小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

12月11日

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白「なあ。それ俺の仕事じゃ無いと思うんだけど」

家康「私も初めはそう思ったんだけどねえ」苦笑


粋「へ?何の話?」

千様「なんでも とあるお家に亡くなった息子さんの幽霊が出るらしいのよー」


シロ「ふむ。どちらかと言えば坊主の仕事だと思うが?」

家康「それがね
たまたまお茶しに来てた地獄太夫ちゃんに話した所

それほっといたら悪霊になりかねない。
幽霊でもモノノケでも人に危害加えるようになったら結局白の管轄なんだから 早目に手を打つべきってアドバイスされてね」

千様「成る程ね。本物の幽霊が言うなら間違いなさそうね」ふむ

彬羽「話を聞けば、何か物?に執着して成仏できんでいるらしい

皆が皆あの女みたいに鋼の精神持ってりゃいいんだが、
こういう場合いずれは目的も忘れて悪霊になるのが関の山だ」




白「良いけどな。 役目上ケンカになりそうなら妖怪でも人でも幽霊でも殴って良しだし」

蒼月「一応聞くけど その免罪符無かったら何かあっても大人しくしてるの?」

白「無視して普通に殴る」きっぱり。



家康「うん。幽霊もワケ有りだろうし殴らないであげてね」

シロ「俺は本日バイトだから行けんが 変な事はするなよ」不安っ




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【某所 小間物屋】




粋「おお、でっけえ店」

家康「あ、どもー
相談受けて参りました 妖怪バスターズでーす」へらっ


母親「は、はあ。」引。


石燕「胡散臭さハンパないっすね」

粋「つか、なんで着いてきたんだよ」

家康「面白そうだから」ふっ

白「ビビりなのになんで来るかな」

家康「好奇心だよ。好奇心
て事で何かあったらよろしくねー」

彬羽「何をどうよろしくなのか解らねえな。」ふんっ




母親「Σはっ!まさかっ
いやでも きゃーサイン下さいサイン!!」きゃあああっ

白「へ?」


粋「Σうおう!ここで兄貴のファン!!」
石燕「忘れがちだけど 芸能人だったんすよねこの人」うわあ。

母親「あのっお役者さんが 何故こんな胡散臭い真似を?」

白「裏家業だ。」さらり。


彬羽「意味解って言ってんのか?」


粋「息子の幽霊が出るってのに 凄い母ちゃんだな。」ボソッ

石燕「女の人って それはそれ、これはこれ みたいに割りきってる人多いっすからね」



父親「家内が申し訳ありません。

えーその いきなりですが。こちらの部屋なのですが」

一同(父ちゃんはしおれてんなあ。)うわあ。



父親「この部屋です。

息子は 私らが歳をとってから授かった子で そりゃもう目に入れても痛くないくらい可愛がり そして厳しく育てたのですが」

母親「とても真面目な良い子に育ってくれて
夫婦揃って喜んでいたのですが、ある川辺で足を滑らせ うう。」しくしく


家康「ふむ、事故である日突然亡くなったと」ほうほう。

父親「家内も私もこの部屋を片付ける気にはならず
良くない事と思いつつ、そのままにしているのですが
ある日、ホコリを被せているのも何だしと、掃除をしにこの部屋に入ると あの子の亡霊が。」


母親「ちょうどその辺りです」指差しっ

家康「Σちょうどこの辺りですかあっ!!」ひいいっ



石燕「んー? 何も感じないっすけどね?」霊視発動っ

父親「沢山の霊納者の方に見て貰ったのですが
皆さんそう言うばかりで」

母親「でも確かにあの子なんです。
何がそんなに気がかりなのか 不憫でなりません」


家康「んー。情報が少ないなあ
もうちょっと息子さんについて教えて貰えます?
あ、できたらあっちの部屋で」すたすた。


一同(逃げたな。)




石燕「じゃ、 あっしらは 普通に家捜しするっすか?」

粋「だな。 この部屋に出るって事はこの部屋に心残りがあるって事だろし」

白「何回も調べたぽい事言ってたけどな
こら 逃げるな。」

粋「Σ兄上すんません!やっぱ無理いいい!」ひいいっ

石燕「粋さんもオバケ怖いのになんで来たんすか?」

粋「人手要りそうだからって強制だよ!」

白「ごねるな。仕方ないな 後でりんご飴買ってやるから。」

粋「Σ何歳児!?」


彬羽「ふむ。出るのが此処か。
で、入り口があちら」ガン無視っ


石燕「んー。位置的に考えて 後ろ、つまり押し入れっすね。
此処に何かあるんすかね?」

白「古本が少しあるだけだぞ? あ、蜘蛛はいた」カサカサっ

彬羽「捕まえんでいい。

で、その本は?」

粋「パッと見学問書?
案外 一冊くらい外国の呪いの書とか混ざってんじゃねえの?」

石燕「そんなのあるのうちくらいっすよ」

粋「Σえ。あの家有んの!?」ひいっ

白「今更だな」うん。


彬羽「ふむ。普通に学問書だけだな。
おかしな所は1つもない
強いて言うなら かなりレベルが高いな

この部屋の幽霊は相当勉強家だったって事か」ふむ。



家康「らしいよー。話聞いて来たよ」ひょこっ


石燕「部屋入んないんすか?」

家康「あんま虐めないで、
えーとだ。ここの息子さん。つまり この部屋の幽霊の名前は巳之吉さん。 かなりの堅物、真面目で学問一辺倒。
常に新しい試験控えてて部屋にこもりがち。

