白「おーい 九尾居
九尾「はいはいはーい！だーりんお呼びかえっ！ 高砂屋かえ？わちならいつでもOKじゃぞえ！！」どすんっ
粋「今何処から降ってきた？」えええ
シロ「普通に天井 だな？」天井見上げっ
挿音「忍ばりに張りついてたんじゃねえの？」
白「ほら 呼び出したぞ」
魄哉「お手数おかけします」苦笑。
九尾「ん？なんじゃ わちに用が有るのはお前かえ
つまらん 帰るわ」ふんっ
晴明「そう言うな玉藻。
短気なメスは男受けが悪いぞ」ふふんっ
九尾「Σその名で呼ぶな！
葛の葉の所の小倅が偉そうに！！」きいいっ
シロ「前々から気になっておったのだが ひょっとしてお前ら知り合いか？」
晴明「私の母親 信濃の葛の葉狐と旧知らしい」
九尾「人間なんぞの子供生むと幼狐もバテるのでな
産後しばらくこいつの面倒見ておったわ」ふんっ
一同(Σまさかの乳母！？)
晴明「私は記憶ないがな
一応そう言う事なので 都で九尾の狐が暴れておると相談来た時にだ
隠居しておったが 『命を取れば呪いが来るぞ 封印に留めておけ。』と大嘘ぶっこいたのだ」ふふんっ
白「意外と律儀だな」へー。
晴明「恩を受けっぱなしでは犬にも劣るで有ろう？
ほれお手。」
小太郎「俺は狼だけどな」お手っ
九尾「なんじゃいいきなし昔の話を
つーか何の用じゃ なんで子狐来とるんじゃい」むう
魄哉「いやー それがその」どもりっ
九尾「ん？
なんぞ？」
家康「ぶっちゃけ九尾ちゃん
最近何処かの男たぶらかした？」ずばっ
九尾「Σ食うぞ馬鹿殿！
わちはだーりんしか狙っとらん！！」くわっ
粋「モテんな兄貴」うわー。
白「獲物認定されてる気がする」むう。
テオドール「間違っては居ないと思われます」うん。
魄哉「ほら だから言ったでしょう？」
家康「えー お前が聞きにくそうだから聞いたげたのに」ええー。
晴明「と、なると原因は他か。」ふむ
シロ「ふむ。
察するに 過去に九尾が権力者をたぶらかした時の様な惨事が起きておる
という事か？ 」
魄哉「当たりです。
地方の大名なんですがね
あまりの乱行ぶりに問い詰めた所 当事者が『九尾の呪い』と言ってんですよ」
九尾「Σ濡れ衣じゃ！
わち最近だーりんのストーキングしかしとらんもん！！」
テオドール「ネズミ用の毒団子は狐にも効くのでしょうか？」真顔。
白「気にしてないから駆除しなくて良いぞ」きっぱり。
九尾「Σうっお 気の利きすぎる下僕こわっ！！」ひいっ
粋「で、乱行って？」
魄哉「それが 公費使い込んで自称酒池肉林って言い張って宴開催して
まあその 正直ショッボいです」
シロ「完っ全に言い訳に使われとるな」うむ。
九尾「人間は昔からぞ
わちとて妲己や何やと言われてこの国に逃げて来たがの。
九尾の幼狐なんて目立ってしゃーないから 宮廷に逃げ込んでちょこーっと時の権力者たぶらかして美味しい物食べて、安全な所でぬくぬくしておったらよ
権力者が勝手に自滅した上 うっかり正体バレてわちのせいよ」とほほ。
家康「実際酒池肉林ってしたの？」
九尾「いや どう考えてもオスの趣味じゃろ？」きっぱり
粋「うっわー 人間えげつねえなあ」
九尾「で、逃げて来たら来たで
この国でもうっかりバレた上 国の上層部腐っとんのわちのせいじゃにされるし封印されるし」はーやれやれっ
白「お前うっかりし過ぎじゃないのか？」
九尾「Σ耳が痛い！」
晴明「やはりコレの仕業では無いか」ふむ。
家康「だね。どんくさ過ぎて悪事出来そうに無いし」うん。
魄哉「あのー これは個人的な質問なんですが
なんでそんなボッコボコにされて 国跨いで逃げてまた権力者の所行くんですか？」
九尾「へ？
あー その。
ほら 金持ちの所のが飯旨いじゃろ？」
シロ「学習能力皆無だな」うむ。
晴明「と、すると 原因は何であろうな？」うーん。
粋「原因って ただの横領の言い訳だろ？」
家康「いやね。私らも横領犯の悪いの狐ですう。を真に受けて調べたりしないよ？」
粋「へ？」
シロ「つまり 九尾の仕業と思われる何かが他に有ると？」
魄哉「ですです。
実は 件の地方大名なんですが 今、寝込んでるんですよ。
