小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月30日





【春の海】



波ざぱーん。





粋「はー。 なんか寂しくなるなあ」しんみりっ

シロ「良いではないか
海の者は海へ いつまでも庭の池に住まわせておくわけには行かんしな」

テオドール「人魚さんのお仲間さん方 皆さん人に捕まらず無事でおられれば良いので御座いますがねえ」心配っ

彬羽(あの人魚の仲間となると 大丈夫と言いきれないのが難だな) うーん。



魄哉「まあまあ。僕も幕府側からそっち系の情報に目を光らせておきますので
もし捕まってたらちゃっちゃと保護しますよ

ともかく皆さん 人魚さんのお見送りお疲れ様です。 僕はこのまま江戸城向かいますね」

蒼月「今日も仕事かよ ハゲても知らないよー?」

魄哉「ハゲたく無いんでお手伝いお願いします。」がしっ。

蒼月「Σぎゃー!墓穴掘ったああっ!」ひいいっ



テオドール「お仕事頑張って下さいませー」ハンカチひらひらっ





石燕「で、気になってたんすけど
何でアンタ等まで人魚さんのお見送りに?」

茨木童子「人魚とか生で見たこと無いから野次馬根性。」

酒呑童子「山育ちなんで久々に海って物が見たかった」


粋「お前等ホント自由だな」





白「海が見たいとか お前やっぱ変だな」

酒呑童子「Σ喧しわ! 波にビビって副官の背中に貼り付いてる手前に言われたくねえ!!」

白「背中じゃない 肩によじ登ってる」どやっ

酒呑童子「Σ猿か!!」



彬羽「何でも良いから人に上るな。」


千様「彬羽君でっかいから 波が来ても平気そうって思えるんでしょうねえ」あらまあ。

粋「兄貴落ち着いて。ほれ波は此処まで来ねえから」どうどうっ


テオドール「今日は風が強いので波が荒う御座いますからね。
水が苦手な白さんには どうしても恐ろしく見えてしまうのかと。」苦笑

白「別に怖くない
濡れたら嫌だなーって」そっぽ向きっ


彬羽「そうか。なら投げ込んでやろうか」
白「やめろバカラス 燃やすぞ」むっ

彬羽「Σ嫌ならさっさと降りろ!」むかっ



茨木童子「仲良い主従だよなー」しみじみっ

粋「あ、うん。
そうか主従になんのか この2人」うわお。

石燕「どっちかつと相棒じゃないすか?」



千様「何でも良いわよー 仲良しなら。

あら? そういやシロ君は?」きょろっ

テオドール「先程までおられましたが?」おや?



茨木童子「ん?何か向こうから 血相変えて走ってくるけど」

千様「ちょっとシロ君どうしたのー? 」


シロ「い、今 念の為地元の者に聞いたのだがっ」

彬羽「ん?地元?
漁業関連なら今日は縁起が悪いとかで 基本船出ない日のはずだが?」

シロ「あくまで基本だそれは!」


粋「え? ちょっと待って
んじゃ 何か船出る様な何かが?」嫌な予感っ



シロ「波の荒れで迷ったのか 沖にクジラが出たそうだ」

一同(Σ 地元の漁業総出で狩る奴ーーッ!!!)ひいいっ


千様「え?え? 人魚ちゃん 大丈夫かしらそれ

網とか一緒にかかっちゃわない!?」あたふたっ

彬羽「クジラ相手に網は基本使わんが しかし」冷や汗っ




テオドール「あの、この国のクジラ漁はどのような方式で?」挙手っ



彬羽「基本多数の船で取り囲んで 一斉に銛を突き立てる」
テオドール「Σ巻き込まれたら終わりではありませんか!!」ひええっ

彬羽「巻き込まれんでもクジラ狩りモードの人間になんぞ見つかったら 問答無用で銛打ち込まれても不思議じゃねえだろな」




粋「よっしゃ!じゃ地元の漁師より早く人間見つけてどっかに隠す!!」だだっ

石燕「Σいやいやいや水中っすよ!
さすがに地元の漁師さんのが上っすってば
つか荒れてる海で泳ぐの危険っす!!」

粋「Σう」



彬羽「荒れてなくても 海の中で人魚捜すだけでも一苦労だろうな
あの間抜け人魚 捜さなきゃ網にかかるが、そういうのに限ってこっちが捜してる時は見つからん者だ」うーん。

