小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月15日

f:id:t00c:20210514102331j:plain





一二三「おはようございますだー

あれ?」

晴明「おお。子供が起きてきたな
こっち席空いておるぞ」座布団ぽんぽんっ

魄哉「何でアンタ自宅感覚なんですか。」



一二三「えーと?」

粋「江戸の町を大雑把な結界で守護してる安倍晴明だよ
何でうちで寛いでるのかは俺も知らねー」

一二三「あ、そうだそうだ。晴明さんだべ
おはようございますだー」ぺこりっ

晴明「忘れられておったのか」

魄哉「子供はどんどん新しい事覚えて行きますからねえ
影薄いと最新の記憶で上書きされちゃいますよ」

晴明「ま、よいわ。
古きは地に返り新しきが芽を世を作る万物の摂理ぞ」ふふんっ


魄哉「逐一いかにも賢いですって言い回しどうにかなりませんか面倒臭い てか毎度大した事言ってませんよね?」



晴明「もののけ妖相手だとこれくらいやっとらな舐められるわ」

蒼月「あの俺妖怪だけど ぶっちゃけアンタ面倒臭いだけだよ」きっぱり

晴明「そっちのには効いておるようだが?」



白「ばんぶつ?」

彬羽「そこからか。」



粋「うちの兄貴を基準に妖怪云々考えない方が良いって
大概のはもっと賢こ Σぐほあ!!」

晴明「お前もあまり賢く見えんがな。」


家康「んで、晴明さん 今日は何の用事?

確か妖狐だから自分自身もも結界抜けんのキッツイて言ってたよね?」



晴明「色神の作る料理が最近薄味ばかりで精進料理みたいで食う気がせん

で、前にここのカラスが料理人と聞いたのでな。」ふっ

家康「確認するけど結界抜け凄くキッツイんだよね?」

晴明「年取ると食くらいしか楽しみが無いのだ
察しろ小僧」ふんっ

家康「Σ年齢的にはオッサンなんですけど!!」


千様「すっごい会話ねー」

シロ「その前に あやつは将軍なのだが」うーん。


魄哉「あの人は時の帝にもあんなんでしたよ。
呪われちゃやってらんないんで見逃されてましたがね」

千様「さすがはアンタの同僚ねー」

魄哉「失礼な。僕が解りやすく反抗したのなんて信長さんくらいです」

粋「ある意味そっちのがヤバくねえ?」


晴明「何だ。噂の第六天魔王
変わらず血の毛多いの」ぷーくすくす

魄哉「Σアンタに言われたくないんですけど!!」

晴明「私はケンカは売っておらん
単に言う事聞きたくないならガン無視して「Σそれをケンカ売るって言うんです!」



蒼月「なんかさ。ジジイってあっちもこっちも苦労してるよね」しみじみ。

シロ「苦労かけまくってるお前が言うか」


魄哉「だーもう彬羽君っ このワガママ爺甘やかす事有りませんよ!
頼まれても無視して下さい無視!!」くわっ

千様「アンタ同年代にしちゃ精神年齢低いわよー 余裕が足んないって言うかー」

魄哉「足腰肩目ボロッボロのヨロッヨロですが?」

晴明「何故に内側だけ老化しておるのだ」



彬羽「あの、それが すまん」

魄哉「はい?」

彬羽「既に賄賂を渡されたので断りきれん」平安中期の小難しい本っ(もちろん絶版)

