小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月14日

 

 

 

【幕府公営診療所 前】

 

蝉みーんみんみんみーん。

 


テオドール「日本の夏で御座いますねえ」げんなりっ

 

粋「蝉ってさ。ただでさえ暑苦しい所に トドメさしてくる感すっげえよな」どんよりっ

テオドール「あー
よりによって真夏に強化合宿してるラガーマンの集団に囲まれてる的な「解るけど解りたくねえ嫌だその例え」

 

 


飛天「よっしゃ終わった!
あー 疲れた疲れた」ぼろっ。

白「・・・。」むすーっ


粋「おうお疲れ
兄貴 今回は暴れてな
白「皆滅べ。」けっ


テオドール「申し訳御座いません
毎度真夏私の血液アンプルの為に」ううっ。


飛天「はい。破壊神がそう言う事言わない
お前が言うと洒落にならないだろ」ほんとにもー。

粋(何が凄いって 破壊神ここまでビビらせた上できっちり採血こなせるお前が凄えよ。)冷や汗っ

 

 


飛天「て事で今回の分
夏場は劣化が早いから冷暗所で保存して 早めに飲み切る、または古くなった物は破棄する事。
勿体ないから少しくらい古くても。とかしてたら腹壊すぞー」血液アンプルほいっ

 

 

白「ん?て事は またすぐ此処に来なきゃいけないのか?」はっ

粋「Σうおおバレた!騙して連れてくるの困難になる!!」ひいっ

 

 


常連の爺ちゃん「なんじゃ。近頃の若い物は医者が怖いのか」ほー。

常連の婆ちゃん「まるで犬猫だねえ

はいはい暑い中お疲れさん
飴ちゃんあげようかねえ」よしよーし。


白「Σ!?」びくっ

 

粋「あ。凄い
荒ぶってた兄貴が餌付けされてる」おおっ

 


テオドール「こっちも餌付けされておりますよ」


常連の婆ちゃんB「先生お疲れさん
ほれ菓子持ってきたよ お食べお食べ」

常連のおばちゃん「いつもお世話になってますー。
あ、お野菜持って来たんですが」よっこらしょっ

常連の姉さん「あのー。お昼作ってきたんですがー」おずおずっ

飛天「Σおおっ毎度毎度 皆の優しさに生かされてるっ」じーん。

 


粋「さりげにモテてんのに飯しか目にねえのさすが。」わおー。

 

 

 


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【割烹 春一】

 

 


飛天「そんなこんなで 患者やその家族から差し入れ貰えてるから生きていけてる
的な所は有るんだけど

最近 身に覚えの無い差し入れが気がついたら診療所内に置いて有るんだよなあ」うーん。

 


彬羽「食中毒になるから捨てろ。」真顔。


飛天「Σえー!食べ物捨てるとか勿体ないオバケ出るだろ!」

彬羽「Σ馬鹿野郎!
覚えが無いって事はこの猛暑の中 いつから置いてるか解らんって事だろが!!
医者の癖に食中毒なめてんのか!!」

飛天「Σううっ!」

 


粋「どう考えても論点そこじゃねえよな?」

 

白「なんだ。ストーカーか?」

九尾「嫌じゃわ怖いのう
はい。だーりん 長崎まで行って手に入れて参った かすたーどぷてぃんぐじゃ はい。あーん」ほほほっ

 

朱禅「筋金入りのストーカーが何か言ってんぞ。」おい

 

テオドール「プリンでしたら こちらに出来立てあちちの焼きプリンが御座いますので お狐様はお気になさらず」ぜーぜーっ

 


九尾「Σんなっ! この短時間で作って来たのかえ!?」

テオドール「貴女の事で御座いますから何か仕込んでおられるのでしょう!
幸い私の得意分野 全力阻止させて頂きます!!」びしっ!

 

庵「うん。店内でプリン持ってポーズ付けないで狭いから。」

 

 

 

飛天「そもそもお宅の主様
ほとんどの薬効かないけどな。」

テオドール「Σあっ」はっ!

粋「うん。汗だくで頑張ったかも知れないけどな

飲食店で暴れない暴れない」どうどうっ

 

 

庵「はい。飲食店なんで動物アウトー」よっこらしょっ

九尾「Σうわ貴様此処ぞとばかりに! こら外は暑いのじゃ やめろ大人しくするから Σあーー!!」


入り口ぴしゃん!

