小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月13日

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【大通り】




白「今日も疲れた」すたすた。

粋「兄上、微塵もそうは見えねーんすけど。」

白「お前のが疲れてるみたいに見えるの何でだろ」むう。

粋「Σそりゃ見習いだからって誰かさんがこき使い倒すからだろ!!」



白「お。何だ 人集りだ。」

粋「Σガン無視!?」




家康「富くじだよ。

年末の風物詩だねえ」ひょこっ

粋「Σうおびっくりした!!」


白「富くじ?」はて。

家康「えーとね。あそこの上の神社でお金払ってくじ買うんだよ
で、今日の夕方に当たりが発表されるんだけど この賞品が豪華でさあ」

白「お前もそのクジを買いにきたのか?」



家康「ぶっちゃけ 天海に貰うお小遣いじゃ足りないんだよ」ふっ

白「殿様がお小遣い制なのはどうなんだ。」むう


粋「お前無駄遣い多いから 更に減額するとか言われてたぞー
いらん物ばっか衝動買いすんなよ。置き場にも困るしよ」

家康「Σ私的にはいらん物じゃないの!」

粋「じゃこの前買ってた 無駄にデカイ木彫りのアフリカ象はよ?」

家康「珍しいでしょ?」どやっ

白「何に使うのか全く解らないけどな。」うん。




家康「と、いう事で 幸運呼びそうなブラザーズ
験担ぎにちょっと付き合ってよ」


白「寒いから帰りたい」きっぱり

家康「Σそ、そこを何とかっ!」


粋「つーかよ、幸運呼びそうって ようは神頼みだろ?
兄貴に その富くじの神様とかそんなのに話つけて貰うなり脅しかけて貰うなりするつもりなんじゃねーの?
ほら、こんなんだけど一応神サマの眷族だしよー」

