小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月25日

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【妖怪温泉】



テオドール「これが日本名物 温泉に御座いますかっ!」おおおっ

シロ「いや 世間一般のは此処まで派手でも仰々しくも無いぞ」


テオドール「へー、偽欧風なので御座いますね
またお洒落なっ」きょろきょろっ


白「ぎおうふう?」

彬羽「二階三階と床兼天井が無く 回りに張り付く様に通路と階段のみの有る吹き抜けだろ
これは主に西洋で劇場なんかに使われる建物の形式だ
それの形式を真似つつ 基本は和風建築でまとめた物を偽欧風と言う」


シロ「お前つくづく要らん日本語は知っとるな」

テオドール「我ながらこればっかりは使う機会があるとは思っておりませんでした」なんか複雑っ






晴明「お?どうした化け物カルテット」ほこほこっ

一同(Σ何処にでも居るなこいつ!!)


シロ「いやちょっとな
カウンターをモロに受けてしまい 手首を捻ったので湯治にな」手首包帯ぐるぐる巻きっ

晴明「また御前か」納得。

白「寝起きで加減間違えたんだ」むう


テオドール「晴明さんはえーと。

肩こり辺りで御座いますか?」

晴明「よく解ったな。
いやこの時期は気圧の問題なのかやたらと肩が凝ってな」ふーやれやれっ

彬羽(どう考えてもトシのせいだろ)