ひな「はい。」狐封じのお札ぺたりっ。

 

九尾「Σ閉め出されたああ!」こーん!!


朱禅「飲食店で異物混入はアウト。」はーやれやれっ

 

 

白「で?
なんだ その差し入れっての

付きまとわれて困ってるのか?」


飛天「今のスルーってどんだけ慣れてんの?
いや、それがさ

まあ見てくれよ」重箱ごとんっ

 


粋「お? 高そうな重箱」おおっ

テオドール「? ちょっと塗装とか古く御座いませんか?」おや。

 


飛天「いや。中身も普通に古いの」蓋かぽっ


カビびっしり。

粋「Σ中身ほとんど腐海じゃねえか!!」ひえええっ

 

 

 

ひな「飲食店なんですが?」ゴゴゴゴゴッ

彬羽「Σ勿体ないとかってレベルか!!捨てろ!今すぐ捨てろ!!」


粋「Σカラス冷や汗凄 「一刻も早く捨てろ滅されるぞ!!」くわっ!


飛天「Σえっあの
すんません」蓋かぽっ!
ひな「胞子が散る」

 


彬羽「で。つまりは嫌がらせか?
手前今度は何をやらかしたんだ。」重箱ぐるぐる巻きっ

飛天「うーん。 多少治療が痛いとかは言われるけど

ミスはして無いし、結果的に最善になる様にはしてるけど」はて?


白「お前のそれ 多少じゃなくてめちゃめちゃ痛いからな?」むすっ

 

 

テオドール「医療関係は難しいかもしれませんね」ふむ。

粋「だなあ。
プロから診たら これが最善!でも
素人から見たら なんでこんな痛い事すんの?だったりするし」

飛天「そう言うもん?」えー。


彬羽「お前は少しコイツの話をまともに聞いてやれ。」

白「ホントにホントに痛いからなお前。」

飛天「いや、動物はどうやっても医者嫌いな物だし」しれっ。

 


庵「ごめん。
知り合いだから何か嫌で極力行かないけど

私でもかなり怖いし毎度荒い」真顔。

飛天「Σマジでか!!」がーん!

 

 


白「・・・。」

粋「うん。 物凄く色々言いたいのは解るから」どうどうっ


テオドール「とりあえずは食後のプリンをどうぞ」ぷるるんっ

 

 


彬羽「よし。機嫌が直ったんで本題行くぞ。

で、送り主に心当たりは無い
そしてカビ倒した古い重箱
そしてだ。」蓋に指つっ。

庵「ん?何黄金の人差し指してるの?」

 


ひな「ホコリ」ぼそっ。

一同「Σ!」びくっ

 

彬羽「そ、その何だ

普通に考えて 人に渡す物にこれだけホコリが被ってるてのも妙と言うか
どんな環境に放置してたらこれだけホコリをかぶり そのまま被せて持ってこようとなるってんだ? 」冷や汗っ

粋「言いたい事は何となく解るけど
カラス 後ろ見ねえ様に必死だな」うわあ。

 


飛天「・・ん?
確かに言われて見れば

手の跡つくくらいのホコリって 変か。」ふむ。

白「おかしい所だらけでもうわけ解らないな」プリンもぐもぐっ


飛天「あ、いや 俺の家
診療所ゾーン以外は基本汚いから ホコリくらい気にしな

一同「掃除しろ。」

 

 

 

九尾「おかしいも何も
こりゃ呪詛の匂いがするのう」くんくんっ

庵「Σげ。変態狐! どうやって!?」ぎょっ

九尾「甘いわ小娘共。
直射日光で干し肉になるわ思ったんで 普通に裏口から侵入して手洗い水たらふく飲んでやったわ」けけけっ

ひな「微塵も悔しくないんですけど。」きっぱり。

 

 


飛天「呪詛って

えー 俺そんな嫌われてんの?」うええっ

九尾「なんか微妙に余裕有るな御主。
さすがはカラス一族の若様と言うた所か


まあ良い。この店座敷があったのう?
ちょいそこ貸せ」こんっ

 


