小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

10月3日

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鏡子「平安時代には お月見は直に月を見るのではなく
池に写ったのを見るのが主流だったんですよ。」にこにこ。

千様「へー。風流ねえ」



シロ「ふむ。確かにその時代の庭にはやたら池があるイメージだな。」納得。


蒼月「さすが平安美人だねー
やっぱ格が違うね」

鏡子「まあ うちは中流でしたので 池と言ってもちっさいのでしたけど。
風情以前に見づらかったですねえ」

蒼月「・・えーと。」


シロ「フォローが思い付かんでおるな。」

小太郎「鏡子 かわすの上手くなったなあ。」わおんっ





白「で、なんでいきなり月見の話だ?」

粋「中秋の名月ってもう過ぎてねえ?」



鏡子「だって!当日皆さん爆睡してるんですもんっ
ちょっと楽しみにしてたのに!」

蒼月「あーそっか。月見だーって夕方から宴会なってて皆月なんてほぼ見てかったね 」



家康「最早その手の行事なんてバカ騒ぎする為の口実だからねえ」うんうん。

鏡子「風情が。風情がない。」しくしく。


千様「事ある毎に和歌にしちゃう時代の人には理解できないパッパラさよねえ」うんうん。



粋「和歌って 五七五七七?のだっけ?」

鏡子「短歌ですそれ。」

粋「Σあれ?」

家康「普通に五七五でいいんだよ」


シロ「ふむ。短いな
それにあれやこれや織り込んで歌にするとは
さして気にした事は無かったが ひょっとして物凄く高度な技術なのではなかろうか。」うーん。

鏡子「実は私も嗜みとして学びましたけど 苦手ですねえ」


蒼月「え、読めるの?鏡子ちゃんの一句聞きたいな」


鏡子「だから下手だと言ってるでしょう
今読んだら 確実に拒絶の歌になりますが?」

蒼月「Σご、ごめんねっ」びくっ




石燕(与一)「知らんなら無理もないが
あの時代 和歌を上手く読めるだけで出世したり、玉の輿になったりが当たり前だったようだからな。」

シロ「ん?たかが俳句でか?」

石燕(与一)「そういう時代にだったのだ。
私も生きていた時代が近いから解るが 歌が苦手だと貧乏くじと言うか。
とにかく そこそこの身分なら読めて当たり前の時代だったのだ」


千様「Σえ。じゃあ与一さんも読めるの!?」

小太郎(Σ大概頭パッパラなのに!?)


石燕(与一)「そっちが無理だから武で出世した。
武人でも読まされていた平安時代でなくて心底良かったと思っている」きっっぱり。


小太郎「だろうな。」うん。

粋「与一ってひょっとして 小太郎の中ですっげえランク下じゃねえ?」



石燕(与一)「Σ待てこら犬!
何故に私が下っ端なのだ!!」

小太郎「えー。 まず石燕に体借りてるのに偉そうだし、偉そうな割に阿呆だし。
トシも大概子供だろ?
で、お前弓取ったらただの悪霊だし。」わおんっ

石燕(与一)「Σぐうの音も出ない!!」


家康「一番の理由は犬に秒で論破されちゃうあたりかなあ。」うーん。



白「なあなあ。それより俳句とかって何だ?」

鏡子「そこからですか。
五文字、七文字、五文字で その時の感状とか色々と表した文を作るんですよ」


白「へー。 五文字、七文字・・・」






粋「シロ 兄貴の脳ミソ冷却頼む。」

シロ「Σだああ! またオーバーヒートするだろうが!無茶をするなっ!!」

氷ぱきーん!


石燕(与一)「ちなみにあいつのランクはどの辺だ?」

小太郎「めちゃ上だぞ」わんっ

石燕(与一)「Σなぜだ!向こうの方が確実にアホななのに!!」がーん。


蒼月「そういう所じゃない?」




白「うん。俳句は諦めた。

満月は終わっただろけど 今日辺り池の水での月見やるか。暇だし」

鏡子「やりましょうやりましょう!!」ぱああっ




千様「どんちゃん騒ぎじゃないお月見って何やるのかしら?」はて。

粋「えー? 何だろ
やってみたら解るんじゃねえ?」


家康「ホント 皆風情が無いねえ」うーん。








間。







白「えーと。 池に写った月で月見なんだよな?」

鏡子「そうなんですが。」うーん。







小太郎「こらヌシ!! 跳ねるなよでかいんだから!!
水跳ねまくって月写らな Σぎゃいいん!!」

粋「Σぎゃああ!小太郎がまた引きずり込まれた!!」ひいいっ

千様「ヌシさんこら! 小太郎君は餌じゃ無いってば!!」




蒼月「水面 全く落ち着かないね。」

家康「よくよく考えたら 夏祭りで挿音が大量にとってきた金魚すくいの金魚もめちゃ居るんだよね あの池。」うーん。


シロ「波紋だらけで風情も糞も無いな。」うむ。

石燕「その前に 小太郎さん食われてるんすけどね。」

白「いつもの事だし。

あ、そうだそうだ」ごそごそ



蒼月「ん?なになに?」



白「今度の演目で使う 何だこれ?でかいおちょこ?」

蒼月「いやそれ三々九度で使う盃だよね?
演目一体何やんの。」



白「で、これに酒注げば」ちょろちょろ。

鏡子「Σはっ! お月様が写ってる!
これはこれで風情がありますね」おおっ

千様「あら。綺麗」

シロ「ほう。風流だな。」関心。





粋「つーか兄貴
やっぱ飲むつもりでは居たんだな。」

白「誰も酒抜きとは言ってないし。」どやっ



鏡子「朱塗りの盃にお月様。
良いですねえ」ほう

蒼月「Σえ。ツボった!?」




石燕「江戸城夜勤組も参加出来たら良かったんすけどねえ」

家康「いやー、どっちも酒乱だしね
風情なんか吹っ飛ぶよ?」

シロ「そう言えば彬羽はどうした?」

白「鳥目だからどうせ何も見えないしって寝た。」

粋「カラスも大変だな」うわあ。







小太郎「あのさ。誰か助けろよ」ずぶ濡れっ

一同「ごめん。忘れてた。」





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