小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月31日

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【割烹 春一】


白「なあ、身受けって何だ?」 天ぷらうどんずるるー。

地獄太夫「へ?

んー?主さん ちくとその辺り詳しく聞かせてごさんせんか?え? 何?わちきを差し置いて何処の女とそのような仲になり申し


朱禅「刃傷沙汰なるなら他所でやれよー。」包丁研ぎ研ぎっ



白「?」海老の尻尾ポリポリ。


地獄太夫「第一に。 今の花街では一度通った女は『花街での妻』となるのがしきたりでござんす。
つまり他の女とアレヤコレやあればそれはつまり れっきとした

白「お前の所通った覚え無いぞ。」きっぱり

地獄太夫「それもそうでござんしたな。」ふっ


ひな「太夫さん ちょっと落ち着いて下さい。はい深呼吸。」よしよし



朱禅「ほれ、アッサリさっぱりフキの煮浸し
サービスしとくから錯乱すんな」

地獄太夫「おんやこれは可愛らしい」ぱああっ



シロ「可愛らしいか?」うーん。

彬羽「ごてごて飾りの無い そのものズバリの物って意味の褒め言葉なんじゃねえか?」


地獄太夫「んー。この素朴な見た目とは裏腹に 一噛みでとじゅわっと滲み出る風味と旨味。ほろよい苦味
これは昔から変わりんせんなあ」ほうっ


シロ(Σ食レポ!?)



粋「よし、鎮まった

で、兄貴さっきの何?
蒼月じゃあるまいし、そっちで変な事になってないと俺は信じてるけどな」きりっ

白「わざわざ宣言する辺り ちょっと疑ってるだろ」むう。


庵「いや。無いわ」きっぱり。

彬羽「ほれ、全く疑ってない奴も居るぞ
面倒な事になる前にとっとと話せ。」


朱禅(つーか。万一何かあったらその身受け相手に果たし合い挑みそうだなあ コイツ)

