小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月8日

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【割烹 春一】



彬羽「シフト変更?」

シロ「構わんが 俺は見習いだぞ?」

庵「あーそこは大丈夫。
オーダー取りとか ひなが居るし、シロはいつも通り裏で雑用やってて」

シロ「ふむ。ならば何も言うことは無いが
また急だな 珍しい」シフト熟読っ



彬羽「ん?変更後のコレは しばらく昼は出られない感じか? 「じゃよろしくー」すたすたすたすた。



彬羽・シロ「?」




ひな「まあ これは仕方無いですねえ」ふう。

朱禅「だよな。さすがに同情するって」うんうん。

シロ「何かあったのか?」

ひな「いえその

庵さん どうも自分が貧乏神体質ぽい事に勘づいてしまったらしく」

シロ「今更か。」




朱禅「毎度毎度おかしいとは思ってたらしいんだよな
白の奴 うちの来る度偉い不運な目にあってんだろ?
能面ヅラだからダメージ食らってるように見えねえけど」

ひな「で、この前その辺ふらふらしてた家康さんに 普段からあんなの?て聞いちゃったらしく」

シロ「まあ、個人が対象の貧乏神体質とはうちの一族でも珍しいからな
庵の場合 また程度が地味だしな」うむ。

彬羽「つまり、あいつらが飯食いに来る時間を避けたわけか。
本人が意に介してねえならそこまで気を遣わなくてもいいんじゃねえか?」


朱禅「え。白の奴あんだけ色々あって意に介してねえの?」

彬羽「Σま、まあ そんなには か?」

シロ「何が起きるか解らんから 庵には逆らわないでおこうとは思っておるらしいがな。」きっぱり


ひな「介してますよね?それ」

彬羽「・・だな。」うーん。

シロ「こういう事は変にフォロー入れぬ方が良いぞ」


朱禅「しっかし ここまで気を遣うとなると可哀想だよなあ」しみじみ

彬羽「自分の意思とは関係なく 他人に被害を与えるか。
まあ、申し訳無く思っても仕方無いか」ふむ。

ひな「いえ、申し訳無いと言うかですね

健気ですよねえ
そんな事したら会えなくなっちゃうと言うのに」ため息。

彬羽「ああ、成る程。そういう意味か」煮物下ごしらえぐつぐつ。








彬羽「Σはああ!?」二度見っ

ひな「なんで気が付かないんですか?」

朱禅「モロバレだろうによ。」

シロ「すまん。俺でもとうに知っとるわ」

彬羽「Σ悪趣味が過ぎるだろ!!」ぐしゃ

朱禅「落ち着け カボチャ握りつぶすな頼むから」



彬羽「そうかそういう・・
脳が追い付かねえが そりゃ庵もキツいか」よろっ

ひな「寄りかかるのは良いですが 柱折らないで下さいね」

シロ「完全に混乱した怪獣だな」

朱禅「ほれ、茶飲んで落ち着け もうすぐ昼だし忙しくなんぞー」



彬羽「全く女ってのは解らねえ
一二三には変な男に引っ掛からねえようにしっかり目を光らせてお

白「一二三がどうした?」ひょこっ

シロ「Σうおう いきなり生えるなっ! 」


ばきゃっ


朱禅「Σ湯呑み握りつぶすな 手大丈夫かこらああ!!」ひいいっ




粋「えーと。 飯食いに来たんだけど

タイミング悪かった?」





間。





ぐつぐつぐつ。(煮物)






白「なんか静かだな?」きょろっ

シロ「Σそ、そうか!?」びくっ


朱禅(おいっ 気まずいからって静かになんなよ!なんか気の利いたトークやれよ!)ひそひそっ

彬羽(Σんなもん俺に出来るか!!)ひそひそっ


ひな「あー。皆揃って夏の疲れが今頃出てまして
すみませんねえ」営業スマイルっ

粋「へー。そっか 火を使う仕事だもんな
大変だよなあ」うんうん。



シロ(フランクなこやつがオマケに来ててありがたい。)ほっ



粋「つーかよ。庵は?
なんか最近見ねえんだけど。」悪気ゼロ。


シロ「Σ前言てっかーいいいい!!」抜刀っ!!

朱禅「Σ落ち着け今はお客様あああ!!」ひいいっ



白「そういや あいつ最近やたら奥に引っ込んでるよな」

ひな「Σへ? そ、そうですかっ?
あー ほら店のスタッフでもお昼は交代でとりますし タイミングとかその辺かなー?」目そらしっ

白「ふーん。」ジト目。




彬羽「おい、生きてるか?」

粋「何か解らねえけどごめんな。今日兄貴キゲン悪いんだよ。」

シロ「いや、今のはこちらが悪かった」かはっ

朱禅「ガキ相手にカウンターって めちゃ荒ぶっててねえ?」うわあ。




白「最近あいつ、その辺で出くわしてもダッシュで逃げるんだけどな?」

ひな「Σ露骨っ! あ、いえ。
なんででしょうね? あーひょっとして庵さんによく似た人が居るんですかねえ?」冷や汗どばっ

シロ(Σどいつもこいつも隠し事ヘタクソか!!)




