小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月18日





蒼月「楽して稼ぎたくない?」

家康「えー。今月の小遣い使い果たしたし そりゃ稼ぎたいけど 」真顔っ


千様「殿、今月まだ半分よー?」



蒼月「だよね。将軍なのに小遣い制だもんね
絶対そう答えると思ったよ」うんうんっ

家康「てか何?何の話?
嫌な予感しかしないんだけど」

蒼月「百聞より一見 これを見なよ」チラシばんっ



千様「『梅雨に負けるな町内人間競馬大会』?何これ」

蒼月「町内マラソンして誰が1位か賭けるイベントだよ」にこにこっ

家康「Σいやうちの幕府賭け事御法度!!」

蒼月「って事でキリキリ走れよ馬鹿殿。選手登録しといてやったから」

家康「Σまさかの走る方!?」えええぅ


蒼月「いやアンタ賭け事ダメじゃん?
そんなら走って1位とれば賞金手に入るし
それに賭けてた俺も大儲け。一石二鳥でしょ?」

家康「Σ配慮する所が違わない!?」えええっ

千様「確かに殿は戦国生き抜いてるしー
一般の町民に負けないとは思うけどー」

家康「Σやめて若い頃の話だから!
今もう無理出来ないから! ホントもうオッサンだからっ!!」ひいいっ



千様「じゃアタシも殿に賭けるー
受付ってどこでしてるの?」うきうきっ

家康「Σいや人の話聞いて「アタシ夏物欲しいの 頑張ってね。」にっこり。


蒼月「さっすが千ちゃん 話が解るね」あははっ

家康「いやあの コレそもそも役人にバレたらそこで終わりなんじゃ」

蒼月「此処等の治安の悪さなめんなよ
だから事前に全員しょっぴかれて終わらない様に人数集めてんじゃんかよ」

家康「お前ひょっとして運営側「気にすんなよ。もう選手登録しちゃったからお前も同罪なんだよ」

家康「Σ詰んだーー!!」うわああっ



千様「大丈夫よお。
殿なら役人からくらい逃げ延びれるわー」にこにこっ

蒼月「ま、ライバル達にこっそり仕留めらんない様にね
頑張って走り抜けよ」



襖がらっ。

粋「え?何々? なんかあんの?」のほほんっ



家康「ごめん。選手交代して」必死。

粋「Σ何の!?」


蒼月「あ、いいよ どうせアンタの登録名偽名だし」あっさり。

粋「Σだから何が!?」


千様「アタシの夏物のために頑張ってねー」おほほほっ




間。






【スタート地点】




粋(こんなん兄貴やカラスにバレたら人間相手に何やってんだって絶対怒られるっ!!)ひいいっ

ざわざわっ


粋(人凄えし。
何処からこんな集めて来たんだよ
見るからに夜系の奴とか居るし 歓楽街系協賛だろこれ
うわ これマジで偉い事になんじゃねえの)ひええっ




どんっ!

粋「Σうわっ」よれっ



おっちゃん「おう。兄ちゃんすまねえな」

粋(Σすんません! 懐から火縄銃チラリしてます!!)ひええっ


おっちゃん「おっとと。あー息子への土産が」すたすたっ

粋(Σいやいやいやいや無理が有る!
つか絶対今の周りの奴も気が付いたろ あんなん持ち込んでる奴が居るならさすがに中止にっ)ちらっ



ざざっ!

粋「Σなんで皆揃って見ないフリ!?」えええっ


チャラ男「そりゃそっすよ
そんだけ金が動いてるって事っしー
変な事してボコられたくねっしょ?」肩ぽん。

粋「あの。知り合い顔してるけど誰だっけ?」

チャラ男「Σうわマジありえねっ
ほれ兄さんに拾って貰って職探しして貰った あのあのクールな三味線弾きっしょ!」ウェーイ

粋「いや マジで誰」引。

チャラ男「マジかー ウケるわ」あひゃひゃっ


粋(いやこんなニワトリみたいな頭の知り合い居ねえっての)困惑っ

チャラ男「あ、これうちの店の流行りっす
マジ歌舞伎っしょー?」どやっ

粋「店って鶏肉専門店?」えーと。

チャラ男「ぶっは マジウケる マジ変わってねー
うちの店来られたら俺の立場ね



『はい。スタート』 銃声パーン!


