小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

7月15日

 

 


【芝居小屋】

 


粋「お? 表何の騒ぎ?」

テオドール「なにやら皆さん血相を変えて
ん? あー また押し込みに御座いますかね」ありゃ

 

 

つつじ「ご近所で強盗起きとんのにこのノリ言うんもおそろしわ。」苦笑

皐月「この町じゃ日常茶飯事やからな」きっぱり。

 

 

粋「お ー役人わらわら走ってってら。こりゃ大事だな」 窓から身乗り出しっ

つつじ「野次馬するんやおへん。行儀が悪うおますえ」よっこらせっと


テオドール「おや? お手伝いするので御座いますか?お珍しい。」

つつじ「今日は本番あらへんからなあ。
新作の打ち合わせと衣装や何やの合わせ

ほれ。職場で寝んな」頭べしっ

白「痛い。」むくりっ

 

 

つつじ「頭起きたら手伝ってやー。

ほな。ちょい行ってくるわ うわ外あつー」のれんくぐりっ

 


テオドール「へー。あまり人助けするタイプとは思っておりませんでしたが」ほう。

粋「いや表に出せねえだけで あいつ結構人情派だって。
まあ、巻き込まれたりは好きじゃねえみたいだけど」

 

 

 

皐月「それに何より 活躍してもろたらうちの宣伝になるしな」ふっ。

 

テオドール「・・常に皐月さんと御一緒だから そう言うイメージがついたのかも御座いませんねえ」ああうん。

皐月「人を冷たい女みたいに言わんでくれる?」


粋「皐月が居なきゃ 今こうして店の経営とか出来ちゃいないんだろけど。

うん。解っちゃいるんだけどさ」複雑っ

 


彬羽「おい。出前持ってきたんだが
なんだあの騒ぎは。」おかもちどすんっ

皐月「また偉い量やな」わお。

 

テオドール「押し込みの様に御座います

でもって今つつじさんが役人さんのお手伝いに」

彬羽「Σえ」

粋「ん?何か問題有る?」あれっ

 


白「つつじって元アサシンだろ?
相手の首飛ばして黙らせるのは出来るけど
普通に死なない程度に取り押さえるとか出来るのかな?」目ごしごしっ。

粋「Σあ」はっ!

 


彬羽「押し込みって事は人質が居るだろ そっちも気になるが
犯人は生きたまま捕縛して、お上が裁くのが基本。 

更に何より

刀持って昔の感覚で暴れたら 明らかに常連客もドン引く事になるだろうな」

 

テオドール「現世に血の池地獄が。」ぼそっ

皐月「良し。ちょい捕獲頼むわ」あちゃー

 

 

 


ーーーーーーーーー

 

 

 

つつじ「それがなあ。

斬り込むにも 偉い籠城してはってなあ」うーん。

 

押し込み犯「Σ役人は帰れー!!
差し入れは受け付けん!何が入ってるか解らん ここの奴等に飯炊きさせる!!」うおおおっ

 

 

テオドール「これはまた。
立てこもる気満々に御座いますね」うわ。

つつじ「まあ何やったら 隣の屋根づたいに瓦でも剥がして屋根裏から侵入して
ちゃちゃっと頸動脈を
粋「生きたまんま確保しねえとダメだっての。」


つつじ「わてかて殺生は好みませんえ?
ただ 人質はん等の命と心身が心配でなあ」むう。

 


彬羽「そこは役人共も考えてるだろ
万一突入となった際に手伝うのは構わんが 今はやめとけ。」

つつじ「あれ? 彬羽はん
お仕事ええんどすか?」

彬羽「お前の所の守銭奴と同じ事を こっちの守銭奴に言われてな」はーやれやれっ

 

テオドール「ひなさんに御座いますか」察し。

粋「あの姉ちゃん 癒し系なのは見た目だけだよな ホント。」ああうん。

 

 

石燕「おんや。何の騒ぎかと思ったら」

粋「お。石燕
昼間出歩くの珍しい」

 

