小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月12日

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【芝居小屋】



皐月「んーー。」

粋「どうよ?」



皐月「通しで見たらいまいちインパクトに欠けるっちゅーかー」うーん。

粋「Σむしろ派手さしか無いんですけど!?」



皐月「いや派手やで?特にお宅の兄ちゃん

けどなー なんやろその辺に頼りきっとるって言うかー
年末のなんてぶっちゃけお祭りやん?
もちょい何か欲しいかなー?って」うーん。

テオドール「ダブル主演が売りなのですし、つつじさんも暴れてみては?」

つつじ「伝統売りにしたわてまで暴れたら 収拾つかなくなるんとちゃいますのん?」えー。



粋「派手さならほら! 見習い軍団総出で動かす蛇もあんだぞ!? 」手の豆っ

皐月「あー そこは ごめん。」

粋「Σ謝られた!?」がーん。



白「そもそも祭に道成寺ってどうなんだ?」

テオドール「確かに あんなストーリーだとは」苦笑。

皐月「最後坊主丸焼けやしな
けど、派手さで行くならこれが一番やろ?」


つつじ「しゃーない ほな台本書いた人の意見貰いましょかー」すたすた。

一同「へ?」





つつじ「で、どない思います?」

彬羽「Σ良いから出前の品とっとと受け取れ!帰れねえだろ!!」

つつじ「せやなー。あんさんの性格上 地べたに置けんわなあ
て、事でアドバイスお願いしますどす。」


テオドール「確かに品数多ければ出前は彬羽さんになりますね」成る程。

粋「あいつ自分の仕事大丈夫なのかよ」うわー。



白「なんか適当に言っとけ
それまで逃がしてくれないぞ」

彬羽「Σ心底ここの奴等はろくな事しねえ!!」




テオドール「ん?
道成寺は昔からある演目なのでは?台本は別に要るのですか?」はて。

皐月「んっとな。原本そのまんまじゃうちの芸風に合わんやろ?
やから 私らの特性や癖を解っとるあっきーに 演出込みで台本書いて貰とんねん。」



テオドール(この人の脳ミソはどうなっておられるのでしょう。)まじまじ。


粋「あー 寝ぼけた兄貴に攻撃されてもちゃんと受け流すもんなお前」あーうんうん

テオドール「Σそういう癖に御座いますか!?」

彬羽「大概命懸けだぞ。」大真面目っ


つつじ「で、流れを壊さん様に かつメリハリするにはどうしたらええんどっしゃろ?」

彬羽「いや いっそ流れを1つ追加したらどうだ?」

つつじ「はい?」

彬羽「派手に派手を重ねるからメリハリが無くなるんだ

しかし 今用意した物、見習い共が散々練習した物は無しにしたら不満も出るだろ
なら、小休止を入れるのも手かもしれん」



粋「やべ。解んねえ」うわー。

テオドール「言われてる事は解るのですが 具体例が全く出て参りません」うーん。


白「幕間に茶菓子配って休憩タイム挟むとかか?」

彬羽「メリハリつけ過ぎだ馬鹿野郎
その団欒からドロドロした演目に戻る事考えろ。」

皐月「どんなテンションで見たらエエんか解らん様なるやろな」うんうん。


彬羽「しかし幕間か

意外とその辺使えるかもな」ふむ。

白「茶菓子がダメなら駄菓子「手前は黙ってろ」


つつじ「幕間なあ
普通に暗転して 黒子が『第何幕 どこそこにて』とかってお品書きめくっとるな」ふむ。

彬羽「内容下手に弄れんとなると そこだろうな」

粋「いや それこそ弄れ無くね?」



テオドール「あの!黒子が灰になるイリュージョンなら出来ます!」

皐月「お客さんが反応に困るんはどうかと思うわ」きっぱり


灰ざらああっ


白「やらなくていいんだぞ?」

粋「いや普通にショック受けたんだと思う」




彬羽「黒子か」ふむ。

つつじ「ん?」





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コマ『私がその黒子をやるのですか?』筆談っ

皐月「せや! からくり人形なら芝居小屋らしいやろ!?
んで コマちゃんくらい人みたいに動けるからくり言うたら遊び心が贅沢やでー」




コマ『パピー!やっていいですか?』カタカタっ

魄哉「コマがやりたいのでしたら やれば良いのでは無いですかね?
あ、皐月ちゃん 年末最前列席って今から予約出来ます?」お財布出しっ

家康「あ、愛娘の晴れ姿見に行く気だ」

蒼月「つか年末になんて行けるのかよ 天海サマ
魄哉「5倍速で仕事片付けます」きっぱり

千様「倒れんじゃないわよー」あーはいはい。





コマ『やります。』筆談っ

皐月「よっしゃああ!!
あ、ウケ良かったら正月も『心得た。』



粋「カラスの案すげー こう来るか」感心っ

テオドール「お坊っちゃま育ちの強みに御座いますかねえ」ほー




コマ『よっしゃ王道!スカウトからのデビュー。』わーい

粋「Σえ うわそっか

ぎゃああ先越されたあああ!!」



魄哉「まあまあ 粋君の時もお赤飯炊きますから」ゴキゲンッ

粋「Σ炊くの!?」

家康「炊くよコイツは。
メモリアルオカンをなめちゃーいけない」うんうん。






シロ「お前が仕事の話をあまりしたがらん理由が解った気がするな」ふむ。

白「いちいちこっ恥ずかしいからな」うん。





魄哉「あ。おにぎりにして皆さんにも差し入れしましょうか!」わくわくっ

家康「そこまで行くと迷惑だからやめなさいっての」どうどうっ






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