小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月20日

f:id:t00c:20211118093336j:plain



【町はずれ】



粋「あっれ チビ2人で何してんだよ」

一二三「彬羽さんが江戸城で忙しいだ
暇だからおししょー様と遊びに来ただよ」

座敷童子「案ずるな
見た目は童女でも 年齢的には立派に保護者だ」どやっ。


粋「あーうん。妖怪の年齢とか深く考えたら泥沼だけどよ
言っても見た目はガキなんだから変な奴には気を付けろよ?」


座敷童子「さっき既に不審者に声かけられたわ。」しれっ

一二三「おじょーちゃん達可愛いね
飴ちゃんあげるからおいでて言われただよ」

粋「Σまた解りやすいな!!」ひいっ


一二三「んで おししょー様に
飴ごときで釣れる程安い女では無いわ とっとと去ね。とか言われてびっくらこいて逃げただ」

粋「そりゃー逃げるわ」うわ。


座敷童子「で、お主は何しに来た
兄に虐められて1人泣きにでも来
粋「Σそこの団子屋に頼んでた茶菓子取りに来たんだよ!お使いだお使い!
つか何!? 俺そんなイメージなの!?」

座敷童子「結構。」うん。

粋「Σ躊躇ねえのが辛い!!」



一二三「んだか、白さん達もお仕事だもんな
お茶菓子早く持ってってあげてけろー」

粋「いや それもだけど
不審者に声かけられた幼女2人置いてくのもよ
もう暗くなるし」うーん。

座敷童子「大丈夫だと言うに
ん?おい どうした?」



粋「・・お前ら、この辺夕方になるとオバケ出るって知ってる?」 顔面蒼白っ

座敷童子「脅して帰らせるつもり。では無さそうだな」

一二三「あれ?あそこ誰が居

粋「Σ逃げろおおお!!」2人抱えてダッシュ!!






間。






【更に町外れ ボロ家】




座敷童子「あー ありゃ送り狼だな。
ほれ 二足歩行になったわ」隙間から外覗きっ

粋「Σそれって妖怪!?」えええっ

座敷童子「語源はあいつ等であって下心有る人間の男の事を言うのは後付けだ。
夜道を送ってくれるのは良いが 個体によっては頭からガブリと来る当たりハズレの大きい妖怪だな。」



一二三「ハズレだべか?」

座敷童子「だな。あんだけヨダレ垂らしとるし」うわー。

粋「Σなんでよりによって俺ら?
普通人間の女襲うんじゃねえの!?」


座敷童子「そりゃお前の兄が こっちから人間にちょっかい出したら燃やすとバケモノ大将として言っとるからだろ
ある意味真面目な奴だ」※座敷童子

一二三「あー。そう言う事だべか」※山童

粋「Σそういや俺妖怪だった!!」※勾陣



座敷童子「しかし 建物に逃げ込んだのは悪手だったかもな
しかもこのボロさ」うーん。

粋「いや、その分隠れる所多いかと「馬鹿者。下手に隠れて見つかってしまったらそれこそ逃げられんわ」
粋「Σう」

一二三「なあなあ 粋さんなら普通に喧嘩して勝てるんでねえだか?
あげな小太郎さんのパチもんみたいなのに負けねえべ」



粋「いやその 喧嘩したら勝てるとは
そりゃ勝てるとは思うんだけどさ ほらその
実戦ってなると精神状態とかそういうの凄く関係しててさ
100パー勝てるとかってのはまず無いっつかその

座敷童子「つまりは怖いのだな。」

一二三「オバケオバケしてるのダメだったべな そういや。」あちゃー





がたんっ!



粋「Σ!!」びくっ

一二三「Σわわわ!入り口の方だべ!」おろおろっ

座敷童子「Σ慌てるな! まずはえーっと」きょろっ





間。






粋(隠れたらダメなんじゃ無かったっけ!?)ひそひそっ

座敷童子(しゃーないだろ! あそこに居ても見付かるだけだし!)こそこそっ

一二三(3人は狭いだ。)ぎゅうっ



座敷童子(しかし何だこの家は 西洋風か?)ひそっ

粋(何でもちょっと前まで外国の奴が住んでたって
家主居なくなってからボロボロで気持ち悪いってオバケ屋敷とか呼ばれて・・Σ! )はっ

一二三(粋さん 大人なんだからシャキッとするべ)