朱禅「ん?
ひょっとして白の奴のキゲン悪いのって 庵に避けらまくってんのが原因?」

粋「あ。やっぱ兄貴避けられてんの?
なんかさっきも愚痴ってたもんなあ」

彬羽「どんだけ露骨に避けられてんだ」



ひな「Σえ。それってつまり 庵さんにわんちゃん有るって事ですか!?」

朱禅「Σひな落ち着けええ!それ本人っ! それに聞いたら駄目だって!!」ひいいっ


白「わんちゃん?
犬か?」はて。

一同(アホで良かった!!)ほっ



シロ「その何だ
お前は 最近庵に避けられてると思うのだな?
まあ偶然かもしれんがな」

白「プロ相手にそれで演技してるつもりか?」

シロ「Σだああアホの癖にプロ役者面倒くさいっ!!」いらああっ




粋「流れ見るに 兄貴マジで庵に嫌われてんじゃね?
なんかあったのかよ?」

朱禅(Σ余計な事言うなクソガキ!!)


白「んー。そもそも近くに居ると何か事故起きるからな
やらかす程何も無い と思う。」うーん。

ひな(いえ それです。原因それなんです。)ため息。


粋「あー そっか。
兄貴この店入る時も 毎回一回まわり見て 軽く深呼吸してから入り口開けるくらいだもんなあ
何かの襲撃恐れてんのかってくらい。」うんうん

彬羽「そこまでか。」引。




白「で、何で俺は避けられてる?
一番早く口割りそうなシロ、白状しろ」

シロ「Σなぜに俺だ!?」びくっ

白「泣かすぞ。」

粋「Σあ、やべ。兄貴に回りくどいのはやばいっ! シロ吐け早く!」ひいいっ






間。







彬羽「ーーーーーーって事でだ。

自分の意思とは関係なく 他人に被害を与えてしまう事に罪悪感を感じたって話らしい。」

白「成る程。」ふむ。





ひな「さすがは副官。慣れてますねー」

朱禅「うまく纏めたよな」うんうん。

粋「大丈夫かお前」

シロ(も、燃やされるかと思った。)ぜーぜー。





白「成る程な んじゃ今までの別に庵が呪って来てたわけじゃなかったのか」ふむ。

彬羽「むしろ不幸な事故だ。」きっぱり

ひな「そんなイメージだったんですか」うわあ。

朱禅「あー。そう思ったらそりゃ怖えわ」



白「ほうほうそうか。

生意気だな。」

一同「Σなんで!?」


白「事故なら事故と言えばいいのに。
人を無視とか気分悪い」ぷんすか


がららっ


ひな「あのー どこへ?」

白「事故なら仕方無いから シフト元に戻させる
店員連れ戻してくる」きっぱり

シロ「おい、それだとまたお前に被害がっ」

粋「あーシロ 兄貴とめても無駄無駄」

シロ「む?」


粋「兄貴クッソワガママだからなあ

自分から離れるのはオッケーだけど
誰かに理不尽な理由で避けられるとかはアウトなんだよ
そんなの許可してないぞーっとかってなあ。」はーやれやれ。


シロ「Σワガママどころの騒ぎか!」

朱禅「何様だよ」うっわあ

粋「俺様の極み?」


ひな「あれ? そういうフラグがとうとう立ったというお話では?」

粋「いんや。
基本は無視された→ムカつく ってだけだと思う。
兄貴だし」


シロ「恐ろしく思考回路が単純だな。」うむ。






ーーーーーーーーーーーー







庵「えっと。 ただいまー」ひきつり笑いっ

一同(Σ帰還はやっ!!)



ひな「お話着いたんですか?」おそるおそるっ

庵「話って言うか その、いきなり怒られた」ふっ

粋「あーやっぱし。ワガママな兄貴でホントにごめんな」


庵「そこは大丈夫。
ぶっちゃけ何で怒られてるのかよく解らなかったし」

一同(Σアホのボキャブラリー!!)



庵「それより 普通に人の家乱入して来たから 問答無用で承諾しないといけない感じになりました」真顔。

ひな「Σ女一人暮らしの家に押し入り!?」ひいいっ

シロ「Σデリカシーも常識も配慮も無いっ!!」


庵「まあその、私も悪気無いのにそんななってるとかショックだったけど
本人がいいってんならいいかなーって

以上!この話終わり! 迷惑かけてごめんねー」あははっ

ひな「いえ、それならいいんですが、
いえ 色々良いんですかね これ。」うーん。

庵「良いって良いって。
あ、ゴミ出してくるねー」すたすた。




彬羽「ニヤけてたな。」

朱禅「そりゃな。それが女心ってもんよ」うんうん。


粋「で、兄貴はどこ行ったんだろ?」

ひな「そう言えば。どうせなら一緒に戻ってくれば良いのに ってそんなフラグ立てる人じゃありまけせんよね」ため息。


シロ「ん? また迷子になってるのではないか?」







大工『あああ!!しまった手が滑って瓦があっ!』

がしゃがしゃがしゃーん!

町娘『Σああっ!橋にヒビが!!皆逃げてえー!!』

がらばきばしゃーーん!!

米屋『あああ!まさかの坂道で荷がほどけたっ!!』

ごんごろごろころごろごろっ!

暴れ馬『ブヒヒヒヒヒーン!!!』ずとどどどどどっ





一同「・・・・。」




シロ「・・あやつの事だ 大丈夫だろう。」うむ。

ひな「さすがに一個くらい当たってそうですがね。」


がららっ

白「2つ当たった。」ずぶ濡れたんこぶ。

粋「川に落ちたのと えーと。米俵食らった?」

白「川から這い上がったら馬に踏まれた。」

シロ「よく生きとるな。」



朱禅「なんか不運パワーアップしてねえ?」

彬羽「おそらく 避けられてた分のがまとめて来た か?」うーん。

ひな(下手な呪いより怖い。)





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