小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月8日

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【割烹春一】



挿音「つー事で此処が俺の馴染みの店な
なんかあったら店の奴等に言付けてりゃ伝わるからよ」

新人忍A、B「ははははいっ!!」顔面蒼白背筋ぴんっ!




庵「何?新人の研修?」

ひな「徳川忍軍って お頭直々に研修するんですねえ」ほう。

シロ「研修は良いが どんな入隊の儀式が有ったのだろうな あ奴等」うーん。

朱禅「毎度一般客がビビって入れねえっての。」ずーん。




挿音「あーそれとよ。
ここの飯は安くて旨えから特に用が無くても利用すっと良いぞ」

彬羽「一応 店の宣伝はしてくれてる様だがな。」

シロ「あの修羅丸出しの上司の行きつけの店の時点で 普通に利用はせんだろな。」うむ




魄哉「うちの子が御迷惑かけちゃって申し訳無いですねえ」苦笑。

庵「Σ気配無しで入ってくんのやめて!」ひいっ

魄哉「驚くかなー?と思いまして。」



挿音「お。親父いいところに

ほれお前ら きっちり覚えとけ。んで外にゃ漏らすなよ
コレが今の徳川の実質トップ 天海大僧正な。」

新人忍A、B「Σえええええええ!!」

魄哉「仮にも親をコレって。」ほんとにもー

新人忍A「Σおおおお親あああっ!?」ひいいっ

新人忍B「あああの 立たせたまんまで良いんでしょうか!
あっ!良かったらどうぞ!汚い席ですけどっ!!」座席はたきっ



挿音「お前ら こんなんでびびってたら毛根死滅すんぞ。」

朱禅「汚くて悪かったな。」けっ


魄哉「すみませんねえ。無茶な子だとは思いますが 忍としては腕は確かなんでよろしくお願いします。」ぺこり。

新人忍A、B「Σ頭下げないでえええ!」ひいいいっ




庵「勤め先にしゃしゃり出てくるお母さん?」

ひな「しかも上司のお母さんとは。これはキツいですねー。」うーん。

彬羽「創業者一族が抜けてるぞ。」

朱禅「よくあれで成り立ってるよな 忍って実力主義だし揉めんじゃねーの?」



魄哉「あーその辺は大丈夫です。
そもそも今居る古参は あの子の腕っぷしその他を認めたから頭として従ってるわけですし」

シロ「む?前に 徳川忍軍はガキの癖にガンガン前線に出るあやつの為に作ったとか 親バカな事を抜かしておらんかったか?」

魄哉「結果的にそうですがね。

本来忍ってのはフリーの傭兵なんですよ
つまり、呼び掛けて集まったのは各地の腕に覚えアリの人や、そういう事を生業とした人の集団ですね。」

彬羽「ふむ。つまり既に派閥やら何やら有ったと言う事か」


魄哉「ええ。上手くやってけるのか心配でしたが まあ死なないだろうとか思ってたら

てっぺん付近の人全員目玉や何か無くしてトンズラして一気にボスになってましたねえ」遠い目。

挿音「あのよ。こっちに丸聞こえで新人ビビり倒すんで 思い出話は他所でやってくんねえ?」


魄哉「て、事で七光りでなく実力で忍軍束ねてますんで その辺誤解無く。これは上司としてのアドバイスです。」にこにこ。



新人忍A「Σははははいっ!!」冷や汗どぱっ

庵「あのー。なんか大変そうだからコレ店長からのサービス」甘味の小鉢っ

新人忍B「Σうっ! い、いただきますっ」冷や汗ダラダラっ


ひな「メンタルガッタガタの所にアレはやめてあげた方が良かったかも。」うーん。

朱禅「だな。可哀想な事したか。」雑巾スタンバイっ


魄哉「忍には強靭なメンタルも大事なんですがね。
今回の新人さんは繊細そうで心配ですねえ」苦笑。



挿音「あー。なんだ
コレからあれやこれや 毎日の特訓と合わせてやりながら覚えてって貰うけどよ

まず、徳川忍として第一に覚えなきゃいけねー事が有る。」びしっ

新人忍A「Σはい!」メモスタンバイっ!?

新人忍B「Σななななんでしょう! Σうぷっ」




一同(Σおお! なんか授業始まった!)興味しんしんっ



挿音「メモんな。覚えろ。
お前は吐くな

まずは
そこのでけえ黒いの。
何が有ってもあいつにゃケンカ売るな」びしっ!

彬羽「待てコラそれが最優先事項か。」

挿音「うっせえよ。
右も左も解らんねえ新人挽き肉にするワケにゃいかねーだろ」

新人コンビ「Σ挽き肉ーっ!?」ひいいっ



魄哉「あー確かに。
彬羽君基本力セーブしてますが、事故って事も有りますからねえ。」

挿音「で、この店張ってたらその内
つーか昼には来るな 派手なボケッとした白髪
こいつもやめとけ。
下手打ったらマジで塵も残さず消滅すんぞ。」

新人忍A「Σああああの! 人間って消滅するんすか!」挙手っ

挿音「んなもんあいつの気分次第よ
絶対敵にゃあなんねえからよ。
代わりに何が有ってもケンカになる様な事は避けろ いいな?

