小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

4月9日

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魄哉「と、言う事で江戸城内に女性専用スペースを設置する事となりまして」

シロ「何がという事なのか全く理解できん」きっぱり。


粋「なあ、何事これ?」

家康「古来より治安が良くなると女の人の立場が強くなるもんらしいよ」うーん。

魄哉「こういう言い方したら怒られそうですが
弱い立場の人にワガママ言って貰えるのは 世が平和な証拠ですからねえ
ま、良いかと かねてより要望の有った専用スペースを作ったわけです。

ですんで蒼月君侵入したらオデコに『痴漢』と刺青入れますよ」

蒼月「Σ罰がえげつないっ!!」ひいいっ


小太郎「侵入しなきゃ良いんだぞ?」わおんっ

蒼月「わずかな隙間から音もなく入り込むのが蛇なのに?」ちぇー

家康「お前大蛇でしょ 隙間無理無理」




粋「つーか専用って 何をどう分けるんだよ?」

魄哉「住み込みの人とか居ますからねえ
食事をするのに 上司のオッサンと同じ部屋で物食べたくない。化粧直しとかそういうのしやすくとかなんやかんや
つまり、日常生活で野郎の居ないゾーンをとにかく作りまくると言う事です」

家康「あー。まあね
江戸城男社会だしねえ。気を抜きたいってのは解るかも」うんうん。


魄哉「で、スペースを増やすのは無理なんで 此処から此処まで女性専用にしましょう。とか無理無い感じに分けたんですが」

小太郎「ですが?」わおんっ



魄哉「事務の橘さんが 昔使ってた棚に別居中の奥さんへの復縁の為のプレゼントをうっかり入れっぱにしたらしく
その棚が今女性専用スペースに有るんですよ」

家康「Σ橘さん!クソ真面目が柄にも無い事するからっ!!」ひいいっ

小太郎「Σどんだけガチガチだったの橘さん!」ぎゃいいんっ



魄哉「そもそも業務に不要な物ですし
見つかったら怒られると棚の奥に隠しておいたら それが運び出されてスペースの向こう側へと運ばれた様で 。」うーん。

粋「いや何でお前がそれ知ってんの。」

魄哉「女性専用スペースに一歩でも踏み込んだら変態扱いじゃないですか?
で、 腹斬る覚悟でどうにかして頂きたいと直訴されまして」困惑っ

シロ「どんだけ煮詰まっとるのだ。」うわあ

魄哉「本日結婚記念日らしく
この機会にどうにかしてヨリを戻したいんだそうで。
あの橘さんが規律を破る辺り 僕としても力になってあげたいんですよねえ」

粋「いや。あの橘さんとか言われても俺ら橘さん知らねーから」





魄哉「で、どうしましょう? 僕でもあのスペース入ったらリンチに逢います」真顔。

蒼月「待てこら天海サマだろアンタ。」


魄哉「こういう試みはブレがあっては行けないので
始めにこのような規律をですね。」張り紙ぺらんっ

家康「えーっと
『立場、役職に関係なく 境界を侵すことを禁ず。』かあ」ふむ。

粋「いやでもさ、いくらなんでも実質幕府のトップをそんな

家康「『※仮に将軍でもこれを破ればリンチの対象』って何これ」

魄哉「すみません。殿がいらん事した直後なんでついつい書き足してしまいました。」真顔。

家康「Σ思い付きでリンチとかやめて!
てか世間では将軍=影武者のたっちゃんだからね!?」


シロ「ん?つまりだ。
その橘と言う男の妻への贈り物は もはや取り戻す事が出来んのか?」

粋「女専用スペースなら女達に取って貰や良くねえ?」

魄哉「いえそれが。お願いしたんですがね

橘さん背丈が結構有る人なんですよ
で、しまい込んだ棚がかなりの高さでして、女性ではとても届かずで、踏み台使うにしても何個か重ねでもしないと届かないみたいで危なっかしくて。」うーん。

家康「あー。江戸城ってなんやかんや男女で上手く分担してたからねえ
女の子はそういうの馴れて無いかも」うーん。


粋「えー。もう特例とか出せば?」


魄哉「いえ。それがその
人間というのは手にした物って手放したく無いものらしく」うーん。



蒼月「何?変質者呼ばわりでもされたの!」

魄哉「Σぐ!」ぐさあっ

シロ「Σしっかりせんか幕府の要だろうが!!」


家康「お前女子供には優しくしましょうが過ぎるんだよー
怒って良いと思うよ?」

魄哉「皆が皆じゃないんですよ?
その、話くらい聞いてあげようって人と 自分で出した決まりいきなり破るのかって人達が対立して偉いややこしい事になっちゃってその。」ずーん。

蒼月「あー。これ以上火種撒くわけには行かない感じかあ。」うんうん。

魄哉「女性って難しいですねえ」しみじみ

蒼月「だよねー。集団になるとすぐドロドロしちゃうしねー
単品なら可愛いんだけどねえ」うんうん。



シロ「おい。この2人の意見が一致しとるぞ」冷や汗っ

粋「メンタル相当ヤバイなこれ。」うわあ。





魄哉「以上の事から

はい、そこで他人事みたいにかりん糖食べてる白君! 君の出番です」びしっ

白「他人事だし俺にどうしろって言うんだそんなの。」かりん糖ぼりぼり。


粋「あ。話聞かない組片っ端からタラシこめとか?」手ぽん。

魄哉「そんなのしたら更にギスるでしょう?」

白「お前ら俺を何だと思ってるんだ?」むう。



一同(ストーカー増産機?)


