「お?
あれそっちこそお揃いで」



粋「俺等は晴明から使い頼まれたんだよ」

テオドール「あの方無精に御座いますからね」苦笑。

白「妖怪相手にする陰陽師が 妖怪から買い物するとか変だって嫌がるからなあいつ。」うんうんっ

飛天「いや その妖怪のボスに小間使いやらせるとか その辺の良いのかよ」


白「使ってやってるて考えたらそれで良いらしい
俺もついでだし別にいいけどな」さらりっ

飛天「ホント拘り無いな大将」わお。


テオドール「お使い賃のお団子に負けたので御座いますよ」苦笑。



粋「で、お前は何しに横丁に?
珍しいよな?」

飛天「あーうん

お前等 熊の胃袋売ってる所知らない?」

粋「まず何に使うんだよ そんなの」
飛天「薬。」即答っ

粋「Σ熊の胃袋を!?」えええっ



飛天「ん?漢方の世界じゃ結構普通に使うぞ
他にも胆嚢とか色々 」

白「熊か。最近ケンカ売られて無いしなあ」うーん。

飛天「うん。取れたてホヤホヤよりもちょっと乾燥して加工しやすいのが良いかな」



粋「Σえ。ちょっと待てよ
俺めちゃめちゃケガやら何やらで診療所の世話になってるけど ひょっとして!」はっ

飛天「いやモツ系は主に服用薬だし」

粋「Σ尚更嫌だああ!!」ひいっ



白「あれ? でも熊の脂も血止めに使えるってバカラスが言ってたような」ふと。

飛天「うん。脂はモツじゃないし」

粋「Σ絶対めちゃめちゃ塗り込まれてるううっ!!」ひいいっ




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【幕府公営診療所】



飛天「ーーーと言う事で
薬の基礎知識くらい教えてやっても良いかなーと調合室見せたところ」



彬羽「半べそかく前に逃げろ馬鹿野郎。」

粋「・・あんなん擂り潰して丸めて練って飲んだり塗ったり」がくぶるっ

テオドール「デリケートな方に御座いますねえ」苦笑。


白「俺はもともと医者嫌いだから問題ないし
あ、なんだこれ」謎生物の干物っ

粋「Σ!?」びくっ

飛天「こらそこ遊ばない」



テオドール「そんなに怖い物に御座いますかねえ?」ホルマリン浸けじーっ

粋「Σお前はなんでそういうの平気なの!?」えええっ

テオドール「平気までは行きませんが 西洋でも薬なんて結構こんな物に御座いますよ?
大っぴらにしてると魔女狩り食らうんで 皆知らないふりをしている様で御座いますが」

