小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月20日

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【幕府公営診療所】



飛天「はいはーい 次のー

あれ?またお前ら?」


シロ「うむ。裏山で小太郎が罠にかかってな」むう

小太郎「ぎゃいんぎゃいいんっ!」わおおんっ


飛天「うち獣医じゃねーんだけどなあ

ちょと見せてみ Σうっわこりゃ酷い」



シロ「そして救助に行ったこやつも近くに仕掛けてあった罠に足を食われてな」

粋「俺のもよろしく」血だくだく

飛天「ちょい待て。どうやって歩いてきた」



粋「へーきへーき。ちゃんと骨で止まったし」へらっ

飛天「えっとな。人体いや動物にはな骨以外にも色々と大事な
あーこいつならどうせせくっつくくからいいやもう」



シロ「しかし、悪質な仕掛け方だな

言うなれば仲間がかかったのを助けに来た奴まで捕ろうという腹だろう?
それが仕事と言えど 品性の感じられぬやり方と言うか」むう。


飛天「そもそもあそこ禁猟区なんだけどなー」消毒薬とぷとぷ

粋・シロ「Σえ」

飛天「お前らなんで知らないんだよ
自宅の裏庭みたいなもんだろ」



粋「あの。うちの兄貴 結構熊とか猪とか捕ってきちゃってんだけど
全部正当防衛ではあるけどさ」おそるおそる

飛天「禁猟区内でも動物が動物とケンカした所で問題無いんだぞ?」

シロ「成る程。 認識そっちか」ふむ。



飛天「あそこは言わば聖域だからなあ

普通の人間が入っちゃダメなんだよ
そう言う意味での禁漁区な。
ほれ、お前も足出せ」


粋・シロ「Σ聖域!?」えええっ

飛天「Σなんで全く知らねえの!?
京住まいの俺でも知ってるのに!!」



小太郎「あ、ひょっとしてアレか?

蒼月の言ってた蛇の谷。」

飛天「それもあるな

アレ他の所にゃ居ない種類 つーか、普通のもんじゃないからなあ」

シロ「どう普通でないかは ・・まあ察しがつくか。」ふむ

粋「あーそういや 兄貴に突進かまして来て返り討ちでボタン鍋になった猪も 大概洒落になんねえ大きさだったし あれも関係あんのかな」



飛天「お前 脳みそファンタジーなんだからそこ理解しろよ」うわあ。

粋「Σえ?」

飛天「動物でも森の神の類いはでかくなるって話知ってるだろ」

粋「Σあれフィクションじゃねえの!?」ひいいっ



小太郎「あれ?んじゃ俺ら 森の神様食べちゃったのか?」わおんっ

シロ・粋「Σ!?」

飛天「んー。神様と言うか地霊と言うか 難しいな
その辺はややこしいから彬羽に聞いとけ

まあ仕留めて来た奴も分類上は神様だし問題無い無い」

シロ「そう言うものなのか?」怪訝っ



飛天「ま、今から吐いても手遅れだし」ふっ

粋「Σ一気に不安になったああ!!」ひいいっ

飛天「いんじゃね?人外が他の人外食らってんだから 普通に哺乳類が哺乳類食らってると思えば全然あるある」

シロ「Σ皆が皆お前みたいに割りきれると思うな!!」ひいいっ


小太郎「前から思ってたけど カラス天狗って理屈っぽいよな。」わおんっ

飛天「んーまあ 鳥の中でも小知恵あるのがカラスだし

てか、お前は猪の件気にしてないぽいな」

小太郎「狼が猪食うの普通だろ?」わおんっ


シロ・粋(Σ意外と逞しい!!)



飛天「大雑把で良し
お前らも見習えよー」


粋「そいつ トラバサミに捕まってすげえキャンキャン鳴きながら人生諦めてなんか遺言ぽいのブツブツ言ってたけどな」

シロ「更に言えば 助けに来た奴まで罠にかかったの見て凄まじい絶叫あげて 再度絶望して魂抜けかけておったがな」


飛天「ちょっとメンタルも鍛えような
座敷犬かもしれないけどよ」

小太郎「だ、だって熊用のトラバサミだったし「うん。なんで切断されてないのか先生不思議だったよ」



シロ「お前もホントによく歩けたな」

粋「あー 普段から兄貴にどつかれてるからじゃね?」

シロ「どんなどつかれ方すりゃそんな頑丈になるんだ」



飛天(コイツもかなりの珍獣なんだよな。そういや)うーん。


粋「ん?何?」

飛天「いやちょっとサンプルに血欲しいなと」

小太郎「Σ逃げろ飛天の注射は痛いぞ!!」ぎゃいいんっ






間。






飛天「まあ あれだ。
そういう事で えーと、なんだ とにかく自然は大切にしよう」たんこぶ。

シロ「うむ。
そもそも荒らす気はないがな」



小太郎(鞘で脳天ぶん殴った)うわあ。

粋(助かったけど あれ大概凶器じゃね?)