白「燃やして良いか?」火ぼぼぼぼぼぼぼ。




魄哉「すみません。 えーその
ほら、今変な事すると拗れて職場の人間関係ぐっちゃぐちゃになりかねないんで

ちょっと女性のフリしてさっさと例のブツを回収して貰えればと」真顔。

白「つまり女装しろってのか。」



家康「ごめん。変態呼ばわりが相当きてるみたいだね」うわあ。


魄哉「大丈夫です! ほら君髪の毛長いですし!大柄じゃ無いですしっ いけますいけますバレません!!」

白「嫌に決まってるし それこそ変な事じゃ無いのか?」

魄哉「バレなきゃオッケーなんです!!」

粋「あのー、確かに兄貴そんなゴツくねーけど肩幅とか その辺はちゃんとオスだし無理じゃねえかな?」おそるおそるっ


魄哉「お役者なんだからその辺どうにかなるでしょう!!」くわっ

粋「Σ役者は怪盗じゃねーんだよ! 何お前頭大丈夫!?」ひいっ



白「ふむ。じゃ 仕事として頼むって事か?」

魄哉「あ。んじゃそれで!」

蒼月「Σえ。受けんの!?」




白「仕事としてなら 仕事としてキッチリ御断りだ。
普段俺の芸に金出してる奴等に失礼だろ」ぎろっ

魄哉「Σう!ド正論!!」


シロ「兄貴がプロ意識の塊で良かったな。」

粋「おう。さすがにコレ引き受けられたら身内として辛い」脱力っ




家康「はい。どうどう落ち着いて
他の方向から考えよう?

ほら、そのスペースお掃除とかはどうなってんの?」

魄哉「そりゃ使った人達で掃除する感じですよ
やっぱ男は入れませんし」チラ見。

白「そんなにやりたきゃ お前が女装していけ」つーん。

魄哉「いえ僕身長180ありますしさすがにちょっと。」うーん。

家康「Σ普段のお前なら怒る所だよ此処!!」ひいいっ

蒼月「Σアンタ見た目ナヨいのめちゃ気にしてるだろ!何!?どんだけ煮詰まってんの!?」

魄哉「だって急がないと橘さんの家庭があああっ!!」パニック!





千様「ねえ。なんで普通にアタシに頼まないの?」半ギレっ


魄哉「・・Σあっ!」




千様「あっじゃないわよ!! 何!?いつ気がつくのかと思ったら全然こっちに話来ないしっ 何それアタシより女装した男のがマシって事!?

ほらほらどっからどう見ても女でしょ アンタこれが見えないのっ!
目ん玉かっぽじってよおく見なさいよおおおっ」きいいっ!

魄哉「Σぎゃー!そういう事するからでしょうが!!」ひいいっ

家康「Σ千ちゃん落ち着いて! 端から見たら坊主襲ってる痴女だから!! 」ひいいっ

蒼月(これ見よがしに胸元開けてんのに全く嬉しくないなあ)うーん。




白「早く焼けた芝居小屋直らないかな。」ため息。

粋「兄貴、仕事に逃げんなよ」

シロ「しかし困った物だ。
その橘と言う男も困惑しておるだろうに」うーん。

白「普通の女じゃ届かない所でも 徳川にくのいち部隊居るだろ」


一同「Σあ!」



魄哉「そう言えば!」手ぽん。

千様「アンタ、把握してんのに頭回って無かったの? 」うわあ。


家康「いやそれより千ちゃん 絵面ヤバイ事になってるから
取りあえず上から退いたげて」変な汗ダラダラっ




襖がらっ


一二三「たっだいまー
お庭の木にお花咲いてた ん?


襖ぴしゃん!


彬羽「だな 春だな
よし、飛天の所にでも行くか きっと畑に珍しい その薬草が何かがっ



粋「Σ絶対すっげえ誤解してる!!」

千様「Σえ!ちょっ!?」えええっ



魄哉「出家したくなりました。」ふっ

白「僧正ってもう坊主だろ?」

魄哉「Σう」

蒼月「ジジイさ。なんでその歳でそんなピュアっピュアなの?」





挿音「今くのいち部隊がーとか言って無かったか?
なんか忍軍の仕事かよ?」キセルすぱーっ

彬羽「Σいいいいいや違う!
誰も呼んでねえな!間違いない!!」

石燕「そうっす!だからほらっ
あっ!一二三ちゃんと一緒に診療所の薬草畑行って来ないっすか!?珍しい薬草取れてほら忍的にウハウハかもっ」

挿音「何でお前らんな必死に通せんぼしてんの?」

彬羽・石燕「Σしてない!!!」くわっ


挿音「?」

一二三(何でおらお口ふさがれてんだべ。)もがっ。







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