小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月10日

 

 

【常春の里】

 

夕霧「なんかさー外で気分悪い物見つけちゃったんだけど」むっすー。

 


旭「お前 前やらかしたから外出許可出さねえと里から出られねんじゃなかった?」

夕霧「Σあっ!」しまった

 


朔日「で、どれかな 気分悪い物ってのは
あ、この本か」ひょいっ

夕霧「Σぎゃあああ!出たあああ!!」冷や汗ぶわっ!

 


朔日「えーと。こう言う分厚いのは後ろから読んだ方が早

あー 成る程。このオチが不快か
いや若いね」ページぺらぺらっ

 


夕霧(え?え? 僕思いっきり外出ルール破ったけど ドゴーン!て来ない!?) びくびくっ

旭(今は興味が本に行ってるから大丈夫じゃね?) ひそっ

夕霧(Σうちの王サマすっげえ適当!
知ってたけど!!)

 


朔日「成る程ねえ。箱庭論か

お前はこれが 何かおかしく見えるのかな?」

夕霧「へ?

えっと いや誰かの思い通りに作られて 
その中で生まれて死んでくのを、外からのほほんと観察されてるって なんか嫌だなって」えーと。

 

朔日「お前ね 古の神の末裔たる自覚は有るのかな?

お前達の御先祖が作った世界だよ此処は」さらりっ


夕霧「へ? Σあっ!」はっ

 

 

朔日「ゆえに今更なんだよ。
代を追う毎に 私達の一族は『中』に馴染んで弱くなって来たけどね

お前もその辺は忘れない方が良いよ」すたすたっ

 

 


夕霧「え?なに?
まさかマジでこの世は箱庭って事?
この外で 化け物みたいな『神様』が見てるって事ないよね?」冷や汗っ

旭「つーか。これ
最後の方軽く読んだけど 人生の全てが『神様』の台本通りとか有るんだけど」ページぱららっ

 

 

夕霧「・・Σえ?待って待って待って」冷や汗だらだらっ

 

旭(つか あの王サマ。
今 『お前達の御先祖』って言ったよな?

他人事感半端無くなかったか?) 

 

 

 

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【芝居小屋 楽屋】

 


粋「ーーって事で ここの芝居小屋のトップが2人居んのは 
役割上必要だからなんだよなー」

テオドール「人気を二分されてるとか そんなのだと思っておりました」へー。

 


つつじ「いや 実際キッチリ二分しとるからな?
そこは忘れんといておくれやす」

粋「あとコイツ
仕事絡むと怖えから 口にはマジで気を付けろよ」

つつじ「お宅のお兄はんの芸風が派手なおかげで わて劣っとると思うとる人も少なないねん」けっ

 

テオドール(芸能人は大変に御座いますねえ)

 


彬羽「舞台上の物は どれだけ上手く出来ていても 全部『嘘』だ。

しかし客はその良く出来た嘘を見に来る。
嘘と知りつつ本当で有る様に感じる為にな」

皐月「あっきーに台本頼んでから クオリティ上がったて評判ええで。
助かるわー」にこにこっ

 


白「で。今度の演目って 何なんだ?」

彬羽「『新説・猿蟹合戦』。」

 


つつじ「Σぎゃっ!茶ぁ吹くんやないわ汚っ!」ひいっ

粋「Σいやなんで猿蟹合戦!?
何!?一二三の影響!?」げっほごほっ

 


彬羽「言っとくが そのままシナリオにするんじゃねえぞ?

大筋は猿蟹合戦をモチーフに 人同士のあれやこれやに置き換えて再構築してだ
もちろんオチはお伽噺のままじゃつまらんので 一捻り加えたが」えーと。


粋「Σ思ったより高度だった!!」おおっ

皐月「猿蟹合戦そのまんまやったらさすがにお客さん引くやろ」

 


テオドール「えーとこの場合

仇討ち物で お世話になった柿崎さんとかの敵で有る 猿山さんを追う蟹江さん御一行 的な?」

彬羽「方向的には有ってるな」うむ。

皐月(Σやば 奥で読んでこよ) そそくさっ 

 

 

テオドール「成る程 フィクションを更にフィクションに。
ぶっ飛んでおられますねえ」ほうほう


つつじ「せやで 舞台の上はぶっ飛んだ『嘘』の世界や

せやから お客はんを抵抗無くその世界に馴染ませる橋渡しの主演。
その嘘の世界で軸になって好き放題動き回る もう片方の主演が必要なんどす

どっちが上とかありまへんのえ」にこにこっ

 

粋「Σとか言ってる間に幕開く時間!
ほい主演組スタンバイ」ほれほれっ

 

 

テオドール「そんな役目分けがあったので御座いますね
今回は気をつけて観覧させて頂きます」よしっ!

