小咄

小咄

くろねこ太郎の落書き部屋 小咄ページです

5月12日

 

 


【幕府公営診療所】

 

 

飛天「・・あれっ?」ぴた。


ダミアン「どうした飛天殿

Σん? 待てい!何故に血液瓶にサタン様の名前が書いてある!」


飛天「あー。うん

実はその、西洋の魔王の血ってどんな成分してるのかなーって。
ほら、東の魔王の血は テオの餌にするからしょっちゅう見てるしでその」えーと。

 


ダミアン「まさか 知的好奇心なんぞを満たす為に 
西の大魔王に血をくれと頼んだのか」おい。

 

飛天「ダメ元だったけど 『あ。いいよー』ってめちゃ軽いノリでくれたよ
初対面だったのに いい人だな 西の魔王。」うん。

ダミアン「Σ非常識過ぎて最早断れんわそんなの!!」

 


飛天「そっかな?
健康の為に血液検査しときまーす。って言ったら結構向こうも喜んでたけど?」

ダミアン「くっ!仕事は出来るから厄介な

 

で、何をそんな驚いて居たのだ?

多少数値がおかしくても
あの方だぞ、問題なかろう」

 

 

飛天「あー うん。
ちょっとコレステロール値が物凄くて」目そらしっ

ダミアン「いやそれは問題だな
と言うかバレバレであるぞ

なんだ?不健康極まり無いとかなら 早めに本人に注意すべきでは」カルテがさっ

飛天「Σえ、うわ いつのまに!」

 


ダミアン「吸血鬼の速さをなめて貰っては困るぞ

 

・・ん?
なんだ この血液タイプ、何処かでソックリなのを見たような」んんっ?

飛天「Σあああ!うちの事務が有能過ぎる!!」ひええっ

 

 

 

ダミアン「・・・ Σまさか


そう言う事か」冷や汗ぶわっ


飛天「うわ。医者には守秘義務があるのに」ううっ

ダミアン「Σいや態度でバレバレだ!
芝居小屋の奴等に演技でも教えて貰ってくれ!

 

てか どうするんだコレ!
私こんなの知りたくなかったぞ!!」ひええっ

 

 

サタン「やあ カラス医者君。

血液検査の結果どうだった?
私不摂生の極みみたいな生活してるから 不安でさー。」襖すぱーん!


飛天・ダミアン「Σわーーーっ!!!!」ぎくううっ

 

 

スケープ「サタン様、ノックをお忘れなく」

サタン「あ。これは失礼

そんな驚いた?」おや。

 

飛天「べべべべ別に!?」

サタン「?

私、不治の病にでもかかってたのかな?」おや。

ダミアン「Σいいいいえそう言う事ではなくっ!」あわあわっ

 

 


白「ん?これが検査結果なのか?」ぴらっ

飛天・ダミアン「Σ!!!」


粋「うわ。読めねえ
なんでこう言うのって外国語で書くんだよ」うえー。

 


飛天「守秘義務 だな。」にやっ

粋「そっか。
頭から水被ったみたいな汗びっしょりだけど 大丈夫かよ」なあ。

 


サタン「ああ、西洋医学を使う医者は 日本でもドイツ語でカルテを書くんだよね

確かに普通の日本人は ドイツ語読めないから 秘密が護られるね」ふむ。

 


テオドール「ドイツ語 に御座いますか。」ほう。


飛天・ダミアン「Σあ」

 


白「ん? テオ どうしたんだ?」あれっ

 

 


テオドール「・・・・・。」ちらっ

サタン「ん?」

 

テオドール「・・・・。」そっとカルテ置き。

 


粋「え? 何?」へ?へ?

 

 

襖ぱたん。

すたすたすたすた

 

 

 


スケープ「あ。 カルテに
『これ親子じゃね?』とか解りやすい落書きが。」

サタン「Σげ」

 

 

ダミアン「何故にカルテに気軽に心情書き込んでしまうのだアンタは!!!」うがあっ

飛天「Σデータはデータだろ!?
ビビり過ぎて 文字にでもして吐き出さないとやってらんなかったのー!!」やけくそっ

 

 

ダミアン「私の態度が不自然だったせいで ややこしい事にっ!

