小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

9月13日

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【芝居小屋 楽屋】




庵「ちわーす。出前お待ちー」




つつじ「なんや病気やろか。」ふむ

皐月「えー。食い過ぎちゃうん?」

粋「いやいやいやそれだけはねえだろ」


庵「何で円陣組んで会議してんの?」



つつじ「お?
おんや 庵はん。出前おおきにどすー
ちょお立て込んどってなあ。 出られへんかったんどすわ。」

庵「ちょっと聞こえたけど 何?食べすぎ?」

皐月「あーでも 考えたらあいつに限って無いわー」うんうん。

庵「へ?」



粋「ぶっちゃけ兄貴が不調なんだよ。」

庵「Σそりゃ食べすぎだけは無いわ」



つつじ「せやなあ。質量保存の法則知っとるかってくやい食べるお人やし それは無いとは思うわ

けど、そんなら何やろ?
人と違うて風邪もひかんて言うてたし」うーん。


庵「で、不調ってどういう感じで?」

粋「うーん。なんつーか

ボケッとしてるって言うか」うーん。

庵(いつもの事じゃ?)



皐月「いつも以上にボケーッとしとんねん。


さっきな。バタバタしとって 粋に舞台衣装の裾踏まれてな?
そこの段見事に転げ落ちとったわ」

つつじ「コレがその証拠どす。」ぺしっ

粋「Σあだだっ!触んな!!」



庵「あー。うん 何やらかしてぶん殴られたんだろとか思ってた」うんうん。


皐月「普段はそれくらいであんだけ大転倒はせえへんよな?」

つつじ「むしろ攻撃されたら脊髄反射で相手蹴り倒すお人どす。
今日のは相手確認してからどつきに来よったもんなあ」うーん。

粋「どう転んでも 俺痛い目から逃げられねえんだよな」うんうん。

皐月「嫌なら裾踏まんとき」きっぱり。




庵「なんだろ? 普段何があってもダメージ受けてる感じ無いのに。
一度病院? えーと。獣医?連れてった方がいいんでない?」

粋「あー。いっぺん飛天に診て貰うかな」うんうん。

皐月「診て貰うってどないして連れてくん?
最近兄ちゃんボケとるから病院行こか。言うたらそれこそアンタ命無いで。」

粋「Σう」


つつじ「もちょいオブラートに包もか。

Σお!わても出番や! ほな後よろしゅうに」だだっ



庵「昼食べてないけど良いの?」

皐月「戻ってきてから食べるやろ
一食二食抜いても死なへんわ」

庵「いや。うどんなんだけど。」

皐月「よし、私が食うとったろ。
見習い 後でおにぎりこさえたってや。」きらーん。

粋「あーはいはい。」



皐月「ちなみに私は一食たりとも抜けへん。頂きます」きりっ

庵「うん。知ってる」




間。





白「今日の出番終わり」よれっ

皐月「おー。お疲れ げふっ」

白「?

お前元気だな
あ、ちょっと昼寝するから そこどけ」


皐月「ん?大丈夫かアンタ?
ホンマに調子悪 Σ寝るのはやっ!!」

白「ぐう。」熟睡っ



つつじ「なんや。ホンマに医者見せた方が良うないどすか?」顔ふきふき

粋「んー。だよなあ どうやって連れてくか」悩。



皐月「事前に一服盛っといたら?」

粋「兄貴には毒すら効きません」きっぱり

つつじ「毒がダメなら睡眠薬とかはどうなんどす?」

粋「それが、飛天が言うには 薬の類がほぼ効かねえ謎体質らしいんだよなあ」うーん。

皐月「ん?んじゃ なんか悪かっても治療出来へんのちゃうん?」

粋「Σあ。」

つつじ「無理にでも休ませた方がエエんやろか?

わてら的にはエースに休まれるとキツいんやけど、それも健康あってやしなあ。」




粋「お前 仕事バカの社畜冷血漢だと思ってたら人情ちゃんとあったんだなっ!!」おおおっ

つつじ「Σシバき倒したろかっ こんクソガキャ!」むかっ

白「うるさい。」
粋・つつじ「Σすんませんでした!」ひいいっ




白「まったく。」

ぱたり
ぐう。


皐月「寝るのホンマ早いな」



つつじ「とりあえず 気が済むまで寝かせとこか。
何や気い立っとるし」

粋「いや。兄貴寝起き最悪だから いつもこんなんなんだよな」

つつじ「Σいつもコレって うわきっつ!!」ひいいっ



皐月「枕元に茶菓子置いとこか。
そしたら起きてもキゲンええかもよ?」ごそごそ


粋「Σ凄い供え物っぽい!!」

つつじ「ホンマ 死んだように寝とるなあ」おそるおそる突っつき







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【割烹春一】



彬羽「ああ。そりゃ心配無い。
ここ数日 月見の会だなんだと夜中地元の妖怪共に呼び出されてたからな。」※本日午後出勤。

庵「Σただの寝不足かい!!」



朱禅「妖怪ってのは夜行性が多いからなあ
ほら 夜は墓場で運動会って言うだろ?」

ひな「成る程。
大将も大変ですねえ」ふむふむ。


彬羽「まあ、それだけ具合悪そうならつつじの奴も休めとか言うだろ

二、三日ゆっくり寝りゃ元に戻るだろよ」

庵「あーそっか。
昼間も体力仕事だし。夜まともに寝てないんじゃ、かなりキッツイ かあ。」ふむ



ひな「けど、良かったじゃないですか ただの寝不足なら。
私はてっきり・・・」

庵「てっきり?」

ひな「いえ何も。」にっこり

庵「?」




朱禅「俺はまた 庵の貧乏神体質の影響かと思ったよ」ひそっ

彬羽「いくらなんでも体調に支障は出ないだろ
」ひそひそっ

ひな「この前 のれんくぐったらのれんが頭に直撃し、座ったら隣のお客が喧嘩をして熱いお茶が飛んできて
拭こうとしたら 隣のお爺さんの立て掛けてた杖が倒れて頭にカンッて。
白さん地味に散々でしたけどね。」ボソッ



彬羽・朱禅「・・・・。」



ひな「今回のは寝不足だとは思いますが

なんで庵さんが出勤してる日に限って 白さんに謎の事故が続くのか」うーん。

朱禅「うん。 今度から出前も俺が行くわ。」冷や汗。






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