小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

2月26日

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蒼月「げ。何これ 気色悪いっ」うげっ


魄哉「こらっ んな言い方するんじゃありません」

小太郎「凄いフジツボついてるなー
古い船だな」くんくんっ

千様「こんな山の上までどうやって持ってきたの?」困惑っ



彬羽「十年其処ら海を漂ってたってところか?」ふむ。

魄哉「ですねえ
そして『天海』ではなく僕の所に持ち込まれた
と言えば だいたいお分かりでしょう?」

シロ「成る程怪異の類か」ふむ。





テオドール「あの、私を盾にしても 大して何も防げないと思われますが」困惑。

粋「Σだだだだって オバケだろ!?つまりはそうだろ!?」ひえええっ


白「あんま殺意とか感じないけどな?
そもそも船なのか?これ」きょろっ

彬羽「航海する様の船じゃねえんだろ」

白「あ、そう言う事か」成る程




粋「あの、どういう事?」こそっ

石燕「海が荒れた時なんかに 神様への捧げ物を入れて流したんしょ
つかこのパターン 人間有る有るなんで化け物でも覚えた方が良いっす」


家康「えーと つまり
この中にずっと閉じ込められたまんま海漂ってた人が居るって事だよね?」

蒼月「あれ? 馬鹿殿ビビりの癖に怖くないの?」


家康「皆が皆オバケになる訳じゃないし ずっと1人とか可哀想だからね
骸なら慣れてるから問題ないよ」のほほーん。


粋「兄上 俺恥ずかしい」ずーん。

白「言われてもな。 えーと 精進しろ」




晴明「成る程 これは古いな
よく朽ちんかった物だ」ほう。

千様「あら?晴明さんも呼んだの?」

魄哉「念のためと思いまして。
中に入った方の心情は解りませんが 人の心はうつろうものですから」



粋「Σえ あれっ
やっぱビビった方が良いパターン?」びくっ

彬羽「忙しい奴だな
ま、警戒しても損は無いだろ」





家康「よし じゃ繋ぎ目に火薬点火!」

導火線じゅわっ

魄哉「Σだあこら馬鹿殿! 人の話聞いてんですか!?」

家康「へ?何?」

晴明「Σダメだ聞いとらん! お前なっ死者含め人を信じ過ぎるのもどうかと思うぞ!
それで何度も危うい目に遇ったと散々愚痴聞かされたぞ!!」

家康「Σ無闇に疑うよりはマシでしょ!?」えええっ

魄哉「Σアンタは少し警戒してくださいっ!」くわっ


蒼月「ジジイ 何処で苦労させられてんだよ」引。



挿音「おい 火薬多くね?
下手すりゃ中身吹っ飛ぶぞ」キセルすぱーっ

一同「Σげ」


家康「Σぎゃー 中の人ごめんなさい!!」ひいいっ





ぼんっ!!



しーん。




蒼月「骸平気なんだろ?
見に行けよほら」

家康「いやあの バラッバラになってたら申し訳無くて」冷や汗びっしゃり。

シロ「罰当たり極まりないな」



どろんっ

与一「だらしの無い 代わりに見てきてやろう」すいーっ

家康「Σあ。ちょ与一ちゃん!?」

石燕「任せた方が良いっす
万一悪霊化とかしてたら爆破されてマジでブチキレてる可能性も有るっすし」


家康「・・・そだねー」うわあ。

魄哉「殿、いいトシなんだから落ち着きましょうホントに」ため息。




彬羽「?

与一の奴どうした?」

白「こんな狭い中で迷子かな?」はて。

テオドール「この家の倉庫より小型で御座いますし 迷う方が不可能では?」おや



魄哉「石燕さん?」

石燕「あっしには何も影響ないっすね
何か危害を加えられたんじゃ無いかと

Σん!?」背筋ぞくっ


すたたっ

粋「Σあ ちょ兄貴!?」ええっ

晴明「やはり何ぞあったか」だっ

粋「Σえ?え?」わたわたっ


彬羽「強度に自信無い奴は待ってろ!!」だっ

粋「Σえ。ちょ」


魄哉「蒼月君!有事には外からサポート御願いします!」

蒼月「Σえ サポートて何! 俺何すれば ちょっとジジイ!!」えええっ





千様「はい殿 今回は大人しくしてましょ」

家康「Σあああ捕まったーー!」ひいいっ

挿音「今回出だしからロクな事してねーだろ
頼むからこれ以上ややこしくすんな」縛り上げっ


がこんっ!


