〔割烹 春一〕
がららっ
ひな「いらっしゃいま
白「暑い。」
ひな「もう夏ですからね」
粋「ちーす。 冷たい茶よろしく」
白「水羊羹とあんみつと葛餅と宇治金時。」
ひな「あの、水分はいいんですか？」
白「宇治金時は水と豆だろ？」
ひな「はあ。まあ原材料は」
朱禅「大丈夫か？」
彬羽「聞いてるだけで気持ち悪い」
庵「甘いものって喉乾くのになあ」うーん。
ひな「暑いなら髪の毛お団子にします？ほら私みたいに。」にこにこ
白「おっと。忘れ物」すたすた
粋「すげ。兄貴が退散した」
朱禅「こら あんまり騒ぐなよ
貸し切りじゃねえんだから」
白「サクラでも雇ったのか？」
朱禅「目え見開いて言うなや
マジで本物の客だっての！」
庵「サクラなんて言葉知ってたとは」おおっ
白「役者業だし」ずずー。
粋「兄上 それ俺の茶っす
欲しいなら自分で頼んでくれ」
白「弟の物は兄のもの。」きっぱり
粋「Σどこのガキ大将だよ！！」
ひな「すみませんねえ 常連さんが仲良し兄弟なので」
客「あー。いえいえ 大変勉強になるので大丈夫ですよ」
ひな「はい？」
白「・・サクラじゃないんだよな？」
朱禅「お前な あんま言うと失礼だろ」
白「なんかうさんくさ
彬羽「よし。他の客に迷惑かけるなら外に出ろ」
ぽいっ
粋「Σ投げんなこら！！」
庵(胡散臭いというより 墨臭い？)ふむ。
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〔江戸城〕
魄哉「ほう。これは」がささっ
挿音「ん？何だこりゃ」
魄哉「裏で出回っている妖怪絵ですよ
偉くそちらの知識のある人のようですねえ
まるで見て描いたような」
挿音「裏？ なんかヤバイもんでも仕込んでんのかよ？」
魄哉「いえいえ、ただあまりに出来が良すぎて 本物が寄ってくるとか何とか
引き寄せの法則と言うのもありますし、作者は案外僕らの近くに居たりするのかもしれませんねえ」
挿音「ふーん。 引き寄せのなんちゃらだってのならこいつもマトモじゃねえんだろな
名前はよ？」
魄哉「本名では無いと思いますが
鳥山石燕 の名前で通っているようですねえ」
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庵「お客さん 人間ですか？」
客「ぶーっ！！」茶吹きっ
朱禅「Σこらこらこらこら！いきなり何だ！？」
庵「いやなんか 人間なんだけど人間ぽくないて言うか」うーん。
彬羽「仮にそう思っても本人に言うな！！気付かねえフリしてろ！」
白「あいつなんか嫌だな」
粋「ん？カラスか？」
白「違う違う んー。なんだろ
観察されてるみたいで嫌だな」すたすた