白「俺みたいだな」へー。

彬羽「自覚あるなら毎度迷子になるな
そしていい加減降りろ」




シロ「で、どうする?
漁船を片っ端から凍らせるくらいなら出来るが
漁師に罪は無いしな。」

千様「うん。海でそれは危険だからやめときましょ」うんうんっ



酒呑童子「しゃーねえ
此処は俺様の出番か」ずいっ


テオドール「何故におもむろに脱ぎ出すのですか 状況考えて下さいませ露出狂。」うっわー

酒呑童子「Σこの状況で脱いでる時点で察しろや!
俺は水練達者なんだよ!!」うがあっ


茨木童子「うんごめん。 服着てるのダルくなったかこの裸族とか普通に思ったわ」

酒呑童子「Σお前もかよ!!」





千様「え? 泳ぎ上手でも今日の海は危ないと思うわよ?」

粋「そもそも山育ちじゃねえの?お前」ええー。



酒呑童子「なめんなよ。確かにガキの頃から大江山育ちだけどよ
それより前は海育ちなんだよ」けっ

シロ「鬼が海育ち とは?」




酒呑童子「出身・鬼ヶ島。

入り江まみれの周り全部海だっつの」


茨木童子「あーうん。言ってたなそういや」はいはいっ

一同「Σそういやそうだった!!!」おおおっ



酒呑童子「って事で 久しぶりでは有るけどよ
息とめ素潜りなら慣れたもんよ。
トロ臭い人魚くらい秒で見つけてやらあ」ふふんっ

テオドール「それはよろしいのですが
その 人魚さんの方が全力で逃げて行きそうな気もしなくはないかと「誰が変質者だ手前。」


茨木童子「よし。ごちゃごちゃ言ってる間に人魚の姉ちゃんメザシにされたら悲惨すぎる

とっとと行けほれ」 げしっ!

酒呑童子「Σ蹴んな! ちょ準備体操させろっ」



千様「意外と真面目?」

シロ「水に慣れとるゆえに 水をなめてはおらんのであろうな」ふむ。

石燕「あっし今回始めて この人頼れるんじゃと思ったっすよ」わお。

粋「酒呑童子 見た目よりは良い奴なんだけどなあ」苦笑





酒呑童子「よっしゃ!じゃ 行ってくらっ」ひょいっ

どぱーーん!




粋「Σお!行った」

彬羽「くれぐれもクジラ漁には近寄るなよ!
手前でも大ケガする可能性有るからな」


酒呑童子「おうよ」じゃぶじゃぶっ どぷんっ

白「沈んだ?」

テオドール「潜ったので御座いますよ
人魚さんまだ近くにおられると思われますし
早く見つけて安全圏にお連れしませんと

Σあれっ 与一さん?風強いのに出てきて大丈夫に御座いますか!?」


与一「構わん。飛ばされん様半分石燕に憑依したまんまだ。ほれ 背中にから生えとるだろ」

千様「うん。なかなか怖い事になってるわね」うわ。

与一「こやつはそこそこ背が高さ的にもちょうど良いのだ」じーっ

粋「いやお前してんの?」


与一「いやな。まさかと思うが

石燕 あの岩場の辺り『気合い入れて』見よ! 」指差しっ


石燕「うおっまさかと思うっすけど!」開眼くわっ!