くっ こうなれば

日本に骨を埋めると誓った吸血鬼として 潔く腹を切って詫び
白「それただの自己満足だから やめとけ。
誰が片付けると思ってるんだ。」


ダミアン「Σ償いすら許されない!!」灰ざらっ

 

彬羽「また とんでもない所でバレた物だな。」困惑っ

粋「あの、カラス?
え? テオとサタンが親子って」混乱っ


彬羽「いや 気付く所は結構あったぞ?」

粋「Σマジなのかよおおお!!!」えええっ

 


サタン「・・・あの子、日本に来て逞しくはなったけど
やっぱ あの年頃に これはキッツイよね?」冷や汗っ

スケープ「まあ、複雑な御年頃ですからなあ」うむ。

 


白「早めに親父が直に教えてやれば良かったのに」ボソッ

サタン「Σぐ」ぐさりっ

 


彬羽「他所の家の事に口を挟むな。

思った事は脳を通さず口から出る魔王ですまん。」

スケープ「いえ。正論です」きっぱり。

 


飛天「あのヤギ 容赦ないなあ」うわあ。

サタン「お付きでは有っても 部下でも無いしね」よろろっ

粋「Σえ?そうなの!?」

 

ダミアン「テオドールは大丈夫であろうか

や、やはり1人にしておくべきなのだろうなっ」おろおろうろうろっ

 

 

 

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【其処らの茶屋】

 

テオドール「国に居る間、傍に置いときながら
なーんにも言わなかった辺り 

やっぱ不義の子とか
そんなんで御座いましょうかね」けっ。

朔日「決めつけるのは早計じゃないかなあ。」うーん。

 


テオドール「あなたは他人事だから そう言えるので御座いますよ 
普通に考えたらそれしか無いで御座いましょうが、
通りすがりの方。」むすーっ

朔日「通りすがりの人に よくそこまで身内のゴタゴタ暴露出来るねえ。」

 

テオドール「知らない人だから 言える事も御座います」

 


朔日「なる程。
知人に愚痴ると 後々面倒って奴か

しかし、随分と人懐っこくなった物だねえ」


テオドール「ん?


まさか 貴方、あのクソ親父の手の者に御座いますか?」ああんっ?

朔日「うっわ。一気にグレた。

違う違う
昔一緒に悪さはしたけど、今はむしろ顔合わせたら 命の取り合いになるってそう言う間柄だよ」どうどうっ

 

 

テオドール(ん?
ひょっとして 
ただの知人より 万倍ヤバい人にド偉い話を暴露してしまったのでは。)

 

朔日「いや心配いらないよ。
元から全部知ってるし」しれっ


テオドール「元から?

とは どこら辺の事に御座いますか?」

朔日「んー。
どっちにしろ 嫌われてるから良いか

じゃあちょっと昔話をしようか」にこっ。

 

テオドール「へ? あ、はい。」えーと。

 


朔日「では むかーし昔のお話です。

西洋が まだ天の者と地の者の天下だった頃のお話」


テオドール(そう言えば 昔は 聖と魔がいがみ合い。
人は狭間で振り回されてるだけの生き物で有ったと
スケープさんも仰ってましたねえ。)ふむ。

 

 


朔日「とてもとても真面目で 天の者達から一目置かれる者が居ました。

彼は 聖なる者達の模範で有り、
その教えに従い 沢山の魔の者を刈り 英雄と称えられました。」


テオドール(誰の事かは想像がつきまして御座いますが

なんとも人間の歴史の模倣みたいに御座いますねえ。)

 


朔日「しかし、彼はある日 ある魔の者を逃してしまいます。

自分とは正反対の 自由で奔放で
誰かの意見ではなく 己の意思で生きる『邪悪な』 其れを彼は刈り取る事が出来ませんでした」

テオドール「ん?」

 

 

朔日「はい。お察し

それが君の母上でーす」へらっ

テオドール「なんてノリで人の両親の馴れ初め語ってくれてんで御座いますか。」おい

 


朔日「この手の話って真面目にやると居心地悪いでしょ?

で、 なんやかんやで2人はどんどん親密になるんたまけどねえ」遠い目っ

テオドール「なんやかんや早い早い 展開着いてけないので御座いますけど」困惑っ

 

朔日「悪友の甘ったるい話とか こっちもキツいんだよ。察して、スルーして。

でもって、それはその内 聖なる者達も知る事になるよね
もちろん 彼は糾弾されたねえ」

 


テオドール「・・はあ、そうなるで御座いましょうね」

 


朔日「で、穢れを嫌う彼等は どうしたと思う?」

 

テオドール「へ?

