小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

3月27日

 

 

 

【芝居小屋(本日休業日)】

 


皐月「うわ。子ネズミかかっとる
コイツ等か うちの備品齧ったんは」うええっ


子ネズミ「Σちゅうううっ!」罠でじたばたっ


皐月「んー。ちんまいから可哀想やけど
アンタも大きなったら やらかすんよなあ

今の内に罠ごと水の中に
子ネズミ「Σぢゅうううう!!!!」ひいいっ


罠どっこらせっ。

 

皐月「恨まんといてな
こういう店は 清潔第一


・・ん?」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 


つつじ「皐月はんが何処にもおらへんのどすーっ!!!」襖すぱーん!

 

粋「お、おう」ご飯ごくんっ

テオドール「あのー。
伝統を大事にする御役者様なら
玄関から入って頂けませんか」

つつじ「Σあ、 すんまへん」

 


白「何処か出掛けてるだけじゃないのか

夜遅くならともかく 何で朝から騒いでるんだ?」味噌汁ずずーっ

 

つつじ「それがっ

こげな怪文書が 芝居小屋の方に置いてあって」手紙ぴらっ

白「バカラス パス。
後 おかわり」

 

彬羽「朝から何杯目だ。

ん?なんだこりゃ 偉く独創的な字だな

 

・・ん?おい 俺の読み違いで無いなら」眉間に皺っ

 

粋「『およめさまは いただきました。』


 Σはああ!?」  

 

 


白「およめさま?

誰の事だ?」はて?

つつじ「Σちっとは流れ読まんかい!!」うがあっ

テオドール「流れ的には 皐月さんの事なので御座いましょうが

お嫁様?」ええー

 


粋「マジかよ。マニアにも程があんだろ
合法ロリに殴り倒されたい変態なんて 他にも居んのかよ」

つつじ「なんでわてをガン見しながら言うねん

言っとくけんど わて別に殴られんのは好きでおへんで。」


彬羽「落ち着け 朝から何言ってんだお前等。」

 

 

白「えーと じゃあこのお嫁様って 皐月の事なのか?」

つつじ「そもそも皐月はんしか 芝居小屋の中におなごおらへん。
休みやから 錠もかけとるしな」むう


粋「と、なると マジか
信じらんねえ」ひええっ

 


彬羽「ん? 錠?

それは内側からか?」

つつじ「どすな。外からのは裏口どすが
そこの錠前は わてと皐月はんくらいしか持っとりまへんえ。
それも中入る時は 中から隙間開けて鍵閉めて

 

ん?」あれっ

 


彬羽「で、皐月が持ってたその鍵は?」

つつじ「店の内側にあったなあ」えええっ

 

 

粋「あの 意味解んねえんだけど。」恐る恐る挙手っ

テオドール「えーと順に考えますと
基本密室で 出入りする際も防犯の為に施錠をしている。

そして皐月さんは拐かされた筈なのに
つつじさんが芝居小屋の中に入る際 鍵は閉まっておられた? みたいに御座いますね

反応を見るに」

つつじ「どすな。」うむ。


粋「Σえ。それって」

 

彬羽「ある意味密室だな。皐月達は どうやって外に出たんだ?」

つつじ「アレどっちも外から開けるんは無理どすえ

手練れの鍵開けとかがおったら別やけんど、
そこまでするから 何で鍵置いてったんや?」ええっ

 

テオドール「密室作ったにしては わざわざ犯行声明残しておりますしねえ。」うーん。

 


白「なあそれ、まだ中に居るんじゃないのか?」

一同「Σえ」

 

 

白「とりあえず 中探してみよう。

居るかもしれない」すたすたっ

つつじ「Σえ。えええ!?」

 

彬羽「だな。始めから外に出ていなければ むしろ疑問は無い  か。」ふむ

テオドール「あの、誰が何でそんな手の込んだ事を?」

彬羽「さあな」すたすたっ

 

 

 

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【再び芝居小屋】

 


粋「中にって 人が隠れられそうな所は もうねえよな?」うーん。

テオドール「衣装の間まで探しましたが 手かがり1つ御座いませんね」ふむ


彬羽「抜け道とかは無いのか?」

つつじ「舞台まわりに多少の仕掛けは有りますえ
けど、外には繋ががっとらへんし
今見てきたけんど誰もおらへんかったわ」むう

 


粋「Σあ、ひょっとしてコレ密室トリックって奴!?
て事は 外から密室を作る 驚きの仕掛けが

 

白「居た。」床ばんっ!!