状態が状態なので本人詳しく取り調べも出来ないと言った有り様で。」
彬羽「つまり、その症状と同じ物が『玉藻前』が都に居た時の記録にも有ると？」
魄哉「こ明察。
てかいつから聞いてたんですか？」
彬羽「状況解らんと仮眠取ってたのに叩き起こされた」むすっ
家康「あー。早朝から仕込みお疲れ様」あちゃー。
テオドール「言ってくだされば私が表でも作りましたのに。」むう
白「お前日本語書けないだろ？」
テオドール「Σしまったあ！！」がーん！
粋「そもそも兄貴も平仮名しか読めねーだろ。
Σちょ 灰になるくらいショック！？」えええっ
白「えーと。 じゃ平安時代も今も同じ奴が呪ってるとかそう言う事か？」はて。
シロ「いやそんな そもそも長生きしており命に関わる程呪いに長けた奴等・・」
晴明「待てこら 一斉にこっち見るな。」
魄哉「そう言えば 狐「Σ待てい！ 貴族や大名呪って私に何の得がある！！」
魄哉「あれ？待ってください
昔から偉そうな貴族めちゃめちゃ嫌ってましたよね？
え？ よくよく考えてみれば九尾さんの呪いって誰が言い出したんです？そもそも九尾さんを封印したのって 貴方の孫だか曾孫だかそこらだった様な
晴明「Σ何の推理だ 本人前にして濡れ衣新説ぶっ立てるでないわ！！」
白「晴明。尻尾出てるぞ」
晴明「Σんなっ！？」はっ
粋「え。お前尻尾あったの？ 」おおっ
晴明「いや 私も初めて見た」びっくりもふもふっ
彬羽「人生で最大にビビったのか。」
九尾「な？な？濡れ衣って嫌なんじゃぞ」
魄哉「この調子だと晴明さんも違うみたいですね」ふむ。
晴明「言っとくが 私が怪しいなら元同僚のお前も「僕は呪うくらいなら 直で蹴倒してスッキリします。」きっぱり
家康「あー。私いつも蹴っ倒されてるもんね」あっはっは
シロ「此処には犯人おらなそうだな」うむ。
彬羽「で、その呪いってのはどんな物なんだ？
呪いの知識は差程無いが妖怪の仕業なら解るかも知れん。」
魄哉「あ、そっか。彬羽君妖怪名簿持ってましたね」
挿音「ほれよ。 対象の症状と最近の行動一覧」報告書ピシッ。
彬羽「意外としっかりしてるな 徳川忍軍。」
間。
【幕府公営診療所】
飛天「あー こりゃエキノコックスだな。」報告書めくりっ
彬羽「やっぱりか。」
一同(Σまさかの寄生虫！！)
魄哉「Σあああ言われてみればっ
呪いの観点からしか見てませんでした！！」
飛天「お前頭硬いからなあ」あーあ。
粋「狐に居る寄生虫な？」解説。
白「それか」手ぽん
飛天「報告書に寄ると 殺生石の近くに遊びに行ってからこの症状出たらしいなあ
で、調度横領してたし九尾の狐のせいにしちゃえーとかやってたら マジで具合悪くなって九尾の呪いだ とかなったとかそんなかな」うーん。
彬羽「人間ってのは時々とんでも無い馬鹿やるな」納得。
魄哉「成る程 後ろめたさからの思い込みですか
九尾ちゃんには悪い事しましたねえ」
九尾「濡れ衣じゃぞ ほんとに！」ぷんすかっ
晴明「待て 現在のは謎が解けたがまだ平安京の玉藻の件が残っておるぞ
あの時も同じ症状が出たと言うのはいったい」
飛天「単に九尾が宮中でエキノコックスばら撒いたんじゃねえの？」
晴明「Σんな気軽に流行る物なのか！？」
飛天「おう。この大名のオッサンも殺生石の近くの狐の生息地で昼飯食ってるし エキノコックス貰ったのその時だろなー」
九尾「マジか。ありゃわちのせいじゃったんか
すまんの。」
魄哉「いえ 僕はその頃都離れてましたし
もう時効で良くありません？」
晴明「・・野生の狐はそういう物なのか」なんかショック。
家康「晴明さん室内インテリ狐ぽいからねえ どんまい。」肩ぽん
テオドール「あ。九尾さんにあげる魚の頭に仕込んでた謎のクスリってひょっとして！」はっ
彬羽「Σしっ！」
挿音「ちゃんと虫下し飲ませてんだな。」ほー。
九尾「おお！でかしたカラスっ
だーりんほれほれっ今のわちは安全なもふもふじゃぞ！
ふはははっ安心したわ遠慮無く行くぞえーっ」すりすりベタベタっ
白「いつも遠慮ないだろ」埋もれっ
飛天「あの、病院だからさ。 そろそろ動物出してくんね？」
