小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月13日

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魄哉「いかがですかね?」

晴明「いかがも何も
ありゃマズイであろ。 あのまま身に付けとったら衰弱死するぞ」舶来物の望遠鏡っ


家康「あちゃー 困ったねえ
石ってのは呪い持ちやすいとは言うけど」あーあ。

魄哉「気軽に縁起悪いから外した方が良いですよーと言えないのが辛いですねえ」うーん。

晴明「なんじゃ 案の定ワケ有りか」



魄哉「えーと。 代々いがみ合ってた領主達が 幕府が仲裁する事でどうにか和解し、
その証として送った宝玉が洒落にならないレベルで呪われてたという」

家康「で、呪いと知らずに和平の象徴としてそこの御姫さんが身に付けてるって言うね」

晴明「成る程 呪われとるなんぞ言えばまた拗れるな」納得。


魄哉「幕府も完全な一枚岩では無いですし
内乱その他は避けたい所です。
しかしこのままでは。」うーん。

晴明「あの娘御命が無いな」ふむ。

家康「さてさて。見てみぬフリは出来ないし
どうするかねえ」


晴明「ふむ。

・・あやつ等始め その他多数。お偉方の適当に人を集めた宴は可能か?」

家康「Σお!何か思い付いた!?」おおっ

魄哉「年末ノリで何かと理由つければ可能では有りますが

また何か変な事企んでません?

晴明「安心せい。確かに見世物として面白そうだと思っただけだが誰にも害は無いわ」どやっ

家康「ホント享楽的に生きてるよねえ」わお


晴明「難易度は高いがの 奴等なら上手くやるじゃろて」

家康「ん? 皆に協力頼むの?」

晴明「じゃな。
さーて 上手く行くか見物じゃのう」扇子ぱったぱた。



魄哉「あの、危ない橋なら天海として許可出せませんけど。」

晴明「なんじゃお前 お前の『子供達』を信用出来んのか?」 にやり

魄哉「Σう」


家康「なんか知らないけど
万一事故ったら後始末頼むよ」こそっ

挿音「忍でどうにかなる事なら良いんだけどな」天井こそっ




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蒼月「おっ、さすが俺 御武家の格好似合うー 」鏡の前でくるくるっ

シロ「こげな軽い侍がおるか」呆れっ


テオドール「準備いかがですかー?」

粋「完璧完璧っいつもより多目に盛ってやった」わははっ

白「めちゃめちゃ着込ませられた」むう。

千様「常に派手だから違和感ないわねー」あらあらっ


小太郎「仮装行列でもするのか?」わおんっ

彬羽「まあ似たようなもんだ。」



家康「石燕ちゃんはどう?」

石燕「んー。今朝冷えたんで肩凝りが
ギリまで暖めてたらいけるんじゃないすかねえ」肩もみもみっ



一二三「何やるんだべか?」はて。

コマ『解りませんが物騒な予感しか致しません』カタカタっ




魄哉「さて、いい感じに冷え込んで来ましたし
皆さんそろそろよろしくお願いします。」

一二三「?」


晴明「まあ見ておれ
見てても解るか微妙じゃがのー」にまにま。





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江戸城 庭園前座敷】



挿音「首尾はどうよ?」物陰こそっ

彬羽「問題ない
例の女は案内された奥の席だ」警護の扮装っ


参加者(Σあの警護怖っ!つかデカあっ!!)びくっ


挿音「よし。お前は目立ち倒すからそのまんまそこで見張り頼むわ」 こそこそっ





【庭園】



魄哉(天海正装)「えー本日は急な催しにも関わらず(中略)
皆様方には楽しんで頂ければと

おや?天気が急に」


北風びゅおおおっ


魄哉「えー。天候が怪しくなって参りましたので 皆様室内へ移動頂きたく思います

ささ、すぐご用意致しますので冷たい雨に降られる前にお早く」ささっと案内




小太郎「シロ 加減上手くなって来たな」わんっ

シロ「うむ。少し気を抜けば参加者全員雪だるまだからな」全力集中っ

家康「うわー 思ってた数倍綱渡りだ」




魄哉「さて。これで人の移動の流れは作れましたが
次上手く出来ますかねえ?」うーん。

挿音「いや さすがに行けんだろ」ひょこっ


シロ「次の手順は何であったか?」

小太郎「えっと。人が全部室内だから 元々座敷に居た奴等が移動だな」わんっ





江戸城廊下】



千様「はあい。ごめんなさーい
お天気には逆らえないんで 此方の方へ移動お願いしまーす」先導っ

侍女(Σこの女中軽っ!)