彬羽(今後の台本の参考に見ていくか) ふむ。

 

 

 


蒼月「やほー。そろそろ幕開くよね?
今仲良い店の子が 此処の常連らしくてさー

話合わせたいから 役者の身内割って事でこっちから見せ

皐月「あんたは普通に金払って見んかい」

 

彬羽「観覧する以上金は払わないとな」受付にすたすたっ

テオドール「Σうっ! 現金で御座いますかっ」財布の中身ひいふうみいっ


粋「お前は一応スタッフだし その辺良くね?」

皐月「つかあっきーも関係者やろ
払わんでええでー?」おーい。

 

 

蒼月「なんで俺は駄目なの?」ちぇー

つつじ「動機がムカつくからどす
ほれそこ退かなたたっ斬るで」イラッ

 

 

 

間。

 

 


皐月「結局払ったったん?甘いわ」うわー。


彬羽「コイツは ほっといた方が面倒臭いしな」憮然っ

蒼月「ふーん。

なんだ 演目は結構真面目なんだね
結構つまんない」あくびっ

皐月「叩き出そか?「ごめんなさい」

 


テオドール「しかし 確かに
つつじさんが観客側と舞台の中間のような、状況が解る様に説明入れつつ

あ、これストーリーテラーなので御座いますね」成る程っ


粋「そうそう。
んで、兄貴がその物語の中の主軸と

こうすりゃ初見さんでも この演目初めてでも解りやすいだろ?」

テオドール「よく考えられておられますねえ」ほうほうっ

 

 

彬羽「基本は娯楽だからな
楽しめなきゃ意味がない」

蒼月(俺 落語とかのが良いけど
言ったらぶん殴られそう) うーん。

 


皐月「お客さん等はわざわざ夢見に来てくれとんのや
そこは全力で 現の夢見て貰わんと

 

ん?なんや 表の方騒がしいな」あれっ

 

 


見習い「たたた大変です!
この前潰れた隣町の芝居小屋の奴がっ!」


隣町の元座長「こっちばっか繁盛しててムカつくんじゃー!
お前等も此処まで落ちてこい!!」袋ぶんまわしうおおっ


皐月「Σちょ何ばらまいて Σぎゃっネズミ!?」


ネズミ軍団「ちゅーちゅーちゅーーー!!」 わらわらわらわらっ


粋「Σうっおわらわらキショい!!」ひいいっ

 

 

 

お客A「Σぎゃっネズミ!?」ひいいっ

お客B「Σぎゃーぎゃーー!!!」うわああっ!!

 


粋「Σやっべ パニックだ!
こらオッサン八つ当たりも

テオドール「堕ちるなら地獄でも何処でも1人で堕ちなさいっ!!」

聖書のカドでがっすんがっすん!

隣町の元座長「Σごふっ!げふふううっ!!」かはっ

 

粋「Σうおお見てて痛い!!」ひいっ

 

 

皐月「よし。アホは仕留めた。
お客さん等いや先にネズミどうにかせんと」ちっ

 


彬羽「よし蒼月

ネズミと観客。まとめて幻見せろ」

蒼月「Σは これ全部にやれっての!?
眼精疲労起こしちゃうだろ!?」えええっ

彬羽「そうか。なら さっきの肩代わりした金今すぐ返せ」

蒼月「Σえ。だってあれは「返さなくて良いとは言ってない
それとも『保護者』に請求書突き付けるか?」


蒼月「Σだああやめろ!今月請求書多すぎてジジイ怖いんだからっ

解ったよ!やれば良いんだろ 呪われろバカラス!!」蛇眼くわっ!

 

 

 


つつじ「?

なんや お客はん等偉い静かに?」おや?

白「蒼月の蛇眼だ
あれ 化け物として各上には効かないから」うん。

つつじ「Σえ。わて 分類化け物なん!?」えええっ

 

 


間。

 

 

 

客A「いやー 今回のは凄かったねえ」

客B「ね。途中 のめり込み過ぎて変な幻覚見えたかと思ったよ」あははっ

 

 

一同(がっつり幻覚だしな。)ああうん。

 

 


皐月「お疲れさん。
蒸し手拭い追加要るか?」

蒼月「手拭いより愛が欲し「放置しといて良さそうやな」ああはいはい。

 


粋「しっかし 俺等がネズミ片付けてる間も普通に演目進めるって、兄貴等メンタルどうなってんだよ」うええ

彬羽「他の演者の奴等は蛇眼にかかってから解らんでもないが」

 

つつじ「そら プロやしなあ」のほほーん。

白「だな。
騙されに来てるなら 全力で騙して騙し切らなきゃ失礼だろ」けろっ

 

 

粋「・・俺 やっぱまだまだ見習いだわ」ああうん。

 

皐月「トラブルごときで 途中で夢から覚まさせたら三流言うこっちゃな」うんうんっ

蒼月「アレ ごときなの? ねえ?」ええー。

 

 

 

 

 

 


朔日( 物凄っい駄目出しされてる気がする 。) うーん。


翡翠「また千里眼で覗きですか?

悪趣味ですので程ほどになさって下さい」ほんとにもー。

 


朔日「・・私は三流なのだろうかね?」真面目っ

翡翠「Σまた何見てたんですか!?」えええっ

 

 

 

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