小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月15日

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【町外れ 野っ原】






蒼月「何ー? こんな所呼び出してさあ

Σはっ まさか果たし合い いや闇討ちっ!? 」びくっ

魄哉「闇討ちされるような心当たりあるんですか?」ジト目。

蒼月「山程ある。」きっぱり

家康「その内ホントに闇討ちされちゃうよ」苦笑

魄哉「失礼な
やるなら正面から殴り倒します」むかっ

家康「Σそっちのがバイオレンスなんだけど!!」




蒼月「ん?闇討ちじゃないなら何?」


魄哉「じゃないならって

えーと。まずはこちらをご覧ください」地図ぺらっ

蒼月「ん?何これ」

家康「ほら。今年サンマが高いでしょ?」

蒼月「ん?あー そういやそうだね
この前お使い頼まれたけど、たっかいから他の買って帰ったし」うんうん

家康(お使いとかはちゃんとしてるんだなこの子。)



魄哉「それで余りに不漁なので妖怪の皆さんの力を御借りして大雑把ですが水温計って表にしたんですよ

そしたら 恐ろしい事に気がつきまして」むう。

蒼月「恐ろしい事?」ごくり。



魄哉「ぶっちゃけこの海面温度の配置が変わらなければ 今年の冬はすぐそこな上に極寒ブリザードとなります」

蒼月「Σヤバイ俺死亡フラグ!!」ひいいっ

家康「私にゃ何がなんだか解らないんだけどねえ
ここのこの辺?が水温高くいのが問題らしいよ?」地図指差しっ

魄哉「昔陰陽連に所属してましたのでかなり正確だと思いますよ
陰陽師って基本学者ですから。」

蒼月「科学的根拠ありかよ
うわー。やっば 蛇になんて生まれなきゃ良かった」がっくり。


魄哉「比較的暖冬でも 毎年仮死状態になったり大騒ぎですからねえ

あくまで水温がこのままの配置ならですが 今年はちょっと危ないと思ったので一計を案じました。」

蒼月「一計? なんかいい手あるの?」


魄哉「その前に確認します

君 双子の朱禅君が冬でも元気なのなんでだと思います?」

蒼月「へ? えーっと あの馬鹿単純だからなあ
人であるひなちゃんと一緒に居る為に ガワだけじゃなくて 中身まで人に化けてるとかじゃないの?」うーん。



魄哉「それ出来ます?」

蒼月「Σさらっと言うな!
出来るわけ無いだろ!! 細胞から変化って普通は無理なんだよ!!」

家康「え?朱禅のが凄いの!?」

蒼月「Σあいつは猪突猛進だから!!
不器用だから 人間になりたーいで一気になっちゃってんだろっ」

魄哉「Σえ それ凄くないですかっ」



家康「こら 話ズレちゃう
蒼月の性格的に普通に言っても難しいだろうから、煽って細胞から恒温動物に化けさせるんじゃ無かったの?」ひそひそ

魄哉「あ、すみません
朱禅君が思いがけず高度な事してたもので」ひそっ

家康「うん。人外の事は解らないからね
どっちが凄いのか解らないけど、蒼月の冬対策が目的だからね」ひそひそ



蒼月「ひそひそで言う必要ある?それ」

家康「Σ!!」

魄哉「殿声でかいんですよ 老化ですか?