小太郎「Σ何の音!?」ぎゃいんっ




粋「あの 家康が爆破で開けた入り口 勝手に閉まったんだけど」顔面蒼白っ

千様「Σえ」

挿音「マジか。うわ 開かねえし」扉ぎっちり。



粋「Σだああビビって無いで俺も行きゃ良かった!
兄貴大丈夫かああ!!」船がんがんっ

小太郎「どうどうどうどうっ」わんっ


一同(この状況で 全く心配入らなさそうだから凄いなあ) しみじみ。







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白「なあ。なんかおかしく無いか?」松明代わりの火の玉ぼぼぼっ

彬羽「だな。」ふむ。

晴明「確か お前の家の倉庫より狭いのでは無かったか?」見渡しっ

魄哉「空間捻れてるんですかねえ?
暗くて奥まで見えませんが」


テオドール「壁は何処に行ったので御座いましょうかね?」ふむ。


一同(Σ耐久力ダメそうなの着いて来てる!!)

白「何でお前着いて来ちゃったんだ?」 困惑っ

テオドール「Σえ、 ノリでつい」


彬羽「よし。身の危険を感じたら即灰になれ
この暗さじゃ回収出来るか解らんからこの風呂敷の上でな」風呂敷ひろげっ

テオドール「回収されるゴミの気持ちに御座います」うわー。


石燕「あっしは居ないと与一さんがヤバいかもなんで申し訳ないっす
つか 与一さんは何処に」きょろっ


与一「此処だ此処」すたっ。

晴明「お。居たか幽霊小僧 ん?」

与一「此処はかなりおかしいぞ
ほれ。」


小石ぺしっ

シロ「Σあだっ
何をす ん?」はっ



石燕「何で小石触れるんすか?」

与一「解らん。お前の体を使わねば物には触れられぬはずなのだがな」うーん。



晴明「つまり此処は鬼門の中と変わらんと言う事か?」

魄哉「ですね。与一さんが具現化出来るなら基本は同じでしょう
入った途端に他の場所と言うのも 鬼門の中と考えるなら有りかと」


白「けど雰囲気が 鬼門って言うよりマヨイガみたいな物かな?」えーと。

彬羽「確かにな。入り口が移動するって意味じゃそっちに近いかもな」



シロ「で、化け物大将とその副官
それに該当しそうな妖怪はおるのか?」

白・彬羽「何だこれ。」真顔。


晴明「前例は無さそうじゃの」うむ。




与一「しかし参ったな
何か有れば壁抜けで出られるかと思ったが これでは出来んし
何より壁が見当たらん」

シロ「帰り道も無いか
これは難儀な」むう。



魄哉「帰り道 力付くで行きます?」数珠じゃらっ

晴明「うむ。空間に綻びでも生じれば手突っ込んでこじ開けれるでの。
片付いたらそれで出るか」


白「陰陽師ってこんなんだっけ?」あれ?

彬羽「こいつらを基準にするな」引。


シロ「帰り道の心配は無さそうだな」

与一「心強いが 味方が一番恐ろしいのは俺だけであろうか」うーん。


石燕「さて、じゃ安心して本題に入りやりしょか。
なーんであっし等は此処に呼ばれたんすかね?」

テオドール「へ? 呼ばれた?」


晴明「全ての出来事には原因が有るのだ
何もせねば 此処はただの朽ちた船の中。
しかし我等はわざわざ 他の場所に閉じ込められた
と、なると何か特殊な事象、誰かの意志が働いたと思って良かろ?」

魄哉「ですねえ。そしてこの場合の王道は」ふむ。



ボコっボコボココっ



テオドール「Σあ、あの何か音が」おそるおそるっ



白「地面から真っ黒な手生えてる」火の玉で照らしっ

テオドール「Σシンプルに怖いっ!!」ひいいっ



魄哉「あ、やはり お前らもこっちへ来いですね」

晴明「長年海を漂い過ぎて闇落ちしたか」あーあ。

石燕「あー成る程 んじゃ此処真っ暗なのは原因になった人のメンタル。つか最早精神の中みたいな物すかねー」ほうほう

テオドール「Σ何故に冷静に分析出来るので御座いますか!?」

晴明「冷静でなくば見える物も見えんぞ」さらり。


彬羽「そう言う事だ
おい、ちょっとあの辺の手 近くで照らしてみろ」

ぐしゃっ

テオドール・シロ・与一(Σ問答無用で足蹴!!)