えーと。普通に考えたら
強制的に別れさせる  とか?」えっと。


朔日「それなら良かったんだけどね

彼等は徹底的に『自分達が正義。』である事を望む

故に 正しき聖なる生き物達は
彼女を消し去る事で『同胞を誑かした悪』を消し去り浄める事にしたんだよ。」

テオドール「Σはああ!?」

 

 

朔日「生き物は 自分が正しいと思っていれば何でも出来るからねえ。

その行為に疑問は持たなかったんだろう
妻を奪われた 彼以外はね」やれやれっ

 

テオドール「え?あの 
つまりそれは」冷や汗っ

 

朔日「うん、だから  唯一それを善しとしなかった君の父は 自ら魔に堕ちる事にしたんだよ。

一部始終を見ていた 高位の悪魔、黒ヤギと契約してね」

 

 

テオドール「Σ黒ヤギ!?」えええっ

朔日「うん。君もよく知ってる彼だよ。
だから たまーに凄く強いでしょ?」

 

テオドール「た、確かに

え?待って下さい
そのタイミングで、母上が亡くなってるのなら 
私はいったい何処から?」

 

朔日「なんでも 赤ん坊の泣き声がするから棺桶開けたら出てきたらしいよ?」

テオドール「Σ何処のゲゲゲに御座いますか!?」

朔日「母上も、強い吸血鬼だったからなあ。

そこは最後の生命力じゃない?
後 愛と根性。」

テオドール「Σさっきから言い方のせいで 全く感動出来ないので御座いますけど!!」ああもうっ

 


朔日「湿っぽいより良いじゃないか」団子もぐもぐっ

 

 

テオドール(我が主以上にマイペースな方は 初めてやもしれません。

てか、この方 いったい。)

 

朔日「まあ何だ、

悩める年頃かもしれないけど

君が主様の血液を使って変化した時、あの姿は言うのに 時々獣体ぽくもなるよね?

アレは父君の契約した悪魔の影響だ。
今の話の 何か1つ欠けていたら 今の君は無いんだよね」


テオドール「はあ。

・・ん? サタン様の古い知り合いとは聞きましたが
何故に最近の私の事まで御存じで?」

 


朔日「お? 天然の癖に
辺に細かいのは 父親似かな?」団子ごくんっ

 

 

 


白「テオに何の用だ?」


朔日「おや。見つかった」

 

 

熱風ごうっ!!!


粋「Σうおお!なに!?
兄貴 何と喧嘩してんの!?」ひえっ

茶屋の親父「Σひいいい!!」すたこらっ

 

 


サタン「また面倒なのが 面倒な時に」ちいっ

スケープ「どう致しますかな?」


サタン「場合に寄っては此処で決着かな」6枚羽ばさあっ!

 


テオドール「あーいえ。
此処は錯乱して変なのに相談してしまった 私の責任に御座います故。」

コウモリ羽ばさあっ!

 

 

サタン「Σテオドール!」ぎくうっ

テオドール「まあ 考えてみれば
吸血鬼に『日輪』の名が着いて居たり
身寄りの無いガキを 魔王様が引き取ったり 変な事しか御座いませんでしたしね

そこそこ納得致しました。」ばっさばさっ

 


スケープ「それでも そこそこなんですな。」

テオドール「名乗ってくだされば 寂しい幼児期も無かったかも とか愚痴はつきません故。」ふっ

サタン「Σぐ」

 

彬羽「すまん。相手が相手なんで 家族会議は後にしてくれんか」

 

 

粋「相手って?

Σあ! あいつ 前にも見た!!
なんか昔兄貴となんか有ったらしい奴!!」


テオドール「我が主とも揉めてるので御座いますか?

どんだけ人付き合いの下手な。
まあ、それなら 色々教えて頂きましたが 私の敵で御座いますねえ。」鎌じゃきんっ!

 

 

スケープ「うっわ。何処かで見た 自分本意な迄の自由奔放さ」

彬羽(テオの母親は 相当無茶苦茶な女だったんだな) 察し。

 

 


朔日「いや ごめんごめん

悩める若人を放っては置けなくて ってコラ話を聞こうよ

まだ決着つける時じゃ無いんだから。」ひょいっ


白「じゃあ何しに来た」炎ぼぼぼぼぼっ!


