小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月5日







彬羽「してやられたか」ちっ。

粋「やられたって! 何だよこの煙
いや霧?」きょろっ

蒼月「近寄っちゃ駄目だよ
霧の濃い所に行ったら強制的に幻影見せられちゃうよ」あーあ。

粋「Σマジで!?」ひいっ

彬羽「ここに要りゃ安全だがな
霧が晴れるまでしばらく動くな」

粋「いや何でここだけ平気 Σうわ」びくっ



シロ「霧とはすなわち水蒸気。
なれば寄れば凍らせてしまえば良い」そこら一帯氷漬けっ

蒼月「助かるけどマジで寒い」ぶるっ

粋「Σ蒼月冬眠すんじゃねえのこれ!?」ひいっ



蒼月「あー海とか着いてこなきゃ良かったクッソ寒いっ
だいたいうちのボス何処だよ ヤバイんじゃないの?」ガタブルッ

彬羽「あの馬鹿 苦手な水に気を取られて隙を突かれたんだろ
そしてあの方向音痴だ。 無事でも自分から霧に突っ込みかねねえな。」ため息っ

粋「Σいや副官冷静過ぎ!」

彬羽「騒いでどうにかなる物か。

で、自称幻術のスペシャリスト どうにかならねえのか?」

蒼月「煽っても無理な物は無理だよー
コレ俺の幻術とは別物だもん 解呪とか出来ないし
そもそも寒くて頭回んないし」



粋「別物の幻術って?」へ?

彬羽「蒼月のは目から視神経を通して頭に直接呪い叩き込む力技の幻術だ
しかしコレは 視覚のみの幻術。 シロがやたら元気なのを見ると水蒸気で作られた幻って所か

つまり コイツの正体は蜃気楼。蜃を操り楼閣を見せるって貝の化け物だと思われるな」ふむ。


粋(Σいや蜃って何!?)

蒼月「解らない事はそれスルーで考えてりゃだいたい解るよ
説明ダルい眠い」うとっ

粋「Σおいこら冬眠すんな!目覚めなくなるぞ!」ひいっ




シロ「弱音吐くのは勝手だが他所でやってくれんか。
気張っとるこっちまで疲れるのだ」冷気びゅおおおっ

蒼月「Σ蛇相手に無茶言うなよ! つかその寒いのこっち向けんな 嫌がらせかよ!!」

シロ「喧しい 己がか弱いので幻術から護ってやっとるのであろう
寒いくらい我慢せんか!」けっ

蒼月「Σはああ!誰がか弱いって!?
冷え性の氷使いに言われたく無いんだけど!!」むかああっ



彬羽「ムカついて少し体温上がった様だな」ほう。

粋「シロって大概 兄貴の影響受けてるよな」わお。

シロ「Σあんなのと一緒にするな!」むかっ

粋「うんごめん。兄貴はこんな沸点低くねえわ」





彬羽「で、どうする?
そこに海が有る以上 蜃気楼も水蒸気には事かかないだろ
霧が晴れるのを待つってのは無理があるな」ちらっ

蒼月「はあ?そこ考えるのがお前の仕事じゃないの?こっち見んなよ」


彬羽「か弱い蛇に汚名返上の機会を与えてやろうとしたんだがな。」ため息っ

蒼月「Σお前らマジで大っ概にしろよ!!