白「ん? あの辺か?」ぼぼっ



こそこそっ


晴明「お?火を避けたか?」おや。

彬羽「やっぱりな
明るい所には出て来たく無い様だな」ふむ。

魄哉「さすがの観察眼ですね」へー。

彬羽「カラスの動体視力なめるなよ」ふふんっ



テオドール「暗い所に居るので眩しいとかそんなで御座いましょうか?」ふむ。

シロ「目玉有るのか?「見る限り御座いませんね」

石燕「あ。成る程」はっ

白「ん?」

石燕「マジで精神ダークサイドの時って やたらポジティブな事言われるとキッツイじゃないっすか
ほっとけつかむしろどっぷり闇の中のが心地好いっつか 何つーかアレじゃないっすか!」ほらほらっ

白「ごめん。それが解らない」ええー。

シロ「ほらほらと言われても全くピンと来ぬわ」うむ。

石燕「Σええー!!」がーん。


テオドール「私は無理で御座いましたね
むしろ出口どこ?に御座いました」真顔。

晴明「お主 ど偉いのと思考共有しておったのだの」うわあ

与一「もはや まーた凹んどるわくらいにしか思わん」きっぱり

彬羽(こいつじゃなきゃ巻き込まれてメンタル崩壊してそうだな。)うわ。



石燕「闇の中も場合によっちゃ心地好いんすよ?」

魄哉「それでさっきから真っ黒な手が石燕さんは無視するんですね
今更過ぎて」よっこらぐしゃ。



シロ「Σうおお良く見ればあちらこちらからっ」ひいいっ

テオドール「Σぎゃー白さん此方も火の玉御願いしま Σぎゃ足捕まれた!」ひいいっ




彬羽「コイツ等ひょっとして素質有りそうなの優先で引きずり込もうとしてないか?」はっ

テオドール「Σ確かに闇に片足突っ込んでますけど!!」

魄哉「Σえ 僕もなんですか!?」がーん。


シロ「ん?狙われもせん。」ぽつーん。

白「それで間違いなさそうだな。」うん。

テオドール「Σ熱血侍1点の曇も無しに御座いますか!Σぎゃーー!」たかられっ

白「ほらほらしっしっ。燃やすぞ」炎ぼぼぼぼぼっ



晴明「政治家も大変じゃのー」ぷーくすくすっ

魄哉「Σうっさい!なんでアンタは平気なんですか」むかっ

石燕「その人は正々堂々と楽しんで人虐めるタイプだからじゃないっすか?」

シロ「タチ悪過ぎんか」うわ。



石燕「しっかしこりゃ面倒っすね
あっしは今更なんで問題ないっすが 長引くと心に闇抱えた人からお仲間にされちゃうかもしれないっすよ」
テオドール「今こちら見られました?「気のせいっす」

魄哉「ですねえ。ここに居るのも危険ですがこのまま放置も何ですし
ちゃっちゃと片付けて出ますか」ふむ。

晴明「策は?」

魄哉「先程の彬羽君の指摘と その他の行動パターンからもしやと思って見てた所
だいたい出来上がりましたかねえ」

シロ「と、言うと?」


魄哉「影です。
この黒いのは 影からしか出て来れません
とことん闇がお好きな様ですね」


晴明「お。成る程」狐火ぼっ

黒い手カサササッ

シロ「家庭内害虫の様だな」うーん。



石燕「じゃ影無くしちゃえば良いんすか?」ふむ。

晴明「言っとくがそれは難儀ぞ
影なる物は光が有れば反対側に必ず存在してしまう。
綺麗さっぱりかき消すのは無理と言ってよかろう」

シロ「Σう。確かに」


白「えーと。
ほぼ同時に 全部の方向が明るくなれば良いのか?」

晴明「む?可能なのか?」



彬羽「成る程 その手が有ったか」はっ


石燕「? 此処等一帯火の海にしてもあっし等がこんがり焼けるだけっすよ?」

白「違う違うそっちじゃなくて」

魄哉「Σあ 成る程」

シロ「そっちではないとは Σまさか」はっ


白「何処まで続いてるか知らないけど
届く全部一気にピカッとやれば良いんだろ」

バチバチバチバチっ!!