石燕「夜は画材屋空いてないもんで。

しかし押し込みっすか。多いっすねー
あ、情報いりやす?」ぺらりっ。

粋「ん?なにこれ」

石燕「そこで配ってた瓦版っす。
なんでも犯人はそこの大店の坊っちゃん

将来の夢を親御さんに拒否られてキレてやらかしたみたいっす。」

彬羽「またはた迷惑な」怪訝っ。

 


テオドール「ブン屋さん なんで役人さん方より情報収集早いので御座いますか。」ええー。

石燕「あそこの版元の奥さん めちゃ噂好きなんすよ
いわゆる井戸端会議ネタっす」

粋「Σ主婦こっわ!!」ひえっ

 

 


つつじ「夢なあ。

商業柄 否定できへんわ」苦笑。

 

粋「でもよ 押し込みはダメだろ
それやったら自分が一番自分の夢を踏みにじってる事になんねえ?」真顔っ

テオドール「また ピュアっピュアな台詞を」ふっ。

粋「Σピュアっピュア!?」

 


石燕「ま、青春って奴っすよ。
人によっちゃ盗んだ屋台で走り出すし 寺子屋の雨戸割って逃げたり激しい物っす

かく言うあっしも実家から出て 浮世絵師になったんすから

 


・・誰も追っちゃきやせんでしがね。」ふっ

粋「今お前が家出したら 俺が本気で探して出してやるから」どうどうっ。

 

テオドール(迷わずこの台詞が出るのは ちょい羨ましゅう御座いますね。
ピュアピュア野郎) ふむ。

 

 

 

石燕「まあ そんなこんなで昔のあっしを見てる気分っすね・・・


ちょいそこのアンタ!
今そんな一時のテンションに身を任せてやらかしてたら 後で後悔するっすよー!! 夢追うどころじゃねえっす!
ちょい頭冷やしてお話しやしょーっ!!」ずかずかっ

役人「Σちょ そこの町人!何してんだ!!」

 

 

彬羽「Σこら待て石燕戻れこらっ!!」

つつじ「Σアカン! ぼっち過去思い出しからの暖かい言葉で 1人じゃないよモードに入ってもうてはる!!」ひいっ


役人B「Σこらそこ! お前らもそれ以上入るな人質がいるんだぞ!!」

彬羽・つつじ「Σう」

 

粋「Σえ?え?俺のせい!?

石燕 戻ってこーい!!」うわああっ

 

 

 

間。

 

 

 

 

石燕「血は水より濃いとか笑わせんなって話っすよ!

寄んな寄んな自分以外の人間は敵っすーーっ!!!」


具現化魑魅魍魎うぞうぞっ

役人「Σうおおおなんじゃこりゃあああっ!!」ひええっ


押し込み犯(Σ味方出来たけど 何これ何これ!!)あたふたっ

 

 

粋「Σなんでそうなったああ!!!」ああもうっ

 

 


テオドール「おそらく犯人の境遇が似てらしたのかと。
石燕さんも大店の息子 ただし三男坊で冷飯食いだった様に御座いますし。」あーあ。

 

つつじ「アンタ等の信頼偉いモロ無いか?」引。

彬羽「一時のテンションに身を任せてんだろうな」頭痛っ

 


粋「どどどどうしよっ!?
どうにかして 石燕の頭冷やさせねえと!!」おろおろっ


つつじ「冷えるやろか?」刀ちゃきっ

粋「Σお前はやめて!
峰打ちでも命に関わるから!!」ひええっ

つつじ「しっかしなあ。
頭冷やすて気絶させる以外にどうしますのん

後はシロはんでも連れて来て あのへんまとめて氷漬けパキーンとか
粋「Σ人質が居んだってば!!」

 

 


テオドール「で、何を企んでおられます?」


彬羽「何の事だ?」

テオドール「いえ。びっくりするくらい 我が主が来られませんので

何ぞ仕掛けておられるのかと。」

 

彬羽「・・あのアホなら二度寝でもしてるんじゃないのか?
何処ぞの隙間でな。」目そらしっ


テオドール「隙間?」ん?