シロ「よし。では帰るぞケガ人共」小太郎抱えっ

粋「あー 外暑いから歩きたくねえなあ」うえー

飛天「足辛いなら松葉杖貸し出すけど?」

粋「んー邪魔だからいいや」

小太郎「ホント頑丈だな。」



飛天「無理すんなよ
足は後々響くんだぞ

あ。

家まで石段凄いし お前の兄ちゃんに朧車呼んで貰えば?」

粋「診療所の前に朧車とか あの世直結のイメージ付くんじゃね?」

飛天「Σそ それはちょっと」ひいいっ



粋「だいたい兄貴は今取り込み中だっての
呼び出し頼む前に捜せねーわ。」

飛天「ん? また何か厄介事とか?」




シロ「あやつ等が縄張り荒らされてじっとしておるワケが無かろう」

小太郎「罠仕掛けた奴見つけてびんびんに泣かすって山狩りしてるぞ。」俺わおんっ


飛天「Σ密猟者に同情する!!」ひいいっ




粋「小太郎もケガさせられたし 魄哉がやって良しとか親指下に向けてたからなあ」

シロ「その上禁猟区だったとはな。
気持ちは解らなくないが
8割捕まえるだろし 相手が精神崩壊する前にやめる様説得せねばな」うむ

飛天「言っとくけど 俺メンタルは診れないからな」

小太郎「飛天 定期的にそれ言うよな」

飛天「Σそんだけお前らが無茶苦茶って事だろ!!
ケガする度にえげつないし こっちのメンタルもヤバ

あれ?」

粋「ん?どした」




飛天「お前らの家主 それこそファンタジーな回復魔法みたいなの使えなかったっけ?」

なんでうちに来てんの?」


シロ「あれは細胞を活性化させてるらしいのだが
かなり調整が難しいらしく 術者が疲れておると体を内部破壊しかねんのだそうだ」

粋「万一失敗したらお前のイトコでも体持たねーから 極力やりたくねえんだと。」

飛天「Σ人のイトコをバロメーターにすんな!すっげえ解るけど!!
何か有ったらこまめに診せに来いよ!」ひいいっ



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白「ん?バカラスどした?」


彬羽「何か少しイラッとした

それよりだ。コレを見ろ」

白「? 蛇?」

彬羽「コイツはここにしか居ない種のようなんだが

こいつ等の特徴 やたらと蒼月と似てるような」うーん。

白「? 蒼月よりは小さいけどな」



彬羽「そりゃあいつはバケモンだからな。

ひょっとして、ひょっとしてだが
妖怪にならなきゃ 蒼月の奴コイツらと同種だった か?」ふむ。

白「ん?んじゃ蒼月ここが故郷か」





蒼月「なにー?呼んだー?

不届きもん見つかったの?」ひょこっ



白・彬羽「何でもない。」きっぱり




蒼月「あーここの蛇達 相変わらず不健康そうだよねー
なんかジトッとしてジメッとしてるって言うか陰気でさー
いつもゴロゴロその辺転がってるし 人生何が楽しいんだろねー」あははっ





白(ほとんど蒼月だな。)

彬羽(こりゃ間違いねえな。)





蒼月「ん?何か 陰気な気配」ぴく


彬羽「手前だろ。」

蒼月「Σケンカ売ってんの!?」むかっ




白「あー大丈夫だ。あっちは」





魄哉「おやおやおやおや。うちの子にケガさせたのはそちらさんですかねえ?」 




白「最凶のオカン居るから」

蒼月・彬羽(Σ怖ッ!!)



白「今回は家康も発砲許可出てるし、与一も急所狙いオッケーて言われてるからあっさり捕まってまだマシ「Σもういいよ!!」ひいいっ

彬羽「こっちのが密猟者の万倍 禍々しい気がするのは俺だけか?」







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