小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月12日

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【割烹春一】



ひな「うわ。凄い量」おおっ

粋「あー運ぶの大変だった。
なんで兄貴のファンってなんやかんや貢ぎたがるかなー」肩とんとん。

庵「芸人のファンって何処もそんなもんらしいよ?」

粋「Σマジか」

シロ「お前も早く貢がれる様になるのだな。」うむ。



朱禅「ん?今の時期って
何の貢ぎ物だよ」



白「おちゅうげん?」はて。

粋「兄貴、年末はお歳暮な」


シロ「うむ。年の真ん中程に贈るのが御中元。
年末、これを歳末と言うので この時期に贈る場合は御歳暮と言うのだ。」きりっ


白「お前ここでバイトし始めてからちっちゃいバカラスみたいだな。」

シロ「Σちっちゃいは余計だ!!」むかっ



朱禅「実際ここじゃ彬羽がお師さんだかんなー
他所影響受けても仕方無


白「よし。金平糖をやろう」

シロ「いらん。」きっぱり


庵「人が欲しがりゃゴミでも惜しい か」ふむ。

シロ「Σゴミ!?」

ひな「庵さん 多分そんなですけど言い方言い方」

朱禅「Σあ。そっか
シロの師匠って白かよ。あーだから名前似てるとか?」

シロ「いやこれは、知り合いの犬の名前らしい」

朱禅「Σへ?」

粋「あんま聞いてやんなよ」


ひな「そもそも白さんて シロさんに何を教えてるんです?
粋さんは お役者見習いでシゴかれてるの知ってますけど」

白「さあ?」

粋「さあって。」



シロ「恥ずかしながら士道とかそんなだったのだがな
よくよく見てみるとこやつ武士でもない上 普通に動物であったわ」遠い目。

朱禅「あー若気の至りだなあ」うんうん。



白「そう拗ねるな
ほら、この山の好きなの持ってっていいから。」

シロ「Σ人に貰ったものを軽々しく譲渡するな たわけ!!」


ひな「あ。ホントに所有欲だけは有るっぽいですね」

粋「兄貴くっそワガママだからなあ」




庵「てかさ。今の時期なら普通にクリスマスプレゼントなんじゃ?
ほら ファンって贈り物で相手と繋がりたいとか有るって言うし」

朱禅「あー。外国の祭りでも何でも乗ったもん勝ちだもんな この国」



白「まだ12月始まってそんなたってないぞ?」

ひな「うちなんて先月からクリスマスフェアやっててますが?」


粋「Σうお!よく見たら凄いちっさいツリーが!」

シロ「メニューもニンジンを星形にしたりしとるのだか 正直あんまり喜ばれん」

白「客の層に有ってないんだと思う」

朱禅「Σ言われてみれば!!」はっ

ひな「確かにおじさん達にはウケないかも!!」



粋「Σおいこの店大丈夫か!?」

庵「若干不安。」うん。




地獄太夫「しかし凄い量にありんすな
さすがは主さん」どろんっ

ひな「あら、いらっしゃいませ」

地獄太夫「もう一人おりますえ」

九尾「じゃーん。今日は素朴な町娘に化けてみたぞえっ
どうじゃ?案外こういうのが好きじゃったり「おや狐さん 抜け駆けは無しでござんしょ」



庵「いらっしゃいませ。」粗塩スタンバイっ

九尾「副音声で ごーとぅーへる。と聞こえたのう」

地獄太夫「幽霊に効く塩はそげな男らしい塩ではありんせんよ?」ほほほ。




白「ホント仲悪いな あの三人。」

朱禅「だなあ。なんでだろうなー
店壊すなよ」げんなり。



ひな「ほらほら三人共
喧嘩ばかりしてないで あ!そうです!
お三人もファンの方々に紛れてこっそりプレゼント用意するとか。
人に贈り物するのってほっこりしますよー?」



庵・地獄太夫・九尾「「「もうやった。」」」

ひな「Σさっ 左様で。」





白「何か意気投合してないか?」あれ?

粋「あーうん。
向こう女の内緒話してるから聞き耳立てちゃダメだぞ
ほら、うどん来た来た」




ひな「さすがというか 何と言うか

つまりあの山の中に 三人の分も入ってるんですねえ」

九尾「ふんっ こんな可愛い真似わちだけかと思えば
抜け目の無い女共よのう」けっ

地獄太夫「そのお言葉そのまんまお返ししなんす。」

庵「この2人と同じレベルか。」ずーん。

九尾「いやお主も最近大概じゃからな?」

地獄太夫「こちらの世界へようこそ。にござんすな」くすくす。





朱禅「あのー そこのかしましいトリオよ。
すんげー言いにくいんだけど」

庵「ん?」


朱禅「お前らの話聞いちゃ駄目って言われて 暇持て余した誰かさん達が開封の儀始めちゃったんだけど。」

庵・地獄太夫・九尾「Σぎゃー!!大概恥ずかしい奴!!」ひいいっ



シロ「さすがと言うか 圧倒的に食い物が多いな。」ほう。

粋「リサーチ済みなのか。それとも贈り物には食べて無くなる物のが迷惑にはならねえって心遣いなのか、だなあ」


白「詳しいなお前。」

粋「Σえ!?」

シロ「兄とは正反対に色々考慮しまくるマメなタイプだな」ふむ。


白「あれ、これは」

シロ「お?何だ? Σうお何だこの包み 偉くはしゃいでおるな!」

粋「ま、まあクリスマスだと思えば?」苦笑。




庵・地獄太夫・九尾(自分の贈り物の本音評価なんて聞きたくないいいい!!)ひいいっ

朱禅(無茶苦茶な癖に名乗り出てやめてくれとは言えねえ 女心の悲しさよ
あ、一句読めそう)