粋(Σ子供に言われた!!)がーん。





送り狼「この部屋かなー?」床板ぎしっ

一同「Σ!!」


送り狼「ん?居ないな」 ぎしっ ぎししっ




粋(Σセセセセーフ!
でかい時計あって良かった!)ひいいっ

座敷童子(いや待て このパターンは。)はっ

一二三(この前彬羽さんに読んで貰った狼と七匹の子ヤギ だべか。)ひそっ

粋「Σ1度は食われる奴それーー!!」ひいいっ

座敷童子「Σうわ馬鹿!!」



送り狼「こっちから声が。」ひょこっ





座敷童子(次 声を出したら解っておるな?)ギロッ

粋「ーーーーっ!!」無言悶絶っ

一二三(暗くて解んねえけど何をどうされたんだべ。)



座敷童子(さて、私がおるから幸運にも見付からん。というのも期待出来なくは無いが
最早運が関係無くなって来とる気もしなくは無い

とにかくいかにして此処から出るか か )思案っ




コンコンコンッ。


送り狼「ん?」



テオドール「すみませーん。 粋さん居ますかー?

て、おられるわけも御座いませんか」入り口ノック


座敷童子(Σ子ヤギ幸運だけど身代わりの子羊来たあああーー!!)ひいいっ


テオドール「皆さん心配しておられますのに
迷子に御座いますかね」うーん。


粋(Σ兄貴じゃあるまいし んな物なるか!!)

一二三(わわっ テオさん1人だべ
気づいて無えだしどうしたら)あわあわっ




送り狼「あれは食欲沸かんなあ 精神不健康そう」うーん。

一同(Σ失礼だけど良かった!!)おおおっ



座敷童子「いや良くない良くない!
Σあ!しまった うっかり見守ってしまったが今逃げれば良かった!!」

粋「Σお前も大概パニックじゃねーかよ!」

座敷童子「Σうっさヘタレ小僧!
こっちはか弱い女子だぞ 気合い入れれば勝てる癖に少しは気張らんかい!」きいいっ

一二三「2人とも落ち着くだ!」おろおろっ



送り狼「やっぱ此処か」よっこらせ。

一同「Σぎゃー!!!」

送り狼「成る程成る程 時計の中か」ほうほう



がぶっ。




送り狼「Σあだあああっ!!」ひいいっ


一二三「Σテオさん!!」おおっ

粋「Σおお!さすが吸血鬼!!」




送り狼「地味に痛いわーっ!」

べしっ

テオドール「Σあだあっ!!」

ごろごろごろっ!!



一二三「あ。でもやっぱ弱いだ。」



テオドール「あいたた あー 毛が。」ぺぺっ

座敷童子「しかも噛み慣れとらんしな」


粋「Σ子ヤギ増えただけじゃねーかあ!!」ああもうっ



テオドール「やはり此処におられましたか
御安心下さい
場所さえ解ればこちらの物に御座います」きりっ

粋「Σ何が!?」


テオドール「しばし失礼致します!」

一二三「Σぎゃっ耳がっ!」うぎゃっ

座敷童子「Σコウモリの超音波か!?」


送り狼「ぎゃいいいんっ」耳抑えうずくまりっ

粋「Σあ すげ。ダメージ与えてる」




テオドール「あの 攻撃では無いので御座いますが」えーと。

送り狼「Σ獣には辛いの!!」ぎゃんっ


座敷童子「ぐっだぐだじゃの。」うわー




一二三「?

んじゃ 今の何したんだべか?」

テオドール「粋さんが帰られないので何かあったのかと
ちょうどお仕事終わる時間ですので『皆さん』心配して捜してるので御座います よいしょっ」


一二三「ん?何で抱っこだべ?」へ?

テオドール「座敷童子さん

幸運で護って下さい!」真顔っ

座敷童子「Σおい。まさか」ちらっ





粋「へ?え?」 髪ざわわわっ

送り狼「Σ!?」











白「ヤバい事になってたら超音波で知らせろって言っといたけど
やっぱ 変な事になってたか」ため息。

皐月「ごっつい火柱上がっとるな。」うわー。



つつじ「あの、んな確認せんと勾陣暴走させて
テオはん大丈夫なんどすか?」冷や汗

白「ヤバくなる前に灰になれって言ってるし」しれっ

皐月「他に誰もおらんかったらええけどなー」






ーーーーーーーー





一二三「運良く古ーい時計が盾になってくれて助かっただ!」おおおっ

座敷童子「つくづく座敷童子で良かったわ」ほっ

テオドール「ホントに助かりま

灰ざらああっ。


座敷童子「精神が限界突破したか」ありゃ




粋「あれ?俺は何を」はっ

白「いや 何があったんだこれ」困惑っ




皐月「なんやこれ」棒でつっつき。

送り狼「」焦げっ

つつじ「何やろなあ?」つーん。




一二三「ヘンゼルとグレーテルも混ざっただか?」

座敷童子「これ食らうのか?」うげ






>サイトトップに戻る