テオドール「Σ何がで御座いますか!?」
びくっ

 

 


彬羽「ん? ネズミ?」

ネズミ「ちゅっ!ちゅうううっ」じたばたっ


白「お前 皐月を知ってるだろ」

ネズミ「Σちゅうううう!!」じたばたっ

 

粋「Σごめん兄貴意味解んねえ!」

 

 

子ネズミ「かーちゃんを離せっ」ちゅううっ

ネズミ「Σ良いから御逃げ 忠太郎!」ちゅーっ


一同「Σしゃべった!!」

 

 

 

白「離して欲しかったら質問に答えろ」尻尾持ち ぶらーん。

ネズミ「Σぢゅううううっ!?」


子ネズミ「Σあああ母ちゃーん」ひいいっ

 

テオドール「え?まさか本当に?

確かに妖怪とは違いますが、普通のネズミとも違うような」


子ネズミ「おらは 此処等のネズミ達の頭領の息子だ!
ネズミも偉い奴は 学問をして言葉の1つ2つ話せる様になるんだぞ!」ちゅうっ

彬羽「いや 勉強した所で
舌の構造上 不可能だと思うんだが」困惑っ


テオドール「古い血筋故、妖怪に片足突っ込んでは居る様に御座いますね」

 

つつじ「で、アンタ等なんぞ皐月はんと関係あんのか?

まどろっこしいわ。ちゃっちゃと話してんか」刀ちゃきっ

ネズミ「Σぢゅううううっ!!!」じたばたっ


白「落ち着け お前の神速だと俺まで危ない。

おい、ネズミ
あの手紙お前等だな?
よく見たら足跡着いてたぞ」

子ネズミ「だったらどうした」ふんぞり返りっ

 

粋「へ?て事は

皐月を花嫁って
このネズミ達が!?」えええっ

 


ネズミ「忠太郎が罠にかかったのを見て 土下座して見逃してくれ、私が身代わりになるからと頼んだら

他の奴に見つからんようにしいや。と逃がしてくれまして

母子共に あ、嫁この子しか居ねえわとなったんで お迎えしました」

つつじ「なます切りにされたいんか?げっ歯類」刃ちゃきっ!

ネズミ親子「Σぢゅううううっ!!!」ひええっ

 

白「話にならない
バカラス つつじ抑えてろ。

でも嫁って 皐月とお前らじゃ大きさ違いすぎるだろ」むう。

テオドール「で、御座いますよ。
そしてその皐月さんは今どこに?」

 


皐月ネズミ「あっれ?

今度は母ちゃんネズミが捕まっとるやん

ちょい白 おかあさん可哀想やから 降ろしたってなー」てくてくっ

粋「当たり前みたいに出てきた!!」

 

テオドール「見た目ただのネズミなのに このふてぶてしさはどう見ても皐月さ 
皐月「齧って破傷風にさせたろか?」あ?

 


テオドール「」びくびくっ

 


皐月ネズミ「なんでもなー。
ここのネズミ達な 家宝の小槌ての持っててな
それでシャンシャンってやられたら この通りやねん。」

 

子ネズミ「元から人間にしては小柄で可愛い人でしたんで
お似合いです」ちゅーっ

皐月ネズミ「せやろか?「はいっ! なんとも御可愛らしいっ
まるで最初からネズミになる為に生まれて来たかの様です!!」ちゅーっ

 


彬羽「どうどうどうどうっ」

つつじ「Σいちゃいちゃすんな!害獣の分際でっ 」うがああっ!

 


白「ん? お前 まさか
そのままネズミの嫁になる気じゃ無いよな?」

皐月「それがなあ
どないしよ?」


つつじ「Σはああ!?」

 

 

テオドール「え。あの
相手はネズミに御座いますよ?」

皐月「今は私もやしな。
そこは些事やねん」

粋「どの辺が些事?」ええー

 


つつじ「あ、あの皐月はん?
何ふざけてますのん
皐月はんはほらあのっ」


皐月ネズミ「あのな。
私な ネズミの世界ではめっさセクシーらしいねん」

粋・テオドール「Σえ゛」

 

皐月ネズミ「うん。それ以上言うたら 齧るでホンマ」

 

 

白「女としては やっぱそう言うの大事なのか?」

皐月ネズミ「仮にアンタがあっきー並の身長や言われるの想像してみ?」

 

 

白「俺もネズミになろうかな」ふっ


粋「Σ兄貴! 仮に!仮にの話だからっ!!」

テオドール「気を御確かに!
対比物の彬羽さんがクッソでかいだけて あなた様はそこそこ平均身長に御座います!!」ひええっ

 


つつじ「皐月はん!