晴明「しかし また付き添い多いのう
なんじゃ?何だかんだで子供扱いか?」にまにま。

シロ「いや 俺はこ奴らと違い自由に出入り出来る身分では無い上
そもそも厳密には妖怪では無いしな」

晴明「ん?というと」




白「えーと。 日帰り子供1枚。後フリーパスな」

受付「はーい。お子さん1枚ねー 」


彬羽「あいつが普通に受付でやり取りしてると違和感半端ないな」

テオドール「あー 破壊して強行突破しそうなイメージに御座いますよね」にこにこ。


シロ「手持ちも無いのでな」ふっ

晴明「やはり子供扱いではないか。」きっぱり。



白「ほらこれ首から下げとけ
無くしたら出られないぞ」入場券っ

シロ「うむ。かたじけない」


晴明「普段のこ奴ら知っとると なかなかに奇妙な光景よの

で、お前らは何ぞ? 暇潰しか?」はて。

彬羽「Σ手前と一緒にするな!」

テオドール「粋さんがここでたまーにバイトしておられるので ついでに見に来たのです
他にも用事は御座いますし」


晴明「ん バイト? 警備か?」

白「それも有るけどな

あ。いたいた」



粋「あっれ? 兄貴。お前らも
どしたの?」 柄付きタワシで朧車わっしゃわしゃ


彬羽「車輪に土着いてる様な奴等をそのまんま湯船に浸からせるわけにもいかねえだろ。
それで ああやって車系の奴らの泥落としをだな

晴明「平たく言えば洗車じゃな。」ああうん。


粋「朧車には散々お世話になってるしなあ
これくらいやっとかないと」わっしゃわっしゃ。

白「それいつも俺が呼び出してる奴じゃ無いぞ」

粋「Σえ」

彬羽「だな。車種が違う」うむ

粋「Σどう違うの!?」ええええっ




シロ「うむ。俺も全く解らん

では俺はさっさと湯治を済ませてくる」すたすた。

晴明「温泉に来てまで偉く業務的な童子よな」


白「深い所で溺れるなよ「Σ喧しわカナヅチに言われたくないわっ!!」




テオドール「今のは声が大きゅう御座いましたね」うわあ。

彬羽「・・だな。」チラ見っ



粋「兄貴 他の客に迷惑だから餓鬼シメるのは帰ってからな?」朧車しゃっこしゃこ。







間。







晴明「で、ついでとか言っておったが 他には何が有るのじゃ?」

彬羽「お前なんで着いて来「暇なのだ」きっぱり。


白「なら座敷わらし連れてきてやれば良かったのに
あいつこう言うの好きそうだぞ」すたすた。

晴明「いや、私もそう思ってな 声をかけたのだが」うーん。


テオドール「何か問題でも?」はて。




晴明「『あくまで利便性のみを考えて同居しておるので その点勘違いするな。』と生ゴミ見る目で言われたわ」

彬羽「それ完全に誤解されてるだろ」

晴明「だな。 私は幼児体型よりも出る所はこうしっかり主調した 気の強い淑女が好みなのだが」うーん。

テオドール「モテない思春期男の妄想彼女像みたいに御座いますね」きっぱり。

晴明「・・・案外言うな」ふっ




白「あれ?お前人の事言える程モテるのか?」あれ?

テオドール「そもそもコミュ障のいじめられっこボッチに御座いましたので それ以前に御座います」あっさり。

晴明「Σ有る意味強い!!」



彬羽「しかし蒼月の奴 何処に居るんだ」きょろっ

晴明「お? 用事とは蛇小僧を探しに来たのか?」

白「朝 寒い寒いって煩いから ここなら暖かいだろって魄哉が放り込んで行ったんだけどな」

テオドール「音沙汰無しと申しますか
偉く帰って来られないので 何かやらかしたのではと」

晴明「何か とは?」ふむ。




白・彬羽・テオドール「覗き とか。」真顔

晴明「捕まっとる可能性大か。」納得。




彬羽「いや もし既にやらかしてるならオーナーの魄哉の所に知らせが来るだろうしな
まだ店側に発見されてない様なら 早めに捕まえて回収をだな「なんで覗きやらかしとる前提なんじゃい」

白「蒼月だからだ」きっぱり

晴明「すまん。反論できん」うん。




白「じゃ人数増えたし 手分けして探すか
ここ無駄に広いし」

晴明「Σん?私もか!?」

テオドール「お暇なので御座いましょう?」

彬羽「だな。さっさと見つけて締め上げて帰るか」すたすた。




晴明「あの、私はそろそろ帰ろうかと
白「ここの温泉饅頭旨いぞ」

晴明「・・奢りであろうな?」







間。








テオドール「なぜに何処にも居ないので御座いますかあっ!!」ぜーぜー

彬羽「お前妖怪探知出来るだろ! なんで探せねえんだ!」

晴明「無茶言うな!妖怪しかおらん所でんな物やってもどれか解らんわ!!」


白「なあ。温泉って来ても ずーっと湯船でぷかぷかしてるわけじゃないよな?」

晴明「ん?それもそうか
では 何処ぞの客間で寛ぎ倒しとるのかもな」ふむ。


テオドール「では 客間をしらみつぶしに
彬羽「Σいや待て! それはさすがにまずい!!」


一同「へ?」


彬羽「考えてもみろ

『温泉宿』で問答無用で性犯罪の心配されてるあのエロ蛇だぞ?」冷や汗っ

晴明「何処ぞの部屋におるなら 女連れ込んどる可能性大か」うっわー


白「それじゃ見つけても気まずいな。」うーん。

テオドール「むしろ捜したく御座いません」むう。



晴明「まあ何じゃ
そっちは他の客も迷惑だしのう

其処らで見つからなんだらピー助にそう伝えとけ。
そっち方面なら若い奴等の手には負えんわ」



彬羽「だな。適当に探して帰るか」ふむ。

テオドール(一気にやる気が底ついてらっしゃる)あーあ。



白「じゃ、後は其処ら適当か

えーと。 此処の水も温泉なのか?」

テオドール「みたいに御座いますね 暖こう御座います」手突っ込みっ

彬羽「ん? そもそも何なんだ此処は
やたらだだっ広いが」きょろっ



晴明「ああ此処はな 普通の風呂桶には入りきらんデカイ奴等用の浴場よ
何処ぞの川のヌシやら何やらドでかい奴専用だの」

テオドール「Σあ。ホントに深い 深う御座いますよ此処!!」お湯ばしゃばしゃっ



彬羽「手前 温泉でも駄目なのか?」

白「何がだ」じりじり後ずさりっ



テオドール「うわ袖濡れました。

しかし ひょっとしたらですが蒼月さん この付近におられるのでは?」袖絞りっ

晴明「ん?」

テオドール「いえあの方 本来大蛇に御座いますよね?

