小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月10日

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【町 裏路地】



蒼月「やっば まーたやっちゃった
ツケで遊ぶ癖やめないとそろそろ皮剥がされちゃ

ん?」




子供A「お前トロいんだよー グズグズすんなっ」蹴りっ

子供B「これだから貧乏人の子はよー」にやにや。



蒼月(うわー。いじめっ子かよ
つか自分等も大概貧乏臭いじゃん)うわー



子供C「ほらとっとと俺らの荷物持てよ!
貧乏人が寺子屋行けるだけありがたいと思えよっ」髪の毛掴みっ


蒼月「あーはいはいはいはい女の子か 将来有望な女の子だねー。
俺とした事がちょっと間解んなかったよこりゃ恥だねー

つか何ジャガイモ小僧共 今女の子蹴らなかった?」

子供A「Σなななんだよ! 子供のケンカに大人が出てくんな「俺は常に心は少年なんだよ ガキが細かい事言うなよ可愛げないな」けっ


子供B「何言ってるか解んねーよ 何だよコイツ」ひいいっ

蒼月「おい大人扱いすんなら コイツ呼ばわりは良くない?
寺子屋行ってんだろ何教わってんの? 脳ミソ入ってますかー?」ぷーくすくすっ

子供C「Σうっわ大人気ない!!」



女の子「あ、あのー」おそるおそるっ

蒼月「お。マジで将来有望かも
何?お前ら絶対数年後後悔するよ?
この国農村意外じゃ男女比ガタガタなんだから

この手の町って野郎余って余って 嫁欲しくても一生寂しく悲しくボッチで生きなきゃならないオッサンで溢れてんのにさあ」

子供B「Σ大人の事なんか知るかよ! 」

子供C「つーかそんなの絶対嫁にしてやんねーし!!」

蒼月「読解力皆無かよバカ
選ぶのはお前らじゃないんだよ

一生母ちゃんにしか相手されずに生きろジャガイモ共 Σあいたあっ!!」

彬羽「ガキ相手に何を本気で言い合いしてんだこの馬鹿が。」



子供A「なっ何だよ また増えたし
俺知らねっ」だっ

子供B「あっ!待ってよよっちゃん」わたわたっ

子供C「お前明日覚えてろよ!! Σあいてっ」


蒼月「おっと手が滑った」げんこつ。

彬羽「Σだからガキ相手にムキになるな!!」



蒼月「つかお前なんで居んの?」あれ?


彬羽「路地裏でガキが不審者に絡まれてるって 客が相談して来たんだが?」

蒼月「Σげ!俺怪しい奴扱い!?」

彬羽「Σどうみても不審者だろが! それになんだ手前白粉臭い!!」



女の子「あ、あのー」おどおどっ

蒼月「あ、ごめん忘れてた
何あれ酷い奴等だったねー」よしよし。

女の子「ごめんなさい ありがとうございま」ぼろっ

蒼月「Σうわちょっ あーそりゃ泣くよね」おろおろっ

彬羽「手前 とんでもない事したな」ため息。

蒼月「へ?」



彬羽「この辺うろついてるって事は この辺のガキ仲間だろ
下手に外から手を出したら 後々このガキが万倍返し食らうんだぞ」

蒼月「Σえ」

彬羽「あの手のガキは大人にゃ逆らえねえからな
痛い目にあったのも全部こいつのせいって事になっちまうだろ

困った事しやがって」頭がりがりっ

蒼月「へ?へ?
そういう物なのっ!?」

女の子「ごめんなさいいい」びえええ


彬羽「どうする気だ
365日張り付いてガキ共の逆恨みからそいつを護るか?
3日坊主の手前にゃ出来ねえだろ
容易に手を出しちゃいけねえ問題もあるんだ」

蒼月「え、だってさ

お前なら 一二三ちゃんが自分より体のでかいガキ共に囲まれて蹴られたり髪引っ張られたりしてたら黙って見てられ Σこらちょ何処行くの!例え!例えだからっ!!」ひいいっ





間。






女の子「あのー。」びくびくっ

彬羽「気にするな 奢りだ」

女の子「ででででもこんなおっきなお握りっ」オロオロッ


蒼月「お握り1個でこんなに感動って
泣けるなあ」

彬羽「人間にゃ その家によって色んな事情も有るからな」

蒼月「あー そういや一般の人間の暮らしとかよく知らないや」ふむ




彬羽「さて、関わっちまった以上どうする?
このまま放って行けば コイツは明日には余計痛い目に合わされるだろうな」

蒼月「お前 確実に一二三ちゃんと重ねてるよね?助かるけどさ

んー。どうしよ
いっそジャガイモ三匹そっと始末

彬羽「人間に手出ししたら お前も始末される事になるが?」

蒼月「やばい ボスの副官だったよそういや」うわあ。



女の子(よく解らないけど怖い世界のお兄さん達?)もぐもぐもぐもぐっ



蒼月「この子体ちっさいし 大人しいから余計にタゲられちゃうんだろうね」うーん。

彬羽「一二三なら万一やられても殴り返すんだがな」うーん。

蒼月「うわ。強気な子で良かった
それ相手の体に風穴空くよね?

