小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

11月11日

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【割烹 春一】



朱禅「へー あの野郎頑張ってんなあ」ほうほう。

粋「嫌々だけどな
何だかんだで政務の手伝い出来るとか やっぱ凄いよなあ」うんうん。


庵「そっか。蒼月って頭は良いんだっけ?」

朱禅「だなー。結構何でもこなすんだよな
その分性格悪くて女癖最悪でヒモ体質で生活力ねえけど」ふっ

彬羽「お前よくあんなの長年面倒見てたな」

朱禅「兄弟ですんで。」遠い目


テオドール「なぜに急に敬語に。」

白「凄く辛かったんだろうな」うん。



シロ「成る程 あれやこれやの特技や派手な物やら
妖怪としての特性も双子の蒼月が持って行った為 お前は人間にお馴染みやすい性格となったわけか」しみじみ。

朱禅「あの何か傷付くんだけど。」


ひな「いいじゃない。 そこは毒気全部持っていってくれた蒼月さんに感謝でしょ?」


庵「あー。そういう安心感が良かったの?」しれっ

ひな「えーと。真面目さと押しの弱さと
私への愛?」にこにこ

朱禅「Σああーっと 帳簿どこ行ったかな帳簿っ」どたばたすたすたっ

テオドール「逃げられましたね。」おや


粋「あの、 いちゃつくなら客居ない時にしてくんね?」



テオドール「あれ?今日はお店フルメンバーに御座いますか?」

彬羽「だな、シロの研修兼ねてな」鍋ぐつぐつっ

粋「お!お前芋の皮剥きから卒業出来たの?」おおっ


シロ「Σんなもんとっくに卒業しとるわ!
まずは試しだ 食すが良い!!」

おでんの鉢どんっ




白「煮崩れし過ぎて凄い事になってるけど良いのか?」

じゃがいもでろでろっ

シロ「味が染みんのだ!仕方なかろう!!」

テオドール「あ、でも確かにしっかり味は染みておられます 見た目はともかく美味しゅう御座いま Σあ」

大根ぼろろっ



彬羽「隠し包丁が深すぎたな」ふむ。

シロ「Σ浅いと染みないしどうしたら良いのだ!!」うがあっ

彬羽「お前はせっかち過ぎんだ
弱火でじわじわ時間をかけて煮込め そうすりゃ煮崩れも最低限で済む。
後具材は均等に切る事 大きさが違うと小さい奴から崩れてくぞ」

シロ「Σうう 細かいっ」



粋「店に出せるレベルになんのも大変だなー
あ、ちくわぶうめっ」もぐもぐっ

白「卵くれ卵」わくわくっ

ひな「あら思ったより好評ですね」あらあら


シロ「身内ならな。
そうか まだまだか」ため息


テオドール「お味は充分によろしいと思いますし
いっそ 『新米修行中』のメニューとして出してみては如何で御座いましょうか?」

朱禅「いやそれで金とるのどうよ」



テオドール「この国はお店の人とお客の距離感が近いと思われます

芝居小屋にしてみても 私の母国なら舞台に立った時点で『一流』である事が求められますが
こちらの場合 見習いの粋さんにも成長を見守りたい的な応援ファンの方がついておられますし。」

粋「Σそうなの!?」

白「ちょこっと役で隅っこ出た時とか やたらアメくれるおばちゃん居るだろ」

粋「Σあのおばちゃんそうだったの!?」えええっ



シロ「それはファンではなく 近所の子供見守る感覚ではないか?」

テオドール「飲食では厳しいですかね?」

ひな「んー。 需要は有るかもしれませんが
モンスター客の餌食の気もしなくは。」うーん。


庵「万一絡まれたら死人出るし やめといた方が良いんでない?」

店一同「却下で。」うん。


テオドール「どんな御店なのて御座いますか」

白「酔っぱらって店員にセクハラしたら床と好きなだけいちゃつける系の店だ」もぐもぐ。

粋『たまに壁にオッサン刺さってるよな』うんうん。

テオドール(割烹とは特殊な嗜好を持たれる方専用飲食店という意味なので御座いましょうか)ふむ。



庵「てか良いの?
昼休み終わるんでない?」

粋「Σやべ!
兄貴ほら急いで 午後の部即出番だろ!」ひいいっ

白「ん?」卵もっくもく。

粋「Σ何個目それ!?
ほら早く! 飲み込んで飲み込んでっ!」わたわたっ

テオドール「Σダメです卵慌てさせたらノドに詰めますよ!?」

粋「Σ幼児じゃねーんだからそこまで気使わなくても良いんだよ!!」



シロ「包丁使いが上手く行かんのは何故だ」むう。

彬羽「包丁だと思うから緊張するんじゃねえのか?
ほれ 慣れれば大根がこのくらいの薄さに」しゅるんっ

朱禅「いや 俺慣れてるけどその薄さは無理だわ」うわー。




粋「あの指導中ごめん。
急かしすぎてやっぱノド詰まったらしくて 茶おかわり貰える?」

テオドール「Σ背中ですか!?背中叩けば良かったんで御座いましたっけ!?」べっしべしべしっ

白「かはっ」ぷるぷるっ



庵「あの、その叩き方じゃ無理だと思う 」お茶じょぼぼっ









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粋「Σえ。 夕飯もおでん!?」

シロ「うむ。リベンジだ!!」くわっ




白「スジ肉大目でな?」

彬羽「さすがにタマゴ懲りたか。
手前たんぱく質ホントに好きだな」


家康「わーい。熱燗もね」わくわくっ

蒼月「暖かいなら何でもいいや」さむさむさむっ



千様「けど、シロ君が切り方の練習ねえ」へー。

彬羽「火加減もだがな
こればかりは数こなして コツ掴むしかねえしな」




家康「え? あの子練習なんて居るの?」

千様「よねえ?」ちらっ


石燕「中庭の自主練の所 丸太がカンナで削られたみたいになってんすのにねえ。」うーん。

小太郎「そもそも竹刀でなんでこんななってんだろ。」


白「剣圧。」きっぱり。

小太郎「Σ怖っ!!」ぎゃいんっ




一二三「お料理はまだ無理でも
お店の前でそれ披露したら客寄せになんでねえだか?」

彬羽「何の店か解らんだろそれ」




シロ「Σだああ!また切りすぎたっ!!」いらああっ


石燕「テオさん良かったっすねー
鉄分多目のご飯になりそうっすよ」

テオドール「そういう血液の摂取は嫌で御座いますね」引。




彬羽「Σいちいち癇癪起こすな
あ 手前 まな板に包丁刺したな!刃こぼれするだろがっ!!」



千様「シロ君の場合短気直さないと色々難しそうねえ」あらあらっ


家康「料理って奥が深いねえ」へー。

蒼月「深い?これ。」えええ





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