見てろクソっ えーと確かジジイの部屋で読んだ本のは」えーとえーっと


粋「お前もかよ」うわ。

彬羽「は?」

シロ「すまん。今のは俺も何処ぞのアホの煽り方と同じと思ったわ」

彬羽「Σ何いいいー!!!」がーん。

粋「Σ揃ってそんな嫌かよお前ら!」

シロ・彬羽「Σいやあのアホだぞ!?」

粋「Σそのアホの弟に言う それ!?」えええっ




蒼月「黙れ煩い魂食らうよ

術式一通干渉完了。」びしっ

一同「Σホントに出来てる!!」えええっ


粋「え?お前凄くね?」えええっ

シロ「で、一通とはどの様な?」

蒼月「人の幻じゃ俺には邪魔も解除も出来ないからね
近くの人が見せられてる幻を覗き見出来る様に 言わば障子に穴開けた感じ?」えーと。

彬羽「おい。意味有るのかそれ」

蒼月「覗き見のみ。」きっぱり

粋「Σつっかえねええええ!!」ああもうっ



蒼月「Σはああ!?失礼だな
見るだけで干渉も出来ないから一通なんだよ。
充分高等技術なんだから文句言うなよ」けっ

シロ「お前が凄いのはよく解った
しかしどうせなら意味有る事をせんか」びゅおおおっ

蒼月「Σぎゃこのガキ わざと寒くしてんだろ!やめろ馬鹿っ」ひいっ



彬羽「ともかく状況の把握にはなるか
若干プライバシーの侵害の様な気もするが それは俺等にも見える様に出来るか?」

蒼月「俺に見えるのと同じのをお前等の脳ミソに叩き込めばね」

粋「使い道さえ間違わなきゃマジで凄いんだろなコイツ」うーん。



シロ「俺は蜃気楼の侵食止めるので精一杯なのでな。 お前等頼んだ」びゅおおおっ





蒼月「じゃ行くよ ちょっと脳ミソ揺れるけど耐えろよ」

粋「Σえ。ちょ待っ Σあだあっ!!」







ーーーーーーーー









白「どっちから来たっけな」あれ?




粋・彬羽(Σ幻の中でまで迷子!!)


彬羽「なんだ。若干放置したい気になったんだがな」げんなり。

粋「ま、まあ 霧凄いし
兄貴方向音痴だし 有る意味これが一番効くのかも?」苦笑。

彬羽「ん? 俺等は普通に話が出来るんだな?」

蒼月「そりゃあね。
視覚だけ俺と同化してるって感じだし
実体真横に居るだろ」

粋「蛇凄えな」わお。




蒼月「しかし お宅の兄ちゃん大したもんだね
こう言うのって 無意識で潜在意識で一番怖い物が出てくる物なのにね」ふーん。

粋「そなの?」へ?

彬羽「あいつにとっちゃ迷子が一番の恐怖なのか」困惑っ

蒼月「家に帰れなくなるのが怖いんじゃない?」

粋「あ。成る程。

俺ならもっとオバケとかそっち系の物わんさか出てくんだろうに 兄貴さすが」へー。


彬羽「何ぞ出てきたがな。」

粋「へ?」



粋(蜃気楼)「あー!兄貴居た居たっ
1人でウロチョロしてたらまた迷子になるって」


粋「Σなんで俺!?」



蒼月「同じ幻術使いとして推測すると
あまりにも何も考えて無いから なんか精神攻撃行けそうなの出して来たんだと思うよ」

粋「Σいやいやいや 俺使って何の精神攻撃すんだよ!!
つか肖像権の侵害っ!」ひいいっ

彬羽「しかし、このパターンとなるとだ」ふむ。




粋(蜃気楼)にやりっ

懐から小刀きらーん。




粋「Σぎゃーーっ!!」

蒼月「成る程。 兄弟仲悪かった時の記憶も読み取られてるぽいね」うっわ

彬羽「大したものだな 蜃気楼」ほう。


粋「いやいやいや!んな呑気に!
俺の見た目でもっかい兄貴刺すとかマジでやめ

ドコシャッ!!


一同「」




蒼月「・・一瞬の迷いもなく薙ぎ倒したね」引。

彬羽「生身なら 内臓飛び散ってるな」うわ


粋「Σ惑わされ無さすぎて俺が辛い!!」どちくしょおおっ

蒼月「こっちが精神攻撃されてんじゃん。」わお





白「あいつなら 俺の真後ろには絶対立たない」ふんっ



粋「Σあ。そう言う事!?」はっ

蒼月「お宅の兄ちゃん アサシンだっけ?」

粋「いや 兄貴基本野生動物だから。
俺が芝居小屋でモンスター客のだったかな?ムカつく事があってさ
殺気だってる状態で後ろ通りすぎようとしたら条件反射でカンザシ眉間にぶっ刺されそうになって