ネズミになんぞならんでも
わてはありのままの皐月はんの 凹凸の少ないんもそれはそれで

Σぐぼはっ!
皐月ネズミ「Σおどれのそれが1番ムカつくんじゃあ!!」きしゃああっ

 

テオドール「Σうおおあの体格差で 見事なアッパーカット!」

粋「Σつつじ生きてっかおい!!
お前の筋力どうなってんだ!」ひええっ

 

 

子ネズミ「それだけではないぞ
我が家はネズミ1族の名家」ちゅうっ


皐月ネズミ「せやで、ネズミやけどな

ここの家に嫁いだら 三食餅食べれて大判小判で 一生左うちわ確定やねん。」どやっ

彬羽「どんなネズミだ」

 

ネズミ「こんなネズミです。
あの、説明したんで そろそろ離してくれませんか?」

白「あ、忘れてた」

 

母ネズミちょろろっ

 


皐月ネズミ「ちゅー事でな

私はネズミの嫁になるわ。
そしたら もう変態に付きまとわれんで済むしな」ふんっ

つつじ「Σえ。ちょ 皐月はん!?」

 

ネズミ「普段からちゅーちゅー言われてるんで 我が家にぴったりですねえ

素敵な花嫁衣装用意しましょう」ちゅーっ

皐月ネズミ「ちゅーか。ただの関西弁やけどな」

ネズミ「うん。やはり ネズミの嫁になる為に生まれて来たような人だ」ほくほくっ

 

つつじ「Σちょ 待ちい!皐月はん!?」えええっ

 

ぴた。

 

皐月ネズミ「アンタに 私のどこがそげにええん?」じろっ

つつじ「Σえ」

 

一同(言われてみれば
何処がそんなにいいんだろう。)ふむ

 


つつじ(Σえ。凹凸はアカンのやろ
て事はちんまくてかわええ いや誰がチビやボケえ!と腹に一撃食らうんがオチどすっ
え?え? じゃあ内面?
ドケチで攻撃的で言葉より拳で語る男前 アカン!死亡フラグ立つわ!!)悶々っ

 

 


皐月ネズミ「やっぱ ただの変態か

ほな、さいなら」すたすたっ

つつじ「Σああっ!ちょ

あああ壁の裏っ側に!」どんどんっ!

 

彬羽「落ち着け 壁が壊れるぞ」

 

白「で、あの皐月のどこがそんなに良いんだ?」真顔っ

粋「Σ言ってる場合かよ!」

 

 

つつじ「全部!!!」くわっ!

テオドール「なーんでそれを さっき言わないで御座いますか」


つつじ「だって なんや

あざといやん!!」ううっ

 

 

白「お前 器用そうに見えて
ちょいちょいダメダメだよな。」

テオドール「で、どうするので御座いますか?

皐月さんのやりくり能力がなくば この芝居小屋も潰れると思われますが」

 

粋「論点そこ?」

テオドール「ご本人の意思に御座いますし」

 


彬羽「潰れると言うか
そもそもこれじゃ 実質座長のつつじが使い物になはんだろ」

つつじ「・・・」さめざめっ


粋「Σ凄い静かにボロ泣きしてる!」ひいっ

 

 


白「仕方ない
煙で燻し出して捕まえて もう1回話すか

挿音に煙玉貰ってこよう」すたすたっ

テオドール「説得って何で御座いますかねえ」てくてくっ

 


彬羽「ほれ お前も一緒に来い。
ここに置いておくと何するか解らんしな」よいせっ

つつじ「ううう。皐月はーん」しくしく


粋「あの 180センチを軽々首根っこ掴んで持つの やめねえ?」ひええっ

 

 

 

 

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ーーーーー

 

 


九尾「おんや?
最悪 生意気なネズミ共を脅せと言われて来たんじゃがの」こんっ

 


皐月「とことん私の意思 ガン無視か」けっ

九尾「勝手に元に戻っとるのう
何があったのじゃ」

 


皐月「性格の不一致。」
九尾「Σはいい!?」こーん!

 

皐月「なんかな
金持ちなんは解るで?
けど、計算とかせんで 欲しいのどーんと買って釣りは要らねえよ みたいの嫌いやねん

小銭を大事にせな その内蓄えなんか無くなるでー。言うとんのに
あのお気楽ネズミ共 話聞かへんでストレス溜まってなあ

婚姻前に三くだり半突き付けたった」けっ

 

九尾「・・根っから 商人よなあ」引。

皐月「私には ちまちま小銭数えとんのが似合っとるわ
ったく 染みっ垂れた話やで」ちっ

 

 

粋「だとよ。」

テオドール「今度はヘマ等しませぬ様に。」

つつじ「解っとる!」ずいっ


皐月「ん?」

 


つつじ「皐月はん

わてこの店を今以上に繁盛させて  左うちわで暮らせる様に頑張りますえっ!
せやから2度とネズミの嫁なんぞに

 

皐月「いやその左うちわが嫌や言うとるやろ。
そもそもそう言う話ちゃうわボケ」けっ

 

つつじ「・・へ?」あれっ

 

 

 

粋「へ?

あの どういう問題?」ひそっ

白「さあ?」

彬羽「女ってのは 難しいもんだな」うーん。

 

 


テオドール「共に小銭数えて生きましょう  が正解では御座いませんかね」ぼそっ。

 

一同「Σ!」あっ


テオドール「え。マジで御座いますか」わお

 

 

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