白「?」

彬羽「まさか。」はっ




石燕「人魚さん。 岩影でクジラ漁見物してるっすね」うわあ。

シロ 「Σ見つかったら終わりと言うのに なんで逃げんのだあのアホは!!」ひいっ

石燕「人魚さんだからっしょねえ」あちゃー


千様「与一さんよく解ったわね?」

与一「石燕程ではないが 弓兵だからな
遥か遠くの的にピントを合わすのは慣れとるわ」





彬羽「仕方ない この辺小舟無いか?」ちっ

シロ「いや 有るのはクジラ漁に駆り出されとると考えてよかろう
なんせ1頭で偉い金になる。

となると 人魚の所まで海面を凍らせて
テオドール「渡ってる間に人魚さんの位置教える事になりかねないのでは御座いませんか?それ」



白「小舟の代わりなら有るな」ふむ。

茨木童子「あ。成る程
ちょいお待ちを


ノウマクサラマンダバサラダンカンっ」印結びっ

酒呑童子「Σあだだだっ!ちょ頭の輪っかが急に絞まって!」ざばっ

茨木童子「あーそれ 水に濡れると縮むんだわ。
頭出して泳ごうな」適当っ

酒呑童子「Σんな金属あんのかよ!!」えええっ


粋「え?あの 船ってまさか」






白「よっこら」

どすっ!

酒呑童子「Σおぐっ!?」 ばしゃしゃっ



白「よし。このまんま向こうの岩場までゴーだ
あ、クジラ獲ってる奴等に見付からない様にな」

酒呑童子「Σゴーだじゃねえよ!
当たり前の顔して俺の背中にまで乗んじゃねえつか髪は手綱じゃねえ!!」うがあっ



白「ごめん。急がないと人魚危ないからな
ごちゃごちゃ抜かすと背中焼いて辛子味噌塗るぞ」炎ぼぼぼぼっ

酒呑童子「Σ何処のかちかち山だよ どちくしょおおおおお!!!」

じゃばばばばばっー!





テオドール(Σジャパニーズなのにバタフライ!?) えええっ

彬羽「確かに頭上げたまんまで速いが。
まさかあの泳ぎ方 自力で編み出したのか」

粋「まあ兄貴が船認識して海入れって言ってる時点で 安心な乗り物なんだろけどさ」うーん。



シロ「何処から突っ込んだら良いのかもう解らん。」

千様「此処は平和的にスルーしましょ

けどあれ大丈夫なのかしらー?」

シロ「?大丈夫とは?」






千様「ぶっちゃけクジラの万倍目立ってなあい?」


漁師「Σうおおおなんじゃありゃ!!」ひいいっ


シロ「Σ俺の氷のがまだマシでは無いか!!」ひいっ




漁師A「なんだなんだ!海の化物か?
縁起悪い日にクジラ獲ろうとしたから化物出てきたんだか!?」

漁師B「構うこたねえ! 化物共も仕留めちまえ!」



彬羽「いかん、漁で荒ぶっとるな」指ばきぼきっ

粋「Σお前もな!!」ひええっ

彬羽「手前はむざむざ兄貴に銛撃ち込まれても良いのか?」

粋「Σう、それはっ」




茨木童子「しゃーない。
じゃ範囲外だけど頑張るか」ため息っ

テオドール「へ?」おろおろっ






ーーーーーーーーーーーーー




人魚「えーっ!隠れてても野次馬しちゃダメなんですか!?」

白「あんな近くじゃすぐ見付かるぞ
見つかったらまた捕まって干物にされて 今度こそ食いつくされるな」

人魚「Σえええ! 嫌だ気をつけますっ」ひいいっ

酒呑童子「何でも良いけどよ。
人魚の方 泳げるなら降りてくんねーかな。さすがに沈む」ぶくぶくっ

人魚「あらこれは失礼を
しかし、陸の方とは思えない見事な力強い泳ぎ

結婚します?」

酒呑童子「Σごふっ!うお鼻から水入った!!」じたばたがはっ


白「人魚は惚れっぽいから気を付けろ」

酒呑童子「Σ気を付け様にもツボが解らねえよ!!