千様「はーい。こっちですよー通路狭くてごめんなさーい」手招きっ

領主の姫「江戸城ともなると下々まで個性的ですね」感心っ

侍女「そういう物で御座いますか?」ええ


千様「そういう物で御座いますわよー。

あ!御付きの人危なーい!!」

侍女「え。Σわっ!?」

どんっ



蒼月「Σうっわこりゃ失礼
前見てなかった
怪我はありませんか 」好青年演技&タラシスマイルっ

侍女「Σえ! あ はいっ!!」


千様(バッチリ目見たわね)よし。

蒼月「えっと 足元暗いのでお気をつけて 」

侍女「Σあ、はい。 失礼致しました」そそくさっ





蒼月「蛇眼発動完了。」どやっ

千様「さすがだけど敬語似合わなすぎて吹きかけたわ「Σ言わないでよ!!」






【再び庭園前座敷】




魄哉「えー急な天候不順で事前のお知らせ通りとは参りませんが
このままお帰り頂くのもと思い ささやかながら巷で人気の芸人を用意致しました
お楽しみ頂けますと幸いです」



粋「おっ 出番だ
兄貴がんば!」

白「よし。手はず通りだな」すたすた。

粋「それで良いんだけど なんで緊張しないのマジで」

テオドール「さすがに御座いますねえ
えーと。晴明さん?聞こえますか?」通信水晶玉っ

晴明『聞こえておるぞ 行けそうか?』

テオドール「はい。今、白さん出られました」

晴明『そうか。ならばそろそろ与一に準備させるかのう』ほうほう




粋「与一に?
なあ。俺 兄貴の着付けしてて詳しく知らねえんだけど」

テオドール「おや。手順ご存知無かったのですか

えーと。めちゃ簡単に説明しますと

周りに気取られ無い様 あそこの姫様の頭飾りの宝玉を射落とします。」指差しっ

粋「Σいやいやいやいや!射るって頭!!」ひいっ

テオドール「与一さんに御座いますし行けると思いますが」

粋「Σ人間は動くの!
下手すりゃ現状になんぞ此処!!」ひいいいっ


テオドール「行けます行けます

では 『春興鏡獅子』が一場面。
荒ぶる獅子の舞を御覧下さいませー!」カンペ。




来客一同「おおおー!」ぱちぱちっ



テオドール「やはりド派手で正解で御座いますね
始まる前から皆さんテンションアゲアゲに御座います」

粋「Σこっちは血の気引きっぱなんだけど!?」

テオドール「大声でお囃子聞こえないと怒られますよ」しー

粋「Σあ。」口ふさぎっ






魄哉(さて。件のお嬢さんも上手く演技に釘付けになってますし 狙い易いと言えば狙い易いでしょうが お次はと)ちょっと冷や汗っ



風びゅおっ!



来客「Σぎゃっ 急に風が!」あたふたっ


千様「きゃー冬の嵐よー! 空が黒いわ戸を閉めてー」棒読みっ



ロウソクふっ


来客「Σああ!灯りがっ!」

真っ暗。



粋(Σえ?え?どうすんの!?
これじゃさすがに与一も狙えねえんじゃ)おろおろっ




領主の姫「え?え?なんですか!?」

侍女「姫様危のう御座います!じき灯りがつきますのでっ」



粋(Σあ、なんかぼんやり光ってる
蛍の光的な物か!いつの間に)はっ



テオドール「来ますよ」わくっ

粋(Σいや俺夜目利かな え 今やんの!?)






ひゅんっ!

カンッ!