一同ダッシュ!!

チャラ男「Σうおおおおわ!?」人ゴミに飲み込まれっ

粋「Σニワトリーーっ!!」ひいいっ

チャラ男「うおマジやべ人圧凄あとは頼ん あ゛ーーーっ!!」


粋「Σうおお 俺も走らねえと踏まれるっ!
ちゃんと救護して貰えよっ」だっ







蒼月「Σあっ!お前俺の馴染みの花ちゃん横取りしたチャラ野郎っ!」

チャラ男「う、ういーす」ボロッ


家康「あーはいはい。
居たねそんなの
ウザ可愛いとか無いわーとか愚痴ってたね お前」はいはいっ






粋(結局誰だったんだアレ)すたたたっ






ーーーーーーーーーーー





江戸城




魄哉「は? 町中で大規模賭博イベント?」

挿音「おう。
しかもうちの地元な ホント馬鹿多いよなー

どうするよ 天海サマ?」



魄哉「徳川忍軍 暇な人総動員で狩りお願いします」

挿音「了解落ち着け 尾羽出てんぞ」うわあ。





ーーーーーーーーーーー






粋「Σうおお手裏剣かすった!」ひいいっ

参加者A「なんで忍者が襲って来るんじゃああ!!」だだだだっ

参加者B「うお投網 Σうぎゃあああ!!」どしゃああっ

粋(Σやべえ忍軍ガチモード!!)背筋ぞわっ



おっちゃん「しゃらくせえ!忍なんぼのもんじゃあ!!」火縄銃ちゃきっ

粋「Σあ!さっきの」


どむっ!

すぱぱぱぱぱーん!!

おっちゃん「Σぬわあああっ!!」


粋「Σ民間人相手に煙玉からの癇癪玉ーっ!?」えええっ





忍「公務執行妨害で逮捕する。」縛り上げっ

おっちゃん「Σ幕府の犬がああっ!!」ちくしょおおおっ



粋(ダメだ こんな大っぴらにやるから幕府側マジギレしてる
当たり前だけどっ!)ひいいっ





挿音「あ? なんだ見慣れたツラ混ざってんじゃねえかよ」

粋「Σ!?」ぎくっ



挿音「おうこらクソガキ
手前何してくれてんだよ こちとら本日有給予定だったっつのによ」ああん?

粋(Σタイミング最悪っ!!)冷や汗どぱあっ



忍A(Σお頭がキレてらっしゃる!!)びくっ

忍B(無理もねえ! 此処んとこ人手足りなくて18連勤だあの人!!)ひいいっ





挿音「5体バラして売り飛ばすぞクソガキがああっ!
お前みてえのが居るからこちとら休めねえんだよ!!!」暗器じゃきいいんっ!

粋「Σすんません!俺が言うのもだけどちゃんと休んでえええー!!」全力ダッシュ!!





ーーーーーーーーーーー





【町外れ 橋の近く】





家康「うん。解ってたけどね」ああうん。

千様「早かったわね」ちっ




魄哉「蒼月君 手前がなんで主催側に居るんですかね 説明お願いしてもよろしいですかね?」ゴゴゴゴゴッ

蒼月「Σ降参!降参するから 人前で変化しないでよクソジジイッ!」ひえええっ




魄哉「全く
ただでさえ忙しい上こんなアホな真似を」チャキッ。


家康(Σ『チャキッ』!?)

千様(袖にがっつり刃物仕込んでる!?)ひいっ



魄哉「怪我の功名と言いますか
今回ばかりは キレて出てきて運が良かったかもしれませんが」ちらっ

蒼月「ん? 何?
なんか有るの?」おそるおそるっ



家康「あれ?そう言えば 何か変な音が」きょろっ



魄哉「イナゴです。」

家康「Σあだだだちょ噛まれた噛まれた!」うわあああっ!


