小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月7日

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粋「兄貴ヤベえ!芝居小屋燃えたってー!!」


シロ「Σお前は何をしとるのだああ!!」襟首ひっ掴みっ

白「落ち着け 俺今起きた所だぞ
燃やしてない燃やしてない」ご飯もぐもぐ


千様「シロ君どうどう。
白君には職場燃やす理由が無いわよー」

シロ「Σむ!し、しかしここの所 春眠がどうとかと朝が辛いと抜かしておるしっ」

蒼月「朝起きたくないから職場燃やすってどんな発想だよ
つかその人そんなだけどプロ根性は凄いだろ。」

シロ「た、確かにな
疑ってすまなんだ」むう

白「別に良いけどな
んじゃ今日休みか 」みそ汁ずずー。

粋「そりゃそうなんだけど
偉く落ち着いてね?」

白「しょっちゅう押し込み有ったり放火されたりどっか壊れてるからな あの建物。
確認しとくけどお前じゃないよな?」

粋「燃やす程必要とされてねーもん。理由ねえよ。」きっぱり。



千様「凄い会話ねー」

家康「火付けは重罪だからねえ」苦笑。



蒼月「で、原因は?何から恨み買ったの?」

粋「放火限定かよ。

ま、実際なんか火の気の無いはずの所から一気に燃えたっぽいんだけど。」

千様「だけど?」

粋「焼け跡見るに そこめちゃ人が居たはずなんだよなあ
普通火付けって 人の居ない場所でやんねえ?」

家康「あー。確かに」ふむ。


シロ「人が多いとは 通路や入り口付近とかか?
客席なら案外後ろは誰も見ない物だが?」


粋「いんや、お子様コーナー。」真顔。

蒼月「芝居小屋に何それ」

粋 「芝居小屋だから有るんだよ。
父ちゃん母ちゃんの息抜き応援って事で オーナーの思い付きでコーナー出来たんだよ」


蒼月「ひょっとして、子供が火遊びしてたとか無い?」

粋「Σどんな子供!?」

家康「ひょっとして火打石知らずにオモチャに持ち込んだとか?」

粋「Σんなもんカチカチやってたらさすがにとめるって!!」

千様「粋君ひょっとして そのコーナー担当?」

粋「Σう!た、たまに?」ぎくっ

シロ「つくづく見習いとは大変だな」



白「んー。つまり
火事の原因解らないのか」たくあんポリポリ。

粋「おうよ。つつじの奴がしばらく公演出来へんて凹んで大変だっつの」

白「後で見舞いに茶菓子でも持ってくか」ふむ。


蒼月「めちゃめちゃ他人事だね」

白「話聞いてたから怪我人無さそうだし
生きてれば結果オーライだ」ご飯よそいっ

家康「成る程。朝からよく食べるねえ」うわあ。


白「今日休みならのんびり出来るし

で、バカラス 何か解ったか?」もぐもぐ。

彬羽「いや、あくまで仮定なんだが。」うーん。


粋「お前居たの!?」


白「魄哉居ないのに誰がたくあん切ってると思ってるんだ」たくあんポリポリ