じゃ さっさと頑張って恒温動物になりましょうね」にっこり。

蒼月「Σ出来るか!! サラッと言うけどアンタなら出来るのかよっ!」

魄哉「僕は元々キメラですので、その気になれば変温動物化も可能ですよ?
けど リスクしか無いのでやりません」きっぱり

蒼月「Σだああ!ホンット器用だな!!」

魄哉「キレんじゃありません。君の為に言ってるんでしょうが
冬が来る前にどうにかしないと困るか死ぬかですよ」

蒼月「Σう」




シロ「どうにもならんようなら 寒さに耐性をつける為に氷付けという手もある。

という話だがオススメはせんな。」むう

蒼月「Σ手もあるじゃない!雪ん子呼び出すなよ!!」ひいいっ

シロ「Σ誰が雪ん子かああ!!」むかっ



魄哉「シロ君なら ある程度調節出来るので本物の冬よりかはトレーニングしやすいかと。」

蒼月「Σトレーニングて氷漬けだよね!?なんでそんな荒いの!? 」


シロ「要らぬなら帰るぞ
バイト中なのだ。

Σうお。家康 何を物陰で影背負っとるのだ」びくっ


魄哉「あ。存在忘れてましたね」

蒼月「アンタ酷いな本当

あーもう。んな簡単に慣れたり出来るワケないじゃん
その為の野っ原かよ」




魄哉「いえ。氷漬けが却下された場合の最終手段の為です。」


白「加減無しでいいんだな?」ひゅんっ

蒼月「Σなんでエモノ構えてんの!?」ひいいっ



魄哉「極限状態に追い込めば 生への執着から何かこう覚醒するかも知れませんよ?」

蒼月「Σどこのバトル物だよ! てかこんなの覚醒しても焼け石に水だろ」

白「? 燃やせばいいのか?」ぼぼぼ

蒼月「Σちがーう!!」

魄哉「熱ではなく冷えへの耐性が欲しいんですよねえ」うーん。



蒼月「落ち着けよ仮にも知将だろアンタ!!

こんなんしても冬が来る前に人生終わっちゃうだけだろ!」

魄哉「君の場合 死ぬ気で頑張る癖をつけるのが必要かと思いまして 」

蒼月「命あっての物種っ!!」



白「あのな蒼月 お前去年コタツにえっと何だっけ?
火鉢引きずり込んで 何とかさんの毒? になっただろ?」

蒼月「何とかさんて誰?」

魄哉「一酸化炭素中毒の事ですね。
記憶ありません?」

蒼月「Σあ。やったね」


白「今年は診療所の医者が飛天だし
ちゃんと冬対策しておかないと そっちでも命が危ないぞ。」くわっ

魄哉「落ち着いて下さい あの子荒いですが腕は確かですから」

白「信じない」きっぱり



蒼月「えーと。病院が例年より怖いのは解った
それはかなり行きたくないなあ」ふむ。


魄哉「解って頂けたならこの際何でも良いです
さて、

いい加減まどろっこしいんで白君ゴーです!」

蒼月「Σえ!ちょいきなり Σうっぎゃあああ!!!」





魄哉「大丈夫です!
某黒光りする家庭内害虫は 追い詰められて初めて飛行をマスターすると言います!!
負けずに頑張って細胞から作り替えて下さいっ」

蒼月「Σんなもんと一緒にすんなああ!!」ひいいっ



家康「お前 滅茶滅茶嫌いなのに詳しいね」

魄哉「おや。復活しましたか」


家康「うん。殿デリケートだからあんま虐めないでね

んで、今気が付いたんだけど
仮にそのゴキ理論で 何か特技に目覚めたとしてー」

魄哉「?」




家康「このタイミングだと人に完全に化けるとか そんなのはむしろ命取りじゃない?」

魄哉「Σあ。 」

家康「人の強度になったらそれこそ木っ端微塵だよねコレ」



魄哉「・・・他の手を考えますか」うーん。

家康「それより家の空調かなあ?
隙間ふさいで室温上げる工夫のがいいと思うな」

魄哉「それで、まーた外出られないって騒ぐんですね
まあ、考えてみますかねえ」やれやれ。






蒼月「駄弁って無いで助けてえええっ!!」ひいいっ

魄哉「すみません。 白君集中力が極端なんで スイッチ入っちゃうと周りの音聞こえなくなるんですよ」

蒼月「Σえ。」

家康「そこの饅頭屋で餌買ってくるからそれまで頑張って生きててっ」だっ






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