飛天「へい らっしゃい！今年も残るは一ヶ月 師走っ師走だよー
師走と言えば大晦日っ
年越しのお供 年越蕎麦の予約はお早めにー！」
粋「いや何してんだよ お頭」
飛天「へいらっしゃ Σあ。」
白「法被まで着て本格的だな」
飛天「いやその お世話になってるんでちょっと手伝いを」しどろもどろっ
粋「お世話？ ひょっとしてお前」
白「見合いが嫌で家出中か。」
飛天「Σいいい家出じゃなくて！
ちょっと匿って貰ってるだけだって！！ 」
粋「お前なあ 年末にお頭が留守してちゃ不味いだろ」
飛天「いや大丈夫。
俺らの里 年末にやる事なんて大掃除と正月に向けての餅つきくらいだし」
白「緩いな カラス天狗の里。」
飛天・粋(Σこいつに言われた！！)
白「で、世話になってるって 春一にか？」
飛天「そうそう。
毎度お前らの所転がり込むのもアレだし、ここはローテーション組んでと思って」
粋「どんだけ逃げてんだよ」
飛天「そんだけ見合いしろと煩いんだよっ！！」
白「ん？あの店 人泊めるスペースなんてあったっけ？」
飛天「客がはけた後 座敷に布団敷かして貰ってる」
粋「いっそどっかに宿とれよ」
飛天「んー。宿って言ってもなあ
彬羽の奴と違って人里慣れてないし うっかり烏羽出しちゃったら不味いだろ？」
粋「Σう。確かに」
飛天「だからその辺融通効くとこじゃないと
Σあ。ちょい待て子供コケた
あーあ ちゃんと足下見て歩かねえと
消毒するからちょっとしみるぞー」 マイ薬箱ごとん。
白「人里 馴染みまくってるよな？」
飛天「なんか近所じゃ『町の薬屋さん』とか呼ばれてるらしい。」
粋「ちょっと待て。 いつから厄介になってんだ」
飛天「んー まあ結構前から薬の行商人って事にして遊びに来てたからなあ」ごりごり
白「なんでおもむろにすり鉢だ？」
飛天「この時期忘年会やらで胃腸痛め付けるだろ？
割烹内で 二日酔いと整腸剤の販売もやってる
道端でやるのは客寄せパフォーマンスな」ごりごり
粋「合理的なんだけど なんかこう」うーん。
白「食べたら薬いるような店とも取られそうだな。」うん
飛天「ところが これが結構売れてる
こっそり薬購入出来るって事で予約もガッポガッポだってよ」ふふんっ
粋「世間のおやっさん達 どんだけ苦しんで忘年会出てんだよ」
白「他人事じゃないぞ
俺らはたまーにだけど役者って宴会の席呼ばれるからな」
粋「Σげ。マジか」
白「別に媚売らなくてもいいけどな
泡盛イッキいけるくらいになっとかないと体持たないぞ」
粋「いや。そんなんやるの兄上くらいっす。」
飛天「つか やったんだな。お前」
白「ザルで良かった」どや。
飛天「アレは目指さなくて良いけど頑張れよー
二日酔いには水分な。
急性アル中になったら任せとけ」ごりごり
粋「Σ任せたくねえし不吉な事言うな！！」
飛天「で、 役者ブラザーズは休みか？」
粋(Σスルー？)
白「いや昼食べに。
師走にそんな休めるとか思ってない」
粋「えーまあいいか
その、弁当とっても良いんだけどよ
つつじの奴が完全にワーカーホリック全開でピリピリしてるから楽屋きっついんだよ」
飛天「なるほど。お前らも逃げて来たのか。」
粋「いや、一緒にすんな」
白「お前正月までには戻らないとさすがにダメだぞ。」
庵「あ。なんか話し声がすると思ったら」のれんめくりっ
粋「ちーっす。いつものたぬき２つで。」
庵「はいはーい。
・・足りるの？」ちらっ
白「うどんはオヤツだ。」きっぱり
庵「はいよ。 んじゃ他のオーダー決まったら順次よろしく まいどー」
飛天「すっげえ会話。」
ひな「飛天さんも中入ってください 天気悪くなりそうですよー」
飛天「あ。確かに
これ今日の蕎麦の予約リストな」がささっ
庵「Σおお！すごっ」
粋「ん？こいつひょっとして商売上手いの？」
庵「上手いかは解らないけど
話題性？」
粋「へ？」
ひな「この辺の名物と化してる彬羽さんと瓜二つでめっちゃ気さくなので 地元の人達が面白がって見に来るんですよ
そしてついでに予約も貰えて万々歳です」ほくほく。
白「あいつ 名物だったのか」
ひな「目立ちますからねえ」
粋「あーうん。 でけえし声でけぇし」納得。
ひな「言うなれば うちの店の看板マスコットキャラですかね」
彬羽「Σおいやめろ。本っ気でやめろ！！」
ひな「あら 休憩終わりですか？
飛天さんと合わせてダブルマスコット 助かってるんですよ？」
彬羽「Σ勝手に変なコンビ組ませるな！！」
朱禅「眼光で人〆れそうなマスコットかよ」うーん。
庵「確かに並べたら おもろいっちゃあオモロイ」うんうん。