朔日「暇潰し?

相変わらず 普段はそこそこ友好的なのに
周りにちょっかい出すと怖い Σうわ。」


ちょりっ!!

 

 


テオドール「ち。外しまして御座います!」ずざざざっ!

 

 

 

朔日「毛先2ミリ持ってかれた
酷いなあ」あーあ。


テオドール「あー こりゃムカつきまして御座います」イラっ

サタン「だろう?」ふっ

 

 


朔日「おや。親子仲直りかな?

タッグで来る?」ふふんっ

 

テオドール「いえ。必要御座いません!」ひゅんっ


朔日「お。吸血鬼の高速移動

Σん!?」

 


どがっ!

ずざざざざっ!!

 

スケープ「ほう。あれを吹き飛ばした」おおっ

 

朔日「ふむ。
ルーツを知って 能力の使い方を知ったと

そうでなくては。」腕じんじんっ

 

粋「Σ鎌受けて 傷1つねえ!!」ええっ

 

 

 

彬羽「調子こいとるんで念の為言っとくが

後ろの奴は 縄張り内の下僕に何ぞあれば 問答無用で其処ら一帯毎 手前を焼き尽くすぞ」

 

朔日「うん。だねえ
私が反撃したらやる気満々だね。殺気が痛い

さすがに怪我するだろし 此処等で失礼するかね」

 


突風ごうっ!!


粋「Σうわっ!?」

 

 

 

スケープ「おや 相変わらず逃げ足の速い」

 

こつぜんっ。

 

粋「Σ色んな意味でついてけない!

何事なんだよ!!」

 

 

 

 

白「相変わらずの格好つけめ。」けっ

彬羽(コイツもコイツで何が有ったんだ。)

 

 


サタン「えーと。その

こう、お前から母親を奪ったのは私って事でその
言いにくくて  

ってさっきから気になってたんだけど 何かなソレ。

私にそんなパーツ無いんだけど?」

テオドール「さあ?
成る程 ハーフバンパイアなら そりゃ血液以外も食らえまして御座いますよね。とか 
色々納得してたら 生えまして御座います」

ヤギの巻きツノにょきっ。

 

 


ぼんっ!!


テオドール「あ。血の効果が切れまして御座いますね。
ツノも御座いません」頭ぺたぺたっ


粋「兄貴の血の効果がある間はテオもツノあんのか

ややこしいなあ。」うーん。


テオドール「Σ我が主とお揃い!?」ぱああっ

 

白「お前 もの凄いややこしい状態のに元気だな。」

テオドール「まあそこは

・・今すぐ その、父上とは呼びにくい物は御座いますがね。」こほんっ

 

サタン「泣いて良いかな?」じーん。

 

 

スケープ「つまり
血液でドーピングすれば姿が変わるくらい
テオドール殿には私の因子も入っていると

つまりは私もパパですな。」はっはっは


粋・サタン・テオドール「Σぶち壊しにも程がある!!!」

 

 

 


彬羽「ん?
結果として テオは悪魔の能力を手に入れたわけだが

あの さっきのあいつは何をしたかったんだ?」


白「俺の方の戦力増やしたかったんじゃないのか?」ちっ

彬羽「は?何故にだ?」

 

 


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー

 

 


翡翠「また 里を抜け出して何をされて来たのですか!!」くわっ


朔日「いや。ちょっと散歩してたら 落ち葉で滑って転んじゃって」苦笑

翡翠「Σなんと危険な!
ああ 薄皮1枚切れてらっしゃる

失礼 消毒致します!!」

 

朔日「はははは痛い痛い痛い痛い。」

 

 

夕霧「何してんだよ うちの王様は。」ほんとにもー

旭「滑って転んだって
マジだろなあ。

もし、誰かに怪我させられたってんなら大事 いやねえか。

そんなん出来る奴がそうそう居るわきゃねえしなあ」うん。

夕霧「そりゃ僕でも 手も足も出ない化け物だからね」ふっ

 

 


夕霧・旭「落ち葉強えな。」

朔日「そこは納得するんだね お前達。」包帯ぐるぐるぐっちゃり

 

 

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