魄哉「Σく! 趣味がバレている!」

晴明「先手を打つは基本ぞ?」にやり。




一二三「あれ結局何してんだべ?」納豆まぜまぜ。

白「頭いい奴等の遊びだと思う」うん。


ーーーーーーーーーーー





【町中】




つつじ「おんや 御揃いで

後ろのえらい重装備な御人どないしはったん」

粋「それが なんか日光に弱いみたいでさー」うーん。

つつじ「女子か。」


晴明「年寄りはデリケートなのだ
なんじゃこの失礼なエセ公家言葉は」ふんっ


つつじ「失礼なんはどちらさんやろか。」むかっ



九尾(幼女バージョン)「全方向にケンカ売ってくのはどうかと思うぞえ?」

晴明「お主に言われたくないわ 玉藻前
だいたい何だその姿は。
土産買いに行くだけなのに何故にお前も来るのだ」

九尾(幼女バージョン)「幼子の姿じゃとだーりんがお手て繋いでくれるからじゃっ!」どやあ

晴明「Σお前狐の誇りはどうした!!」



白「子供なら手繋いでても変じゃないし
これなら俺もはぐれないかなって」真顔。

つつじ「Σあんさんの迷子防止かい!!」



晴明「まあよい で、その団子屋は?」わくわくっ

白「こっちだ」すたすた。

粋「食い物屋には迷わず行けるんだけどなあ」うーん。

つつじ「帰巣本能有るんかも妖しいわな」うん。


白「けどお前 そんなあっちもこっちもで買い込んで良いのか?
また偏ってるとかって魄哉に怒られるぞ」

晴明「構わん構わん 人生太く短く生きる派だ
粗食に耐えダラダラと生きるより 好きな物を食しさっさとボックリ行きたいわ」



九尾「とか言いながら 既にそこらの妖怪より長生きしとるじゃろ」

晴明「お前に言われたか無いわ妲己「おいやめろ。わちの黒歴史時代の名前どんどこ出すでないわ」



皐月「えーやん。 その分ちゃーんと封印されとったんやろ?
んで、今はどっちかちゅーと不憫やん
償っとる償っとる」うんうん。

九尾(幼女)「Σ不憫言うな!てかおったんかい猛毒娘!」きいいっ

つつじ「皐月はんちんまいからなあ」あっはっは。

皐月「アンタがでかいから目立たんねん」むっ



晴明「狐族を代表する 金毛白面九尾の狐が今やコレか」ため息。

皐月「こんなもんやろ?
若い頃 悪こそ格好エエ思ってはしゃいで無茶やってヒャッハーしてた女が 取っ捕まってムショぶちこまれて久々シャバに出てきて若い男にコロッと言ったっちゅー 典型的な

九尾「そろそろ泣くぞ。」


白「泣いてる子供引きずり回すのはちょっと」うーん。

九尾「Σぎゃー!泣かん!泣かんからお手てそのままでえええ!!」ひいいっ

晴明「必死か」



つつじ「何やのこの御人 偉いトゲトゲしてはりますな」

粋「いやお前もお前も。本人目の前にして何堂々とっ」焦っ


白「よし。お前らちょっと離れとけ」ひっぱりすたすたっ
皐月「こら!私は幼児ちゃうやろ!」
九尾「Σあああ!素で手つなぎずるいっ!!」


粋「Σえ。」



晴明「なんじゃ?
なんぞ気に入らんか?」むっ

つつじ「無礼な御人は嫌いどす」きっぱり。

晴明「ほう。京かぶれと思ったが偉くハッキリ物を言うのう」ふふんっ

つつじ「役作りつーかキャラ作りみたいなもんや
素はめっちゃガラも口悪いで。お客引いてまうやろ」ふんっ


粋「あ、あのー 」おそるおそるっ




晴明「なんじゃ 町中でおっ始める気か?
陰陽師安倍晴明舐めるでないぞ童。」

つつじ「陰陽師ナンボのもんや。小細工する間に刻んだるわ」


粋(Σえ。ちょっ マジで!?)ひいいっ






皐月「あーこらあかん。
アイツ 体育会系やから ちゃんと笑ってこんにちはー言わんとアウトやねん
後 職業病なんか場の空気悪されるのマジで嫌うわ」物陰っ

白「晴明もプライド高いから ケンカ売られたら絶対買うだろしな」うん。

九尾「むしろ出会い頭にアホ狐がケンカ売っとったがの」こそっ


粋「おおおおい!お前らやめろよ!
周りに被害が」おろおろっ



つつじ「心配おへん。一発で終わるわ」刀の柄ちゃきっ

晴明「ほざけ 出来る物なら傷のひとつもつけてみよ!」くわっ



ガキーン!!




