小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月12日

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粋「ーーて事で 猫はトシとると器用になるだけでさ
悪い物じゃねえから安心して良いと思うけどなあ」

女の子「じゃあ 夜中に行灯の油舐めるのは?」

粋「Σ舐めんの!?」ひいっ



石燕「あー。魚食べたいんじゃないっすか?
お年寄りだからちっと違った魚食べたくなって 油食べたくなったとか」ひょこっ

女の子「Σ年取るとそんななるの!」えええっ


石燕「そっすねえ
あっしらの知り合いの年寄り狐も珍味好きっすし」

女の子「狐の知り合い居るの?
へー。そうなんだ そんなら怖くないね
お兄ちゃん達ありがとう」にこにこっ

石燕「元気に長生きするんすよー」猫なでなで

年寄り猫「にゃあんっ」しっぽゆらゆらっ





粋「ありがとう マジで助かった」

石燕「いえ、なんで道端で化け猫の相談のってんすか?」

粋「なんか 人の口に戸は立てられねえって奴?
色々間違って噂になって なんでか俺が化け物退治してる的ななんかそんな話になってるぽい?」困惑っ

石燕「・・まあ あんだけしょっちゅう化け物絡みで暴れてたら 蒼月さんの催眠漏れも出るっしょねえ」納得



テオドール「ほらほらお話終わりましたよー
危なくないんで出てきて大丈夫に御座いますよ?」

白「んー。」物陰で甘酒すすりっ



石燕「で、お宅のお兄さんは何で隠れてんすか?

粋「子供の扱い解らねーから。
こっそりアドバイス貰ってたんだよ」

テオドール「少し触ったくらいでそうバラバラにならないと思うのでございますが」うーん。

石燕「その心配しちゃう時点で関わんなくて正解かもしんないっすね」ああうん。



白「けど、珍しく強めの化け猫だったな
あんなの普通にその辺に住んでるのか」へー。

粋「いやそれ 兄貴が言う?」

テオドール「モノノケはモノノケを呼ぶと言いますし
協力な魔物が住みやすい地域なのかもしれませんね」

石燕(白さんの愛猫も結構な化け猫化してるの まだ誰も気がついてないんしょね)※ 猫に口止めされ済



粋「つか俺霊感無いからな。
化け猫とか解らねーし そんな凄かったの? 」

テオドール「恐らく飼い主のお嬢さんに危害を加える輩はその場で頭かじり取られます」

粋「Σこわっ!!」ひいっ

石燕「ま、悪さするタイプじゃないならいんじゃないっすか?」



白「じゃ帰るか
今日は冷えるから寄せ鍋らしいし」

粋「おお!やたっ」

テオドール「あれ?石燕さん? どうされました?」


石燕「ん?あの あれっ?」きょろっ

粋「? 落とし物かよ?」



石燕「いえあの。与一さんが居ない みたいで?」きょろきょろっ

粋「Σ取り憑いてるオバケ落としたの!?」えええっ

テオドール「てか落とせるんですか!? 石燕さんの体から出たら消滅するのでは!?」ひいいっ

石燕「Σだから焦ってるんす!!」顔面蒼白おろおろっ



白「その辺落ちてないな。
えーと さっきまでは居たんだよな?」ふむ。

石燕「そっすね
寒い。肉ついてないから冷えが骨身に染みる。取り憑いてる方の見にもなれとか 頭の中でえらっそうな愚痴喧しかったすから」

テオドール「よく大人しく取り憑かせて御座いますね」うわ。

石燕「慣れっす」きっぱり。


粋「えー なんでいきなり居なくなったんだ
あ、ひょっとして中で寝てるとか?」頭ぺしぺしっ

石燕「いや それならさすがに解 あの痛いっす」






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【割烹 春一】



彬羽「幽霊無くすとか前代未聞じゃねえか。」呆っ

石燕「返す言葉も無いっすねえ」苦笑



白「どう探したら良いんだろうな?」

彬羽「だな。山のカラス達使うにしても 幽霊見つけて来いとか無理が有るしな」うーん。

粋「あ。やっぱカラスにも見える見えないってあんの?」


彬羽「いや。この町魑魅魍魎で溢れてるから見分けがつくかどうか」うーん。
粋「Σっぎゃー!聞かなきゃよかった!」背筋ぞわああっ


彬羽「こいつ探すなら派手な白髪探せで済むから楽なんだがな。」うーん。

白「たまにハイカラな余所の爺ちゃん捕まるけどな」うん。

彬羽「そもそも毎度地元で行方不明になるな馬鹿たれ」きっぱり。



テオドール「と、なりますと
前後の流れから落ちてそうな所捜すしか御座いませんかね?
消滅してなければの話で御座いますが」ふむ。

石燕「いや さすがに消えそうになったら根性で帰って来るとは思うっす
あれでもメンタルおかしいので有名な鎌倉武者っすし

あっしから出ても鬼門的な物の中なら消えないで居られるみたいっすから鬼門しらみ潰しっすかね?」うーん。

粋「つかよ。いつまでは少なくとも居たんだよ」

石燕「そっすねえ。ホントいきなり静かになったっすからね

えーと確か・・」

彬羽「ん? 思い当たる事が有ったか?」



石燕「化け猫さん撫でた辺りっすかね?」あれ?

