小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月22日






粋「うおおもうこんな時間! 兄貴早く早くっ!!」

白「朝がっつり食べないと動けな「はいはいはいお握り用意してくから!とりあえず身支度しようっ」あたふたっ




一二三「今日はいつもよりバタバタだべな?」あれれ?

家康「何でも ちょっと前からの新しい演目?
あれが凄い人気らしくてさ
お役者勢は早めに楽屋に入ってないと 並んでる人達でド偉い事になるらしいよ」

千様「商売繁盛は良いけど
それ地元歩けなくならない?」あらまあ。



白「普段から騒ぎになったらトンズラしてるし。 問題ないない」もぐもぐっ

千様「Σまだ食べてた!」

家康「Σホント朝からガッツリ行くよね!
時間大丈夫!?」ひいっ






粋「はいはいはいはい!続きは向こうで!!
ほらお握りお握りっ 急ぎで作って貰ったからっ」ドでかい弁当箱っ

テオドール「お茶っ葉もお気に入りの湯飲みも楽屋の方に用意して御座いますので!」どやっ

白「あ。ちょっと待て。」

粋「Σまだ何か有んの!?」ああもうっ




彬羽「朝イチは 味噌汁が基本だろうが!」くわっ

粋「Σなんかすんません!!」ひいいっ


白「今日の具は?「シジミだ。」


千様「彬羽君がちょいちょいお母さんだわー」あらあらっ

家康「あんな目付きの悪いお母さんは嫌だなあ」うええ。



白「よし行くか」しゃきっ

粋「Σシジミ汁の効果凄え!!」おおっ

テオドール「さすが二日酔いにも効くジャパニーズ漢方に御座いますね!!」おおおっ




一二三「よく一気飲み出来るだな。」けほっ

彬羽「ん?子供にはキツいか
卵でも入れるか」ふむ。

千様「やっぱじわじわお母さん化してるわ」あらまあ。





ーーーーーーーーーーーー





【芝居小屋】




酒呑童子「んで、この着ぐるみ着て 表で看板持って立ってりゃ良いんだな?」ふむ。

つつじ「そうどす。 いやーあんさんでかいからなあ
目立ってお客はん等も見易いやろ」にこにこっ


粋「確かに背が高いってより デケエけどさ」うーん。

皐月「デカい分 熊の着ぐるみで直立されると威圧感ハンパないなあ
毎度ウケるからエエんやけど。」


つつじ「ちなみに火事とケンカは江戸の華
人が多かったら殴り合い起きるんが人の世どす。
なんややり合う人等がおったら 他のお客はんに迷惑やから殴り倒しといておくれやす」にこっ

酒呑童子「マジか 最近の人間血の気多いな」へー。

粋「Σいやいやいやいや! さすがにヤバいだろ!」

つつじ「大人しゅう並んではる御行儀エエお客はんを守るんも仕事の一部ちゃうんか?

まあ、いきなりは何やし 酒呑はん これ首から下げといておくれやす」よっこらせ。

酒呑童子「あ?なんだよこのデケエの。」

つつじ「『番熊』と書いとるんどす
な?コレで 無体なお客はんには吠えても問題無しや」



皐月「ポイントは右下の めっさよく見な解らんくらいの『※迷惑行為には噛みつきます』や。
文句言われても 読んどらんかったアンタが悪いで行ける」どやっ

粋「Σ痩せる薬や健康食品の表示あるあるかよ!」ひいっ




つつじ「ほらアンタもツッコミ入れとらんと早うお兄はんの着付け行きや
ダラダラしとって開幕に間に合わんかったら洒落にならんで?」

粋「あーそこは大丈夫。
兄貴後でアレコレ面倒臭がるから とっくに着付けてお握り食ってるわ」どやっ

皐月「衣装ガッチリ着こんでよう食えるな」うわあ。


つつじ「ほな 酒呑はんはそのまんま列の最後尾お願いしますどす
あ、ちゃんとここが最後尾の看板持ってな?」

酒呑童子「最後尾自分で探すのかよ
これ被ると前見えねえんだよなあ」しぶしぶ熊の頭かぶりっ

皐月「バイト代弾むから頑張ってやー」手ふりふりっ




つつじ「さあて。ほな わても自分の身支度せんとな」

皐月「今から塗りたくりか 頑張りやー。」

つつじ「塗りたくり言わんといておくれやす

このまんま出るわけにも行か・・」


皐月「どしたん?」ん?