で、まだ10代後半だったのに 背丈はかなり大きく 彬羽よりちょい低いくらいだったらしいよ」メモめくりっ

粋「でっけえガリ勉だな。」うわあ。

石燕「はー、あのご夫婦の息子さんで10代って
端から見たら祖父母っすねえ」ほうほう。



家康「以上、どう?妖怪アンテナに何か反応あった
?」

白「ただのアホ毛だぞこれ。」アホ毛ふよふよ。


粋「しっかし物の少ない部屋だよな
探す場所がまず無いし

嫌だけどさ 幽霊呼び出して聞くしかねえんじゃね?」

彬羽「ん?

ちょっと待て。この部屋で実際に幽霊に遭遇したのは誰だ?」

家康「最初はあのお母さんだね。

部屋入ったらさっき私が居たその辺、そこに現れて
無言で立ってたとかってさ」

石燕「ふむ。お母さんっすか。」


家康「その後もお父さんが確認に来て会ってるね。
使用人の人らは 坊っちゃんの部屋って事で遠慮してるし入らないから解らない とさ。」


白「んー。親に知られたく無い事かな」はて。

彬羽「現に今 出て来ないしな」ふむ。



石燕「ん? 親御さんに知られたく無い

そして・・ Σはっ!」



白「石燕?」

粋「押し入れならさっき俺らが探したぞー。本とクモしか居ねーって。」



石燕「やっぱり。


奥さーん!ちょっとちょっと
どうせなら 握手もどうっすか! ファンサービスキャンペーン中っすよ!!」

母親「Σえっ!」きらきらっ

白「Σ!?」びくっ



粋「Σえ。ちょ!何!?」オロオロっ

石燕「その他のオプションはこちらのマネージャーさんとお話をっ
あ!ここまだ調べ中なんで向こうでお願いするっす!!」他の部屋指差しっ


母親「えええ!いいんですかああっ!?」きゃー

白「え?え?」

粋「な、なんか解らないけど ここは仕事と割りきって な?」




家康「え?これ何事?」


石燕「よっしゃ!
ではちょっと親父さーん!!」

父親「はい?
あの 騒がしい様ですが何か」ひょこっ


石燕「謎解けたっす。

その襖の表面 上の方にほころびが有るっす。
『一枚』だけ ベリッとお願いしやす!!」

彬羽「Σ二重か!?

こ、こうかっ」

べりっ




超マニアックな春画の数々っ



一同「」絶句。



石燕「横から見たら 何度も紙剥がした後が有ったんでもしやと思ったんすよね

親御さんが若い時分は バリッバリの戦国だったんしょし、こんなのコレクションする余裕無かったっしょ」ふっ



家康「成る程 こりゃーお母さんには見られたくないね」うわあ。


彬羽「・・・。」そっ

家康・石燕「戻さなくて良いから。」




粋「おい!あのオバサン怖えよ いったい何がどうし Σうおおなんじゃこりゃ!!」ひいい!

家康「Σあ、バカ! 」



母親「何ー?何か解ったんですか?」ひょこ


石燕「粋さん!ファイヤー!!」

粋「Σだああもう俺知らねっ!!」炎ぼんっ!


母親「Σきゃー襖が!
え!?え?なんで 火がっ!?」ひいいっ

白「芝居小屋仕込みのいりゅーじょんだ。」

母親「Σあら。 マネージャーさんまでそんな技を!」おおっ



家康「えっと。ま、いっか

御主人大丈夫?」

父親「・・」ずーん。


彬羽「ショックがでかかったようだな。」

石燕「まあ同じ男っすからね
その内心の整理もつくってもんす。」うんうん






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一二三「彬羽さん具合悪いだか?」あれ?

粋「えっと
ちょっと ショッキングな物見ちゃったもんでさー」

白「図体でかいのに メンタル弱いよなお前」

彬羽「うるさい」げんなり。

粋「いや。あれは理解に苦しむレベルだって」りんご飴ぼりぼり。




家康「お母さんの方には 息子さんの秘めた思いが込められた文書を見付けたので
化けて出るくらい人に見られたく無かったと言うことで 父上さんに報告の上燃やしたって事にしといたけど。」

石燕「まあ、思いが込められた紙ではあるっすよがね。
よくそんなの咄嗟に思い付くっすね。」

家康「そりゃ軍師が大概沸点低くて直情的だからね
言い訳なんて慣れたよ」ははんっ



蒼月「何それ面白過ぎんじゃん 寒くさえなけりゃな
俺も行きたかったなー」あははっ

石燕「ま、息子さんの名前が巳之吉、巳は蛇っすからね
何処ぞのエロ蛇さん思い出して気がついたんすよ」

蒼月「ん?褒め言葉?」


家康「あー。成る程ね」うんうん。






魄哉「あの。お話の途中すみませんが、玄関でぶちギレてらっしゃる幽霊はいったい」


白「オカンだけかと思ったら 親父にも知られたく無かったらしくて着いて来ちゃったんだ」

彬羽「まあ 家に居られねえよな。」





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