万一揉めそうなら俺の所に報告。 これは脳ミソに彫刻刀で彫り込んどけ」

新人忍B「りょ 了解致しましたっ!」ひいいっ





ひな「何か 思ってた忍の授業と違うんですけど。」

魄哉「『死なない事』を最優先にしたらどうしてもこうなりますって。」

彬羽「正直複雑だが

まず命を護る術を教える辺りも なんだかんだ忍軍の奴等が着いてくる理由の一つか」ふむ。

庵「あー他所じゃ 傭兵や忍なんて使い捨てみたいなもんだってつつじがボヤいてたもんねー」うんうん。

シロ「凄まじいボヤきだな。」

庵「うん。転職して心底良かったって言ってたよ」うんうん。

朱禅(あいつは傭兵どころかゴリッゴリの元アサシンだろ。)





新人忍A「お頭質問です!」挙手っ

挿音「お?」

新人忍A「その万が一拗れた場合 報告をとの事ですがっ

それはつまりお頭はその人間離れした人達に勝てると言う事でしょうか!」




一同(Σ何て事聞いてんのこの新人!!) ひいいっ

魄哉「今の流れで 命大事に系の上司と判断したんでしょうがねー。」うーん。

彬羽「他所の忍だったら首飛びかねねえだろコレ。」


挿音「あー・・
マトモにやりあった事はほとんどねえからなあ

つーかよ。破壊力で来る奴をマトモに受けようとしちゃ駄目だろ
危ねえもんは上手くかわしていなすのが忍だろがよ?」

新人忍A「Σ確かに!」おおおっ


ひな「あのー こっちの新人さん倒れそうになってますけどー」

新人忍B「」顔面紫っ

挿音「そこまでビビらなくて良くねえ?」

魄哉「気持ち悪いなら一回出します?
厠こちらで「Σだだだ大丈夫です! 案内とか畏れ多いいいい!!」ひいいっ


挿音「親父ハウス。頼むから大人しくしててくれや」

魄哉「Σ僕は犬ですか!?」がーん。

シロ「実際大人しくしておった方が良さげだ」うむ。


挿音「ま、そういう事でよ
危ない物にゃ手前から突っ込むな
第一にコレだ。」

新人忍A「はいっ!御指南ありがとうございます」ぴしっ



がららっ


ひな「あら?」


白「あれ?他に客が居る 珍しい。」きょとん。


新人忍B「Σすみません向こうからやって来た場合はどうしたら良いんでしょうか!!」ひいいっ

挿音「どうもしなくていい。
取って食いやしねーから落ち着け。」


庵「ーーって事で」ひそひそっ

粋「あーまあ 間違ってもケンカ売っちゃダメだよなあ」凄く納得。

白「忍の授業? 大変だな」ふーん。





挿音「お前ら ちょっと繊細過ぎやしねーか?
確かに注意はしろって言ったがよ
相手はにんげ ・・・ 生身の生物だしよー」


新人忍ズ「Σなんで言い直したんですか!?」

一同(そりゃ人間じゃ無いからです!!)




魄哉「まあ、新人さん達は最近まで一般のチンピラさんでしたからねえ
一人前になるまでは大変ですよね」うーん。

朱禅「あ、そっか
そういうシステムだっけ。」

挿音「お前らヤンチャが過ぎてシャバじゃ生きられねーんだからよ
こっちの世界馴染まねえと辛えぞ? もうちょい肩の力抜けっての」

シロ「この流れで無茶言うとるな」



魄哉「大丈夫ですよー
基本解らない事は上に相談、
後は指示通り動く事と日々の鍛練をサボらなきゃ問題は有りません。
面倒事を解決する為に上の者が居るんですからね」にこにこ。


新人忍A「は、はあ。」ちょっとびくびく

新人忍B「えっと、では1つお尋ねしていいでしょうか?」おそるおそるっ

挿音「お?やっとマトモに喋ったな
なんだなんだ?」にやっ



新人忍B「あの、お頭がその有象無象を蹴散らして忍のトップに立ったのはいくつくらいで?」

挿音「ん? 10歳。」



一同「Σえ″」


挿音「だから10歳だって。」





魄哉「拾った時点でいきなり刃物振り回して 身ぐるみ剥がそうとしてくる子でしたからねえ」遠い目。

白「それをお前が育てたら そりゃあんなになるよな」うん。

魄哉「時代が時代だったんで 乱世を生き抜く強さを叩き込まねばと焦ってましたからねえ」うーん。




シロ「成る程。 誰も歯向かえんから頭なのだな。」

彬羽「だな。」頷き。


朱禅「途中まで人情で頭やってますって話ぽかったのになあ。」うーん。




ひな「ま、猿山が人情で治まるワケないですよね。」にっこり。

新人忍A「Σお頭!この女酷い事言ってますけど!!」

挿音「おう。だからこの店使えば安心なんだよ
お前らもメンタル見習えよ」

新人忍B「Σどこをどう見倣えば良いんですか!?」


粋「新人って何処も大変だなあ」しみじみ。

白「お前も新人に負けるなよ」

粋「Σぐ!」


朱禅「いや、普通の新人 こんな苦労しねーからな?」






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