小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月19日

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粋「あー今日も稽古キツかったー」ぐったり。

白「つつじがノリノリだと怖いな

ん? 」ぴくっ


粋「ただいまー 」

玄関がららっ



白・粋「Σ生臭っ!」びくっ



粋「え?え? 何!? カラスの奴生ゴミ捨て忘れたとか?梅雨だぞおい!!」

白「昨日って魚だったっけ?」えーと。




小太郎「いや魚が腐ったんじゃ無くて蒼月だから」

蒼月「誰が生ゴミだよ。」ぐっったり。

白「また脱皮したのか。」納得。


粋「あーそっか。
蛇って生臭いもんなあ 湿度高いとこんななのか」うえー。

蒼月「Σだからちゃんと人型なってるだろ!!
他人に臭いだの何だの失礼なんだよ万年見習い!」

粋「Σお前に失礼とか言われたくねえええ!!」

白「でも俺でもちょっと言い過ぎだと思ったぞ」

粋「Σうっそ 兄貴が気にするレベル!?
マジでごめん!」ひいいっ

シロ「清々しい程兄がバロメーターだな。」うーん。

白「バロメーターのバロって何だ?」

小太郎「えーと。 何だろう?」困惑っ



蒼月「あーもう 疲れてる時にやめてよホント」くたっ

粋「Σえ! ちょ どしたよ?」


千様「なんかねー。
脱皮って結構体力使うらしいのよー
でねー

脱皮に失敗して命を落としちゃう蛇って結構多いらしいのよねー 」

蒼月「途中引っ掛かって死ぬかと思った」げっそり。

白「生きててよかったな」うん。



粋「うわ、マジか
でもお前 その割にはポンポン脱皮しまくってるよな?」

蒼月「窮屈になるんだもん。しゃーないだろ」ぐたっ



彬羽「脱皮は中身が育って鱗で覆われた皮膚に収まらなくなり 古い皮を捨てるって事だからな。
化け物モノノケの類は 大きさ=格みたいな所が有るだろ

そういう意味じゃ 妖怪として成長してると言う事なんだろうがな」うーん。

シロ「確かにここの所 静御前の笛をマスターしたりと色々と腕をあげてはいると思うが」ふむ。



千様「つまりー 色々覚えて経験値溜まるとレベルアップー!って皮剥げるのね」

シロ「嫌なレベルアップだな。」

小太郎「レベルアップ毎に命がけの試験有る感じか」うわあ。


蒼月「俺なんで蛇に生まれたの」どよーん。



白「良かったんじゃないか? いつか神様と崇められる様になりたいんだろ?」

蒼月「その前に仏様になりそう」ふっ

粋「相当ヤバかったんだな」

彬羽「そりゃあな。
普通の蛇も相当体力気力充実してねえとやらないってのに コイツは」


白「よく夜遊び朝帰りしてやる気になったな。」

蒼月「いや雨降るとさ。人肌恋しいってか 綺麗なお姉さん恋しくならない?」ふふんっ

千様「この子はいっぺんくたばらなきゃ直らないかもねー。」


彬羽「今回はどうにか助かったが 次も上手く行くとは限らねえぞ
古い皮は捨てとくからしっかり休んでおけ」すたすた。

小太郎「アレを処理出来るって凄いな」うわあ。

シロ「飲食店勤務で生ゴミの扱いにも慣れとるからな。」うむ。


蒼月「何がなんでも生ゴミ扱いかよ。」

粋「お前の皮なんて他に何の扱いしろってんだよ」

蒼月「大蛇の皮だよ?ご利益有りそうじゃない?」

シロ「女難を運んで来そうだな」うむ。




間。





蒼月「・・・」うとうと。



シロ「おい。あやつ大丈夫か?」

小太郎「思ったよりキテるみたいだなあ」わおんっ

千様「ほらほら。こんな所で寝ないのー
具合悪いならお部屋行って御布団でしっかり寝なさいね?」

蒼月「んー。
具合悪いってか 気持ち悪


ばたーん!



