小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

8月25日

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[割烹 春一]





朱禅「そろそろ秋メニュー考えねーとなあ」




白「まだ考えて無かったのか。」 うどんちゅるんっ

朱禅「Σうっわ こいつに言われるとショック!」




ひな「という事は芝居小屋は既に秋の演目決まってるんですね」

白「そりゃ早く稽古しないと間に合わないし
いつまでも水芸してたら不味いだろ」
ちょろろろろ。


庵「ああ。気に入ってるんだ それ」

ひな「あ、水は丼の中にお願いします」



朱禅「やべえ、少し本気で考えてないと」焦。



庵「そいうや粋ってまだ見習いのまんま?
ちゃんとデビューはしないの?」

ひな「あー。季節の変わり目って新人さん発表多いですよねえ」


朱禅「Σ頼むから一緒に考えてくれよ!!」




彬羽「女が駄弁り出したら無理だ。諦めろ」

朱禅「お前ちょいちょい悟ってるよな

・・なんかいい案は」「サンマは定番として今年はマツタケがどうか解らねえ また景気も今一つな辺りから安く季節を感じられる物をいくつか考えるか」



ひな「ぶっちゃけ 彬羽さん居たらメニュー外れ無いんですよね」

庵「私ら話し合いに入ってもあんま役に立たないし」けっ

白「色々大変だな」うどんずずー



ひな「で?粋さんのデビューはまだなんですか?
もしやるなら ご近所誘って盛り上げにいきますよー」わくわく

白「残念ながらまだまだだ。」きっぱり


庵「あー やっぱ見習いって長くやらなきゃダメなの?」


白「あいつの場合は後3年はいると思う。」真顔。

粋「Σそんっなに!?」ひいいっ


朱禅「あれ?お前居たの!?」


粋「話題が話題だからびくびくしてただけで最初っからいたっつの!」

朱禅「お前が静かだと居る気しねえもん」
粋「Σそんっなに喧しいか!?」


彬羽「今一気に喧しくなっただろ」

粋「Σあ。」


ひな「なんとなく あと3年の意味が解ったような。」


白「そもそも練習でガチガチになって 奈落に落ちるからな」むう。

※奈落= セットを隠すための舞台の穴です。



庵「まだそんな感じなのか」うわあ。



白「普段恥知らずで五月蝿くて馬鹿丸出しなのに なんで舞台だと緊張するんだ」

粋「Σうおう!反論できねえ!!」



朱禅「えーと。まずは反論出来るようになろうな」

粋「道のりが遠い」ふっ


庵「あの、一生見習いコースなんてのは」




白「今のままならあり得る。」きっぱり

粋「Σ一生パシり!!」ガーン



白「まあせいぜい頑張れ。あ、ざるソバ追加な」

彬羽「どんだけ炭水化物摂る気だお前」




ひな「頑張りましょうね?」

粋「うう。兄貴が師匠って時点でめちゃハードル高いのに

何があっても一人前と認めてくれないだろ絶対」

朱禅「まあ 苛めっ子だからなあ」




庵「いやでも。それはどうだろ」ふむ

粋「へ?」






白「ん? ソバの味変わったか」ぴく

彬羽「Σんなっ! そんなはずは」

ひな「Σ当店の唯一の目玉が!!」ガーン





白「いや、前より良くなってる
ソバのコシが増したかも。腕上げたなバカラス。」ちゅるん




庵「ほら、誉める時は誰相手でも誉めるから大丈夫でない?」

粋「Σマジで誉めてる!うっそ!!」




朱禅「これが大人ってもんだよ」ふっ

粋「なんでお前がドヤんだよ。」


ひな「あら?でも」

庵「ん?」



ひな「と、いう事は今ボロッボロに言われてるのは 弟苛めではなく本当に無いわこりゃと思われてるからであって
現実的に見て 一生見習いはあり得

庵「よし、そこまでにしよう。」




朱禅「えーと。ひながその なんかごめんな?」

粋「前向きに善処するから構わねえよ」ずーん

白「前どころか下向いてるぞ。」







彬羽「・・少し鰹ダシの主張をを強めにしてみるか」ふむ。

ひな「誉められて嬉しかったんですね」

朱禅「こいつも大概顔に出ねえわ」




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