人型なので忘れがちに御座いますが」



一同「Σ忘れてた」はっ

テオドール「あの 晴明さん さっき蛇小僧とか「言いながら忘れておったわ 不覚不覚。」扇子ぺしっ

彬羽「まあ大人しくしてるのなら だが
念の為探してみるか」ふむ。

晴明「この1角だけでめちゃ広いがの」やれやれ。

白「ここ室内だよな?」あれ?


テオドール「魄哉さんの作られた物なら不思議は御座いません
皆さん滑るので足元気をつけて

Σだああ何か踏んだあああ!! 」

ずるすてんっ

ばしゃーん!!


晴明「Σ案の定!!」ひいいっ



テオドール「Σうわげほっ!深いいいい!!」じたばたっ

彬羽「Σ力を抜け そうすりゃ浮く!」

白「溺れてる奴に言っても無理だろ」

晴明「おお!さすがカナヅチ そこらよく解ってお

ばしゃーん!!


彬羽「Σ何してんだ手前はああ!!」

白「ごめん。手が滑った」しれっ

晴明「Σ普通突き落とすか!? うお袖が絡んで溺れるうううっ」がぼぼっ!

彬羽「下手に入ると危険か 何か捕まる物をっ」きょろっ


白(条件反射で落としちゃったけど これさすがにまずいよな) おそるおそるっ





テオドール「Σだああ!足つった もう無理ですうううっ!!」

晴明「おのれ こんの餓鬼めがあっ!!」げぼごぼっ

がしっ!!

白「Σえ」




どっぱーん!!!

彬羽「Σお前もかああ!!」






間。








粋「Σぎゃっ! 皆揃って何事!?」ひいいっ

彬羽「何だろうな」半ギレびしょ濡れっ


白・晴明・テオドール「・・・」ずぶ濡れっ



粋「え、えっと。

何となく解ったけど どんまい。」うわー

白「水なんて嫌いだ」けっ
粋「うん。兄上帰ってから愚痴聞くからな?

で、そこの伸びてる蒼月はマジで何?」困惑っ

彬羽「湯冷めするのが嫌で 本性のまんま湯船で寝て沈んだらしい馬鹿蛇だが?」

蒼月「」ぐったり。



晴明「フロでの寝落ちはな あれ有る意味気絶なのでメチャ危険なのだぞ。
冗談抜きで溺れるわ」ふっ

テオドール「私が踏んで滑ったの 蒼月さんのしっぽの先だったので御座いますね」成る程

白「沈んで見つけられたから良かったけど 蒼月怒って良いかなこれ」どよーん。


粋(Σ皆テンション低っ!)


彬羽「手前は自業自得だ
加減を覚えろ加減を。」

白「晴明の性格悪いのが悪い」ふんっ

晴明「しゃーなかろう このトシで今更直らんわい」

テオドール「申し訳御座いません」どよよよーん。



粋「あのー ケンカは帰ってからのが良くね
この寒い中 びしょ濡れって風邪ひかねえ?」



一同「「「」はっくしゅん!!」」」 ぶるっ。

粋「あ、やっぱし」



シロ「Σうお なんだお前ら
なぜに温泉来て凍えとるのだ!?」

晴明「不慮の事故がな」ぶるっ

シロ「いやどういう Σおい蒼月冬眠しかけとらんかこれ!」ひいっ

彬羽「Σしまった そっちを忘れてた!」はっ






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