小太郎「Σ蒼月いいいい!!」ぎゃいいんっ


粋「え!ちょっとどうしよ!!」オロオロッ

彬羽「Σ俺に聞くな!
誰か急いで飛天呼んで来い!!」くわっ




白「あれ? 襖が無いぞ」はて。

シロ「無いとは何 Σうお!本当に無いっ!!」ひいいっ

粋「Σぎゃー 壁もなんか捩れてる!!」鳥肌っ

千様「Σえ!?何なになになにーっ!?」 混乱っ




石燕『なんすか大声出して!皆さん何事っすか!?』どんどんっ



白「壁の向こうから声がする」ふむ。

彬羽「成る程 石燕側から見たらそこに襖が有るって事か

つまりコレは。」ふむ

粋「コレは?」


彬羽「おそらく蒼月の幻術が 体力が弱まった事により、生存本能と相まって一時的に強化されて暴走してる。

と言ったところか」

小太郎「Σ本人失神してるんだけど!?」ぎゃいいんっ

彬羽「だな。 つまり制御無しの垂れ流し状態だ」

粋「Σやべえ!抜けられる気がしねえええ!!」




白「やってる奴が元気なら 本人叩きのめせば良いんだけどな」うーん。

千様「白君 変な所冷静よね」

白「迷子には慣れてるし。」きっぱり。

シロ「いや知り合い叩きのめすのに躊躇無いのかお前は。」引。




彬羽「タイミング的にも蒼月が原因で間違いないだろう
つまり こいつが目を覚ますまで待てば

石燕「ちょっと何がどうなってんすか!入るっすよ Σうごはっ!!」

スネごすっ!


小太郎「Σあ!その辺ちゃぶ台あった!!」ぎゃいいんっ

一同「Σいったああああ!!」ひいいっ



白「足折れて無いか?」

石燕「まさかあっしが見えないとは」ぐはっ

小太郎「Σ考えてみたら蒼月凄っ!!」

シロ「石燕で見破れんとは 本人も知らん間に術レベルがド偉い事になっとるのだな」ふむ。



粋「えっと。つまり この出口の無いぐにゃぐにゃは全部幻で、実際には普通に居間なんだよな?」

彬羽「そうなるな
見ろ 石燕のスネを。調度ちゃぶ台の厚みくらいで変な色になってるだろ」

千様「つまりー 家の中とは言え下手に動くと危険なのね?」

彬羽「だな。普段から散らかった家だ
下手に動くと変な物踏みかねな



白「あ。なんか引っ掛けた。」


ずるどさっ!
バラバラバラバラっ

彬羽「Σだから動くなっつってんだろがああ!!!」しゃああっ

千様「Σ威嚇やめてー!!カラスの羽も踏み様によっちゃ痛いわ!!」ひいいっ

粋「なあ。バラバラって」

シロ「何か小さい物 重量はさほど無いが量はそこそこの物が散らばった様だな」うむ。



小太郎「Σあっ!今朝挿音が毒針忘れてったんだった」わんっ
一同(Σ詰んだーーッ!!)



粋「嘘だろ 何処に何しに行くのに毒針とか居るんだよ」

小太郎「さあ?念のために象も一撃なの持ってくかなーって
忘れたら意味ないよな」わおんっ

シロ「忍の癖に破壊力が忍んどらん!!」


千様「もう動いたら命に関わるわね」ちっ

白「だな。」たんこぶ。

石燕「お願いっすから ウロウロ無しでお願いするっす」スネずきずきっ








1時間経過。








彬羽「暑い。」くわっ

粋「この湿気でひと所に集まってりゃそりゃ暑いっての!!」


シロ「喧嘩をするな!冷やせば良いのだろう冷やせば!!」氷ぱきーん!