粋「何?兄貴が楽屋散らしてんの?」




つつじ「なんじゃこら。」



テオドール「私なりに売り上げに貢献しようと思いましてっ」がさごそっ

つつじ「Σ名前入りのうちわ作るな! 何処でこんなキンキラの
Σあああ!めちゃめちゃあるううっ!!」ひいいっ


白「・・・。」お握りもぐもぐ。

粋「応援されてるのにテンションだだ下がりじゃねえかよ兄貴」うわ。


皐月「うわー。ウチワのキンキラ名前 ちゃんと芸名にしとる辺りが変に冷静で嫌やな」うちわガサッ


テオドール「つつじさんバージョンも作りまして御座いますよ?」ほらほらっ

つつじ「Σ若干装飾大人しめのが腹立つ!」きいっ!


テオドール「ダメに御座いますか?」ええー。

粋「ダメっつか。こんなん客席やらで振り回されたら演者落ち着かねえだろ」苦笑

テオドール「?
日本ではポピュラーではないと?」

皐月「あんたの母国色々先取りし過ぎちゃうか?」


つつじ「あんさんホンマ下僕の扱いどうにかしいや
下僕っちゅーか最早信者やんかアレ!」ぷんすかっ

白「お前 なんで怒ってるんだ「Σ役者としてのプライドどす!!」ふんっ



テオドール「そう!信者に御座いますっ
私は元々我が主様に忠誠を誓っておりますし、何より御本人ガチ神様に御座いますから そちらの意味で信者が居ても何ら疑問は御座いません

そもそも何かの熱狂的なファンは信者と言うでは御座いませんか!

ほら一緒に御座いますっ!!」どやあっ



粋「神様っつっても八百万の神公認の破壊神なんだけどな。」

つつじ「ちゅーか 何でこの天然ボケボケ野生動物にそんな心酔出来るねん」引。

白「俺が知りたい」うん。





皐月「信者でも何でもエエけど 客席は他のお客さんの邪魔になる物は持ち込み禁止な」ゴミ箱にどしゃーっ

テオドール「Σせっかく作りましたのに!!」がーん。


皐月「ちゅーか。アンタ雑用の仕事は?」

テオドール「掃除から各部屋パシリ。
大道具小道具さんへのお茶くみまで終わっております」どよーん。


粋「早く出勤して暇だったんだろなあ」納得。






ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー




売店



酒呑童子「熊の中暑っ!

おう水くれや水」あぢー。

売店のおばちゃん「Σ!?」びくっ



粋「せめて熊の頭取れよ 怖えから」うわー。

酒呑童子「お?
なんだお前何処にでも居るよな」水ぐびーっ

粋「そりゃ見習いは動いてナンボだし
つか お前のそれ熊の着ぐるみってより本物の毛皮だったよな そりゃ暑いか」うーん。

酒呑童子「あー 夏場はこのバイトやりたかねえな。」手でぱたぱたあおぎっ


粋「ちなみにそれ 生前は果敢にも兄貴にケンカ売ってきた熊らしいぞ」真顔

酒呑童子「Σやめろ今すぐ逃げたくなる!!」

粋「中身は美味しく頂きました。」

酒呑童子「Σお前もかよ!!」ひいっ



粋「まあ 毛皮になっても有効活用してくれてるって事でいんじゃね?」わははっ

酒呑童子「骨までしゃぶってる様にしか見えねえ
あの魔王マジで魔王かえげつね ん?」

粋「ん? どしたよ」








テオドール「すみません。こちらのグッズ 色ちがい入荷致しました?」わくわくっ

売店のおばちゃん「あーそれね。色違いは製造中止みたいでねえ」

テオドール「Σええええー!!」がーん。






酒呑童子「・・なんであの吸血鬼。主の芸名書いてるだけの旅行先の売店土産みたいなグッズ買い漁ってんの?」ドン引きっ

粋「ファン心理って奴らしい」うーん。

酒呑童子「いやすぐ近くに本人居るのになんでそんなんなんの?」えええ

粋「俺が聞きてえわ」



テオドール「Σあ! 新作出るので御座いますかっ!?
うわ予約よろしゅう御座いますかっ!?」パンフレットガン見っ




粋・酒呑童子(下僕ってより もうオタクだこれ。)





皐月「ま、信者と書いて金づると読むからエエけどな
うちとしては出したバイト代即回収うまうまや。」ふっ

粋・酒呑童子「Σ黒っ!!」ひいっ

皐月「夢を売る商売なんてこんなもんやでー」ふふふふふっ






>サイトトップに戻る