ったく面倒事に首突っ込んじまっ


なんだアレ。」





漁師「うおおワカメと昆布があああっ!!」ぐるっぐる巻きっ

漁師「海草がっ!海草が自由を奪うっ!」ひいいっ




茨木童子「海草も有る意味植物の一種だからな。」ふっ

一同(植物操作能力 何でも有りだな。)うわ




酒呑童子「なんだよコレ おっさんのめかぶ巻き?」ぜーぜー。

茨木童子「俺ベジタリアンだから食いませーん。
お前らのがターゲットになりそうだったから とっさに海草で締め上げたんだよ」

酒呑童子「マジか。俺ら目立ち過ぎ Σん?ちょっと待て!
お前 大江山の外でんな大技使ったら!」




茨木童子「制約破った代償で 手の爪3本砕け散りました」血ぃだらだらっ

酒呑童子「Σ見るだけでいってええええ!!」ぎゃあああっ



人魚「あの、 何か私がトロい真似してしまった為にすみません」おろおろっ

茨木童子「んーまあいいけどさ。
植物属性になったせいで 植物に近くなったのか痛覚鈍くはなったし。気にすんなって」



人魚「あの、私と 海の底で楽しく暮らしません?」真顔っ

茨木童子「いや俺は泳ぎも得意じゃないし Σって手えええ!ちょ痛い痛い痛いっ!!」ひいいっ

人魚「あなたみたいな優しい昆布の方となら幸せな家庭を築けると思うんです!!」手握りぎゅうっ


茨木童子「Σ幸せな昆布って何 いや違う塩水があああーーーーっ!!!」うぎゃあああっ




白「カチカチ山ってより いなばの白兎って童話みたいだな」うわ。

酒呑童子「どんな話だよそれ」

白「俺も絵本のしか知らないけど
カチカチ山は火傷に辛子味噌だろ?
けど白ウサギは生皮剥がされて 海水コースらしい」

酒呑童子「生皮てか 生爪だけどな。」





粋「Σいやいやいや 見てないで助けてやれよ!!」

酒呑童子「あ? 男女の事に外野が口出すのはヤボじゃね?」えー。


白「それ言うならさっき結婚しよう言われたお前は話加わるべきだろ」

酒呑童子「Σえ」





千様「何かしら
あの人魚ちゃん 誰にでもコクりまくるの、いわゆるサークルクラッシャー的な女の子っぽくもあるんだけどー」

石燕「クラッシュしてんのが 人間関係じゃなく男の身の安全なんすよね」うん


テオドール「私ずっと平気で御座いましたが?」おや。

シロ「お前は脳が幼すぎて そっちのトラブルになりにくいだけであろうな」うむ。






彬羽「しかし こいつの場合海だと目が届かないんで危険だな
何処か適当な水の多い所は無い物か」うーん。

白「大江山って 川とか水凄いよな。
山なのに」ぽそっ



茨木・酒呑「Σえ。」




人魚「お山の川に住んでも良いですか?」きらきらっ


酒呑童子「Σだああもう好きにしろや!
大江山は来るもの拒まねえ!!」やけくそっ

人魚「わーい!」やたっ

茨木童子「どんどん鬼の山じゃ無くなってくけど
もう いいか」うん。



彬羽「お前ら懐広すぎねえか?」えええっ

酒呑童子「気にくわねえ事したら容赦しねえけどな」けっ




人魚「あ。私お二人共好きなので どちらのお嫁様でも大丈夫ですよ」にこにこっ

茨木・酒呑「は?」


人魚「? 女を家に入れるとはそう言う事では?」





粋「面倒な事になんじゃね コレ」うわあ、

千様「ね。今のうちにとんずらしましょ」こそっ



テオドール「拗れてキレた人魚さんにお二人まとめて水に引きずり込まれるに1票」

白「同じく1票」

シロ「賭けにならんな。」うむ。








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