魄哉「こうやって何でも食べようとするから怖いんですよね」イナゴぴしっ

千様「あ 獰猛だけどやっぱバッタなのね」あら

魄哉「甘い。蝗害の怖さは個体の狂暴さではありません」

蒼月「え。蝗害って まさかっ」はっ





魄哉「数です。」

空真っ黒っ。


家康「Σなんでいきなりーー!!」うわああっ


魄哉「基本は自然発生する災害なんですがね

どうも蝗害を起こす種のイナゴは タタリと相性が良いらしく」ため息っ



テオドール「御座いました!
向こうの山の奥の祠。
イタズラらしく 粉っごなに割られて落書きされております!」

魄哉「あ、やっぱですか
どうも気質的に同族とみなすのか 呪いの力に引き寄せられるらしくてですねえ」うわー。

千様「Σタタリこっわ!」ひいいっ



家康「え?え?ちょっと待って
まだ大半は向こうの方だけだけど

さっき私襲われたよね? めっさ食べる気満々ぽかったんだけど?」冷や汗っ

魄哉「だから来て良かったんですよ

さて、人里に入る前にどうにかしませんと
町に入る前に見付けられて良かったですがね」うーん。



蒼月「ごめん、ジジイ
今から此処にめちゃ人来るよ」

魄哉「へ?」

千様「えっとその。此処、例の賭けレースのゴール地点でー」しどろもどろっ

魄哉「は?」

家康「もう何匹か飛び回ってる此処に
洒落になんない数の人が殺到しちゃう って事だね」ひええっ



魄哉「なんなんですかそれ!
聞いてませんよ!てかアンタが着いてて何でんな事になってんですか!!」ええええっ

家康「Σそれに関してはホントごめんね!
いきなりイナゴの展開は読めなかったの!!」ひいいっ

千様「Σぎゃっ!言ってる間に人影見えて来たわよ!?」ひええっ


蒼月「やばっ 人間わらわら来たら餌につられて更にイナゴ来んじゃな Σいだだこのやろっ!」イナゴべしっ!



魄哉「くっ! しゃーないです
イナゴに効くか解りませんが結界張ります!」数珠じゃらっ!

家康「Σ普通に考えて効かなくない!?」えええっ

魄哉「魔に近い気質なら頑張りゃ効くはずです!
邪悪な蒼月君に効くんですから うん行ける!」くわっ

蒼月「Σ落ち着けよ 俺は普通に妖怪だっての!!」








テオドール「天海大僧上様 御乱心に御座いますね」うわあ。

彬羽「だから休みはちゃんと取れって言ってんだがな」

白「寝不足って怖いな」あーあ。



彬羽「さて、どうする総大将。

正直イナゴが止まるとも思えんし、人間共を止める方が良いと思うが?」

白「だな。
てかあいつ等何かに追われて無いか?」あれっ?

彬羽「すまん。近眼だ」

テオドール「あー 確かに
何かから必死で逃げて来られてる様な」背伸びっ


白「じゃ此処来たらそれこそパニックだな
何に追われてるか知らないけど」ふむ。

彬羽「だな。結構な人数居るって話だ
前だけ止めても後続が止まらんだろ さてどうやって Σえ。おい」





白「虫って基本泳げないよな?」扇子すちゃっ

彬羽「Σいや確かにそうだがちょっと待っ

白「俺泳げないから回収よろしくな」



バガンっ!!





テオドール(橋を一撃粉砕。さすがに御座います。)わお








粋「Σえ。ちょ 前道が無

挿音「待てやクソガキがちょろちょろと!!」すたたたっ

粋「Σっぎゃ!ちょったんまたんま前前っ
うおお後ろの奴等止まれ押し出 うぎゃあああーーっ!!!」




どっぱあああーーーんっ!!











九尾「イナゴはスジが多くて食いにくいのう」ぼりぼりっ


白「晴明も呼んだら食べるかな?」

彬羽「あいつは調理済みしか食わんだろ」




魄哉「じゃ僕らは普通に殺虫剤撒きましょうか」よっこらせっ


蒼月「Σえ。俺もやるの 「当たり前です」

千様「あのーアタシ虫はちょっと「殺虫剤代請求しましょうか?「Σ解ったわよ!!」ひいっ


家康「粉って重いね。」ずしっ










粋・挿音「」 川にぷかっ


白・彬羽「Σ!?」

テオドール「Σうおう 何故にっ!?」びくうっ








>サイトトップに戻る