小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月1日




【幕府公営診療所】





白「飛天居るか? あれ?」きょろっ

テオドール「お留守で御座いましょうか?」おや



彬羽「ったく あの野郎 医者が診療所もぬけの殻にしてどうすんだ」ため息っ

粋「Σあだだっちょ ちょい揺らさないで痛えええっ」ひいいっ

彬羽「少しくらい我慢しろ ドブ板踏み抜いた手前が悪い」小脇にかかえっ

粋「細い木の板とか見たら 上歩きたくなるのが人情だろ!?」足から血だらだらっ

白「俺でもやんないぞ そんなの。」


テオドール「骨は大丈夫で御座いましょうかね?
あ、彬羽さんそこに降ろして下さいませ」

彬羽「ん? お前傷とか診れるのか?」

テオドール「見れませんが 折れてないぽいなら適当に消毒薬でもぶっかけとけば治るで御座いましょう」にっこり。

白「これ 消毒薬じゃ無くて酢じゃないか?」くんくんっ

粋「Σ飛天先生早く帰って来てええええ!!」ひいいっ



彬羽「俺が見た方がマシじゃねえのか」うーん。

粋「Σぎゃああ!折られるっトドメ刺される!!」うわあああっ

彬羽「いやこの中じゃマシって話してるんだがな

それともお前の兄貴のが良いか?」

白「血止まるくらいギッチギチに傷口縛れば良いんだっけ?」真顔。

テオドール「申し訳御座いません。
それは拷問に御座います」苦笑


粋「ごめん。自分でやるから消毒薬くれ」冷や汗どぱあっ

テオドール「痛がりに御座いますか?

では御自分での方がよろしゅう御座いますね
はい。乾いた手拭いと消毒薬に御座います」よいせっと

粋「うん。今度は醤油」


白「テオ さっきからそれどこから持ってきてるんだ?」

テオドール「こちらの棚に御座いますが?」あれ?

彬羽「ああそりゃ調味料棚だ
あの野郎 診察室で普通に飯食うからな」

粋「Σ腕は良いのに私生活適当過ぎんだろあのメンタルヤブ医者!!」




白「ま、いいや。醤油でも何でもとりあえず傷口洗え
バイ菌ての入ると 足が腐るらしいぞ」

粋「Σぎゃー!醤油は嫌だああ!!」ひいいっ

テオドール「あ。お酒が御座いました

消毒薬もアルコールで御座いますよね」よいしょっと

彬羽「Σ馬鹿やめろ!焼酎は




粋「ぎっやああああああ!!!!」


テオドール「ホント痛がりに御座いますねえ」おやまあ。


粋「」ぐったり。





白「?」

彬羽「・・殺菌も出来るが 死ぬ程染みるんだありゃ」あーあ。






白「えっと。使っちゃった調味料代は後で払えばいいか

さて治療済んだし帰るか」

粋「・・治療って何?」ぐったり




テオドール「おや? 何か表が騒がしい様な」

彬羽「ん?あの野郎が留守だってのに患者でも来たか?」




常連の婆ちゃん「先生の新作の手品っちゅーの 楽しみじゃのー」わくわくっ

常連の爺ちゃん「じゃのー。 年寄りこそ楽しみを持てなんぞ 他所の先生はここまでやってくれんわ」にこにこっ



一同(Σ地域密着型の医者としてはめちゃめちゃ優秀ーっ!!!)



粋「えっと

あれ? なんか今日 爺ちゃん婆ちゃん集めて何か会やる感じなのかな?」嫌な予感っ

テオドール「でででもっ 飛天さんおられませんよ!?
忘れてるとか あ!ひょっしてお爺さんお婆さんが間違えてるとかで御座いましょうか!?」

彬羽「少なくともこの辺の爺婆は今日だと認識してる様だな
見ろ どんどん集まって来るぞ」

白「飛天が忘れてる方っぽいな」うーん。




テオドール「どういたしましょう?
探して参りましょうか?」

彬羽「何処をだ?
万一忘れて里帰りとかしてたら 京まで捜しに行く羽目になるぞ」

テオドール「Σ飛べる方の行動範囲広すぎる!」ひいっ

粋「あのさ。 見なかった事にして逃げようかとかも思ったんだけどさ」手招きっ

白「ん?」



粋「年寄り達の あのキラキラした目
見たら裏切れねえよな」 診察室からこそっ


爺ちゃん「まだかのー。」わくわくっ

婆ちゃん「先生準備中なんじゃろ?」そわそわっ



テオドール「精神的に選択肢を奪われました。
しかし、逃げないとなるとどうすればよろしいのでしょう」むう。


白「・・お前 イトコだけあって飛天と顔似てるよな?」じーっ

彬羽「Σえ」


テオドール「あ、確かに
一二三さんも兄弟かと思ってたとか言われておられましたし」ふむ。

彬羽「いや似てるって言ってもガタイも違うし声も違
白「めちゃ筋トレしたって事にすればガタイくらいどうにでもなる」うん。

テオドール「声に関しては 変な薬品で遊んでたら声変わっちゃったで行けます。
飛天さんならそれくらいやりそうで御座いますし 行けます行けます!」よしゃっ

彬羽「Σあいつもそこまで馬鹿じゃねえだろ!