粋「・・・・?」おそるおそる目開けっ




つつじ(固ああっ!)手じーん。

晴明(Σ速あっ!!)ちょっと冷や汗。



白「刀飛んで来たぞ危ないな」

ぺしっ
ガランカラーン


つつじ「Σうおう!ホンマや折れとるっ
すんまへん!!」ひいいっ


晴明「おい。あやつ 町中で本気で斬りかかって来たぞ」どきどき。

粋「Σそりゃあの流れならそうなるだろ!?」

晴明「いや 口喧嘩にも及ばぬ戯れ言ぞ?
普通やるか?」引きっ

つつじ「アンタが来い言ーたやろ!!」きいいっ



九尾「妖怪ばかり相手にしとったせいで 人の気持ちとかそういうのが解らんみたいじゃのー」うーん。

粋「お前が言う それ?」


皐月「今のは地雷の上で踊り過ぎてアサシン時代の血騒いでもただけやし
普通はこんな所でやりあわん」うん。





白「そもそも晴明 防御特化の陰陽師だから刀通らないらしいけどな」

つつじ「Σえ。ずるっ!」えええっ

晴明「ズルないわ!じゃなきゃ今頃輪切りじゃったわ!!」

白「で、まだ続けるのか?
それで周りに被害でも出たら

『お役目』上2人共消し炭にするぞ」

粋「Σ妖怪大戦争が始まる!!」ひいいっ



つつじ「いやもうエエわ。あんさん敵にしたら刀も溶かすし 勝ち目無いわ」ちぇー

晴明「・・その、私は戯れと勘違いしただけだしな。」渋々っ




粋「つか刀通さない晴明シバけるんすか兄上」背筋ぞぞっ

白(こいつ自分も晴明の結界ぶち破ったの忘れてるな)むう。



九尾「わち、この時代に現役やのうて良かったわー」しみじみ

皐月「平和な割にゃ物騒やもんな」うんうん。




魄哉「ですよ。 だから町中で暴れないで下さい 。しょっぴきますよ」

粋「あれ?お前ついてきたの?」

魄哉「今から江戸城です。

何やってんですか 仮に続けてても傍迷惑なだけで勝負つかないでしょうが」怪訝っ

晴明「む?」



つつじ「なんや、何本刀持ってこようがわてにゃ勝てんて事どすか?」むっ

魄哉「いえ、そうでは有りません
君の一撃防ぐ程の防御結界ならば 長時間は無理が有りますよ

しかし、この人は他にも護りの術が有りますのでねえ」

皐月「ん?ちょい待ち 護りだけなん?」


魄哉「防御特化型の攻撃は式神に丸投げ型です」

晴明「あ。式神呼んだとて結界から出れぬわ」手ぽん。

九尾(幼女)「Σモウロクし過ぎじゃろ!!」



つつじ「えー。ほな白はんが仲裁してくれな わて延々固いものぶち破るだけかいな」うわー

魄哉「ですね。 もはやケンカでも何でもありませんね」きっぱり

粋「え?攻撃系の術とか無いの?」

晴明「破魔札投げるくらいかの?」うーん。

皐月「ほんまに防御に全ツッパなんやな」うわあ


魄哉「あの時代はそれで良かったんですよ
むしろ 今より悪鬼羅刹が活発でしたので護りが無ければ人は生きて行けませんでしたし

って事で お仕事行ってきますので

必要以上のオヤツは買い与えないで下さい 不健康この上無い」びしっ

晴明「うちの式神共に質素な飯を作るよう言ったの絶対お前だな」

魄哉「黙れ偏食爺。」すたすた。

晴明「やはりか!余計な事するな健康オタクのオカン爺!!」


皐月「オカン爺。」うわあ


晴明「ホントに昔からあやつはいらん事ばかりっ」ムカムカっ

白「ん? なあ ケンカさせるのは式神にって
お前昔はずっと式神連れてたのか?
平安時代は妖怪連れて歩いて良かったのか?」

晴明「ん?それはもちろんそういう時も有るが 人に化けられる式神ばかりでも無いのでな

まあ、 手持ちがおらん時は血の毛の多い同僚をだな」にやっ

粋「魄哉焚き付けて突っ込ませてたのかよ。」うわあ。

晴明「あいつはあれですぐにカッとなるでな。
いやー 便利であったわ」ふははっ



つつじ「九尾はん。ええ狐はんやったんやな。」よしよし

九尾「あれと比べられても嬉しくないわ」


粋「そういや飼い慣らしたら狐って犬そっくりになるんだってな

野生の狐のズル賢さとか綺麗に無くなるって前にカラスが言って

九尾「誰が飼い慣らされた狐じゃい」

晴明「私を野干扱いか。」うわあ。





>サイトトップに戻る