ひな「あ、あのー 皆さん?
そういうのはお家に帰ってからでいいんでは?」

地獄太夫「Σはっ。思わぬ所に最後の砦っ」




白「あ、邪魔か

そっか。でも拡げちゃったし 今日貸し切る。」財布どん。

ひな「毎度ありです。」きらーん。


庵「Σ最後の砦モロ過ぎたっ!!」ひいいっ




白「あれ?この小さいの何だろ?」がささっ

粋「ん? あー 偉くシンプルなのがまた目立つなあ」

シロ「ほう。センスが良いではないか
中身は何なのだ?」


白「ちょっと待て

・・ん?」

粋「Σげ」




ひな「指輪。ですねえ」ドン引きっ



トリオ「Σ!!?」




粋「Σちょっ これ箱からしてめちゃ本格的なんだけど!!」

シロ「Σ本気度が恐ろしい!!」ひいいっ




庵・地獄太夫・九尾(どいつだ!!)ギロッ
ひな「あのー 皆やりそうだけど。反応的にどなたも違うと思いますよ?」


九尾「Σ確かに」

朱禅「普通の一般ファンからじゃね?」

庵「一般ファンてあんなの贈るの!?」

地獄太夫「ヤバ気なファンでありんすなあ」冷や汗っ





白「あ。サイズぴったりだ

なんでぴったりサイズ解るんだろ」はて。

粋「Σマジでこえええええ!!」ひいいっ


地獄太夫「Σえ!はめちゃった!?はめちゃったんでござんすか!?」

九尾「Σはずせ 今すぐはずすのじゃあああ!!」

庵「塩塩っ!! 清めの塩ーーっ!」ひいいっ






朱禅「いや。ぴったりっつっても小指だから。」

粋「あーうん。 兄貴見た目の割に手でけえから」納得。

シロ「成る程。武芸者は手がでかくなるからな」ふむ

粋「あーびびった。 指のサイズとか情報漏れてんのかと。」ほっ

白「そんなの俺も知らないぞ」

シロ「偶然であったか驚いたではないか。
まあ 小指ではな」ほっ



ひな「あ。でも小指だから気軽につけてね。って意味かもしれな
粋「うん。怖いからもうやめよう」



白「ふむ。

じゃ、次は」ごそごそっ

粋「Σまだやんの!?」

シロ「Σすまん!始めは俺もノリノリだったが正直恐ろしい! 帰って1人でやってくれんか!?」



白「1人はさすがに俺も嫌だ

ん? 」

朱禅「今度は何だよ」




白「さっきの指輪が抜けない」困惑。

一同(Σ呪いの装備!?)


ひな「いえ、んなわけ無いですよねっ

えっと こういう時はー あら?ホントに取れない」

シロ「武芸を嗜む者は関節が発達しやすいからな。
あーやはり関節で引っ掛かっておるか」うーん。

朱禅「小指の関節でかくなるって凄いな」

ひな「どんだけ暴れてるんだって話ですねえ。

んー。取れない」



九尾「え?え? ちょい待て。
このまま取れなんだら だーりんは小指だけとは言え 他の女とそう言う契約を交わした事になるのかえっ」

地獄太夫「落ち着きなんし、小指くらいなら最悪ちょーんと」

庵「いやそれ最悪過ぎるって!!」




彬羽「お前ら 揃って何をしてるんだ?」

一同「よっしゃ来た知恵袋!!」





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ひな「彬羽さんにシフト表渡し忘れてて正解でした。」ほっ


朱禅「へー。あんなやり方あるのか」ほうほう



白「こんなので本当に取れるのか?」怪訝っ

彬羽「まあ見てろ。
まず指全体にこう紐を巻き付けて だ。」ぐるぐる


シロ「なぜあんな事まで知っておるのだろうか」うーん。

粋「あいつにも色々あったんじゃね?」



彬羽「で、こちらの紐の端を輪に捩じ込み後は反対回しに

時にだ。

輪と言うのは西遊記孫悟空三蔵法師につけられる物であり その後三蔵法師に背く度悟空は頭を輪に絞められる。
つまり輪とは絶対的な契約の証である物だ。軽々しく くれぐれも軽々しくつける物じゃ(略)」



庵「あ。お説教始まった。」

九尾「まあこれで指輪はそうそうはめんじゃろ」ほっ

地獄太夫「今日は偉い疲れんしたなあ。」ぐったり






彬羽「そして手前らもだ!

荷物は家についてから開ける!!
どうやって持って帰る気だ!!」びしっ

粋「ぎゃー!すんませんしたっ!」

シロ「すまん!とめるつもりがついノリに乗ってしまいっ!! 」

彬羽「ほれ 外れたならとっとと帰るぞ
すまん 表の手押し車貸してくれ。」

朱禅「お前も大変だな」

彬羽「ったく。年末になるとどいつもこいつも浮かれやがるっ!」ぶつくさっ






ひな「で、お三方は結局何を贈ったんです?」ひそっ


庵・地獄太夫・九尾「「「老舗しぐれ屋のかすていら。」」」



粋「あ、それ楽屋で既に食ってたわ。」

トリオ「Σえ。」


朱禅「息ぴったりかよお前ら。」





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