小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月14日

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【芝居小屋 楽屋】




家康「ぶえっくしゅ!!

いやー 今朝寒かったよねー」ずびっ

皐月「なんで当たり前みたいに楽屋おんねん」



家康「ここだと狭いから火鉢一個で暖まるし
湿度も気を配ってるから快適だし
茶菓子食べ放題だし、片付けしなくても蹴っ飛ばれないし」きりっ


つつじ「ぶぶ漬けどないどすか?」





家康「・・エセとは言え京都弁で言われるとやっぱ怖いね」うわあ

つつじ「エセ言うな
一応京に住んどったわ!」

皐月「ちょろっとやけどな」

家康「彬羽が言ってたよ
実際の京もんはどすえとか言わないって
京とは言っても一般人は普通の関西人らしいね」

つつじ「Σう! 生粋の京生まれの余裕っ」




粋「つーか。あいつ思いっきり標準語だよな
関西弁っぽいのすら使ってる所見た事ねえわ

ほら兄貴裾あげ終わっ Σなんで睨む!?」


皐月「弟に八つ当たりせんと 背伸ばしたらええやん」

白「八つ当たりしてない
眠いだけだ」ふんっ

家康「何この子供。」



つつじ「彬羽はんはあれ 言葉は標準語やけどな。イントネーションはたまに関西寄りやで? 」

粋「そうか? 全く解んねーわ」

皐月「あーまあ そうやなあ。
関西人やったら解るかもしれへんわ」



家康「ねえ。前から気になってたけど
二人ともあんまり京都ぽくないよね?
実際の生まれはどこなの?」




皐月「赤穂。」きっぱり

つつじ「Σ皐月はん!それ内緒やて!!イメージ!イメージがああっ!!」ひいいっ


家康「あー・・。 納得」うんうん。

粋「確か日本一言葉がえげつない所 だっけ?」うわあ

つつじ「Σえげつなあない!! 単に他所もんには馴染みが無いだけどす!!」

皐月「赤穂言うても広いけどな
有名なん言うたら『ぼけカス●ねハゲ』は挨拶や」

家康・粋「Σ思ったより凄かった!!」ひいいっ




つつじ「うう。イメージが大事な商売やのに。」

白「出身とかどうでも良くないか?」

つつじ「いやこういうのも わてらの場合ホンマ大事やで?」


家康「あれ?そういやお前達 出身は確か。」




白「東北。」

粋「村八分されてたからあんま交流無かったんだけど
すんげーなまってて 村の奴等何言ってるか解らなかったんだよなあ
ほら一二三の訛りを強力にしたような奴」


白「冬場雪が普通に背丈越えてたし

あれ? 東北のどこだっけ?」

粋「さあ? 詳しい場所覚えてねえわ」





皐月「言葉うつらんで良かったな。いわゆるズーズー弁やろ?」

家康「それはそれで面白いと思うけどね」うんうん。




つつじ「あの、なんか しょーもない事言ってごっつ申し訳無いんやけど。」

白・粋「へ?」

つつじ「いや、あんさんら
明らかに生きてるだけで過酷やったんやん」


皐月「まあ、関西は温暖やからなあ」

家康(そんな所で親無しになって どうやって生きてたんだろ)うーん。






白「雪多いけど食べ物は結構あったぞ?
熊は意外といける。」

つつじ「Σ食うたんかい!」ひいいっ


皐月「成る程。 こんなんに育ったんは雪国生まれのせいか。」

家康「地域の生態系の頂点に立ってたんだねえ」納得。




粋「あれ? あんま当時の記憶が無い」 はっ

白「そりゃ三歳そこらで行方不明なってたし
どうやって生きてたんだ」

皐月「よく生きとったな」









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