粋「あー。確かに 兄上が自分で切るわきゃねーっすね」

彬羽「ほっといたら丸かじりするだろコイツは。食への冒涜だっての」ちっ

千様「彬羽君 家政婦化が凄いわよ」



粋「あれ?魄哉居ねーの?」

家康「あーちょっとね。政務の関係でこの国の北の端っこまでね。
後の仕事に障るから 最悪『鳥』で夜までには空路で返ってくるってさ」

シロ「Σあんの派手っ派手な鳳凰でか!!」

家康「騒ぎになったら 新年度からめでたいですねー。とか 幕府として良い1年のきざしですね的なコメント出して誤魔化すってさ」

白「誤魔化すってより。色々面の皮凄いな」たくあんポリポリ





蒼月「で、なに?今の話から推測出来るのって何か有ったっけ?」

彬羽「いや、確証は無いんだが」


一二三「はーい。石燕さん連れてきたべー」すたたたっ

石燕「Σ一二三ちゃんちょい待ち! 大の男をひょいひょい持ち上げるのはどうかと思うっす!!」ひいいっ


千様「すんごい絵面だけど。
石燕さんで何が解るの?」

彬羽「Σこら一二三はしたな
粋「あのごめん。 ソレ後にしてくんね?」




間。






石燕「あー。やっぱり いわゆる人体発火現象っすね」焦げ跡触りっ

皐月「そんなんホンマに有るんや。」へー。

つつじ「Σえ!ほんなら お客はん此処で誰か炭になったっちゅー事どすか!?」ひいいっ

石燕「いや、そんな形跡はないっすね
召されてホヤホヤなら 恐怖心とか何か残りカスがこの辺に残ってるはずっすし。」きょろっ



シロ「石燕の奴 どんどん人間離れして行くな」うーん。

石燕「ソレっすよ!」びしっ

シロ「ん?」

彬羽「石燕は元々霊感の強いだけの人間だ
度を越してるとは言え 本来それ『だけ』だったが。
ここの所 色々と人間離れが凄いだろ?」

家康「確かにねー」ふむ。


彬羽「原因は一言で言うなら 主にコイツらだ。」チラッ

粋「Σえ。俺?」

白「あー、俺らの周り居るとなんか変な影響受けるんだっけ」ふむ。


彬羽「だな。 元から霊的な物に反応しやすい奴が お前らみたいな伝説級の化け物と同じ所に居候。
しかもお前らは人間の血が混ざってるから 更に人間には馴染みやすくなって影響の受け方がえげつねえんだ。」ため息。

粋「Σ成る程!お前が色々おかしいのって俺らのせいか」

石燕「あっしは特技増えて嬉しいんで有難いっすがねー」


シロ「しかしそれは石燕の話であろう?
ここの人体発火とやらと何の関わりが有る?」むう。

彬羽「霊感のある人間なんて石燕だけじゃねえからな。」

シロ「・・Σあ!」

千様「Σあ!そっか
もし多少なりとも霊感のある人が 白君や粋君の仕事場に ちょくちょくお芝居見に来てたら、ソレだけでも影響受ける可能性がっ」はっ!

石燕「更に言うと 火元は子供達の場所っすよね?
子供ってのは幼ければ幼い程 そういう物の影響受けやすいんす。
子供の時は化け物見えてたって人が多いのもそのせいっすね」


