小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月22日

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【幕府公営診療所】




飛天「あー。こりゃめばちこだな。」あーあ。

粋「めばちこ?」へ?

飛天「あ。関西圏の方言だっけ
ものもらいだ ものもらい。」



白「変な虫に刺されたとか大騒ぎしてたけど ものもらいか。」むう。

飛天「お前なあ めばちこくらい1人で診せに来いよ
なんで兄ちゃんに着いてきて貰ってんだよ」

粋「Σものもらいよりお前が怖いんだよ!!」



白「実際ビビりだけどな。
この前も 怖い話の本読んでて夜中厠行けなくなって小太郎に着いてきて貰ったらしいし。」

粋「Σうおう!バレッバレ!!」

白「小太郎はいちいち口止めしないとめちゃ喋るぞ
情報きょうゆう?は 犬科の基本って奴らしい 」



飛天「お前が一番治すべきは 精神面じゃないかな?」 真顔。

粋「Σいや目治せよ 医者がそれ言うなよ!!」

飛天「その歳で 便所や医者に犬や兄ちゃんに着いてきて貰うのも深刻な病かもよ?」

粋「Σぐ。正論っ」



白「怖い話読んでたから 本物呼んで更に脅かしたの俺だけどな。」しれっ

粋「そそそそうそう!俺じゃなくてもビビるってあんなの!!」わたわたっ

飛天「兄弟揃って何歳児だお前ら。」



白「で、ただのものもらいなら目薬か何かなのか?」

飛天「んー。それがなあ
お宅の弟さん ちょっと体質がアレだからなあ」うーん。

粋「へ?」



飛天「いやお前 兄ちゃんと違って通常は人間成分多目だろ?
で、その分生命力とか頑丈さが化け物レベルって言う」

粋「あーまあ そんな感じ?のはず」うんうん。



飛天「そのせいで 擦った時にでも目を傷つけた異物が入り込んだ上、
こんくらい良いかってノリで傷口塞がって結果 やっぱムリーて腫れてんだよコレ。」

粋「Σ俺の体質バカじゃねえの!?」

飛天「て、事で 切って取り出すな。」あっさり

粋「Σうっぎゃああ!まさかの手術!!」ひいいっ



飛天「秋は一気に乾燥するからなあ
砂ぼこりとかでめばちこ率上がるんだよなあ」カルテ書き書き。

粋「き、切るって え?え?眼球を?」びくびくっ

飛天「いやそれは流石にちょっと。
腫れてるの瞼だから 瞼裏返して切開して異物取り出すくらいな?」

粋「Σ充分こっえええ!!」ひいいっ


飛天「やらないと治らねえの!
ガシガシ擦るからだろ 幼児かっ
麻酔するから少し我慢しような?」

粋「お前荒いんだもんよ!!

あー 目とかマジで嫌すぎる
なあ兄貴 化け物でそういうの何かミラクル起こせるようなの居な Σうおう! 空蝉!!」人体模型っ

飛天「お宅の兄ちゃんなら 話に飽きて向こうで茶菓子勝手に食ってるぞ」指差しっ

粋「Σ薄情極まりねえっ!」


白「そういや なんで常に茶菓子あるんだ?この診療所」ガン無視もぐもぐ

飛天「そりゃ基本じじばばしか来ないからなー。
皆健康でも駄弁りに来るし
食ったら補充しとけよ。」


粋「いや あのー」




白「ごちゃごちゃうるさい さっさと切ってさっさと治して来いヘタレッ!」がうっ

粋「Σぎゃー!ごめんなさいいいっ」ひいいっ



飛天「あーあ。怒られた。
まあ、そんな怖くねえから

ほら家康だってあんなだけど
体内に昔の砲弾の欠片とかちょいちょい残ってんだぞ」

粋「Σえええ!?」

飛天「あいつの場合は体内に残してても問題無いしだし今更出す方がヤバイんだけどな
異物系は結構あるんだよ」

粋「結構て。うええ マジか
あいつ色々やってんだなあ」


飛天「何でも結構間近で食らって破片ザクザクーで
傷口に手突っ込んでぐっちゃぐちゃ取り除いてたら痙攣してこりゃくたばるわって状況になったから 適当で止血したとか魄哉が言ってたなあ
そりゃそうだよなー
もちょいズレてたらモツ出てたよなあんなん」あっはっー

白「患者逃げたぞ。」





飛天「こら!人の話聞いてたのか
切らなきゃ治らねえって言ってんだろ!」

粋「カルテ投げんな痛えよ!
そんなの笑顔で言う医者にオペられたくねえッ!!


Σぐはあっ」


ばたーん!





白「よし。今のうちに頼む。」きりっ

飛天「ああうん。
大人しくなったのは良いけど 病院でケガ人出されるのはちょっと。」

白「早くやらないと回復するぞ?」

飛天「Σそいや頑丈だった!
やっべ ちゃちゃっとやっちゃうから保護者さん待ち合いでお待ち下さい」指差しあたふたっ





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シロ「Σうお。眼帯かっ!?」

蒼月「えー。キャラかぶりやめてよ」


粋「好きでやってんじゃねえよ!
傷くっつくまで変なの入らねえようにってさー」ぶすー。

小太郎「病院のにおい・・」くんくんびくびくっ




家康「あーあ。大変だったんだねえ」

粋「あー。お前程じゃねえわ」

家康「へ?」



千様「いつもと違って良いじゃない 眼帯萌えーよ?」にこにこ。

粋「姉ちゃん マニアだな」うわあ。



石燕「ビビリの弟さん持つと大変っすねえ
付き添いお疲れっす」

白「ホントに大変だったぞ」むう。



粋「つーか。兄上。
なんか肋骨軽くヒビいったらしいんで こっちも通院しなきゃならないんすけど。」

白「お前頑丈だから手加減難しいんだ。」きっぱり



シロ「おお。また見事に紫色に」うわあ。

粋「ものもらいよりこっちのがヤバくね?」着物めくりっ


千様「粋君 どんだけ治療嫌がったのよ。」あーあ。

白「んー

まあ あんなの俺なら絶対診せないし
飛天怖いし。」お茶ずずー。

粋「Σえ。」





白「1人で行くの怖いから『治すため』に着いて来てくれ って頼まれただろ?」

粋「Σしまった!付き添いだけでいいって言えば良かった!!」ひいいっ



小太郎「ん?白も言われた事は守る犬なのか?」わおんっ?

シロ「いいや。 アレは遊んどる」ため息。



蒼月「つーか 病院くらい1人で行けよ
ガキかよマジで。」

千様「あ。そう言えば 蒼月君もその片目の古傷、飛天君が診てくれるらしいわよ?」

蒼月「絶対やだ。」きっぱり




石燕「妖怪って 骨折よりものもらいのが深刻なんすか?」

シロ「自力で治せん点では そちらのが恐ろしいのだろうな。
動物だしな」うむ。




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