【割烹 春一】
庵「お客来ないねー」だらーん。
ひな「梅雨入りしましたからねえ」
がららっ
白「金づる来てやったぞー
敬え。」どやっ
ひな「いらっしゃいませ！！ さすがっ」おおっ
庵「Σその反応でいいの！？」
朱禅「お？今日は弟抜きか？珍しい」
白「ん？後ろ後ろ」
ずるるっ
粋「ちゃーす。 足怪我しちまって」松葉杖っ
庵「Σ頑丈さがとりえなのに！？」
朱禅「ケガしてる時くらいおぶってやれよ。
おにいちゃーん？」にやにや
白「ケガしてる足引き摺るぞ」きっぱり
庵(Σコンプレックス刺激すんなアホ店長！)ひいいっ
ひな「あーあ。ぐるぐる巻き。
何があったんですか？」
白「それがな。」うーん
粋「舞台ハケた後に 主役勢のミーティングの横で掃除してたら 兄貴の衣装の裾踏んでるのに気がついて」
白「焼き付くされると思って飛び退いたら全力で客席に落っこちた。
んだそうだ。」複雑っ
朱禅「ちょっと踏んだくらいで弟燃やすと思われる兄貴ってどうなんだよ」うわあ。
粋「だって芝居の衣装ってたっけえんだぞ？
シワ着けたら刻むってつつじにも散々言われてるし」ため息。
庵「お宅のお兄ちゃん そのたっかい衣装の扱いの荒さピカイチだからね？」
白「よくうっかり着たまま帰るしな」うん。
ひな「そこは気を付けましょう
毎度目立ち倒してますからね？」
朱禅「で、衣装くらいぽんぽん弁償出来らあって売れっ子さんは 何に致しましょ」きらーん。
白「そう取ったか。
とりあえず メニューひと揃いな。」
朱禅「はいよ！喜んで！！」よっしゃあ！
粋(ほんと何処に入るんだろなあ。)しみじみ
ひな「白さんのお陰で今日の売り上げはどうにかなりそうですね」ほっ
白「ん？今日は客そんなに居ないのか？」海老ばりばり
粋「兄貴。海老の殻は普通食わねえから」
白「なんだ？欲しいのか かるしうむ。」
粋「Σ折れてねえし要らねー！！」
ひな「雨の日はうちみたいな小型店は辛いですねー
わざわざ外に出て御飯食べようって気になりませんもん」苦笑
白「なるほど。客も家で大人しくしてそうだな」納得
庵「よし！こんな時はっ」
粋「ん？」
粋「困った時の神頼み！！
てるてるボウズーっ！！」じゃんっ
朱禅「大人しいと思ったら造ってたのかよ。」
ひな「あら 沢山。
頑張りましたねえ」
ひな「こんだけありゃー晴れるでしょ」どやあっ
粋「おー。んじゃ吊るすか！」わくわくっ
朱禅「あれ？お前足は？」
粋「ドーパミン出て痛み感じねえから大丈夫。」ぐっ
朱禅「てるてるボウズでどんだけはしゃいでんだよ。」引。
白「相当暇だったんだな」うどんずずーっ
朱禅「だなー。閑古鳥鳴いてっし
せめて彬羽休みじゃなかったら雑学披露してくれっから暇潰しにゃなるんだけどさ
・・やる事ねえけど。」ふっ
庵「雑学かあ
ねえねえ。なんで晴れ祈願にてるてるボウズ？」
粋「へ？
あー何でだろ。」はて。
ひな「言われてみれば不思議ですねえ」ふむ
白「それならじじいから聞いたことあるぞ。」
庵「へ？なんでお爺ちゃん？」
白「えっとな。
雨がやまないと米やら野菜やらが腐って 川氾濫して困るだろ？
んで、さっき庵がいったみたいに神頼みってのしたんだ 」
庵「ふむふむ。」
白「んでな。
いわゆる水の神に もう雨いいからとめてくれーってやるんだけど
手ぶらじゃ願い聞いてくれるか解らないしって 生け贄用意して手っ取り早く神様からよく見えるように木にぶら下げた って話だ」
一同「」絶句。
庵「・・はずそっか。これ」
てるてるボウズゆらゆらゆらゆらゆらゆら
粋「だなあ。 すっげえ地獄絵図に見えてきた」
ひな「おまじないって恐いですねえ」うーん。
朱禅「お前も意外と辺な豆知識あんだな。」感心っ
白「いやこれ 親戚がやられて 生け贄とか要らないのにって凄い色々困ったらしくて
じじいが愚痴ってた」
朱禅「あ、そっか
お前ら一般的には水神か」
白「人間側の勝手なイメージだけどな」蕎麦湯ずずー。
庵「てるてる生け贄お土産にいる？水神サマ」こんもりっ
白「ゴミ押し付けるな。」
ひな「そのまんま捨てたら呪われそうなんですよー」
白「じゃ。
生け贄パワーで ケガ治るといいな」どさっ
粋「Σこっち来たああ！！
生け贄パワーとか足もげる予感しかしねえ！！」ひいいっ
つつじ「雨でもここは賑やかやなー。」
皐月「くそ煩いとも言うけどなあ」
朱禅「お。らっしゃい！」
粋「よっしゃ！今ならサービスっ
お客さんに てるてるボウズひと山プレゼント！」どさっ
つつじ「なんか知らんけど、こげにどないせえ言うねん」
皐月「芝居小屋の入り口にても飾ろか？」
つつじ「お。ええどすなー
ゆるキャラでカワエエかもしれんわ」にこにこ
白・粋「Σ！！？」
ひな「知らぬが仏ですね」うーん。
庵「あれ？ひょっとしてこれ私のせい？」
ひな(言われてみれば また回り回って白さんに被害がっ
やはり貧乏神体質っ！？)
朱禅「お前いつも巻き込まれてんなあ。」
粋「これ 言わない方がいいよな？」おそるおそる
朱禅「おう。言うな。
色々ヤベエから余計な事言うな。」きっばり