粋「与一って猫ダメだっけ?」

テオドール「基本石燕さんの中なので解りません」

彬羽「化け猫?
本当にそこから静かになったのか?」

石燕「気がついたんがその直後なんで多分。
場所は芝居小屋近くの橋の手前の茶屋っす」

白 「ひょっとして。
寒かったからモコモコの猫に乗り移ってそのまんま石燕から離れたから戻れなくなったのかな?」

粋「いやー。そこまでバカじゃねーだろ」

テオドール「あの 石燕さん?」

石燕「」頭抱えっ


彬羽「あり得る様くらいのバカでは有りそうだな」ああうん。




白「じゃ とりあえずあの子供の家捜すか」ふむ。

粋「まあ手がかりそれくらいだもんなー」

テオドール「へ?捜すってどうするのですか?」



白「バカラス 山のカラス頼んだ

それと そこのお前 町民のふりした忍だな。
お前らの頭に伝言頼む」

潜伏中忍「Σ!?」



粋「まあ 人間捜すなら徳川忍軍だよな」ああうん。

テオドール「なんで忍とか1発で解るので御座いましょうかね」うーん。




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与一(猫の中)(アホな真似したーーーっ!!)ずーん。

猫「にゃう?」

与一(猫の中)(猫に心配されとるし!
病むと言うか闇な石燕の中に疲れてちょっと一瞬癒しが欲しかっただけだと言うのに
何故こうなったああーーっ!!)悶絶後悔っ


女の子「タマ子どうしたの?」あれ?

与一(猫の中)(Σしかもメスかっ!)


女の子「元気無いねー。
あのお兄ちゃんも言ってたみたいにお年寄りだもんね
そっかお魚食べたいんだよね 何か有ったかなー」てくてく。

与一(猫の中)(いや猫も特にいらん様だが

ん?この広いの台所か。なかなか裕福な家の様だな)きょろっ



女の子「はい!イカがあったよー
普通のお魚飽きたんだもんね」

与一(猫の中)(Σ猫に食わしちゃいかん奴それーーっ!!)ひいいっ


猫「にゃっ」ぷいっ

女の子「え?嫌なの
ワガママだなあ」えー。

与一(猫の中)(賢い猫で助かった。) 無い心臓ばくばくっ


女の子「じゃあね えーと。

あ! ほらニシンの塩漬け!
普段お母さんもこんなのくれないよー」

与一(猫の中)「Σいやいやいや塩分ーーっ!!」ひいいっ



女の子「Σ喋った!!」

与一(猫の中)「Σしまった!!」はっ




女の子「え?あれっタマ子 やっぱり化け猫っ」後ずさりっ

与一(猫の中)(しまった 平穏な猫と飼い主の生活が壊れてしまうっ!)血の気さーっ





勝手口がしゃああん!!

強盗「よっしゃ娘捕まえた!
おらおら使用人共 家主呼んで来い!金出せやー!!」

女の子「Σぎゃー!」じたばたっ

与一(猫の中)「Σこのややこしい時にどんだけ治安なっとらんのだこの町は!!」

強盗「Σ猫喋った!!」ひいっ

与一(猫の中)「Σ喧しい! ええいヤケだお前を仕留めてから後の事は考えようぞ!!」くわっ

強盗「Σうお!やんのか!?」びくううっ




与一(猫の中)「・・・」





強盗「・・・?」びくびくっ



女の子「・・あの タマ子?」


与一(猫の中)(弓持っとらんし 肉球でどないせえと。)ずーん。



強盗「え。えーと?

けっ!ただの喋れるだけの化け猫か ほれ向こう行ってろ!」


猫ひらりっ

与一(猫の中)(Σおお!素晴らしい身体能力!!)

強盗「Σ軽々避けるな腹立つ!」




与一(猫の中)「これなら行ける!鎌倉武者なめるなああ!!!」

爪全開飛びかかりガブッ!!

強盗「Σあああああああ!!!」うぎゃあああっ








粋「なんか。 色々大丈夫だったぽいな」うわー

白「これ どっち助けたら良いのかな?」



女の子「Σあ! お兄さん
どうしようタマ子鎌倉武者らしいよ!?」パニック!

粋「あーうん。 ごめんごめん実はちょっとオバケに取り憑かれてるみたいでさ」



石燕「アンタ人の家で何やってんすか。」

よっこらスポッ


彬羽・テオドール(Σ掴んで引っこ抜いた!!)

白「ホントあいつ無茶苦茶だな」うわ。





ーーーーーーーーーー





千様「そりゃ大変だったわねー」あらあら

石燕(与一)「貧弱で万年肩凝りの苦痛を共有せねばならんが こやつの体のが万倍マシだ」こたつでぐったり。

家康「お世話になってんだからあんまそういうの言わないの」ほんとにもー。

石燕(与一)「言わんでも思っとる時点でどうせ筒抜けなのだがな」

シロ「プライバシーの欠片も無いな」うわ。



白「なあなあ 1個気になったんだけどな」

石燕(与一)「なんだ。猫の中なんぞ大して楽しくは無かったぞ」

白「そうじゃなくて

お前 普通のオバケと違って弓についてた残留思念?てのが霊感強すぎる石燕の影響で意思有るくらいまで作り直されたんだろ?

そのせいで石燕以外には取り憑け無いんじゃ無かったっけ?」

一同「Σあ。」

粋「言われてみれば なんで!?」えええっ

石燕(与一)「Σへ? あ、いや

え!?何でだ?」





蒼月「モヤシがトシ食った化け猫並にひねててドロドロしてるからじゃ無いの?」こたつでごろーん。

一同「Σ成る程!!」おおっ



彬羽「いや 納得していいのか それ。」



白「今石燕どうなってる?」

石燕(与一)「ふてくされた。」きっぱり。

家康「あ、じゃしばらく与一ちゃんのまんまだね。」あちゃー




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