朱禅「いや動物上げるのはちょっと」
九尾「Σ寄生虫なんぞおらんわ失礼な!!ちゃんと人の姿しとろうが!ほら手洗った 文句有るまい!」じゃぶじゃぶっ

 

白「なんだ九尾?
お前 呪い解いたり出来るのか?」へー。

九尾「晴明程ではないが 狐は小細工するものじゃからのう

ほほほっ わちのお手並みしかとご覧あれじゃ」

 


彬羽「任せて大丈夫なのか?」怪訝っ

粋「んー、 まあ兄貴の前だし変な事はしないと思うけど」

 

テオドール「その我が主に 一服盛ろうとすると言う奇行に及ぼうとしておりましたが?」

 

 

九尾「大丈夫じゃて。失礼な奴等よのー
わちを誰だと あ、雀」こんっ

庵「Σ手洗った後で狩るなこら!!」ああもうっ!

 

 

飛天「ちょっと患者の気持ちが解った気がする」ふっ。

白「だろ。」な?

 

 

 

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九尾「で、これをこうしてじゃ」ちょいちょいっ


飛天「あのー

このまんま着ろって言われたけど この着物裏返しじゃ?」

九尾「それで良いのじゃ
ちゃんと襟も身ごろを逆にしたかの?」

飛天「したけど。これじゃまるで死人じゃ?」はて。

 


九尾「そうじゃよ。
御主 これから死ぬのじゃ」こんっ

飛天「Σへ!?」

 

九尾「正確には死人と変わらぬ状態になると言うか

よし。手っ取り早く冥土に送るので 今すぐ寝ろ」こんっ

飛天「あのごめん。 意味が解らな「良いから寝ろ 話が進まん。」

 

 


飛天「あのー 出来たらもう少し説明を


Σだあっ!?」

聖書のカドアタックがすんっ!!

 


テオドール「こんな感じでよろしゅう御座いますか?」

飛天「」きゅうっ。

 

九尾「おっけーじゃ。」よしゃっ

粋「Σおっけーなの!?」ひええっ

 

 

九尾「さて、そして枕元にこの腐った重箱をと。」どっこらせっ

彬羽「おい そんなの置いたら普通に悪夢を見るんじゃないのか?」


九尾「それでええんじゃ。

こうして死人の姿を真似、死人の持ち物を枕元に置くとな
持ち主と会話が出来るのじゃよ」こんっ

粋「Σえ。て事は!!」

 

九尾「うむ。 
死者からの 礼の品じゃコレ

ただ、死人が食える物を作るのはムズいでの。
ちいと霊障起こって食い物腐ってもうたんじゃのー」かかかっ

粋「Σそう言う物なの!?」ひええっ

 

白「じゃあ ホコリは何だったんだ?」あれっ

九尾「重箱は普通に霊の生前の家にあったんでないかえ?
持ち主おらんかったらそらホコリ被るわ」

 

朱禅「色んな意味でこっえええ。」うわー。

 

 

 

ひな「じゃあ、この重箱の持ち主さん
生前きっと飛天さんの患者さんだったんですね。

そして あまりに生活能力無い人なんで 見かねて死後に無理な恩返しを」ホロリっ

 

庵「言い方が何だけど

うん。何だかんだ良い医者なんだね」しみじみっ

 

 

 

がばっ!!

 

一同「Σうわっ」びくっ

 

 


粋「お。起きた?
どしたよ 顔色悪いけど」

飛天「いや あのー


ごめん後 祓っといて!」だっ!

粋「Σいやどういう事!?」えええっ

 

 


彬羽「Σえ。おい何があっ

Σはっ!!」背筋ぞわっ!

 

 

 


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晴明「で、結局ストーカーの霊じゃったと。」あーあ。

九尾「女は複雑なのじゃ
やっぱ面倒なのはお前に任せるわ」あくびくはっ

 

 


飛天「名前も顔もしらない
もちろん元患者でも何でも無かったんだよ」ふっ。

 

座敷わらし「それは怖い。」うわ

テオドール「お医者は女性人気偉い高いそうに御座いますからねえ」なるほどっ

 


粋(モテても決して幸せじゃねえんだなあ)ああうん。

 

 

 

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