ひな(庵さんも大概ヤバイ人ですからねえ)うんうん。


白「えっとな。話せば長くなるんだけどな

ほら、仕事関係で いわゆるお得意客の座敷に同席頼まれるとか 前に言ってたろ?」

彬羽「言ってたな。純然たる役者業なんで基本NGだが どうしてもって場合は付き合う事もあるとかな。」ふむ。



白「で、 その馴染み客の座敷に毎回かな?呼ばれてた女が居るんだけど

白「身受け金はこれくらい。とかってなんかメモ書き渡された。」はて。

粋「兄上。さほど長くない上 意味が解りません」

白「俺も全く意味が解らない」うーん。




朱禅「あの、めちゃ聞きにくいんだけど
お前その女と何かあったの?」おそるおそるっ

白「そもそも話もしてないぞ」はて。


ひな「あー。白さんストーカーホイホイですからねえ
その人の中では 脳内変換に脳内変換を繰り返して何かストーリーが出来上がってたのかも。」ふむ。

シロ「Σそういう物なのか?」ドン引きっ

ひな「結構そういう女の子って居ますよ?」しれっ


地獄太夫「そういう事にござんすか。

さて、御馳走様にありんした。
あちきは一寸野暮用が」そそくさっ


彬羽「この流れで生きてる人間に呪いや祟りやらかしたら『主さん』に迷惑がかかるがその辺は把握してるか?」

地獄太夫「個々で見逃さない辺り ほんに野暮天にござんすね」ちっ。



シロ(心底女は恐ろしい)ドン引きっ





粋「ん?何度も座敷で会ってんだよな?
ひょとしてあの姉ちゃんかな?」

朱禅「あ、そっか
お前は見習いとして 荷物持ちや何やで着いてってんだっけ。」

粋「おうよ。えっと確か

あれ?兄貴よ
確か あの姉ちゃんが座敷の出し物で大失敗して場が凍りついた時よ
得意の扇子投げで とっくり真っ二つとかやって場を持たせてたよな?」

白「そんなのあったっけ?」はて。

粋「Σ有ったよ!確かに一言も話してねーけど!!」

ひな「解りやすいですねえ」うわあ。

彬羽「アイツにしてみりゃ 空気の解凍も仕事の内だったんだろがな」うーん。


シロ「ちょっと待て。 その前にあやつの扇子投げは確か。」はっ

粋「どこ飛んでくのか解らねえ上 スッパスパ切れ味凄いんだよ
しっかり出し物のふりして滑り込んで撤収したよ」けっ

白「怪我人出なくて良かったな。」うん。


シロ「座敷とはいったい。」困惑っ




ひな「つまり、 そのちょっとした心遣いが嬉しかったんですかねえ」

地獄太夫「ま、気持ちは解らんでもありんせん。
苦界に生きる女にござんす。そのお人も夢くらい見たかったんでござんしょ

で、夢が現実になればいいのに。と言った所でござんすか。」ふーやれやれ。

シロ「む?いきなり冷静だな」

地獄太夫「そりゃわちきも人であった頃は 同じ苦界の女にありんしたから
そのぐらい許してやってもようござんしょ」

庵「いや何で正妻のノリ?」



地獄太夫「わっちが殿方なら 他の取り巻きの女等目もくれないからでありんす。」どやあっ

庵「Σこら待て!なんでこっちを蔑んだ目で見た!!」

地獄太夫「わっちのが大きい。」じーっ

庵「Σはああ!?仕事の邪魔になるから潰してるだけですー!
なんだこらその目 ちょっと裏来い確認させいちゃる!!」きいいっ


彬羽・シロ「Σやめろはしたない!!」ひいいっ




ひな「蒼月さんが沸いて出そうな会話ですねー」あらあら。

朱禅「あー。蚊取り線香でも炊いとくか?」

白「お前ら何気に酷いな」そばちゅるんっ




粋「いやそれより。 あの姉ちゃんどうすんだよ。
その気になってんなら 放置ってのも可哀想じゃねえ?」

白「ん?」

シロ「いや、向こうが勝手に誤解したのだろう?
それに俺にはよく解らんので何だが そういう女は夢でも見させてやった方が良いのでは と。」



地獄太夫「おや。ぼんはよくお分かりでござんすなあ」ほう。

庵「じゃ、ハッキリさせるかさせないかは本人の気持ち次第?」


白「あれ?お前ら 急に仲良くなったな。」


地獄太夫「いい勝負にござんしたんで。」ふっ

庵「解れば善し。」どやあっ。


白「・・・そっか。」うどんずずー。




朱禅「Σお前らうちの座敷で何をっ!?」ひいいっ

地獄太夫「ガランガランで人おりんせんし、他所脱いでも問題ござんせん。」きっぱり。

朱禅「Σ問題しかござんせん!!」


ひな「そうですよー。シロさんの教育上悪いです。」

シロ「Σ俺は幼児か何かか!?」




白「じゃ 遠回しに誤解を生む事してごめん的なのは言っとくか
あ、 そういう所なら手紙か?

えっと。バカラス」

彬羽「しゃーねえ。お前の字じゃ読めねえだろからな。
代筆くらいしてやる。内容は手前で決めろよ」


ひな「あ。キッチリ断るんですね」

白「仮にも役者にそんな噂たったら 向こうの命が危ないと思うし。」


シロ「成る程。」チラッ



庵・地獄太夫「なんでこっち見た。」




白「って事で 手紙届けるの頼んだ」

粋「Σえええ んな役やりたくねえよ!!」

白「なら尚更だ。仕事じゃ役なんて選べないぞ」

粋「Σう!」

朱禅「こういう時は頭回るよなお前」




白「あ、それとお前ら」

庵・地獄太夫「?」





白「さっきのは さすがにはしたない。」きっぱり。

庵・地獄太夫「Σ!?」 がーん。




朱禅「うん。さっきのはねえわ ホントねえわ」うんうん。

彬羽「コイツに言われるとか大概だな」

ひな「本日のメンタルブレイクは3人ですかねえ」あらまあ。







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江戸城


家康「あの、天海 コレは?」手紙持つ手がぶるぶるっ


魄哉「いやそれが、前に接待お呼ばれした時に渡されたのですがねー

その人 どうも数打ちゃ当たるって感じで不特定多数に見受け話持ちかけてるみたいなんですよねえ」



家康「女の人って逞しいねえ」うわあ。

魄哉「つーか。一応僕坊主なんですけどね。」






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