彬羽「魔女狩りってのは 権力者の邪魔になる知識ある平民を排除する口実にも使われるって言うからな」成る程。

テオドール「その様で御座いますね
ですので魔女の必須アイテム イモリの黒焼きなんかも漢方では普通に使われて居るとの事で御座いますし」

粋「Σえ、魔女って医者!?」えええっ


テオドール「人間なのに魔女扱いされる人にはそう言う方も多いみたいで御座いますね
ちはみに その場合性別問わず魔女呼ばわりだそうに御座います」



飛天「うわ。俺日本生まれで良かった」ほっ

彬羽「ホルマリン浸けを抱えるな
手前は日本でも大概アウトだろ」


飛天「いやこれも貴重な資料だからな?」

テオドール「いつ飲まれるので「うん。マムシ酒じゃないからな?」



白「で、熊の胃袋 売ってる所見つかったか?」

彬羽「いやそれが
特に品薄にはなってないらしいぞ?」困惑っ

飛天「Σへ なんで!?」

彬羽「いや なんでって言われてもな
むしろ今年は熊がよく出るんで安くなってるはずだが
なんでお前は手に入らなくなってんだ?」

飛天「えええ

今まで定期的に売ってくれてた猟師のおっちゃんが引退するから次の業者探してたんだけどな
そこでは今年熊少ないから 高くなりますよって」



白「カモ扱いされたな。」うん。

彬羽「だな。」うむ。


飛天「Σええええ!!」がーん。


粋「あーコイツ めちゃ頭良いのに医学以外結構ポンコツだった」あちゃー。

テオドール「確かに この値段が定価だよと言えばアッサリ言い値で買っちゃいそうに御座います」成る程




飛天「人間にもそんな怖いの居るのか マジか」ずーん。

彬羽「いやむしろめちゃめちゃ居るぞ」


白「飛天普段 診療所で優しい爺ちゃん婆ちゃんからホヤホヤされてるから そう言うの慣れてないんだろな」うん。

粋・テオドール「成る程。」あーはいはい




飛天「うわ。騙されそうになってたのか
あそこで買うしか無いのかなーとかマジで思ってた
値段自体は経費で落ちるから別に良いけど うわー精神的に来るなあ」ため息っ




魄哉「よく有りませんよ」くわっ
飛天「Σうおおビックリしたあ!!!」ひいっ




魄哉「全く 幕府公営だってのに。
そこの医者騙して儲けようとか徳川にケンカ売ってる様な物ですよ どこのド三品ですかっ」ぷんすかっ


白「お前チクッたろ。」むう。

彬羽「そりゃあな」しれっ


魄哉「他の物ならともかく 薬の材料でそれやるとは
御相手とは1度天海坊としてお話しなきゃいけませんね」

粋「一般の詐欺師ともわざわざサシで話すのお前?」ええー。

魄哉「職業に貴賤無し
この際身分なんぞ関係有りません

て、事で飛天君 お願いしてた栄養剤は」


飛天「出来てるけど そうやって全部自分で解決しようとするから体ツラいんじゃ無いかなーと思うんだけど。」苦笑。

魄哉「他の人が処分してるの見ると責めが甘いと思っちゃうんですよねえ」

粋(やっぱコイツが一番怖え。)ひええっ




テオドール「しかし 世知辛い話に御座いますね
石燕さんの化物絵の時も思いましたが
契約どおりに代金を払わない方や 嘘をついてでも多く儲けようとする方

棺引きこもり生活の長かった身からするとカルチャーショックの山に御座いますよ」苦笑。

魄哉「日本宛に棺送りつけてくる度胸は有るのにですか?」ええー

テオドール「入国手続きとか解らなかった物で」

魄哉「後々こっちが大変なんでやめて下さいね? 」栄養剤ぐびーっ




白「ん? 石燕と同じなら
その熊の胃袋売ってる奴の所に お前がついてけば良いんじゃないか?
前それで 何も言わなくても土下座で満額払って来たって聞いたぞ」

彬羽「は?
ガリガリの石燕ならともかくコイツにか?」



テオドール「あーまあ 確かに飛天さん結構ぽやんとして見えると言いますか」うーん。

飛天「うっわー。この子に言われた」



白「顔自体は似てるのになんでこんな違うんだろうな?」

粋「頭の固さの違いじゃね?」うーん。








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魄哉「なんか身分明かさないでも 相場の3分の1で契約して貰えました」ごきげんっ

家康「Σお前何をやらかしたの!?」えええっ

魄哉「さあー?」にこにこっ




テオドール「見た目だけなら 飛天さんの数万倍ぽやんとして見える方なので御座いますがね」うわあ。

千様「えびす顔に騙されちゃダメよー
天海サマ以前に この家で一番怖い奴よアレ。千年妖怪よ? 筋金入りの性悪クソジジイよー」







飛天「あの ホントに良いのかな?」困惑っ

彬羽「良いんじゃないのか。
つか手前はもう少しザマミロくらいに思っとけ」

飛天「いやでもさ」ええー。



白「どんな交渉したら大の大人が泣くのかな」はて?

シロ「泣かしたのか
知らん方が良さげだな。」うむ






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