小咄

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くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

1月24日

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【芝居小屋 楽屋】



庵「ちわーす。出前お待ちっ」


つつじ「Σなんや 出前庵はんの仕事なん!?」

庵「今日彬羽が休みだからしゃーないしゃーない
あー重かった どんだけ食べんの」

皐月「うわー なんかごめんな
そか。後の二人が出てもうたら店営業出来へんなあ」ふむ。




粋「いっそお前も厨房出来るようになるとか?」

庵「一朝一夕で板前になんかなれるか。」きっぱり




つつじ「そう考えると朱禅はん凄いんやなあ
菜切り包丁振り回してるイメージしか無いんやけど」

皐月「ほぼナマハゲやな。」




庵「飲食やってるからにゃ体力的にキツいのはしゃーない
下手に筋トレしてるより効くかもよ?」

粋「あー確かに飲食系のバイトは辛かった」うんうん。

皐月「やった事あるんかい」

粋「そりゃアルバイトで生計立ててたもんよ」

つつじ「そいや。謎に子守りバイトとかしとったよなあ」


庵・皐月(ゴリッゴリのヤンキー時代に子守りバイト・・)




庵「まあいいけどね。

体力勝負でも何でも
名前からして男名だし」

皐月「開き直っとるなあ」


庵「いやーだってさ


跡取り欲しかったけど 生まれたの女だった
よし!それじゃオ●カルみたいに育てよう!って普通なる?」


粋「Σお前の名前ってそういう経緯でそれ!?」

庵「うん。
でも 父上があれ?やっぱ娘でいいんじゃね?ってなったんだけど
そん時既に遅し 私は既にわんぱくに育っちゃってたと言う。」


皐月「三つ子の魂百まで言うからなあ」納得。

庵「うんうん。そこからはちゃんと女として育てられたけど
もうね。遅い遅い」

つつじ「成る程 お嬢やのに偉い豪快な理由解った気がするわ」うわあ。

庵「そういう事。
だから体力勝負の仕事ってのもそんなに苦にはならないかな」





粋「いや、本来接客だろお前」

庵「これでも充分愛想振り撒いてます。」



皐月「いおりんはそれでいいんやで
巷ではひなと並んでちゃーんと看板娘と言われとるわ」

庵「Σうっそ!!」ひいいっ




皐月「うん。
二人して圧力観音と阿修羅小町とかって呼ばれとるで」

庵「うっわあ。微塵も嬉しくない」



つつじ「言い得て妙やなあ。」苦笑。

粋「てかそれ 誉められてんのか?」うーん。


庵「うん 深く考えないでおこう

じゃあ 後で器下げに来るから適当に重ねといて」


つつじ「はいな
お疲れさんどす

Σあ その辺大道具はんが木材立て掛けとるから気を付けて」




粋「Σぎゃああ!つまずいたっ!!」

がしゃーん!がらがらがらっ

つつじ「Σこらああ!言ってる横で!」




庵「Σうりゃあ!!」

ばきっ

皐月「あ。逞しいわホント」





庵「木でも頭とか当たったら危ないから気を付けて」きりっ

粋「助かったけど お前はどこのイケメンだよ。」





庵「そんじゃ夕方取りに来まーす まいどー」すたすた




皐月「良かったなあ。いつものパターンなら生埋めコースやったで」

粋「だよなー。 ここ狭いのに物多いんだもんなあ」

つつじ「いや。あんさんはもうちょい周りに気を配りい

ん?」





白「帰ったか。」こそっ

粋「Σ兄上 頭になんかぶっ刺さってんすけど!!」


白「やっと休憩でホッとして気が緩んでた。」




皐月「さっきいおりんが叩き割った木材の破片かこれ。」うわあ

白「ひっこ抜いたら血吹き出すよな?」うーん。



つつじ「えーと。手拭いと 血止めどこやっ」がたごとっ





白「やっぱあいつ怖い」むう。

粋「Σ今年のおみくじの『女に気を付けろ』ってこれか!!」はっ






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