小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月27日

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【芝居小屋 公演後楽屋】




つつじ「ほーん。 そんなら家大破したから今は江戸城に厄介になっとんか。」ほうほう

白「だな。早く直らないと息つまりそうだ」むう。


皐月「えー! ええやん 江戸城って御飯豪華なんやろ!?羨ましいわー」


粋「質素にネギの味噌汁が飲みたい」遠い目。


白「お客扱いだから 味噌汁1個取っても具だくさんで凝ってるんだ」

つつじ「ある意味胃荒れそうやなあ」うわあ。



皐月「いらんのなら 残す奴お重に詰めて持ってきて」きらきらっ

粋「えー。梅雨時にんな事したら腹壊すぞ」

つつじ「Σこら皐月はん いくらなんでもはしたないで!!」

皐月「えー。だってお城の御飯やで?
気になるやん」むー。



白「事前に言っとけば 1人2人増えてても大丈夫みたいだぞ?
この前うちの爺も食べてけって用意されてたし。」

粋「あー。そう言えば
何なら お前も食いに来る?」

皐月「行くー!!」わーい。



つつじ「ホンマにええのん?」

白「どうせ今日 台所の奴等にはそこの店の水羊羹差し入れするし
ついでで頼んどく

俺めちゃめちゃ食べるから大変らしいし。」

つつじ「あー。 料理人の人ら過労で偉い事になってそうやな。」うわあ。

粋(つーか兄貴、挨拶や頼み事には手土産とか変な所はしっかりしてるよなあ )




白「なんならお前も来るか?」

つつじ「えー わざわざ御飯たかりに行くんもなあ」


皐月「わーい。高いごはんー!」ぴょんこぴょんこ。

白「保護者居ると思うアレ。」

つつじ「すんません お呼ばれさせて頂きますどす。」深々お辞儀っ




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【夜道 芝居小屋寮近く】





つつじ「うわー。雲で月出てへんと暗いなあ」空見上げっ

粋「だよなあ。何か出そう」ぶるるっ

つつじ「いやあんさんも ある意味その何かやろ。

つーか アレやな。まさか皐月はん満腹になったらそのまんま爆睡してまうとは。」うーん。

粋「何歳児だよホント
つーか 普通この国で一番偉い奴の居城であんな寛ぎ倒すか?」


つつじ「お陰でアンタと仲ええ女中はんに 『合法ロリ』とか言われとったな。」ふっ

粋「・・つかよ。前から思ってたけどお前洗濯板が好きとか まさかそっち系「ガチ子供には興味有らへんわしばくど。」


粋「なら良いんだけどよー
しょっぴかれる様な事はすんなよ?」

つつじ「Σ思いきし疑っとるやろ!!