んで それから真後ろ立たねえ様にしてたわ。そいや」あーはいはいっ

彬羽「Σおい。そう言う事は早く言え!!」背筋ぞわっ



蒼月「今後 あの人の真後ろ立たない方が良いね」

彬羽「だな。最悪焼かれる」冷や汗っ

粋「いやあの時は兄貴も寝ぼけてたし。
俺は絶対もう真後ろ立たないけどな」遠い目。




蒼月「えっと。コレ心配無くない?
そもそもなんか有っても見てるしか出来ないしさ」

彬羽「だな。
しかしどうにかして霧を晴らさねえと俺らも動けん事だし
さて どうするか」ふむ。


白「ん?貝の匂いがする」くんっ




蒼月「あれ?蜃気楼って確か」はっ

彬羽「よし。回線切れ
目玉火傷するぞ」

粋「Σやっぱ食う切満々かよ!!」ひいいっ










シロ「お? 戻ったか
してあやつは無事か?」

蒼月「無事ってか。そろそろオヤツタイムだね」

シロ「は?」



どむっ!!

炎ごおおおおっ




シロ「・・少なくとも霧は晴れそうだな」ああうん。

粋「巨大焼き蛤かあ」うわあ

蒼月「蛤なの? 蜃気楼ってサザエ系のイメージだった」

粋「どっちでも良くね?」



彬羽「しかし 怖い物が出てくるって時点でてっきり水かと思ったが
案外平気なのかあの野郎」ふむ。

蒼月「単にここが海って事含め忘れてるんだと思うよ」


シロ「ん?何がどうしたのだ?」

粋「俺が内臓ぶちまけてた」遠い目

シロ「Σそれがあやつの思う恐ろしい物なのか!
身内の死が恐ろしいとはあやつにも人の心がっ「いや 俺が怖かった」
シロ「Σどういう事だ!?」えええっ







【同時刻 常春の里】




朔日「ここ、怖い予言してる私の出番じゃ無いのかなあ。」どよーん。

翡翠「また千里眼で覗き見ですか?」


朔日「見込んでおいて何だけど。あの子神経太すぎないかな」なんとなく落ち込みっ

夕霧「何の話?」

旭「いつもの構ってちゃんじゃね?」適当っ





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白「へー。あのでかい貝が幻見せてたのか」もぐもぐっ


粋(食ってる) うわ。

蒼月(マジで食ってる)ひええっ




彬羽「お前よく んなわけの解らん貝食えるな」

白「妖怪ぽいからさすがに少しだけにしたぞ
固くて噛みきりにくいし。」もぐもぐっ

粋「妖怪と解ってて食うのかよ」

蒼月「ホント弱肉強食だよね この人。」うええ


シロ「ふむ。とにかく一件落着か?
霧も晴れて来たしな」

白「よく解らないけど多分な

ん? あれ?」きょろっ

粋「ん?何? なんかおとした?」



白「いや

テオどうした?」

一同「Σあ」

蒼月「Σあいつ来てたの!?」えええっ



シロ「ぬかった! あの腰巾着が着いて来とらんはずがない
何処か海にはまっとらんか!?」きょろっ

彬羽「いや待て 確か姿が見えなくなったのは コイツが居なくなったとほぼ同時だ」

粋「Σあ! 兄貴探して霧の中入ったんじゃ」はっ






一同(あいつ勝手に迷って 勝手に幻見てんのか。)うっわー


白「ん?術者がやめても幻見るのか?」

蒼月「んーまあ 霧自体に幻覚作用有るならそうなるね」あちゃー。




シロ「とりあえず先ほどの一通だったか?アレで安否確認してはどうだ?」

蒼月「そだねー。沈んでたら何も見えないだろうし早く引き上げなきゃ

あいつの怖いのなんて孤独とかそんな所だろうし 俺1人じゃ嫌だから皆も見てね」はーやれやれっ

粋「Σえ。 すっげえ嫌なんだけど!」

蒼月「うっさい強制 」

粋「Σぎゃーしまった目合わせちゃった!!」ひいいっ







テオドール「クオリティが低い!
我が主がその様な事申される筈が無いでしょうっ!!」

聖書の角でごしゃあっ!!



シロ「こやつの一番怖いのは 主からの拒絶か」成る程。

彬羽「知ってたな。」うん



白「・・・えー」引。

粋「な?な? 自分が殴られてるの見るの結構ショックだろ!?」





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