彬羽「Σいきなりか!手前等伏せろ こらテオ番傘降ろせっ!!」伏せっ



与一「Σおおおい!雷って雨雲もないのに
石燕「あの人にゃそんなん要らないんす! ほら伏せて!アンタでも食らったら終わりっすよ!!」ひいいっ

晴明「き、気休め防御結界っ!」パキーン。

シロ「Σあ。貴様1人だけ狡いぞ!」





ーーーーーー


【外】



粋「兄貴達 大丈夫かな」うろうろっ


家康「出てこないね
かと言って無理に開けて何か有ったらそれこそ私達だけで対象出来るか」うーん。

蒼月「オカルトのプロがあんだけ居んだし大丈夫じゃないの? つかサポートて何すりゃ良いんだよ」むすーっ

千様「そうねー。
今は待つしか どしたの?」


小太郎「焦げ臭い」くんっ

一同「へ?」



挿音「やべ。小太郎 戻れ」手招きっ

小太郎「わんっ?」すたたっ

ドシャばりーん!!
ガラガラピシャーン!

粋「Σぎゃー!!」しびびびっ


家康「Σぎゃー何なになにっ!?」ひいいっ




しーん。





千様「あの?粋君?」おそるおそるっ

粋「」焦げっ




白「勝った。」どやあっ


魄哉「あーはいはい。皆生きてますかー」けほっ

シロ「な、なんとか」ぜーぜー。

晴明「お。外じゃ」おおおっ


与一「む?船は何処行った?」

石燕「問答無用の雷責めで吹っ飛んだみたいっすね
あー 至近距離の鬼落雷ビビったっす」へたっ


彬羽「ま、耐えきれねえだろな」

テオドール「」灰っ




家康「おっ!皆無事で良かった良かった」ほっ


シロ「無事でない奴がおる様に見えるが?」

白「あれ?お前どうしたんだ?」

粋「Σこっちが聞きてえわ!!
なんで毎度毎度毎度毎度俺何かした!?」涙目焦げ焦げしびびっ



晴明「確かに 多数の雷同時にドカドカ落としまくれば多方面から光が当たるわな
影も消えるわそりゃ」はーやれやれっ

魄哉「影の前に僕ら消滅すんじゃと思いましたがね」ため息



蒼月「え?何? 影に住んでる系の化け物だったの?」

石燕「簡単に言うとそうっすねえ」

与一「精神込みの様だがな」うむ。

蒼月「へ?」





シロ「吹っ飛んでしまったが 船の持ち主も日の下に引きずり出されて少しは気分が明るくなれば良いのだが。

見えぬと言う事は そうなったと考えても良いよな?」

晴明「ん?

うーんどうであろうな。人の心とはさほど簡単な物では無いしのう」扇ぱったぱたっ





蒼月「えっと 良く解らないけど
ネガティブ思考の奴が狙われるとかそんなノリ?
もしそうならヤバくない?」

石燕「へ? 何がっすか?」



蒼月「普段ウザいくらい明るいのに 今拗ね倒してる面倒な人居るじゃん?」ほら。

粋「Σぎゃー何これ何これ!足元から何かうにょうにょ出てきたっ!!」ひいいっ





白「・・あれ?」はて。


彬羽「考えてみりゃ 俺等の足の真下にも影出来てるんだよな。
見えないだけで」

魄哉「あー 狩り残しちゃったんですねえ」成る程。




テオドール「ポジティブ!ポジティブです!
心が明るければ捕らわれる事は御座いません!!」

粋「Σお前が言うな!
つかこの状況でポジティブになれっかああ!!」真っ黒な手うぞうぞっ



挿音「結構平気そうじゃね?」

家康「基本明るい子だからねえ」うわー。







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