小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月8日

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【芝居小屋】


商人「ーーーで、こちらがバカには見えないと言う 舶来物の反物でして」


皐月「アホやから見えへんわ
悪いけど帰ってやー」さらり。

商人「Σせめてチラッと見てください!!」


皐月「あー、うっさいうっさい
責任者留守やねん 他所でやってんかー」しっしっ

商人「そんな頭ごなしに 良い物ですから見て下さ



皐月「やから見えん言うとるやろ
なんやバカでアホや抜かすか? しまいにゃ刻むで?」薙刀じゃきんっ

商人「Σすんませんでしたああ!!」すたこらっ





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つつじ「Σうえ 留守中そんなんあったん!?」

皐月「ホンマうっとかったわー
何なんあの解りやすい詐欺師」むー。

つつじ「なんや海外の童話でそんなんあったなあ
あー そんなんうろちょろしてるんどしたら下手に出稽古も出来んなあ」うーん。

皐月「つか出稽古て何しとん?」

つつじ「宣伝兼ねて近所の道場の新人シゴキに行っとるんどす」へらっ


皐月(神速で首吹っ飛ばす男が 道場で何教えんねん)うーん。



見習い「あのー、実はその商人なんですが
どうも隙を見て楽屋とかに入り込んでるみたいで」お茶汲みっ

つつじ「Σ普通に関係者以外立ち入り禁止どすえ!?」ええっ

見習い「はい。ですので見つけ次第叩き出しては居るのですが」困惑っ


皐月「うわしつこいなー
なんや役者=金持ちやとでも思っとるんやろか

まあ あんなん引っ掛かるアホそうそうおらんやろけどなあ」げんなり。

つつじ「せやなあ
ま、わてが見付けたらびんびんに泣かしときますわ


ん?」




商人「で、こちらがその反物で御座います。
ほら素晴らしい逸品に御座いましょう?
お客様ならば見えるかと。」にやり

粋「Σえ? あーうんうんっ すっげえなあ
何だっけ舶来もの? いやーやっぱ豪華さが違うっつか気品があるよなー」変な汗だらだらっ


皐月・つつじ(アホ引っ掛かっとる。)うわー





皐月「くおらオッサン ! 普通に不法侵入やで!
頭かち割られたいんかっ」くわっ

商人「Σうおヤバあッ」すたこらっ



つつじ「あんさんも引っ掛かりさんなや」ほんまにもー

粋「Σえ!詐欺!?」えええっ

皐月「んな反物有るわけ無いやろが」

粋「Σえええいやだって!俺らからして有り得ねえ生き物だしっ」

つつじ「あー。有り得ないの定義グラグラなっとんどすなあ」納得。



皐月「もうちょい自分に自信持たんかい」むう

粋「・・はーい。」ずーん。

つつじ「あー 脱力してもて捕まえんの忘れとったわ
お二人共次見かけたらシバいといてなあ」あちゃー。






間。





商人「という事でこちら バカには見えない反物
いかがです?お目の効きそうな異国の御方」にやり。

テオドール「へ? はあ。」きょとん


粋(Σまたチョロそうなの目つけられてるし!!)ひいいっ




テオドール「その、申し訳有りません
私愚か者ゆえ 何も有るようには見えません。誠に申し訳御座いません」ぺこり

商人「Σえ。 あ、 はい」えええっ


粋「有る意味強っえー」うわあ。




皐月「こら詐欺師!観念せえやっ」薙刀振りかぶりっ

商人「Σっぎゃー!!」だだだっ

皐月「待てこらああ!」どどどどどっ



テオドール「Σ詐欺なので御座いますか!?」ひええっ

粋「うん。お前凄いわ」しみじみ。

テオドール「Σ何がですか!?」





がららっ

シロ「邪魔する。 出前だ」



商人「ややこれは利発そうな坊っちゃん
こちらの反物 バカには見えない代物で
シロ「よし。役人を呼んでくる 引っ捕らえておけ」くるりすたすた。

商人「Σ利発過ぎる!!」ひいいっ



粋「いや 出前持ちに何売り付けようとしてんだよ」

テオドール「ヤケクソに御座いますかねえ」うーん。




皐月「アンタらも手伝わんかい!
だああもううろちょろまた逃げたっ!」むかああっ


粋「Σあ。あの部屋はっ」

テオドール「あ、大丈夫そうに御座いますね」おやまあ。







【桔梗丸(白の芸名) の楽屋】




白「で、 バカには見えないのかそれ」ふーん。

商人「は、はいっ この通りとても軽く手触り柔らか過ぎて 感触で知る事も叶いませんが
ほらご覧の通り素晴らしい逸品に御座いますっ
(よっしゃあ! 金持ってそう カモだカモッ!!)」


白「へー。世の中広いもんだな」ふーん。

商人「で御座いますねえ

此処ではかなり名の有る御方とお見受けします どうです?お一つお持ちになられては。
ほらこちらのは仕立て済みに御座いますよー?」にまにま

白「一応聞くけど それだけ誉めるからにはお前は見えてるんだよな?その布と着物」

商人「そりゃあもう!
見えねば人にお勧め等出来ませんからっ」どやあっ




白「じゃ お前着てみろ」

商人「Σえ」

白「凄い良いのなんだろ?
バカじゃなきゃ見えるんだろ?
ほら 着てその辺歩いて来い

で、評判良ければ買ってやる」しれっ

商人「Σえ、あのっ

こういうのはほら 新品で無いと価値が下が「俺そういうの気にしないし。」


商人(えええええ!?うっそ こう来る!?
え?でも 騙されてる? うわこいつ表情読めない!! )ひいいっ


白「どうした?

ひょっとして 自分が見えないの人に勧めてたのか?」

商人「Σはいすんません!着させて頂きますっ!!」防衛本能っ



白「あ、もちろん全裸でな」

商人「Σ!?」

白「じゃなきゃそれがホントに評判良いのか解らないだろ。
気にしないからお前も気にするな」しれっ






粋「さすがっつーか 際限無くえげつねえ」うわあ。

テオドール「悪人への容赦の無さ。 さすがですっ」おおおっ






商人「Σどちくしょおおお!!!」だだだだだっ



つつじ「Σぎゃっ!ちょ全裸のおっさん泣きながら走ってきましたえ!?」ひいいっ

皐月「あーうん
止せばエエのに魔王にちょっかい出すから」あーあ。

つつじ「Σ白はん今度は何やらかしたんや!!」




粋「つか兄貴 よく騙され無かったよなー」

白「騙される奴居るのか?」はて。

粋「Σぐ」


白「よく似た童話 この前バカラスが一二三に読み聞かせしてたし
一緒に聞いてて良かった良かった」扇子ぱたぱたっ

テオドール「団欒に御座いますねー」にこにこ。

つつじ「いやアンタ 何しとん」

白「童話って結構面白いぞ」

粋「幼児レベルっすか兄上。」



皐月「てか、あっきー あのひっくい声で童話読み聞かせしとんのか。」うわー






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同心「御用だ御用だ御用だああ!!」

商人「ちくしょおおおお!!」号泣お縄っ






庵「なんか全裸で徘徊してた詐欺師が捕まったらしいよー」

ひな「あら気持ち悪い
暑いですからねー」


シロ(罪状増えとる気がするのは気のせいか?)うーん。






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