つーかお前 立派な大和撫子に育てんじゃ無かったの?」引。


女の子「強い 女の子ですか?」お握りごくんっ

蒼月「ん?そうそう
こいつのえーと 養女?てのでさ

凄いパワフルでこまっしゃくれてて 口が達者な子でさ」あははっ


女の子「ちょっと羨ましい です。」おずおずっ

彬羽「子供にも持って生まれた性格ってのが有るもんだ
むしろこっちは跳ねっ返りで苦労してる」


蒼月「あ、ねえ一二三ちゃんと友達になっちゃえば?
一緒に居れば色んな意味で安全だし」

彬羽「周りが仲良くしろってあてがって 上手く行く例のが少ない様だが?」

蒼月「Σぐ!よく調べてんな 子守りカラスッ」



白「あれ?お前ら こんな所で子供ナンパか?」ひょっこっ

彬羽「蒼月はともかく俺は違う」きっぱり。

蒼月「Σ俺だけ不審者にするのやめてくれる!?」

女の子(また増えた。)

白「ん?」じーっ



女の子「・・・・」

白「・・・・」




彬羽・蒼月「?」




女の子「こっ こんにちは」おそるおそるっ

白「よし。挨拶出来る子供か
金平糖やろう」うんうん。


蒼月「この人基本ガキ苦手なのに 礼儀正しいと甘やかすよね」

彬羽「いきなり大声出したり 所構わず喧しく走り回るのがダメらしい」

蒼月「猫かよ」


白「で、どうしたんだコイツ

あ。凄いドロドロだな」袖で顔わっしゃわっしゃ

女の子「Σえ!ちょ袖が汚れますうう!!」きゃああっ


蒼月「あ、相当気に入ってる
お兄ちゃんモードだ」うわあ。

彬羽「おい、アイツの着物って 舞台物買い取りだから値段えげつないんじゃなかったか。」







白「ふーん。 そう言う事か

なら 本人が強くなれば良いんじゃないか?」

彬羽「いや簡単に言うがな」むう。




蒼月「Σちょっと強く拭き過ぎ!
ねえちょっと大丈夫 あ!名前知らないや お嬢ちゃーん!!」ひいいっ

女の子「」くらくらっ




白「よし。虐められるの嫌なら着いてこい」すたすた。

彬羽「いや状況見ろお前」

蒼月「Σ目回してんだろ行けるかマイペース!!」




ーーーーーーーーーーーーーー






【芝居小屋】



つつじ「あれま。そんなら うちで稽古していきはります?」

女の子「Σへ」

つつじ「これでもなあ 腕に自信ありますんえ?

でもなあ お仕事しとるとどないしても使う所が違うんどす

で、使わんとなまってまうから お仕事終わりに自主練しとるんやけどな 一人やとつまらんのどすわ」苦笑


白「つまり 稽古つけてくれる代わりに 自主練の時寂しん坊の話相手してれば良い

簡単な仕事だ」

蒼月「え。アンタ初心者に稽古つけれるの?」

つつじ「さすがに本気で打ち込んだりせんわ
一人で黙々嫌いなんどす」

彬羽「皐月はどうした?」

つつじ「あん人が構ってくれるワケないやろ!」けっ




蒼月「って事だけど やる?
強くなったら自力で反撃出来るだろうし ここに居れば絡まれないとは思うけど」

女の子「え。その、でも」おろおろっ


白「稽古終わりには お疲れ様のオヤツが出るぞ」

女の子「やります!!」きらーん。


彬羽「食い物で吊るなそこ。」




蒼月「あのさ ひょっとして無理言ってくれたんじゃ?」ひそっ

白「子供ボコられるの見てられなかったお前は正しいし
どうにかなるならしてやれば良いんだ」うん。

つつじ「素直に可愛げある子で気に入った言えばええやろ 」ほんまにもー




粋「兄貴ー。茶菓子買ってきたけどー?

お。お前が例の芝居小屋の未来のマスコット?
よろしくなー 」頭撫で撫で

女の子「は、はいっ!」しゃきっ

粋「んな緊張しなくてもよー

あ、そうそう 仕事なら沢山あるからなんかやりたいの有ったら言えよ
まあ人見知り直ってからだけどなー」わははっ

女の子「がっ頑張ります!」ぐっ





蒼月「ねえ。なんでこんな態度違うの?」複雑っ

白「あいつ 子供とおばちゃんにはウケがいいから」 うん。

彬羽「そうか。タラシ体質は血筋か」


つつじ(まあ かいらしお嬢はん来やはるてなったら 新人らもピシッとするやろ ちょい若すぎやけんど。
世の中持ちつ持たれつや)うん。


女の子「あ、あの先生っ
まずは何をどうすればっ」

つつじ「んー。まずは 基本の素振りからやなあ
忘れずやる前に伸びとかして体の筋のばしやー」



粋「あ、それ動きにくくね?
確か 昔の子役のだけど使わねえの有ったはず。
要る?」

女の子「Σいいんですかっ!!」ぱああっ


つつじ「Σアンタの無意識フラグ乱立怖いわっ!」ひいいっ




蒼月「俺が助けたのにー」ちえー

彬羽「どっちみち手前一人じゃ手に負えなかったろ
有り難いと思っとけ」

蒼月「ちっ 後10年待つか」




一同(あいつから護るのが最優先だな。)うん。






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