小太郎「Σぎゃいいん!尻尾凍ったあっ!!」きゃいんきゃいんっ


石燕「カオスっすねえ」うーん。

白「蒼月起きないな 生きてるのかな?

あれ?」

粋「今度は何 Σえ!?」


千様「あら ちょっと蒼月君あそこにぶっ倒れてたわよね!?」

小太郎「Σええ!居ないっ!?」



石燕「いや居るっす!
めっさ気合い入れてピント合わせたらうっすら見えるっす!!」

白「近眼の奴がよくやる奴か。」おおっ

石燕「初めて目が悪い人の気持ち解ったすよ 見づらっ!」眉間に皺っ



彬羽「成る程な
自衛の為に能力暴走してんだ。
自衛の為に外敵から身を隠そうとするのは当たり前か」ふむ。

シロ「ん?ちょっと待て それはつまり」


彬羽「さっさと飛天を呼んでおくべきだったな
思ったより蒼月がヤバそうだ」

千様「Σいやああ!死ななきゃ治んないとか言ったの嘘よおおお!」

粋「Σ姉ちゃん危ない 毒針毒針っ!!」ひいいっ


石燕「つまり、早めに妖怪に医療行為の出来る人に診て貰わないと
あっし達がここから抜け出せた時が蒼月さんの最期になりかねないと。」

小太郎「Σ1時間じっとしてた俺の馬鹿ーーっ!」ぎゃおんっ



白「せめて毒針見えないかな」床這いつくばりっ

石燕「いやそれあっしのがまだ見えると思うっす
危ないんで交代を」


粋「なあ 仮にあのぐにゃぐにゃした壁ぶち破ったらどうなる?」

彬羽「下手すりゃ外まで幻覚に侵食されるんじゃないか?」

シロ「この際爆破でも良い。どうにかして外に知らせねば
いや しかしここに踏み込めば飛天も幻に飲まれるか」うーん。



白「なあ。蒼月ってそこまで強い妖怪だっけ?」

彬羽「いやだから 命がヤバいから能力暴走してるんだろが。」

白「うん。だからな
お前の言う様に壁ぶち抜いたらそっの向こうまでぐにゃぐにゃって 無限なのか?

元々目を合わせないと幻かからないし。『格上』には効かないんだぞ」

彬羽「・・ん?」

白「蒼月ってそんな下手っぴなのか?」

小太郎「言われてみれば これじゃ普段使われてない能力多すぎる様な気もしなくはない?」わおんっ

彬羽「ちょっと待て。
じゃ つまりコレは」




千様「Σあ、昨日晴明さんが魄哉から買った御札 持って帰るの忘れてたんだったわ。」手ぽん。

一同「Σそれだ!!」おおおっ


シロ「あんな馬鹿高い札 誰が買うのかと思えばそういう事か!」

千様「お得意さんらしいわよー
晴明さん防御特化でほぼ攻撃出来ないから その分御札で賄ってるんですってー」



粋「やたら皆忘れもんしてるなあ」うわあ。

白「梅雨って頭起きないもんな」うん。



石燕「成る程 魄哉さんの御札なら蒼月さんと相性良いっす
それをブースターにしてこの空間が作り出されてるとしたらっ」

彬羽「札さえどうにかすりゃ抜けられるな」

粋「で、姉ちゃん その札は何処に!?」



千様「えっと 確か挿音が忘れてた毒針と一緒にちゃぶ台の上にー」えーと。

一同「Σまさかの毒針ゾーン!!」



石燕「あ、あれっすかね?
言われて見れば なんかこう触ったら焼けそうな光が向こうに」

千様「石燕さんは人間だから焼けないと思うわよ?」

小太郎「いや、なんかもう一番効きそうだぞ」わおんっ


彬羽「万事休すか。

どっちにしろ毒針ゾーンじゃな。」うーん。

白「お前なら気合い入れれば針なんて弾くんじゃ「手前俺を何だと思ってんだ?」





玄関がららっ


家康『たっだいまー
あれ?皆居ないのー?』



小太郎「Σピンポイントで踏みそうなの帰ってきたー!!」ぎゃいいん!