シロ「成る程。発火能力と言うのも。この兄弟の影響を受けたと言えば納得が行くか」ふむ。


つつじ(大工はんらに火気厳禁のお札 壁に塗り込んで貰お。)うーん。



皐月「なあそれ その子大丈夫なん?
その子が火出すのって この芝居小屋に来た時だけなんやろか?」

彬羽「いや、おそらく」怪訝っ

石燕「その手の能力って 一度目覚めたら大概解放されっぱっすよね?」

皐月「Σえ」


彬羽「最悪 そのガキ自体も危険だろうな
何せコントロールの仕方も知らねえ。
言わば 扱い方の解らねえ名刀をうっかり拾っちまったみたいなもんだ。」

石燕「それでなくとも下町は長屋がメインすしね。
一度火が出たらどうなる事か」うーん。


粋「Σえ!ちょ それ早く見つけてどうにかしないと!」

シロ「Σ見つけるってどうするのだ!?」


皐月「あ! お子さんお預かり名簿!
ほれあったやろ!!」

つつじ「え!アレ燃えたんちゃうの!?」

皐月「燃え残ってるかもしれんやろ!ほれ探せ探せっ!」焼け跡に手ずぼっ

粋「Σおいこら怪我するって」ひいいっ


家康「ちょ 落ち着いて皆
えーと。お前達体から火出しそうな人間の子探せる?」

挿音「せめてヒントくれや殿。」しゅたっ


千様「殿も落ち着いて。コレは徳川忍軍でも無理でしょ」





一二三「なあなあ。
その子の火は 白さんや粋さんと似たような物なんだべな?」袖くいくいっ

彬羽「ん?
だろうな。天性の才が こいつらの影響受けて引っ張り出されたのなら 多かれ少なかれ似ては居ると考えて良いだろうな。」




一二三「ならカイコちゃんなら追えるんでねえだか?
朝ごはんまだでお腹減ってたみたいだし。」

一同「Σあ。」


白「ん?カイコの奴 俺も餌として見てるのか?」

粋「近寄ったら焦げるから兄上は食うなって躾てます。問題無しです」きりっ





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魄哉「おやまあ。
僕の留守中に そんな事が」ほう。



蒼月「ジジイ、羽仕舞いきれてないよ」

魄哉「長距離かっ飛ばして来たんで 急に人型に戻すのダルいんですよ

おやおや その子が噂の発火の子ですか

で、大丈夫ですか?」

白「全然大丈夫じゃない。」ボロッ




彬羽「俺らが触るとグズる度火傷するからな。」既に火傷っ

千様「その点白君なら火耐性有るしー」

粋「兄貴ごめん。 俺基本人間だから」


白「火は平気でも子供の扱い解らないんだぞ
こら髪引っ張るな」髪ぼさぼさっ



魄哉「君ホント一二三ちゃん以外の子供苦手ですよね」うわあ。


シロ「というか、赤ん坊だからな
扱い解らんで当たり前なのだがな。」

魄哉「成る程です
無垢な赤ちゃんならダイレクトに影響受けちゃいますよねえ

て事はまだ間に合うでしょうし 能力封じ込めちゃいましょう はい。怖く有りませんよー」高いたかーい。

粋「Σおお!さすが扱い慣れてるっ」

蒼月「羽で良く高い高い出来るよね」



魄哉「よし。ではカイコちゃん手伝って下さい。
この子に負担かからない様お手伝いしますので 根こそぎ生体エネルギー食い尽くす感じでお願いします。」

カイコパタパタっ


シロ「Σ子供相手に手荒過ぎんか!?」ひいいっ

家康「確かに 根こそぎ吸いとったら無くなるだろけどねえ。」うーん。




蒼月「で、赤ん坊とか どうやって連れ出したの?
親御さんも火傷とかで困ってたとか?」

千様「そのー。それがね」

石燕「ちょっと蒼月さんの力を御借りしたいん
すよ」

蒼月「へ?

え!ちょっとまさか!?」



彬羽「仕方ねえだろ! お前の子はほっとくと燃えるちからょっと寄越せで はいそうですかとならねえだろ!?」

蒼月「Σ何キレてんのバカ!!
何!?こっそり連れて来たの!?誘拐じゃんかああ!!」ひいいっ



白「だから 今大騒ぎだろうしまとめてその辺の記憶消しといて欲しいんだ
コレしかないから俺も頑張ったんだぞ」ぼろっ

蒼月「Σいやどんだけ疲弊してるの! 子供連れて来るだけで何があったの!?」



石燕「途中 オムツ替えとか有ったっすからねえ。」

家康「あいつ以外触れないんだもんね」うん。

シロ「悲しい程手間取っておったなあ」しみじみ。

一二三「横で応援するしか無かっただよなー」うん。

彬羽(やってる方にとっちゃストレス意外の何者でも無かったろうな)うーん。






魄哉「終わりましたよー
しっかし オムツどうしたんですコレ。
あんまり酷いんでつけ直しときましたよー?」ひょこっ

白「Σ!」


蒼月「えっと。その、後のあれやこれはやっとくから もう寝てて良いよ。
凄い疲れてるみたいだし」しどろもどろっ


石燕「まさかの蒼月さんが気を遣ってるっす」うわあ。

千様「よしよし。白君は良く頑張ったわー」撫で撫で。

白「子供なんか嫌いだ」けっ。


粋「Σあ。拗ねた」





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