【芝居小屋 楽屋】
粋「あーさむっ Σやっべ火鉢に茶瓶乗せとかねえと！
加湿加湿っ」どたばたっ
皐月「あんたもうマネージャーで良うないか？」
粋「Σ見習い！！
雑用完璧にこなさねえと一人前になれねえって言われてんだもんよ！！」
皐月(お宅の兄貴は見習いなんぞ全くやっとらんかったけどな。)お茶ずずー
がらっ
粋・皐月「ん？」
彬羽「つつじの奴は居るか！」くわっ
粋「Σうっおう！何事！？」
皐月「なんやあっきー。
ここガラの悪いのの溜り場やから来たくないん違ったん？」せんべいぼりぼり
彬羽「Σ自覚あるならボロボロ食べこぼすな！！」
粋「あー。俺がまとめて掃除するからいいんだよもう
んで、何だよ つつじなら講演中だぞー」
彬羽「ん？そうか。時間的にそりゃそうか」むう
皐月「いったいどないしたん？ 血相変えて」
彬羽「いや。これなんだが」がささっ
粋「ん？なんかのカタログ？」覗きこみっ
皐月「雛人形セットのカタログやな。」
粋「Σうっお！人形ってこんなすんの！？」ひいいっ
彬羽「値段はこの際置いておけ
おかしくないか？」
粋「何が？
値段以外におかしい所無「職人の手間暇考えたら妥当だ。」きっぱり
皐月「どう考えても一二三ちゃんのやろけど
幼児にこれはちょい贅沢ちゃうん「一生物だ当たり前だろ。」
粋・皐月(完っ全に娘命のパパと化してる。)うわあ
彬羽「Σ引くな！！」
皐月「んじゃ値段は隠そ。
んー 別におかしいとこ無いやん
てかちゃんとした職人が作っとんのならおかしかったらあかんやろ」
粋「そもそも雛人形とかわっかんねー」うーん。
彬羽「いや。こいつらは一体何だ？」指差しっ
粋「人数的に五人囃子じゃねえの？」
彬羽「誰だそいつらは」
皐月「マジか。」
粋「Σえ！何お前 五人囃子知らねえの！？物知りなのに！？」
彬羽「そもそも雛祭り自体興味が無かったが こんなの居た記憶もない
しかし 皐月の言うとおり熟練の職人がいらん物を入れるとも思えねえ」悩。
皐月「悩みすぎやろ。」
粋「すっげえ真面目に選んでんだな。パパ」
白「京のは他の地方と違うのか？」ひょこっ
粋「お。兄貴出番お疲れー
成る程。お前京生まれだっけ？」
彬羽「ずっと京育ちだ。
それでひょっとしたらと思ってな」
粋「成る程。 それならエセとは言えつつじに聞くのが早えかもな」ふむ
皐月「いや。私は？」
彬羽「お前に雛人形が解るのか？」真顔
皐月「解らん」きっぱり。
粋「まあ聞くだけ無駄だよな」
白「で、バカラス
他に気になる所は？」カタログがささっ
彬羽「いや。この店は細工も確かだ
他は全く問題ない」
白「俺的にはこれがいいと思う
値段が何なら出すぞ」きらーん。
皐月「こいつもほんま一二三ちゃん猫可愛がりやな」
粋「こういう時は意気投合すんだよなあ。」
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つつじ「あーこれなあ
そりゃ彬羽はんびびるかもなあ」
皐月「ん？やっぱ京独特のもんなん？」
つつじ「京の久家さん貴族はん特有のやな。そっちでは武を現す五人囃子は入れへんのどす
雅なもん重視って事やなあ」
粋「へー。地方で違うのか」ほうほう
つつじ「んでな。一般的なのは階段みたいなのに人形並べるけどなあ 京のは御所をイメージした御殿みたいな台に乗せんのが特徴なんどす
彬羽はんボン育ちやから 庶民系の見たこと無くてもしゃーないわなあ」
皐月「へー。全く知らんかったわ」
彬羽「つまり間違ってないって事か。」
つつじ「どすな。
こちらのんは 御殿ぽい台で五人囃子やからほんのり京風で一般的なセットやな」
彬羽「これにするか」ふむ。
白「だな。派手だし」うんうん
粋(Σ一番たっけえの！！)ひいいっ
つつじ「お宅のお兄はん 売れっ子やのに食いもんしか買わんからな」
皐月「そりゃ貯まるわ」納得。
つつじ「で、彬羽はんちょいと」手招きっ
彬羽「ん？なんだ？」
つつじ「壊れにくくてとにかく頑丈でそれでもってええ感じの雛人形１セット見繕ってくれへんやろか？
わて人形なんて何がええんか解らんっ」ひそひそ
彬羽「待て。まさかあのせんべい女のか」
つつじ「雛祭り言うたら女の子らしいなってな！てお祭りやろ！」
皐月「丸聞こえやぞ おかっぱ」
つつじ「Σひいっ！」びくううっ
白「雛人形って幼なじみが買うもんか？」
粋「いやもう 相っ当辛いんじゃね？」うーん。
彬羽「雛人形も荷が重いだろこんなの。」きっぱり
皐月「こんなのってなんや 失礼やな」ぷんすか。
白「おーい。 生きてるか？」
つつじ「うう。役者の顔面に右ストレート」しくしく。