 

 

皐月「はいはい退いてやー
役人さん等お疲れさーん。」のたのたっ

 

役人「Σあ、こらそこの娘っ!!」

 

皐月「ほれ、立てこもりの兄ちゃん等
こんの暑いのにぎゃーぎゃー喚いてノド乾くやろ。

ほれ 其処らの店から差し入れや。」

 

押し込み犯「Σだから差し入れは要らんと

皐月「アンタは良くてもこっちは人質が心配やねん

毒や思うんならまず人質に食わせたらええ ほら此処置いとくで」

おかもちどっこらせっ。

 

 


石燕「確認はもうちょい離れてからにするっす
あの、皐月さんは ちっさくてもかなり狂暴なんで」しーっ

 


皐月「聞こえとるし なんでそっち側におんねん 
ああ?モヤシ。」イラッ

粋・つつじ「まあまあまあまあ」どうどうっ

 

 

皐月「ちっ。 あっきー勝手におかもち借りたで」舌打ちっ

彬羽「アレを軽々運ぶお前も大概だな」

粋「あ。アレ さっきカラスが持ってきた出前のか。
確かにおかもちにしてはでかくて重そうだよなあ」

 


テオドール「・・ん?
あの彬羽さん。


ひょっとして おかもち開けたまんま 置いてこられました?」

彬羽「慌ててたんで忘れたな」しれっ

粋「へ?」

 

 

つつじ「あの、皐月はん?
飲食店からって あの中身って何ですのん?」

皐月「えー?何やろなあ
中身わざわざ確認してないわ 」けけけっ

 

粋「おい。まさかっ」冷や汗っ

 

 

どむっ!!

 

役人A「Σうおお何だ何だ!!屋根から火があああ!!!」

役人B「Σ爆薬か!? 押し込み強盗の奴 まさか爆薬を!?」ひええっ

 

 

つつじ「絶対中に白はん入っとったやろ あれ。」うわ


彬羽「そう言えば 隙間があると入りたがる奴だったか」ほー。

皐月「あー知らんかったわ。
不幸な事故やなあ」

 

 

つつじ「ほとんど猛獣捕獲して兵器にするノリどすな。」

皐月「事故や事故。
やから私等怒られる事ないもん」きっぱり。

 

 


粋「Σいやちょ!人質人質っ!!」あわあわっ


テオドール「大丈夫で御座いますよ
我が主は燃やして良い物と 燃やしちゃダメな物の見分けくらいつきます故。」

 

 


石燕「Σああっ しまった!!

コレ燃えたら具現化があっ!」ひいっ

紙めらめらっ


役人A「よく解らんが化物が消えたぞ!
今だ突撃ーーっ!!」わらわらわらわらわらっ

 


石燕・押し込み犯「Σわーっ!!!」ひええっ

 

 

 


つつじ「で、石燕はん どないしますのん?
このまんま牢屋どすか?」


彬羽「いや、ある程度絞られた後で 身元引受人に引き渡されるだろ」

皐月「要するに 国家権力の横暴すんねんな」ああうん。

 

 

 


白「なあなあ、こいつ

将来の夢は役者らしいんだけど」ずーるずるっ。

押し込み犯「ここまでしたらさすがに親子の縁切られるしっ」ぐすぐすっ

彬羽「Σ犯人持って来るな!!」びくっ

 

 

皐月「待てこら。うちで面倒見んの?」えー。

白「煽ったの石燕だし
燃やして事大きくしたの俺だし」

 

つつじ「ま、とりあえず

二人まとめて牢屋で頭冷やしや
話しはそれからや」しっしっ。

 

 

 

 

石燕「Σあああすんませんした!!

粋さんヘルプ!」お縄ぐるぐるっ

 

粋「自分以外は全部敵なんだろ」けっ。

石燕「Σ拗ねられた!!」がーん。

 


テオドール「ピュアっピュアな人と言うのは 無駄に繊細に御座いますからねえ」あーあ。

 

 

 

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