そもそも身代わりやるにしても顔はともかく 髪はどうすんだ
あいつの髪型そうそう真似出来ねえぞ!」



テオドール「その辺どうで御座いますか? 敏腕スタイリスト様。」

粋「えーと サイド短め後ろカラスの尾羽ぽく兄貴並に長いの1束か
あー付け毛とヅラで行ける行ける」きらーん。

彬羽 「Σ畜生こいつの特技忘れてた!!」


粋「切って良いならサイドそれっぽく散髪するけど?」ハサミしゃきんっ

彬羽「Σヤル気満々か!
だいたい切った所でそれ付け足しても後ろの毛の長さ足りねえだろ!」

白「そこは任せろ」ずいっ

彬羽「Σこういう時は積極的だな手前!!」



テオドール「どうされるので御座いますか?」

白「まあ見てろ よいしょっと」どろんっ

テオドール「Σへ? 人間バージョン!?
あの確かにその姿は黒髪に御座いますが まさか!!」




白「ハサミ貸せ」

粋「はいよ。」



じょきんっ!!

テオドール「Σっぎゃー!バッサリと!!」ひいいっ



白「で、戻ったらまた元の長さに伸びるしな」髪ざわわわっ

粋「うっわー 何度見ても何か怖え」鳥肌ぞくぞくっ



白「な? これで付け毛調達完了だ」どやっ

テオドール「非常に合理的ですが 大概ビビりましたっ」心臓ばくばくっ




粋「って事で 逃げらんねえからな?カラス」にーっこり

彬羽「いやそのっ 出し物とか言われても俺は芸なんぞ出来な
白「そこは俺等に任せろ
奮発してプロの芸人呼んじゃったとか お前は飛天になりきれば良い」

彬羽「Σそのなりきるのがキツいっつってんだ!!」うがあっ






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庵「ホントにもう大丈夫?」

飛天「んー。なんとか
まさか 味噌煮のサバの骨ぶっ刺さるとは思わなかったなあ」ノドさすりっ


庵「急いで飲み込むから 。
どうにか自力でオエッてやったの 私の小指くらいは有ったよ うー怖っ」ぶるっ

飛天「しばらく魚はやめよう怖え。

つか 別に見送り要らないぞ?
仮にも医者だし 何かおかしかったら自分で処置するしさ」

庵「いや解ってるけど

店の床吐血で血まみれにされたら やっぱ人としてね」遠い目。

飛天「吐血っても ノド切れただけなんだけどなあ

Σうおヤバ! もうじっちゃんばっちゃん等集まってる!!」


庵「あ、 だから焦ってたのか

あれ? あれってひょっとして」ん?







爺ちゃん「ありゃ先生 メガネかけるようになったんかの?」おや

彬羽「Σい、いやちょっとな。たまにかすみ目がなっ」ぎくっ

婆ちゃん「ほー。勉強のし過ぎかいなー
てか先生 今日でかくないかい?」

彬羽「そっそれは 成長期だ!!」必死っ




庵「何してんの彬羽」わお。

飛天「なんとなく察したけど
赤ずきんの婆ちゃんに化けた狼みたいになってんな」あちゃー。


白・粋・テオドール(面白い。)ぷぷっ



庵「てか何でメガネ?」

飛天「あいつ目が悪いから眉間の皺凄いんだよ

俺のフリするなら 出来るだけ目付きマシにと思ったんだろなあ
ホント真面目だ」苦笑。

庵「いや 笑ってないで助けてやったら?」






爺ちゃん「しかし、先生もええ人じゃがイトコさんもおもろいのー」ぷぷっ

婆ちゃん「こら。騙されてるフリせんと可哀想じゃろ」しーっ




一同(Σ思いっきりバレてた!?)えええっ


飛天「あれ?コレ 普通に彬羽恥ずい奴じゃね?
俺どのツラで出てけば良いの?」ええー

庵「バレてないと思って まだ不器用なりに一生懸命飛天の真似してるね」あちゃー







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