粋「家康ダメだ入るな!ややこしい事なってる上に踏んだら死ぬ!!」

家康『Σえ!?何どういう事!?』びくっ



シロ「早く解りやすく説明せな入って来るぞあやつは!」



白「蒼月失神で忘れ物の御札でパワーアップで入ったら幻覚で毒針地獄。」

家康『らじゃ!よく解んないけどヤバそうだから入らない。』

千様「間違ってないけどカオス感は伝わったわね」わおー。

粋「兄貴のボキャブラリーの無さ凄え」うわあ。




白「でな。 その札ちゃぶ台の上にあるはずなんだけど
俺ら見えないし そこ開けたらお前も見えなくなるかもしれない

そこからちゃぶ台の大体の位置覚えてないか?」

家康『いや 覚えててどうする「撃ち抜け。」



シロ「恐ろしい事言っとるな」

小太郎「見えない物に発砲するとか怖すぎだろ。」



家康『えー。さすがに私でも記憶で撃てないよー』

白「あ。それと 早くこれ解除しないと蒼月くたばるかも」
家康『Σそれ早く言って! ちょち待ってて!』どたばたっ



シロ「何か策が有るのか?」おおっ

粋「なんだろ 嫌な予感しかしねえわ」



家康『よっしゃあ!! 皆蒼月ガードで生きててね!』

コマ『赤外線センサーオン。 ちゃぶ台及び霊符の束確認致しました
排除します。』

ランチャーがこんっ



粋「Σえ。この音コマ?」


石燕「Σ皆伏せて 吹っ飛ぶっすよ!!」ひいいっ

彬羽「Σおい!そんな真似したら毒針飛んでくるんじゃねえのか!?」

白「蒼月どこか解らないし飛んできたら溶かすぞ。炎の壁っ」ぼぼっ

シロ「Σおい!室内なの忘れるなああ!!」ひいいっ




ーーーーーーーーーー








魄哉「それはっ お疲れ様でした。」ドン引きっ

白「凄い大変だった。」けほっ




挿音「お前なー。江戸城に朧車ベタ付けすんなっつってんだろ」

粋「今回は緊急だったし」まあまあ。

魄哉「ともあれ蒼月君はもう大丈夫ですよー
脱皮と言うより 不安定な時に勝手に僕の御札に反応して能力暴走しちゃって疲労困憊って感じですから。」

小太郎「オデコに御札貼られてるな?」わおんっ

魄哉「精神回復系のです。ヒーリングですね
もちょい放って置いたら 精神焼き切れてたかもしれませんねえ」

家康「Σうお危なっ!!」


魄哉「こう言う術系の子は色々危ないんですよ
精神力が物言うのに 本人メンタル無茶苦茶ですからねえ」うーん。

彬羽「その上不摂生だからな。」

魄哉「適応力はあるんですがね

てか 専用でもない御札で意図せずそこまで能力引き出すってどんだけ順応してんですかと。」うーん。


シロ「天才では有るのだろうな」うむ。

魄哉「ですねえ。
性格のせいでむしろマイナスですけど。

ま、その辺は助かったので良しとして


家帰るのめちゃめちゃ怖いんですけど。」真顔。

白「居間中心に吹っ飛ばされて軽く燃えて そこらに猛毒の針刺さりまくって「ごめんなさい。説明しなくて良いです」



シロ「その上梅雨だしな。」

挿音「あー。降ってんな」うん。

千様「こりゃ無事だった畳も逝ったわね」あーあ。




家康「あーもうさ、いっそ直るまで皆江戸城に滞在する?」へらっ

彬羽「下手すりゃ此処も吹っ飛ぶぞ」真顔。







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