ほれ着いた!暗いんや ちゃっちゃとアンタも探してんかっ」きいいっ


粋「えー。新作の台本なんて明日でも良いじゃねーかよ。

皆に配るのも明日だろ?」

つつじ「明日配るから今日から頭に入れなあかんねん
それくらいの気概があらへんとトップなんぞ張っとれんわっ」


粋「ツートップの片割れのうちの兄貴そんなんしてな「あの人は単に字読めんやろ」きっぱり。


粋「お前ホント仕事の虫だよな

城に泊まる時くらい俗世忘れろよ ん?何だこれ」提灯で照らしっ


つつじ「今度の新作で使うカラクリ人形どす。
ちょっとした小道具やな」

粋「Σ小道具でけええええ!!」ひいいっ


つつじ「いやーホンマ良く出来とるわ
解ってても暗い所で見ると恐ろしもんなあ」しみじみ。

粋「Σ心臓止まるかと思っただろ!!」心臓ばくばくばくばくっ



つつじ「んなビビったらお人形はんに失礼やで。

売られとる時もなんや叩き売りとかって 偉いバカ安やったし。
どう見ても名人の作品やのに 皆見る目有らへんわ」ため息。

粋「ん?ちょい待て

何?この人形お前が買ってきたの?」

つつじ「そうどすえ。

なんや市に見慣れへん古物商おってなあ
ど偉いオーラみたいなん感じて これイメージぴったりやん!て買って来てもたわー」へらっ

粋「Σいやそれ絶体買っちゃダメなパターン!!」ひいいっ

つつじ「Σえ。そうなん!?」

粋「むしろ何で大丈夫だと思ったよ!!」

つつじ「だって わてそっち側の者ちゃうもん!ただの町の芸人やで!?」

粋「Σただの町の芸人は神速で人両断しねーっ!!」

つつじ「細かいな。 ほな訂正するわ
元アサシンのしがない芸人どす。」むすっ

粋「Σあんまりしがない感じが

Σはっ!!」背筋ぞわっ



ラクリ人形「ギギギギ」ギロリッ。

粋「Σ夜中に騒いですんませんでしたああ!!
」ひいいっ

つつじ「往生せいや。」

納刀カキンッ


人形ばららっ!

粋「Σ相変わらずはっええええ!!」ひいっ




つつじ「いやーホンマに動くと思わんかったわ
ビビったビビった」冷や汗ふきふき

粋「Σ焦ってる割には瞬殺だったんだけど!?」

つつじ「やらな殺られる世界におったからなあ。
ビビる前に体動くんどす

それはエエとして」ちらっ

粋「ん?」




つつじ「アレ 全部行けるやろか?」

ラクリ人形わさわさわさキリキリッ

粋「Σどんだけ買って来てんだああーー!!」ひいいっ


つつじ「今ならセット買いがお得て言うんやもん。
めたくそ安かったし 予備も有った方がエエかと思ったんどす」

粋「Σ全力で押し付けられてる事に気付けよ馬鹿!!」

つつじ「ほんになあ。
あんだけ買うて 饅頭1個分の値段なのは今考えたら安過ぎ「Σ何もねえ方がおかしいだろそれ!!」




つつじ「騒いでもしゃーない
とりあえず 此処はこのお人等 破壊は無理でも突破して逃げるのに専念しな」

粋「いや突破ってこれ」



ラクリ人形「かぱっ」顔早代わりっ

粋「Σぎゃー!!!」ひいいっ

つつじ(アカン。 ビビり見抜かれとる。)



粋「ぎゃー無理無理無理無理!!
こんなのとケンカとか無理無理っ」ひいいっ

つつじ「Σしがみつくなや!
あんたの火のが有効なんやで!!」

粋「いや無理無理っ! こんな精神状態で集中できねええええ!!」

火の玉ぽひゅっ!

つつじ「Σ火力弱っ


ちっ。しゃーない
全部たたっ斬る気で行かなしゃーないか こら動けん邪魔っ!」蹴りっ

粋「Σぐはっ酷っ!」


つつじ(とは言っても このビビり連れてトンズラこけるか微妙な所やなあ
あー変な物買わんかったからよかった)うーん。



ぼぼっ



つつじ「ん?」

粋「いや 俺違う違う」首ぶんぶんっ


つつじ「Σちゅー事はっ!」おおっ




白「お。居た居た
遅いと思ったら お前ら暗い中で何してるんだ。」

粋「Σ兄貴いいい!助かった変なからくりが

白「あいた 何だコイツら噛んできたぞ

コマ、ゴー。」びしっ

コマ『人に仇無すカラクリはカラクリに有らず。』

ロケットランチャーどむっ!!







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江戸城




つつじ「ちゅー事で
わてらも長屋直るまで厄介になりますどす。よろしゅうに。」焦げっ

千様「生きてて良かったわね」うわお。




家康「他の役者さん達の部屋は大丈夫なの?」

つつじ「ええまあ。上手い事バラバラんなったカラクリ達のパーツで わてらの所だけ吹っ飛んだ感じどすな」



魄哉「うちの子達がすみませんねえ
どうぞごゆっくりして行って下さい」苦笑。

皐月「わーい。しばらく豪華なごはんー!」ひゃほうっ





小太郎「そういや うちが吹っ飛んだ時も、白とコマのコンビだったな。」わおんっ

蒼月「だね。
あの2人組ませちゃ駄目だね」うん。




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