白「ん?富くじの神って何だ?」

粋「えーと。貧乏神の反対とか?
じじいのダチに縁結びとか居るし 探せば居んじゃねえの?」



家康「やだなあ。 私がそんなズルするよつな男に見え「あ。当たりだな これ。」

家康「Σ瞬殺!」



白「お前の言う事は信じるなって魄哉からもバカラスからも言われてるし」

粋「お前はそういう殿だよ」うん。


家康「だああ!戦国頑張ったのに扱い酷い!!
いいよいいよ 1人で行くから!!」だっ

粋「Σいい歳こいて拗ねんなよ!」



白「てかな。
俺らも化け物の中じゃめでたい生き物とか言われてるけど

それ単に珍しいかららしいぞ。」

粋「へ?そなの?」

白「存在自体がレアだから出くわす事ももちろん少ない

だから会った時点で運がいいのが 幸運を呼ぶになったとかなんとかバカラスが言ってたぞ」

粋「はー。 本末転倒だなそれ」





白「それはともかく 富くじってどんなか気になるから野次馬行くか」すたすた。

粋「家康には着いてってやらねえのに結局行くのかよ」

白「あいつには置いといた大福食べられたからな」すたすた。

粋「Σうちの神様器ちっさ!!」






ーーーーーーーーーーーー




白「富くじって ただ買うんじゃないのか?」

家康「Σえ。来てくれたの!?
何だかんだ言って人ってあったかい!」じーん。

粋「いやマジで野次馬だから
つかお前何してんの?」



家康「言ったでしょ?験担ぎだよ

何でも試練に合格すると当選率が上がるって噂が有ってね
で、まず1つ目。神社の敷地内の川を飛び越え

白「この寒いのに 紙切れの為に川に落ちる奴が出るのか」引。



家康「だから有志で情報共有してさあ
あ、ほらここ 川の幅がめっさ狭いからお爺ちゃんでも安心。跨ぐだけだよー 」ほらほらっ

粋「いや、試練の意味よ」




家康「まあこんなの迷信だし。」

白「じゃあ何でやるんだ?」

家康「迷信にもすがりたい気持ち お前には解らないだろうね。」


白「???」

粋「Σいや解んなくていいから! ぎゃー兄貴がまたオーバーヒートするー!!」ひいいいっ


家康「外気温高いから大丈夫大丈夫。

さて、次の試練はと」メモがさごそっ



白「試練ってたくさん有るのか?」

家康「頭から湯気上がってるねえ
そこはめでたい数字 試練は七つあるんだよ」

粋「こんなしょーもないのが後6個かよ」

家康「いやいや、一個目は難易度ひっくいけど 後は中々だよ


まず2つ目。神社の裏にある崖を ロッククライミング。裏側から運を掴めって事らしい
よ」

白「年寄りや女子供無理だな」

家康「うん。だからこの辺からは 知人頼みとかになるみたいだねー」



粋・白(1個目の時の配慮の意味は?)はて。

家康「人間のする事なんて意味が解らない事だらけだよ
深く考えるんじゃありませんって」


白「ま、いいや。

じゃ ここ登った先に次があるんだな。 」ひょいひょい。


家康「Σうお早っ! しまった白に代打頼めば良かった!!」


粋「おーい兄貴 先行くとまた迷子になんぞー」ひょいひょい。

家康「Σこっちも早っ! ちょっと待って待って!!」







間。






家康「ぜひゅー。」ぐったり



白「これ登りきれる奴 人間じゃそんな多く無いんじゃないか?」

粋「だよなあ。
つか、 神社内で死人でんじゃね?」


家康「Σ普通は命綱つけるの!! お前らがひょいひょい行くから私もつけ忘れたよ 危なかったよ!!」

白「大丈夫だ。 お前らならエンマも返品してくる」

粋「あー エンマのおっさんでもウザがりそうな

家康「泣くよ?」




白「泣いてもいいけど次は何だ?
なんかちょっと楽しくなってきた」わくわくっ

家康「うん。お前のツボがよく解んないねー

えーと 次は

神社で飼われてる闘鶏とタイマンして 両足を掴む、
その次が岩で出来た天然サウナで20分耐える。
更にお次が オーソドックスな滝行 ※心臓弱い人は遠慮しましょう でー
で、その次がこの1年で悪い事をしていたら噛みつくと言われてる狛犬の口に手を差し込む


彬羽「成る程。
体力消耗からの毒気抜き、
更に精神面の修行と繋ぐわけか。」




粋「あれ?お前も富くじ買いに?」

彬羽「朱禅の野郎に頼まれた。
何が店長命令だ」怪訝っ

家康「あー。お前ならロッククライミングも余裕だよね」うんうん

白「飛べば早いのに。」

彬羽「わざわざ試練と銘打ってるのにズルするわけにゃいかないだろ」

家康「Σう! グサッと来た」





彬羽「しっかしこれ考えたのは偉く性格の悪い奴だな

煩悩の塊しか買いに来ないような物を餌に 修行やらせてるような物だろ」



家康「あー。 富くじって幕府直営だから。」手ぽん。

彬羽「やっぱりか。」



白「あれ?
じゃあ家康は 幕府から多めに小遣い貰うために頑張ってるのか?」

粋「あーうん。貰えるか怪しいけどな」うん。




彬羽「更に言っとくが ここの闘鶏はかなり気が荒いぞ。
無事に足を掴めるかどうかは運だ」きっぱり

家康「Σええ!お前が言うレベル!?」

彬羽「まあ俺は同じ鳥類として話つけるだけだがな。」

家康「いやあの。それはお前的にはズルじゃないの?」




白「あれ?これって」

粋「ん?」



白「これも富くじ買えた時点で相当運がいいですね。とか 言われてハズレてもやりとげた感出す奴か?
ちゃんと当たりって入ってるのか?」

粋「あー。 人間社会そういうの多いなホント。」 納得。





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千様「それで 傷だらけなのねー」あーあ。


家康「めちゃ気の荒い鶏に当たりました」ボロッ

蒼月「で、バカラスはズルしてさっさとクリアしたんだ。
うわー 日頃真面目ぶってる癖にー」


彬羽「いや。ギリセーフだろ。」

蒼月「へ?」


粋「無言で眼力で威圧してたもんなお前。」

彬羽「一言も発してねえ。 やろうと思えば家康でも出来る。」

家康「いえ、出来ません」きっぱり。



石燕「つーか。家康さんの場合
クジなんて当たるか解らないの頑張るより魄哉さんにお小遣い値上げ頼めばいいじゃないっすか。

そっちのが確実っしょ?」

家康「甘いね石燕ちゃん
うちの軍師を侮っちゃーいけない。
そっちのがミリ程も望みが無いんだよ」ふっ


千様「殿は甘やかすと悪化するから締め上げる方で行きますって言ってたものねー」お茶ずずー

家康「Σこれ以上!?」




挿音「しっかし富くじかよ。

何だかんだ言って殿さんだな」

家康「ん?何が?」





挿音「どうせ運試しするなら 賭場ってもんがあんのによ。
一攫千金狙って富くじとは お上品な事でーって話だなあ」にやり。

魄哉「ほほう。幕府が運営している富くじ等の一部を除き 民間での賭博行為は違法なんですがねえ?」





挿音「・・・・。」

魄哉「ちょっとお話聞きましょうか?」






どむっ!


千様「Σうきゃー!煙幕っ!!」ひいいっ

魄哉「くおら!待ちなさい馬鹿息子!!
公務員が法律無視すんなってあれ程 Σだああ!空蝉っ!!」カカシっ




家康「あいつも減俸だねこりゃ」あーあ。

蒼月「徳川上層部ってひょってしてバカしか居ないの? 」




白「あ、当たった。」瓦版ぺらっ

一同「Σ買ってたの!?」




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