領主の姫「?」


挿音(お、音から察するに行った)おおっ

粋(Σすんげーあっさり!?)えええっ




あんどんに灯りぼぼっ


魄哉「皆様お怪我は御座いませんか?
本日は日が悪い様で

おや? どちら様か 装飾品を落とされては?」宝玉拾いっ




領主の姫「へ? Σああっ」

侍女「うちの姫様の物ですっ 何故!?」えええっ


魄哉「おやおやそれは 突風で飛ばされてしまいましたか
自然とは恐ろしい物に御座いますね」にこにこ






一二三「あれ? 返しちゃうんだか?」あれっ

晴明「ああそれは

拾った瞬間に 殺気で憑いとる呪い吹っ飛ばしたからの」

一二三「魄哉さん、たまにめちゃめちゃ怖いだな」ああうん。




粋「すっげー。」口ぽかんっ


テオドール「ちなみに風と塗り付けられた光る薬品は飛天さんに御座います。
ほら 梁の上に」指差しっ

粋「あー カラス天狗の風起こしの団扇と あいつあるあるのワケ解んねえ薬な
じゃ光るのも拾った時に魄哉が拭ったんだ」へー。



テオドール「ね?大丈夫に御座いましょう?」にこにこっ

粋「大丈夫だったから言えるけど 与一凄えな。
うわ俺なら頭に矢打ち込むとか出来ねー」へたっ








千様「そもそも 最初に蒼月君が蛇眼でお姫様も幻覚見せてそこで祓っちゃえば良かったんじゃない?」

家康「あーそれね。
ほら、身分の高い女の人って 知らない男と目なんかそうそう合わさないんだよ

無理して不審がられたら終わりだし
目撃者多い所でやった方が後々怪しくないんだよ」

シロ「こなれ感が凄いなお前」

彬羽「その辺はさすが『徳川家康』か」ふむ。




晴明「おお。皆集まって お疲れじゃな
さすがに緊張したか?」わははっ

粋「俺は寿命縮んだわ」けっ

一二三「おらもドキドキだったべ」きゃっきゃっ


小太郎「あれ?
なあ 俺手順ざっくりと
万一人が外に出ようとしたら バカ犬乱入の演技しろとしか言われてなかったんだけど

与一の撃った矢って何処いったんだ?」わおんっ

一同「Σえ」



千様「あらあ?そう言えば」

蒼月「そこら刺さってたら大騒ぎだよね?」きょろっ


晴明「ああ それはだな。
お。調度出番終わりか お疲れだったな」

白「やりきったやりきった」すたすた。

千様「へ?白君?」

蒼月「燃やして はないよね?
暗い中そんなしたら目立つし」ふむ。


晴明「解らんか?
ではヒントをやろう

配置はな こやつ、あの姫の席、与一と一直線になる様にしておったのだ」

粋「へ? つまり御姫さんの飾りかすめて兄貴目掛けて撃ったって事?」





白「こういう事だ。」袖から矢にょきっ

粋「Σ掴み取って隠したの!?あの暗い中!!」えええっ

彬羽「こいつは俺らと違って夜目が利くからな」



蒼月「なんで此処だけ力技なの?」えええっ

晴明「弓の時点で力技であろ?
いやー 見物であったわ」わははっ



家康「ともあれ 上手く行って良かったよ」ほっ

シロ「失敗したら目も当てられんがな」うむ。


石燕(与一)「失敗等せんわ 失礼な」どやっ

白「な?」うんうん。


一同(コイツらのメンタル羨ましいなあ)しみじみ。


テオドール「いやー離れ業の数々バッチリ見えました
今回ばかりは吸血鬼でよう御座いましたっ」ほくほくっ

シロ「いや失敗しとったらトラウマ物 いやもう良いわ」








領主の姫「ねえ 暗い中目みたいな光が沢山見えなかった?」

侍女「へ? えー私は気がつきませんでしたが?」




魄哉「Σの、野良猫ですかねえ」ぎくううっ

挿音(あいつ等 夜は目玉光りやがるからな。)天井裏っ






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